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AIコーディングとエンジニアリングの現在地 / A Snapshot of AI Coding...

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September 25, 2025

AIコーディングとエンジニアリングの現在地 / A Snapshot of AI Coding and Engineering(Sept. 2025)

名古屋工業大学プログラミング部 C0deの皆さん向けに発表した内容です。

リンク
■ エンジニアリングマネージャーお悩み相談室 日々の課題を解決するための17のアドバイス
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798189840

■ エンジニアリングマネージャーのロードマップ
https://hirokidaichi.github.io/presentation/emconf.html

■ AI Was Supposed to Help Juniors Shine. Why Does It Mostly Make Seniors Stronger?
https://elma.dev/notes/ai-makes-seniors-stronger/

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September 25, 2025
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Transcript

  1. 2 © LayerX Inc. 📝 本⽇のおしながき - ⾃⼰紹介‧会社紹介 - LayerXにおけるAI活⽤‧AIコーディングの変遷

    - AIと⼈間の役割分担の未来 - こんな新卒エンジニアが活躍しています
  2. 4 © LayerX Inc. 新多真琴(あらたま)@ar_tama 🏢 株式会社LayerX バクラク事業部 EM 💻

    エンジニア‧マネージャー‧CTOなどを経験 📕 エンジニアリングマネージャーお悩み相談室 ⽇々の課題を解決するための17のアドバイス 🎨 プログラミングとの出会いはクリエイティブ‧ コーディング ⾃⼰紹介
  3. 7 © LayerX Inc. 会社紹介 バクラク事業 企業活動のインフラとなる業務を 効率化するクラウドサービス Fintech事業 ソフトウェアを駆使したアセットマネジ

    メント‧証券事業を合弁会社にて展開 AI‧LLM事業 社内のナレッジやノウハウをデータ ベース化するAIプラットフォーム AI SaaSドメイン AI DXドメイン 3つの事業で「なくせない業務」を「⾃動運転」させています
  4. 9 © LayerX Inc. LayerXとAI‧AIコーディング • 2022 ◦ GitHub Copilot等によるコーディング補完を利⽤

    ◦ ChatGPTすげー!とひとしきり盛り上がり、使い倒す 💁アシスタントとしてのAI • 2023 ◦ 4⽉、AI‧LLM Labが始動(LLMという技術を理解し、事業を⽣み出すチーム) ◦ 年末ごろにかけてCursorがじわじわ流⾏ 🚗 助⼿席にAIが乗ってきた • 2024 ◦ エンジニア(‧PdM‧デザイナー)がCursorを使って開発するように ◦ Devin, Cline, Rooが流⾏しはじめる 🚗 運転席にAIが座るようになった • 2025 ◦ n8nなどのAIツールを使って社内業務が続々効率化されるように ◦ 5⽉、Claude Codeが社内を席巻 🏎 定額でかっ⾶ばせるようになった LayerXにおけるAI活⽤‧AIコーディングの変遷
  5. 10 © LayerX Inc. 流れ早すぎ〜 • 載せていないAIツールもたくさん使っている‧使っていた ◦ 載せているものでも、Roo, Clineはほとんど使われなくなってしまった

    ◦ ⾃分たちで作っているAIツール‧エージェントもたくさんある • 追いつくのが⼤変→みんなで⼿分けしてキャッチアップ ◦ 実態としては「⾯⽩がって試した⼈を中⼼に広まっていく」スタイル ◦ 詰まったらみんなで解決 ◦ 活⽤⽅法を積極的に社内外にシェアする⽂化がある • つまり、コミュニティはいいぞ!ってこと 🤝 ◦ みんなにはC0deがある! LayerXにおけるAI活⽤‧AIコーディングの変遷
  6. 12 © LayerX Inc. エンジニアリングは、「分からない」を「分かる」にするお仕事 • ユーザーは誰か?市場はどこか? • 何の価値を届けたら、ユーザーは対価を⽀払ってくれるか? •

    いつまでに届けられたら価値を最⼤化できる or リスクを最⼩化できるか? • 価値を形にするための機能は何か? • 機能は将来どのように変化しうるか? • 価値が早くロスなく、今も将来も届け続けられるような作り⽅は? ◦ これが狭義のアーキテクチャ(設計フェーズと呼ばれるようなもの) 以降、コードの⼀⾏に⾄るまで、無数の「分からない」を「分かる」にしていく AIと⼈間の役割分担の未来
  7. 15 © LayerX Inc. とはいえAIは「知の⾼速道路」を駆け抜ける武器にもなる AIと⼈間の役割分担の未来 • これまでと⽐べて、効率よく学習‧習熟することができる ◦ OSSのコードをAIと⼀緒に読む

    ◦ 「なぜ作るのか」の理解をAIに助けてもらう ◦ 実装にあたっての選択肢を⼀緒に広げる、Pros/Consを出す • コーディングスキルは不要にはならない • ⽬的によってAIが運転席‧助⼿席のどちらに座るのがよいかを考えながら学 習を進める必要はある
  8. 16 © LayerX Inc. LayerXの新卒たちの様⼦は… • なんにでも好奇⼼を持って深掘りするのが得意な⼈ • ⼈⼀倍責任感を持って、プロダクトの品質を守り抜く⼈ •

    チーム内で落ちているボールを⾒つけて、積極的に拾う⼈ • 特定領域にディープダイブして、「◯◯ならこの⼈」を確⽴した⼈ • 中途社員でも難易度が⾼く感じるような機能を⼀⼈で作りきった⼈ • 登壇やブログでの発信が、続々と次の登壇機会につながった⼈ こんな新卒エンジニアが活躍しています
  9. 17 © LayerX Inc. みなさん、とにかく成⻑が速い なぜかというと、成⻑スピードはチャレンジの回数 x 経験の質で決まるから • チャレンジ回数:成⻑している事業では、新しいチャンスがどんどん増える

    ◦ 打席が埋まるスピードより、増えるスピードのほうが速い ◦ 若⼿がどんどん挑戦できる環境‧⽂化 • 経験の質:振り返りのサイクルが⾝につくと、1から10を学べるようになる ◦ 振り返る余裕がないと、「闇雲にバットを振っているだけ」になってしまう ◦ ヒットが出ても、まぐれ当たりなのかいつでも当てられるのかが分からない こんな新卒エンジニアが活躍しています
  10. 19 © LayerX Inc. 私が思う、学⽣のうちにやっておけるといいこと • 良質な情報を浴びる ◦ C0deで就職先を決めた先輩やOG‧OBの話を聞く ◦

    エンジニア向けカンファレンスへの参加は特におすすめ!交通費含めて無料のプログラムも • 読みやすいコードを書くことに慣れる ◦ 1ヶ⽉後の⾃分は他⼈!他⼈が書いたコードを読む機会は予想よりかなり多い ◦ AIの助けを借りながら、コードレビューをしよう‧してもらおう • 意思決定することに慣れる ◦ 「なぜやるか」「何をやるか」をスラスラ説明できるまで考え抜く‧伝える ◦ ⾎の通った意思決定は、質の⾼い経験に転化する • 考えを⾔葉にすることに慣れる ◦ 「分からない」を「分かる」にする上で、他職種との対話は避けて通れない ◦ ⾃分が感じていることを⾔葉にする(ジャーナリング)から就活の軸探しまで