サイボウズのヘルススコアの使い方と作り方

kintoneという製品のカスタマーサクセスをよりスケールさせるための
指標としてヘルススコアを設計/活用までの経緯を説明しています

月間平均550社の新規申し込みがある中、18名のCS体制でタッチするべき
お客様の優先度を知る手掛かりとして運用スタートしています。
検証のためのデータを集める仕組も自動化しているので詳細知りたい方は
連絡ください

twitter：kota_higurashi

Transcript

1. サイボウズのヘルススコアの 使い方と作り方 サ イ ボ ウ ズ 株 式 会 社 カ ス タ マ ー 本 部 C S O p s ( 兼 ) 営 業 本 部 パ ー ト ナ ー 営 業 部 日 暮 広 太
2. 自己紹介 2 名前：日暮 広太（ひぐらしこうた） 経歴：2014年：早稲田大学文化構想学部卒 サイボウズ株式会社入社 パートナー営業部配属 2021年：7月カスタマー本部兼務 CS-Opsリーダー
3. kintoneって？ 3
4. なぜ「現場が主体」？ 4 現場領域 基幹領域 現場領域の改善をしようと思ったら IT部門だけでは手が足りないから
5. なのでこんなサービスにしてます 5 マウス操作だけで 業務アプリを 1000個まで作れます
6. kintoneCSの難しさ 6 「100社100通りの利用目的」 1.CSMに求められるのは製品知識＋お客様の業務理解力 2.毎月550社の新規顧客を18名でさばく必要がある 顧客課題を深堀していく必要がある割に時間的猶予は少ない
7. CS-Opsのミッション 7 CSMが顧客対応にだけ集中できる環境を作る
8. ヘルススコアの目的① 8 管理者が利用準備中 利用者にリリース済み 定着 オンボーディング アダプション サクセス このお客様を 優先したい タッチすべき顧客の絞り込み
9. なので、こういう状態にしました 9 推定フェーズ オンボーディング 対応履歴 ~~~~~ ~~~~~ 顧客情報 ••株式会社 架電前にフェーズが わかる状態 全顧客のフェーズ が一目でわかる状態
10. ヘルススコアの目的② CSMチーム全体のKGI 10 ヘルススコア：高 解約率：低 ≒ の相関を証明 ヘルススコアをKGIとすることで CSチームの経営指標への貢献度を測れる
11. 解約防止ならもっといい方法があるのでは？ 11 最初の“成功”をいち早く届ける がCSMのミッション CSMも前向きなお客様をメインに 対応できた方が楽しく働けそう
12. サイボウズ ヘルススコア作りの歴史 12
13. ヘルススコア誕生 ・解約しそうな顧客を発見したい ・アップセル/クロスセルの対象を見つけたい ・利用状態の良し悪しを測りたい←これ！ ・サクセス有無を測りたい 13 「目的設定」
14. ヘルススコア誕生 14 事例ユーザーへのヒアリング 製品ログをみる 毎日ログインしている カスタマイズしている 毎日データ入力している ログイン率〇〇％：5点 APIコール数１以上：2点 レコード追加数5以上：5点
15. とりあえず、ヘルススコア誕生 15 管理者指標 利用者指標 機能指標 得点が高いほど管理者が活発に活動している 得点が高いほど高頻度/大人数で利用されている 得点が高いほど多くの機能が活用されている 指標の合算値で顧客のサクセス状態を総合的に判断する
16. 16 ヘルススコア 20点 対応履歴 ~~~~~ ~~~~~ 顧客情報 ••株式会社 点数によってCSM のとるアクション は変わらないから だね！ 活用されているかというと微妙な状態が続く
17. ヘルススコアでフェーズを判定しようPJ開始 17 利用者指標 管理者指標 利用者指標 管理者が利用準備中 利用者にリリース済み 定着 オンボーディング アダプション サクセス
18. 18 統計学的な検定や機械学習をエンジニアに依頼してみたが、 定性情報にブレがありうまく結果がでず、下記で実施 対応履歴読み込んで 各フェーズのサンプルを 数件抽出して数値をみる 仮置きした数値が 過大/過少でないか 確認する 数値仮置き 定量基準はどうやって作る？
19. 過大/過少の検証を依頼してしまうと時間がかか りすぎたので、自分でBIツールを覚えて検証 19 この後また機械学 習等で正確な数値 を分析するのでま ずは感覚を大事に 作ってみたよ
20. 明確に言語化する プレオンボーディング オンボーディング アダプション サクセス 管理者が「導入目的を達成 するために最優先で必要 な」アプリを作成していな い状態 管理者が「導入目的を達成す るために最優先で必要な」ア プリを作成しているが、「リ リース*」していない状態 管理者が「導入目的を達成 するために最優先で必要 な」 アプリを「リリース*」した が、想定していた頻度/人数/ 用途で利用できていない状 態 管理者が「導入目的を達成 するために最優先で必要 な」 アプリを「リリース」し、 想定していた頻度/人数/用途 で利用できている状態 定 性 基 準 定 量 基 準 管理者指標•点以上 2週以上観測* 利用者指標•点以上 1週以上観測 利用者指標•点以上 4週以上観測*
21. CSMに正確な判定を依頼する（勉強会開催） 21
22. 定性×定量の検証サイクルを回すための仕組 22 推定フェーズ オンボーディング 対応履歴 ~~~~~ ~~~~~ 顧客情報 ••株式会社 フェーズ アダプション CSMが定性フェーズ を判断 判定結果の成否を 定期的に保存 2重登録にならない ように注意！ kintoneですべて 構築しています
23. 解約との相関分析してみたら相関ありそう 23 ヘルススコア：高 解約率：低 ≒ 相関分析は 統計学わかる人に 依頼したよ
24. サイボウズ流ヘルススコアのまとめ 一般的に解約防止のイメージがありますが、 顧客の利用状態の良し悪しの可視化という観点でみてみる とCSだけでなく、マーケ、営業、プロダクトチームにも 注目されだすので、全社カスタマーサクセスの基盤とし て利用できるようになる（と信じています） ただし、利用状態の良し悪しがわかるだけでは活用されな いのでご注意ください 24
25. 25 どうすれば、ビジネスの役に立たない 「データ分析ごっこ」から 脱却できるのでしょうか。 その原点は「役立つとは何か」を 純粋に考えることです。 出典：河本 薫. データ分析・AIを実務に活かす データドリブン思考 (p.20). ダイヤモンド社. kindle 版.
26. 26 「役に立つとはなにか」 現場の意思決定に活用されるということ そのためには 分析結果が現場の意思決定に活用される ように意思決定プロセスを設計する必要がある