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プログラミング言語を書く前に日本語を書く── AI 時代に求められる「言葉で考える」力/登壇資...

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November 12, 2025

プログラミング言語を書く前に日本語を書く── AI 時代に求められる「言葉で考える」力/登壇資料(井田 献一朗)

僕・私が考える最強の開発生産性を紹介します!【D-Plus Tokyo#19】
2025年11月12日(水)19:30〜21:30
https://d-plus.connpass.com/event/373156/

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November 12, 2025
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Transcript

  1. Copyright Hacobu, Inc. 2 自己紹介 井田 献一朗 IDA Kenichiro /

    けんにぃ フリーランスエンジニア Hacobuで技術広報を行うフリーランスエンジニア 正社員時代はナビタイム、HacobuでEMや開発組織づくりに従事 @rinatz3
  2. Copyright Hacobu, Inc. 5 これまでの開発生産性 ルールベース・人間中心の改善 テスト自動化 CI/CD IaC フレームワーク・ライブラリの利用

    静的解析・コード品質ツールの利用 人間が手動でやっていたことを「どれだけ仕組み化・自動化できるか」が生産性の中心だった
  3. Copyright Hacobu, Inc. 6 AI の登場による変化 実装 テスト 要件定義 課題定義

    リリース・運用 これまでは実装が一番のボトルネックだったが AI により実装のスピードは向上した ボトルネックは人間の「理解」に移りつつある (仕様の誤解、背景の共有不足) AI はコードを正確に書けるが、「なぜ」「どんな背景で」書かれたのかを理解できない 生産性を上げるカギは、人間が理解のスピードを上げることではないか?
  4. Copyright Hacobu, Inc. 8 理解が深まる経験 経験的に、仕様について話を聞くときよりも、コードを書いているときのほうが仕様の理解が深まった 特にユニットテストを書くと生産性が向上する感覚があった 思考の明確化 仕様の再発見 共通認識の形成

    3行の修正でもユニットテス トを書く習慣が、後のリファ クタを恐れない安心感につな がった テストを書く過程で、「仕様 の曖昧さ」や「設計の歪み」 に気づき、理解が深まった テストを徹底したことで、仕 様が明文化され、チーム内の 認識のズレが削減。それが結 果的に、開発全体のスピード とリズムを高めた。 テストで生産性が上がる要因は 仕様の理解と明確化の影響が大きかったのでは?
  5. Copyright Hacobu, Inc. 9 仕様を明確にする 開発は本質的にどのフェーズでも仕様を言語で整理しているといえる そして、コードの質は情報の構造化の精度に依存する(AI・人どちらが書く場合も) AIが翻訳 実装 テスト

    要件定義 課題定義 リリース・運用 自然言語を使った言語化 (仕様駆動開発・コンテキストエンジニアリング) 形式言語を使った言語化 (Go・Python・YAML など) AI を使いこなすとは、自然言語で論理設計ができるということ
  6. Copyright Hacobu, Inc. 11 精度の高い論理設計 指示の意図を伝えるために Why(背景・目的)を明確にすることが必要 AI に渡すドキュメントが What

    と How だけだと精度が落ちる WHY HOW WHAT ゴールデンサークル理論 説明が得意な人は「Why → How → What」の順に話し 苦手な人は「What → How」の順に話して Why が欠落する という法則
  7. Copyright Hacobu, Inc. 12 精度の高い論理設計 What Why How 何を作るのか? TODOアプリ

    どうやって作るのか? TypeScript で実装する なぜ作りたいのか? 個人開発者が「今日やる3件」 に集中できず、完了率が低いの を改善したいため Why は言語化の難易度が高く、言語化に伴う負担が大きい(そのため欠落しがち)
  8. Copyright Hacobu, Inc. 13 精度の高い論理設計 【一流のエンジニアはここが違う】成果を出すヤツは「協創と習 慣」を大事にする / 米マイクロソフトで培った生産性爆上げの法 則

    | 【世界一流エンジニア思考法著者 牛尾剛】 AI は答えを出すためではなく • なぜ、このようにコードが書かれたのか • なぜ、この変数名にしているのか • なぜ、このような作り(設計)にしているのか などのコンテキストを理解するために使うべき ディープコードリーディング 牛尾 剛(Microsoft) 出典:https://www.youtube.com/watch?v=AAGSD_c-my0 Why に向き合うトレーニングの一例