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OCIのDR構成について<DBサービスのDR構成の機能について>

 OCIのDR構成について<DBサービスのDR構成の機能について>

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Database Technology Inc.

April 07, 2025
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  1. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 株式会社データベーステクノロジ OCIのDR構成について

    ~DBサービスのDR構成の 機能について説明~ 2025年02月05日 (水) 下山 星夜
  2. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 2 はじめに

    本書は、Oracle Cloud Infrastructure(以下「OCI」)内で使用可能なDR構 成の一覧について、弊社の解釈による解説を付記して紹介するものです。 OCIの各サービスにおける最新情報については、オラクル社による公式情報 をご確認ください。 OCIコンソールの実際の画面は、本書と若干異なる可能性がございます。
  3. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 3 第1回:DR構成の概要と各サービス・機能の一覧

    第2回:DBサービスのDR構成の機能について説明 第3回:HeatWave MySQLのレプリケーションと高可用性、PostgreSQLの高可用性 について詳しく説明 第4回:Base DatabaseのDataGuardと自動バックアップ、Autonomous DatabaseのDataGuardと自動バックアップについて詳しく説明 第5回:ストレージサービスのDR構成の機能について説明、各サービスのレプリ ケーションについて詳しく説明 第6回:コンピュートインスタンスのDR構成の機能について説明、DR構成のサービ スについて詳しく説明、全体のまとめ ※DR構成は、6回に分けて機能紹介を行います。本書は2回目です。 各回のタイトル
  4. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 4 Index

    1. これまでの復習 2. DBのバックアップとレプリケーションについて 3. OCIのDBサービスとDR構成の考え方 4. OCIのDBサービスのDR構成の機能について 5. まとめ
  5. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 5 本資料のみかた

    ⚫ 本資料では、「一般的な内容」と「OCI固有の内容」の2種類を取り扱いま す。 ⚫ 各スライド右上に、該当する内容として『一般的』または『OCI固有』のラ ベルを表示しています。 ⚫ 下記のアイコンにより、各スライドがどちらの内容を扱っているかを一目 で判断できます。 一般 OCI固有
  6. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 7 1-1:レプリケーションとは?

    レプリケーションによって、データを複製 ⚫ 同期レプリケーションはデータ複製が保証 ⚫ 非同期レプリケーションはタイムラグが少ない ⚫ 準同期レプリケーションは非同期レプリケーションと同期レプリケーションの中間 転送タイプ名 パフォーマンス データ保護 同期レプリケーション 低 高 非同期レプリケーション 高 低 準同期レプリケーション 中 中 一般
  7. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 8 1-2:OCIの環境構築の考え方

    OCI Region uk-london-1 AD 1 AD 2 AD 3 FD 1 FD 1 FD 2 FD 3 FD 1 FD 2 FD 3 FD 2 FD 3 Tenancy Subnet VCN OCI Region ap-tokyo-1 AD 1 FD 1 FD 2 FD 3 Subnet VCN On-Premises User 環境構築の考え方 クラウド環境:リージョン、AD(可用性ドメイン)、FD(フォルトドメイン) オンプレミス環境:オンプレミス OCI固有
  8. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 9 1-3:DR構成が関係するOCIのサービス

    DR構成の機能がサポートされているサービス ⚫ データベースサービス(Base Database、Autonomous Database、HeatWave MySQL、 PostgreSQL) ⚫ ストレージサービス(ブロックストレージ、ファイルストレージ、オブジェクトスト レージ) ⚫ コンピュートインスタンスサービス DR構成用サービス ⚫ フルスタックディザスタリカバリサービス ⚫ OCI GoldenGateサービス OCI固有
  9. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 10 2.

