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「北海道胆振東部地震に伴う斜面崩壊の把握と植生の関係」 株式会社地域環境計 浜田拓氏、阿部この...
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dhlab
March 25, 2019
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「北海道胆振東部地震に伴う斜面崩壊の把握と植生の関係」 株式会社地域環境計 浜田拓氏、阿部このみ氏 / 2019-03-25_emtiburi02
第2回 平成30年北海道胆振東部地震・地理空間情報活用懇談会
https://dghok.com/event/3412.html
dhlab
March 25, 2019
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Transcript
北海道胆振東部地震に伴う 斜面崩壊の把握と植生の関係 浜田拓、阿部このみ
この新聞の写真から始まりました 北海道新聞 2018年9月7日 朝刊
会社紹介 https://www.chiikan.co.jp/
技術紹介:生物・生態系調査 鳥類調査 植物調査 昆虫類調査 哺乳類(かすみ網) 魚類(投網)
技術紹介:地理情報システム(GIS) 都市緑地のネットワーク評価 猛禽類利用度解析情報図 野生動物の 交通事故発生ポテンシャルマップ
データ作成・公開の経緯 ◇当社の得意分野をいかせる 自然環境(植物、動物)の現地調査を行っている会社 自然環境の把握・解析にGISを古くから活用している ⇒斜面崩壊地のGIS化は対応可能な技術 かつ 復旧に役立つのでは? ◇環境省植生図の存在 環境省生物多様性センターが整備を進めている1/25,000植生図があり、 今回の被災地域は整備済み地域である
⇒被災前後の比較が可能では? ⇒崩壊地のGISデータ化を試みる
自然環境調査Web-GIS http://gis.biodic.go.jp/webgis/index.html
自然環境調査Web-GIS http://gis.biodic.go.jp/webgis/index.html
出典:第6回・第7回自然環境保全基礎調査植生調査(環境省生物多様性センター) 1/25,000植生図「厚真」 (http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-002.html#webgis/644107)
図化対象範囲 地形図・正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html) 判読範囲 国土地理院正射画像(9/6~9/11撮影分) 平成30年北海道胆振東部地震 ・厚真川地区 正射画像(2018年9月6日撮影) ・厚真地区 正射画像(2018年9月6,8日撮影)
・厚真東部地区 正射画像(2018年9月11日撮影) ・安平地区 正射画像(2018年9月11日撮影)
斜面崩壊地の図化方法 ・国土地理院正射画像を目視判読 (影の部分もできるだけ抽出) ・GISソフト(ESRI社ArcGIS)を使用してデジタイズ ・地震前の空中写真と比較して以前からの崩壊地は除外 斜面崩壊 土砂堆積 正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
◇植生判読の観点で図化 →環境省植生図との重ね合わせを想定 作成データの特徴 ・判読精度 1:2,000~1:3,000程度 ・データ区分 1:斜面崩壊 →表土が無い 2:土砂堆積 →表土、種子等がある
※亀裂等は抽出できていない 正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
◇ 2018年9月6日 地震発生 ◇ 9月9日 GIS化作業開始(9/6, 9/8撮影分) ◇ 9月11日 国土地理院から追加写真公開
◇ 10月2日 GISデータ完成(9/6~9/11撮影分) ◇ 10月10日 GISデータを当社HPで公開 斜面崩壊地の図化結果公開
公開情報 https://www.chiikan.co.jp/ iburi/
① GIS化した斜面崩壊地の状況 ② 斜面崩壊地と植生の関係 調査結果
① GIS化した斜面崩壊地の状況 調査結果
調査結果① ①-1 崩壊の状況 ◇図化範囲 ◇面積(小数第2位四捨五入) 斜面崩壊:2,860.1ha 土砂堆積:1,622.0ha ◇箇所数(ポリゴン数) 斜面崩壊:6,679箇所 土砂堆積:2,317箇所
正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
調査結果① 正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html) ①-1 崩壊の状況 ◇崩壊・堆積範囲
調査結果① ①-1 崩壊の状況 正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
調査結果① ①-1 崩壊の状況 正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
調査結果① ①-1 崩壊の状況 正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
