2019.09.10 に開催された s-dev talks 〜サービス開発勉強会〜「フリーテーマ」で話した「生鮮ECを支えるサービス開発 ~ 生産者/流通/ユーザーを横断する開発の進め方」についてのスライドです。 https://s-dev-talks.connpass.com/event/141440/
生鮮ECを支えるサービス開発生産者/流通/ユーザーを横断する開発の進め方s-dev talksクックパッド株式会社勝間 亮
View Slide
•勝間 亮 (@ryo_katsuma)•2009~ クックパッドJoin‣レシピ領域サービス開発エンジニア‣レシピ領域マネージャー•2018~ 買物事業領域立ち上げ‣副部長 兼テックリード (=なんでも屋)
多くの領域が絡み合うサービス•注文→発注→集荷→配送→受け取り‣ ユーザー / 販売者 / ドライバー / ソフトウェア / ハードウェア が絡み合い•ユーザーアプリ以外は知見も経験もほぼゼロ‣ 販売者はどんな環境での業務?‣ ドライバーはどんな人たち?‣ 運用をどう仕組み化できる?
今日話すこと•クックパッドマートにおける開発プロセスの工夫•Build:•Measure:•Learn:ideadataBuildLearnproductMeasure
今日話すこと•クックパッドマートにおける開発プロセスの工夫•Build: 自分たちで徹底的に実施•Measure: 現場を見る•Learn: すり合わせと振り返りideadataBuildLearnproductMeasure
1. 自分たちで徹底的に実施- Build -
大前提•自分たちだけではサービスは成立しない‣ パートナーに何をどう依頼するか
まずは•自分たちで一度全部やる•課題抽出や運用の肝を発見
実例: 温度検証
サービス検証期•サービスのモデルは確立•配送時の商品品質が課題‣ 「商品を保冷状態で適切に配送できるか?」•冷蔵車は(少なくとも当面)採算が合わない‣ 一般的な軽カーゴ車で保冷状態を担保できるか
温度検証を徹底的にやる•配送中に適切な保冷状態を保つことができるかテスト‣ 蓄冷剤の数 x 配置位置‣ 保冷資材(シッパー)への種類‣ スタッフの注文商品に温度計
温度検証の記録
得られるもの•自分たちで自信を持って意思決定できる‣ なぜこの蓄冷剤をN個この位置に置くべきか•販売者にも安心感を持ってもらえる‣ 「あ、ここまでやってるんですね」
実例: 商品ラベルの印字
商品ラベルの印字•販売者に利用してもらうプリンタ‣ 商品情報や、受け取り情報を印字
まず身近なもので•Word + ラベルシール + 手差し印刷‣ 実装無しでひとまず形に•バイク便で毎日店舗に配布‣ 一度力技で運用に回して様子見
ラベルプリンタの実装•力技を仕組み化‣ 商品情報や、受け取り情報を命令して、印字•ありもので実現‣ iPad + 民生品プリンタ‣ 3日合宿でプロトタイプして1週間で社内運用に‣ その後、実際に店舗で運用
まとめ•ソフトウェアで完結しないことは自分たちで手を動かす‣ 徹底的に自分たちで課題と解決方針を理解する‣ 力技でも自信と確信を持って運用できる状態にする•が、これだけではまだ充分ではない
2. 現場を見る- Measure -
実例: 続・商品ラベル印字
現場運用で問題が多発•やたら安定しない‣ ラベル印字失敗 → ラベルをバイク便で送る‣ ラベル紙が詰まる‣ デバッグが難解•現場はどうなってる?
現場
スペース全然無い問題•バックヤードにスペースを確保してもらうのは大変•作業場もゆとりがあるわけではない•不具合時に特殊な操作をお願いすることは難しそう
LTEはずっと繋がるわけじゃない問題•時間帯によってシャッターが降りて電波遮断•建物内のプリンタの位置によって定常的に電波が弱い
電源ケーブル油断するとすぐ抜かれる問題•スタッフが省エネを意識して(?)ケーブルを抜く‣ アプリのプロセス再起動 + プリンタへ再接続が難しい
現場観察を経て軌道修正•業務用プリンター + LTEモジュール + Raspberry Pi•設定済であれば、電源ケーブル挿すだけでOKに•延長アンテナでLTEが弱い場所も設置可能
https://speakerdeck.com/shinsuke_imai/reliable-distribution-system-with-ruby-x-iot
実例: テストステーション
配送オペレーションと商品受け取り•アプリ外で人の手が介在する体験の向上‣ 配送オペレーション‣ 新しい受け取り体験•どう改善していくか?
オフィスを検証の場に•オフィスをステーションの1つに‣ ドライバーが配送‣ スタッフが注文し、受け取り•取り組みに対する検証可能な場に
ドライバーとのインタビュー•実際に商品配送の様子を見れる•月1程度の頻度でインタビューも
ユーザーインタビュー•月1程度の頻度でユーザーインタビュー•インストール、注文、受け取りまで‣ マーケ、アプリ、運用を一気にテスト
実例: 受け取り台の検討•受け取り時のバッグ置き場•配送時の作業用資材置場
まとめ•「実装すればOK」は絶対無い‣ 現場固有の問題は必ず起きる‣ 正しいものを作るために現場の観察は大事•身近にいつでもすぐ検証できる環境を用意‣ ユーザーや関係者を招き、リアルな検証から改善へ
3. すり合わせと振り返り- Learn -
領域を横断した認識すり合せ•開発の知見、運用の課題などを定期的にすり合わせ•細かな領域毎にすり合わせ定例はしっかり目に
すりあわせで問題が見つかった瞬間
振り返り•月1程度の頻度で月次KPT‣ 開発プロセスの振り返り•強制的に定期的に予定‣ 開発は常に連続‣ 強制力が無いとタイミングを見失う•開発組織としての挑戦を後押し
個人KPT•メンバーと月次1on1でKPT‣ メンバー: 自分のKeep, Problem‣ マネージャー: メンバーのKeep, Problem•課題感のすり合わせとTryの議論• 個人レベルの挑戦を後押し
まとめ•コミニュケーション過多気味に連携する場を設計‣ いったん設計して、後から減らす•チーム / 個人と定期的に振り返りを実施‣ KPTフォーマットの型があることで進めやすい
まとめ
まとめ•クックパッドマートの開発プロセスの工夫‣ 自分たちで徹底的に実施 (Build)‣ 現場を見る (Measure)‣ すり合わせと振り返り (Learn)•継続的にプロセスを見直して、より良いプロダクト開発を
[PR]
「おいしい」の笑顔が集まる場所を 一緒につくる仲間を募集中
https://www.wantedly.com/projects/300736/
ご清聴ありがとうございました