    DBのバックアップと レプリケーションについて
  10. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 11 2-1:DBのバックアップについて

    1 物理的バックアップと論理バックアップの違い ⚫ 物理バックアップ ⚫ データファイル、コンフィグファイル、ログファイルといったデータベースおよび関 連ファイルを直接コピーして保存 ⚫ データベースの物理的なストレージ構造が含まれる ⚫ 論理バックアップ ⚫ データベースの論理的なコンポーネント(テーブル、ビュー、トリガー、プロシー ジャなど)をダンプファイル形式でエクスポート ⚫ データベースの物理的なストレージ構造が含まれない 目的に合わせて2種類のバックアップを使い分ける 一般
  11. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 12 2-2:DBのバックアップについて

    2 完全バックアップと増分バックアップの違い ⚫ 完全バックアップ ⚫ データベースの全てのデータをバックアップ ⚫ 増分バックアップ ⚫ 最後の全体バックアップ、もしくは増分バックアップ以降に追加または変更された データだけをバックアップ ⚫ 最初の増分バックアップは、常に完全バックアップ バックアップにかかる時間は、 一般に完全バックアップは長く、増分バックアップは短い 一般
  12. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 13 2-3:リストアとリカバリとは?

    バックアップを使ってリストアやリカバリを行う ⚫ リストア(復元) ⚫ 障害が発生してデータベースが破損した場合に、バックアップしたファイルを所定の 位置に戻すこと ⚫ 一般には、物理バックアップから特定のテーブルやデータだけリストアする事は想定 外 ⚫ リカバリ(復旧) ⚫ リストアしたファイルを使用して、データベースが正常に動作する状態に戻す事 リストア リカバリの流れでデータベースを正常に稼働させて、 サービスを復旧させる 一般
  13. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 14 2-4:物理的なバックアップと論理的なバックアップの違い

    一般的に バックアップおよび リストアスピードが速い リストアする際は、 異なるハード構成や DBバージョンが不可 リストアする際は、 異なるハード構成や DBバージョンも可 一般的に バックアップおよび リストアスピードが遅い 一般 物理的な バックアップ 論理的な バックアップ
  14. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 15 2-5:DBのレプリケーションについて

    物理レプリケーションと論理レプリケーションの違い ⚫ 物理レプリケーション ⚫ データベース全体を複製 ⚫ データベース上で行われた全ての操作が複製 ⚫ 論理レプリケーション ⚫ スキーマ単位やテーブル単位で複製 ⚫ DDL(CREATE、ALTER、DROP、TRUNCATE)やDML(SELECT、UPDATE、INSERT、 DELETE)の操作が複製 目的に合わせて2種類のレプリケーションを使い分ける 一般
  15. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 16 2-6:フェイルオーバーとスイッチオーバーとは?

    稼働系と待機系の2つの環境を用意して、いざという時に切り替える ⚫ フェイルオーバー ⚫ 障害発生時に、自動で待機系に切り替わること ⚫ サービスの計画外停止の際に使用 ⚫ スイッチオーバー ⚫ 障害が発生していない場合でも、手動で待機系に切り替えること ⚫ サービスの計画停止、およびサービスの計画外停止の際に使用 障害発生時に待機系への切り替えが自動か手動かで、 フェイルオーバーかスイッチオーバーかが決まる 一般
  16. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 17 2-7:フェイルバックとは?

    障害から復旧した後、元の状態に戻す事 ⚫ フェイルオーバーやスイッチオーバーで環境が切り替わった後に、元の状 態に戻す際に利用 ⚫ フェイルバック後は、元の稼働系環境と待機系環境になる ⚫ 障害から復旧するまでは、当然フェイルバックは実行出来ない 障害発生前の状態に戻す場合は、フェイルバックを実行 一般
  17. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 18 2-8:レプリケーション構成での障害発生時の流れ

    1 稼働系環境 待機系環境 User 通常利用で使っている稼働系環境で障害が発生した想定 1. 通常利用時 稼働系環境 待機系環境 User 2. 障害発生時 一般
  18. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 19 2-9:レプリケーション構成での障害発生時の流れ

    2 元稼働系環境 新稼働系環境 User フェイルオーバーによって環境切り替え。その後、元稼働系環境が復旧 3. フェイルオーバー 元稼働系環境 新稼働系環境 User 4. 元稼働系環境が復旧 一般
  19. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 20 2-10:レプリケーション構成での障害発生時の流れ