調査結果① ①-1 崩壊の状況 正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
調査結果① ①-1 崩壊の状況 正射画像:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
調査結果① 地形図:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html) ①-1 崩壊の状況 ◇図化範囲に1kmメッシュ作成 斜面崩壊範囲×1kmメッシュ 斜面崩壊地
調査結果① 地形図:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html) ①-1 崩壊の状況 ◇図化範囲に1kmメッシュ作成 斜面崩壊範囲×1kmメッシュ
調査結果① ①-2 震源、断層との関係 地形図:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html) 線状構造:日本応用地質学会北海道支部発行『北海道地方土木地質図および同解説書』より 震源
調査結果① ①-2 震源、断層との関係 地形図:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html) 線状構造:日本応用地質学会北海道支部発行『北海道地方土木地質図および同解説書』より
推定面的推定震度分布:防災科学技術研究所 平成30年北海道胆振東部地震 クライシスレスポンスサイト (http://crs.bosai.go.jp/DynamicCRS/index.html?appid=5a555e4a581c4e2885b59a658535fd3e) 調査結果① ①-3 推定震度分布との関係
推定面的推定震度分布:防災科学技術研究所 平成30年北海道胆振東部地震 クライシスレスポンスサイト (http://crs.bosai.go.jp/DynamicCRS/index.html?appid=5a555e4a581c4e2885b59a658535fd3e) 調査結果① ①-3 推定震度分布との関係
調査結果① ①-4 表層地質との関係 地質図:日本応用地質学会北海道支部発行『北海道地方土木地質図および同解説書』より
② 斜面崩壊地と植生の関係 調査結果
調査結果② ②-1 崩壊地の植生 ◇植生タイプ毎の崩壊面積 斜面崩壊範囲×植生タイプ 植生図:第6回・第7回自然環境保全基礎調査植生調査(環境省生物多様性センター) 1/25,000植生図 (http://gis.biodic.go.jp/webgis/) 地形図:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
調査結果② ②-1 崩壊地の植生 ◇植生タイプの概況 斜面の落葉広葉樹二次林 落葉広葉樹二次林、植林
調査結果② ②-1 崩壊地の植生 ◇植生タイプの概況 自然林 エゾイタヤ-ミズナラ群落
調査結果② ②-1 崩壊地の植生 ◇植生タイプの概況 自然林 ハルニレ群落
調査結果② ②-1 崩壊地の植生 ◇植生タイプの概況 落葉広葉樹二次林 カラマツ植林
調査結果② ②-1 崩壊地の植生 ◇植生タイプ毎の崩壊面積 斜面崩壊範囲×植生タイプ 環境省植生図(大区分) 面積(ha) 下部針広混交林 444.0 渓畔林
100.8 沼沢林 0.5 河辺林 2.4 自然草原 0.4 落葉広葉樹二次林 1231.2 二次草原 25.8 伐採跡地群落 114.6 湿原・河川・池沼植生 0.0 植林地 932.1 牧草地・ゴルフ場・芝地 3.0 耕作地 4.1 市街地等 1.1 計 2860.1 植生図:第6回・第7回自然環境保全基礎調査植生調査(環境省生物多様性センター) 1/25,000植生図 (http://gis.biodic.go.jp/webgis/) 地形図:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
調査結果② ②-1 崩壊地の植生 ◇斜面崩壊範囲×植生図 植生図:第6回・第7回自然環境保全基礎調査植生調査(環境省生物多様性センター) 1/25,000植生図 (http://gis.biodic.go.jp/webgis/) 地形図:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
調査結果② ②-2 崩壊しやすい植生は? ◇斜面崩壊範囲のうち 「メッシュ内崩壊地面積5.1%以上」 を対象に 「崩壊地」 について 集計してみました 崩壊比/全体比
(植生ごと) 1= 関係性小さい 1> 崩れにくい(?) 1< 崩れやすい(?) 5.1%以上 植生図:第6回・第7回自然環境保全基礎調査植生調査(環境省生物多様性センター) 1/25,000植生図 (http://gis.biodic.go.jp/webgis/) 地形図:国土地理院 地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
大区分 凡例名 メッシュ5%以上面積ha(A) 全体比(A) 崩壊地面積ha(B) 崩壊比(B) (B/A) 自然草原 オオヨモギ-オオイタドリ群団 1.25
