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みんなで作るオープン地図 / OpenStreetMap made by everyone

みんなで作るオープン地図 / OpenStreetMap made by everyone

OSC NAGOYA 2018で行った OpenStreetMap 説明資料。

K.Sakanoshita

May 25, 2018
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Transcript

  1. 自己紹介 - 坂ノ下 勝幸  主な所属コミュニティ・団体  諸国・浪漫  OpenStreetMap

    Foundation Japan  オープンデータ京都実践会  関西オープンフォーラム実行委員  主な活動内容  諸国・浪漫マッピングパーティの開催  ウィキペディアタウンの開催および協力  オープンソース/データ活用促進(イベント開催)  目指していること P.2 / 40 地元の情報は、自分たちで発信する文化を作る 現場こそ、最強のツールとデータが使えるように
  2. OpenStreetMap(OSM)とは  みんなで自由な地図を作る活動  2004年から、英国のSteve Coast氏が初めた 国際プロジェクト(日本は2008年頃開始)  正確さより、みんなで地図を作ることを優先 

    どんな方達が地図を描いているの?  普通の方達。小学生からお年寄りまで様々  地図を描く方達を「マッパー」と呼びます ◦ 定義は無いので、自分でマッパーと名乗ればOK OpenStreetMapのロゴ画像 P.11 / 40
  3. Google Mapsで十分だよね?  みなさんから、良く言われます  現実的な観点では、とても理にかなった質問です。 Google Mapsは非常に便利で、みんな使います。  もちろん、マッパーもGoogle

    Mapsはよく使います。  行動履歴を元に、興味があるとGoogleが判断した ものを地図に表示したり、しなかったり便利ですね。  ただ、突き詰めて考えると、これは現実的な観点の 問題ではなく、私たちがどんな社会で生きたいか、 という点に集約されると思います。 P.13 / 40
  4. 色んな人が居て、色んな地図もある  まず、場所の情報(概念)は共有財産  場所の情報を一つの主体(組織・企業)だけに渡す ことは、あなたとその周囲を形作る力を渡すのと同じ ◦ 地図に表示されるものは、誰が決めている? ◦ あなたが向かう先は、本当に自分で決めている?

     色んな人がいるので、色んな地図が必要  ブラインド、バリアフリー、防災、防犯など  一種類の地図で全ては担えない  人ごとでも違う、地域でも違う  一社だけが、色んな地図を予め 作っておくのは不可能 P.14 / 40
  5. 自由な地図で、色んな地図を作る 店舗情報 背景地図 店舗情報 背景地図 経路情報 交通情報 投稿情報 経路情報 他の地図(Google

    Mapsなど) OpenStreetMap 会社、コミュニティ、個人が 必要な層を追加できる (車いす、アレルギー、保育園、 防災、防犯、歴史など…) OpenStreetMapで描く地図 背景地図~交通情報まで 高い維持費が掛かるため 大規模なビジネスが必要 P.15 / 40
  6. 自由に使える = みんなで作る  20世紀までの地図は「与えられるもの」  軍事・経済面の事情もあり、専門家しか地図は 描けない。市民は自由に地図は作れない時代  21世紀の地図は「自分たちで描けるもの」

     コンピュータ、インターネットの発展という下地  オープンソース文化(情報のシェア)の一般化  GPSとデジカメで、正確な位置情報と、膨大な 写真を誰でも簡単に扱えるようになった 人類史上、初めて手に入れた「自由な地図」 様々な組織や個人が協力する時代への先駆け P.16 / 40
  7. 自由な地図が必要な理由  自由に使える地図が無いため  Google Mapはネットでしか使えません ※印刷した地図は個人用途のみ。他者に渡せない  「防災マップ」「祭り会場の地図」「お店の地図」は 自分で描くか、デザイン会社に依頼する必要がある

    夏祭りのご案内 日時:*** / 場所:*** 会場地図 ここ 小学校 夏祭りのご案内 日時:*** / 場所:*** 会場地図 Google Map P.18 / 40 著作権侵害 自分で描く/依頼する
  8. 災害支援・NGO活動支援  Crisis mapping  災害が発生した場所の地図を作る活動 ◦ 東日本大震災、熊本地震、鳥取県中部地震 ◦ 米大統領選デモによる破壊、難民キャンプも

     災害の影響を記録するには、平時の地図が重要  Missing Maps Project  発展途上国の地図は不十分 ◦ NGOが現地活動するための 地図を作成するなど  日本の地図も地方は不十分 ◦ 観光地や都心部は商売になるが地方は?(例:隠岐の島) P.24 / 40
  9. 描いた地図は「未来の古地図」になる  京都岡崎の「粟田神社」 © OpenStreetMap contributors • 石碑、灯籠、消火器 など、普通は描かな いものも描ける

    • データなので検索や 集計も出来る • 地図の編集履歴は 全て記録される • 100年後に2018年 の地図も見られる 地図を描いて、未来の伊能忠敬になってみない? P.32 / 40
  10. みんな「地元」の地図を描いている  地元のことは、地元の人が詳しい  普通の地図は、祠やお地蔵さんも書かれていない、 正確だけど味のない地図に見えませんか?  味のある地図を描けるのは、地元の人だけ  地元も、店や家が少しずつ変わっていきます

     観光名所ならともかく、地元のささやかな変化を 国や企業がしっかり記録&公開してくれますか? 地元の変化をしっかり記録していくことが、 未来に残していく宝物になると思います 今の観光名所も、最初から名所だった訳ではありません P.33 / 40
  11. 他プロジェクトとの連携もあります!  WikipediaTown  OpenStreetMapは 「Wikipediaの地図版」とも  ウィキペディアタウンも、まち 歩きして、記事を書きます 

    なら、一緒にイベントしたら みんな一緒で楽しくない?  LocalWiki  Wikipediaは百科事典。  LocalWikiはかわら版? 地域情報をみんなで共有 していくWikiです P.38 / 40
  12. 他プロジェクトと連携するメリット  みんな趣味嗜好が違います  OpenStreetMapを描くことが好きな人がいます  Wikipediaの記事を書くことが好きな人もいます  どちらもそんなに興味を持っていない方もいます 

    でも、地元には愛着あるよね  地元の役に立ち、記録が残るなら、「少しやろうか な?」と思う方もいたりします  趣味嗜好が違う方が知り合って、 より広い活動に繋がる可能性も あるかもね!? P.39 / 40
  13. 最後に  楽しんで地図を描くことが一番大事  地元の路地、好きなお店、山道を描きたいなど  好きな作品の聖地を描きつくすなんかもOK  地図が間違えていても誰かが直す! 

    正確さより、みんなで描いていくことが大事  他の地図から情報をコピーさえしなければOK  とにかくやってみよう!  自分で調べて描くのも良し。マッピングパーティに 参加して、仲間に聞いてみるのも良し  情報は https://osm.jp/ にあるので見てみよう! P.40 / 40