    3 User フェイルバックによって障害発生前の状態(通常利用時)に戻る 5. フェイルバック User 6. 通常利用時 稼働系環境 待機系環境 稼働系環境 待機系環境 一般
  20. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 21 2-11:物理的なレプリケーションと論理的なレプリケーションの違い

    一般的に レプリケーション スピードが速い レプリケーション先は、 異なるハード構成や DBバージョンが不可 レプリケーション先は、 異なるハード構成や DBバージョンも可 一般的に レプリケーション スピードが遅い 一般 物理的な レプリケーション 論理的な レプリケーション
  21. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 22 2-12:バックアップやレプリケーションの注意点

    ⚫ 障害が発生したら、サービスを復旧させる必要がある ⚫ バックアップやレプリケーションを用いて、サービスを復旧 ⚫ バックアップ ⚫ リストアおよびリカバリが必要 ⚫ レプリケーション ⚫ フェイルオーバー(もしくはスイッチオーバー)が必要 バックアップもレプリケーションも、その後の復旧作業までがセット 一般
  22. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 23 3.

    OCIのDBサービスと DR構成の考え方
  23. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 24 3-1:今回DR構成の機能を説明するOCIのDBサービス

    基本的なDBサービスについて、DR構成の機能を説明します Base Database HeatWave MySQL PostgreSQL Autonomous Database OCI特有
  24. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 25 3-2:今回DR構成の機能を説明しないOCIのDBサービス

    上記のDBサービスのDR構成の機能については、 今回は説明しません Exadata Cloud@Customer ADB Exadata Cloud@Customer Exadata Database Service OCI特有
  25. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 26 3-3:OCIのDBサービスのバックアップ・リストア

    ⚫ バックアップの方法は2種類 ⚫ 手動バックアップ ⚫ 自動バックアップ ⚫ 頻度や設定方法、考え方はDBサービスによって異なる ⚫ リストアで新規にDBを作成する場合、作成場所は2種類あり、DBサービス によって異なる ⚫ 同一リージョンにのみ新規DBを作成可能 ⚫ 別リージョンにも新規DBを作成可能 DBサービス毎にバックアップ・リストアは異なる OCI特有
  26. © 2024 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 27 3-4:OCIのDBサービスのレプリケーションとフェイルオーバー・スイッチオーバー

    ⚫ レプリケーションの配置先は4種類あり、DBサービスによって可能な配置 先が異なる ⚫ 別のフォルトドメイン ⚫ 別の可用性ドメイン ⚫ 別のリージョン ⚫ オンプレミス ⚫ フェイルオーバーとスイッチオーバーのサポート状況は、DBサービスに よって異なる DBサービス毎にレプリケーションと、 フェイルオーバー・スイッチオーバーのサポートの可否は異なる OCI特有
  27. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 28 3-5:OCIのDBサービスのDR構成の考え方

    バックアップ ・物理か論理か ・完全か増分か ・手動か自動か レプリケーション ・同期か非同期か準同期か ・物理か論理か ・レプリケーションの 配置先はどこが可能か リストア ・新規でDBを作成する場合、 同一リージョンか別リージョンか フェイルオーバー・スイッチオーバー ・フェイルオーバーとスイッチオーバーが サポートされているか OCI特有
  28. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 29 4.

    OCIのDBサービスの DR構成の機能について
  29. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 30 4-1:HeatWave

    MySQLのDR構成(第3回目で詳細に説明します) バックアップ ⚫ 物理的な完全+増分手動バックアップ、および物理的な完全+増分自動バックアップ をサポート リストア ⚫ 別リージョンにも新規DBを作成可能 ⚫ バックアップを別のリージョンにコピーする事で、実質的に別リージョンに新規DBを作成 レプリケーション ⚫ レプリケーションでは2種類の構成方法があり、レプリケーションの方法やRPO・RTO が異なる フェイルオーバー・スイッチオーバー ⚫ レプリケーションの方法によって、フェイルオーバー、スイッチオーバーのサポート も異なる OCI特有
  30. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 31 4-2:PostgreSQLのDR構成(第3回目で詳細に説明します)