0.00 0.17 0.00 0.9 ヨシクラス 2.35 0.00 0.00 0.0 河川敷砂礫地植生 3.41 0.00 0.02 0.00 0.0 下部針広混交林 エゾイタヤ-ミズナラ群落 3659.11 0.21 388.89 0.15 0.7 ヤナギ高木群落(IV) 39.21 0.00 0.51 0.00 0.1 ヤナギ低木群落(IV) 0.38 0.00 0.00 0.0 ヤマハンノキ群落 5.84 0.00 1.40 0.00 1.6 渓畔林 ハルニレ群落 1052.25 0.06 84.42 0.03 0.5 ハンノキ-ヤチダモ群集 21.82 0.00 0.50 0.00 0.2 ハンノキ群落(IV) 2.31 0.00 0.02 0.00 0.0 ウダイカンバ群落 10.81 0.00 2.64 0.00 1.7 カシワ群落(V) 3.71 0.00 0.72 0.00 1.3 コナラ-ミズナラ群落 2389.04 0.14 470.56 0.18 1.3 ササ-シラカンバ群落 0.58 0.00 0.16 0.00 1.9 シラカンバ-ミズナラ群落 3466.30 0.20 621.35 0.24 1.2 アカエゾマツ植林 94.61 0.01 9.98 0.00 0.7 カラマツ植林 3860.18 0.22 646.01 0.25 1.1 シラカンバ植林 47.71 0.00 4.35 0.00 0.6 ストローブマツ植林 183.03 0.01 23.75 0.01 0.9 その他植林(常緑針葉樹) 3.38 0.00 0.00 0.00 0.0 その他植林(落葉広葉樹) 80.62 0.00 9.59 0.00 0.8 トドマツ植林 1017.47 0.06 137.50 0.05 0.9 外国産樹種植林 138.25 0.01 18.09 0.01 0.9 オオアワダチソウ群落 87.69 0.01 0.12 0.00 0.0 ササ群落(V) 103.93 0.01 24.02 0.01 1.6 伐採跡地群落 伐採跡地群落(V) 487.49 0.03 106.83 0.04 1.5 水田雑草群落 219.53 0.01 0.11 0.00 0.0 畑雑草群落 156.31 0.01 1.57 0.00 0.1 路傍・空地雑草群落 13.49 0.00 0.95 0.00 0.5 ゴルフ場・芝地 9.70 0.00 0.00 0.0 牧草地 137.09 0.01 0.11 0.00 0.0 開放水域 54.22 0.00 0.06 0.00 0.0 工場地帯 7.69 0.00 0.17 0.00 0.2 市街地 2.71 0.00 0.00 0.0 造成地 12.14 0.00 0.00 0.0 緑の多い住宅地 24.40 0.00 0.68 0.00 0.2 河辺林 落葉広葉樹二次林 牧草地・ゴルフ場・芝地 二次草原 植林地 沼沢林 湿原・河川・池沼植生 市街地等 耕作地 調査結果② ②-2 崩壊しやすい植生は? 崩れやすい? 普通 崩れにくい
調査結果② ②-3 消失した植生の評価 植生自然度 植生自然度 区分内容 例 10 自然草原 高山ハイデ、風衝草原等
9 自然林 下部針広混交林、ハルニレ群落等 8 二次林 (自然林に近いもの) ミズナラ林の大径木林等 7 二次林 ミズナラ林等 6 植林地 カラマツ、トドマツ等 5 二次草原 (背の高い草原) ススキ等 4 二次草原 (背の低い草原) シバ等 3 外来種植林 農耕地(樹園地) 2 外来種草原 農耕地(水田・畑) 1 市街地等
調査結果② ②-3 消失した植生の評価 崩壊+堆積 について集計 地震前:A 地震後:B 自然草原 オオヨモギ-オオイタドリ群団 10
1.2 0.7 56.7% ヨシクラス 10 2.3 2.3 100.0% 河川敷砂礫地植生 10 3.4 1.5 44.2% 下部針広混交林 エゾイタヤ-ミズナラ群落 9 3659.1 3094.9 84.6% ヤナギ高木群落(IV) 9 39.2 33.9 86.4% ヤナギ低木群落(IV) 9 0.4 0.0 6.2% ヤマハンノキ群落 9 5.8 3.0 50.8% 渓畔林 ハルニレ群落 9 1052.3 640.9 60.9% ハンノキ-ヤチダモ群集 9 21.8 15.9 73.0% ハンノキ群落(IV) 9 2.3 2.2 95.6% ウダイカンバ群落 7 10.8 6.2 57.4% カシワ群落(V) 7 3.7 1.9 52.5% コナラ-ミズナラ群落 7 2389.0 1763.0 73.8% ササ-シラカンバ群落 7 0.6 0.2 39.2% シラカンバ-ミズナラ群落 7 3466.3 2612.9 75.4% 大区分 群落名等 自然度 面積(ha) 残存率 =B/A 湿原・河川・池沼植生 河辺林 落葉広葉樹二次林 沼沢林 減少大きい ⇓ 植生の多様性 低下?
まとめ ◼ 北海道胆振東部地震によって発生した斜面崩壊を、植生との比 較を念頭に置いて「崩壊地」、「堆積地」に区分して図化を行った。 ◼ 崩壊地は非常に多数認められ、震度の大きかった地域に集中す る傾向が認められたほか、火山灰が堆積した地質との関係性も 示唆された。 ◼ 既存の植生図と比較した結果、落葉広葉樹二次林や伐採跡地
がやや崩れやすいという傾向があった。なお、植林地は特に崩れ やすいという結果は示されなかった。 ◼ 植生の多様性の観点からは、自然度の高いハルニレ群落の減 少率が大きく、地震に伴う斜面崩壊によって、地域的な植生の多 様性を低下させている可能性が考えられた。
今後の展開 ◼ 机上の評価にとどまっているため、現地での追跡調査が必要 ◼ 何らかの要素でタイプ区分を行い、継続的な調査のための地 点を設定 ◼ 今までのデータや、他の地域のデータと比較できる調査方法 を設定 ◼
春以降現地調査の実施 ◼ 調査結果をもとに復旧に活かしたい ⇒どうすればよいかまだ不明