    バックアップ ⚫ 物理的な完全手動バックアップ、および物理的な完全自動バックアップをサポート リストア ⚫ 同一リージョンにのみ新規DBを作成可能 レプリケーション ⚫ 別のフォルトドメイン、別の可用性ドメインに配置可能 ⚫ 物理的な非同期レプリケーション フェイルオーバー・スイッチオーバー ⚫ フェイルオーバー、スイッチオーバーをサポート OCI特有
  31. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 32 4-3:Base

    DatabaseのDR構成(第4回目で詳細に説明します) バックアップ ⚫ 物理的な完全手動バックアップ、および物理的な完全+増分自動バックアップをサポート ⚫ 自動バックアップでは3種類の保存方法があり、バックアップの方法やRPO・RTOが異なる リストア ⚫ 別リージョンにも新規DBを作成可能 レプリケーション ⚫ 別のフォルトドメイン、別の可用性ドメイン、別のリージョンに配置可能 ⚫ 物理的な非同期レプリケーション フェイルオーバー・スイッチオーバー ⚫ フェイルオーバー、スイッチオーバーをサポート OCI特有
  32. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 33 4-4:Autonomous

    DatabaseのDR構成(第4回目で詳細に説明します) バックアップ ⚫ 物理的な完全手動バックアップはOracleとしては非推奨(APIやOCI CLIを使えば作成可 能) ⚫ 物理的な完全+増分自動バックアップをサポート リストア ⚫ 別リージョンにも新規DBを作成可能 レプリケーション ⚫ レプリケーションでは2種類の構成方法があり、レプリケーションの方法やRPO・RTO が異なる フェイルオーバー・スイッチオーバー ⚫ レプリケーションの方法によって、フェイルオーバー、スイッチオーバーのサポート も異なる OCI特有
  33. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 34 ⚫

    各DR機能の詳細な説明は、第3回目と第4回目に行います 4-5:OCIのDBサービスのDR構成の機能一覧表 サービス名 バックアップ リストア レプリケーション (※2) フェイルオーバー スイッチオーバー Base Database 手動、自動 (自動は3種類) 別リージョン可 別のFD、AD、 リージョン可 フェイルオーバー スイッチオーバー Autonomous Database 手動、自動 (手動は非推奨) 別リージョン可 レプリケーション は2種類 レプリケーション によって異なる HeatWave MySQL 手動、自動 別リージョン可 (※1) レプリケーション は2種類 レプリケーション によって異なる PostgreSQL 手動、自動 同一リージョン 別のFD、AD可 フェイルオーバー スイッチオーバー ※1 バックアップを別リージョンにコピーする事で、実質的に別リージョンにも新規DBを作成可能 ※2 FDはフォルトドメイン、ADは可用性ドメイン OCI特有
  34. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 36 5:まとめ

    ⚫ バックアップやレプリケーションを行うだけでは意味がない ⚫ その後の復旧作業までがセット ⚫ OCIのDBサービスの内、基本的なDBサービスのDR構成の機能を説明 ⚫ DBサービスによって、DR構成の機能が異なる ⚫ DBサービス毎のバックアップ、リストア、レプリケーション、フェイルオーバー・ス イッチオーバーについて、それぞれの特徴理解が必要 DBサービスのDR構成の機能を理解しながら、 適切に環境構築を行うことが重要
  35. © 2025 Database Technology Inc. All Rights Reserved. 37 お問い合わせ

    OCIに関するお困りごとは,ぜひ弊社までご相談ください。 お電話でのお問い合わせ 075-231-6131 受付時間:平日 10:00~17:00 メールでのお問い合わせ [email protected] ※お手数ですが、御社名、ご氏名、 お問い合わせ内容を本文中にご記載ください。 https://www.db-tec.com/ 弊社ホームページからも、お問い合わせを承っております。 Oracleは、オラクルおよびその関連会社の登録商標です。その他の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。