Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Podcast配信システムを自作したら捗った話 / kichijojipm-28
Search
Takuya Mukohira
January 27, 2022
Programming
0
2.8k
Podcast配信システムを自作したら捗った話 / kichijojipm-28
吉祥寺.pm28【オンライン】 - connpass
https://kichijojipm.connpass.com/event/236031/
Takuya Mukohira
January 27, 2022
Tweet
Share
More Decks by Takuya Mukohira
See All by Takuya Mukohira
Podcasting Guide 2024
mktakuya
3
1.5k
『インタプリタの作り方』の紹介 / Let's enjoy crafting interpreters
mktakuya
1
1.2k
マネジメントとコミュニケーションとプロトコルと / kichijojipm-34
mktakuya
1
950
自分の道具を自作してつくる喜びを体感しよう、Railsで。 〜4年続いたPodcastを実例に〜 / Kaigi on Rails 2023
mktakuya
1
2.5k
趣味と趣味の掛け算で技術を学んでいく話 / 2020-11-27
mktakuya
0
360
ゆるふわなPodcastのすすめ / kichijojipm-22
mktakuya
0
1.4k
コーチLT / Rails Girls Tokyo 12th
mktakuya
1
1.1k
プログラミングと一人暮らし 〜Nature Remoで遊ぶ編〜 / prolt-2019
mktakuya
1
350
HMCC2019 Emoji SANPO
mktakuya
0
3.3k
Other Decks in Programming
See All in Programming
Testing Trophyは叫ばない
toms74209200
0
860
為你自己學 Python - 冷知識篇
eddie
1
350
AIを活用し、今後に備えるための技術知識 / Basic Knowledge to Utilize AI
kishida
22
5.7k
MCPとデザインシステムに立脚したデザインと実装の融合
yukukotani
4
1.4k
AIと私たちの学習の変化を考える - Claude Codeの学習モードを例に
azukiazusa1
10
3.8k
開発チーム・開発組織の設計改善スキルの向上
masuda220
PRO
20
11k
AIコーディングAgentとの向き合い方
eycjur
0
270
Deep Dive into Kotlin Flow
jmatsu
1
310
AI Coding Agentのセキュリティリスク:PRの自己承認とメルカリの対策
s3h
0
200
Cache Me If You Can
ryunen344
2
680
CloudflareのChat Agent Starter Kitで簡単!AIチャットボット構築
syumai
2
480
Performance for Conversion! 分散トレーシングでボトルネックを 特定せよ
inetand
0
140
Featured
See All Featured
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
367
27k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
251
13k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
160
23k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
31
6.1k
Code Review Best Practice
trishagee
70
19k
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
15
1.6k
Designing for Performance
lara
610
69k
A better future with KSS
kneath
239
17k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
34
6k
The Power of CSS Pseudo Elements
geoffreycrofte
77
6k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
53
7.8k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
462
33k
Transcript
Podcast配信システムを 自作したら捗った話 2022-01-26 吉祥寺.pm 28【オンライン】 @mktakuya
自己紹介 • @mktakuya(えむけー / mk / MK) • 都内のIT企業でWebエンジニア •
サーバサイド多め。主にRuby • 学生時代の友達と雑談系Podcastを配信しています ゆるふわPodcast https://yuru28.com
Podcast配信システムを 自作したら捗った話
ゆるふわPodcast • 2019年5月〜 高専時代の友人と開始した雑談Podcast • 2022年1月27日時点で全120エピソード公開中 • → 2020年5月から毎週配信継続中!! •
基本3人で雑談、たまにゲストをお迎えして真面目な話 • → 「若いエンジニア達が何を考えているか知ることが 出来ておもしろい」らしい https://yuru28.com ↑ EP33 fukabori.fm iwashiさんを深堀りする回 https://yuru28.com/33
音声配信へのこだわり • Anchorやstand.fmなど音声配信サービスを利用せず、 自分たちでサイトを作りフィードを配信している → 技術勉強だったりオープンな技術を尊重したかったり
Rebuildの宮川さんへの憧れだったり…… ↑Rails製管理画面→
Podcastの音声配信 • Web上にMP3ファイルを置いて、 そのURLを記載したRSSフィードを配信すれば Podcastは成り立つ • 言ってしまえばWebサイトなどはおまけ •
(当たり前だが)音声配信がPodcastのキモ
音声配信 Before / After • 今日は「Podcastの音声配信システム」について話します • Before: SoundCloudベース •
SoundCloud上のMP3ファイルのURLをフィードに記載 • 音声配信だけで月$16(SoundCloud Pro) • After: 自前配信(S3 + CDN) • Amazon Lightsail オブジェクトストレージに ファイルを配置し、RailsのActiveStorageのURLを フィードに記載し、CDN(Cloud fl are)経由で配信 • 音声配信月$1(オブジェクトストレージ 5GBプラン)
Before: SoundCloudベース • Podcastを始めた2019年春 • Webサイトや管理画面、RSSフィードはRailsで作成 • SoundCloudに音声ファイルをアップロード Webから視聴:
公式の埋め込みプレーヤー アプリから視聴: フィードにMP3 URLを記載 • ストレージと配信を SoundCloudに任せる形に
SoundCloudベースのツラミ • エピソード公開が二度手間だった • SoundCloudで音声UP → SoundCloudのTrack IDをメモ → 管理画面でメタデータ編集
→ 公開予約 • アナリティクスが貧弱だった • 過去データや再生元(Web?アプリ?)が取れない • 仲間内の趣味でやるにはお高い価格だった($16/月)
音声配信も自作の機運
満たしたい要件 • 音声UPからエピソード公開まで管理画面でできること • 音声DLの日時やエピソード番号、 User-Agentやリファラなどをログに残せること • SoundCloudベースのものよりも安いこと(重要)
技術調査: ロギングについて • 音声はエッジ(Cloud fl are)からDLしてほしいが、 ロギングのためにオリジン(Rails)にもアクセスが必要 →
エッジからレスポンスが返ると、 Railsにリクエストが届かずロギング出来ない • rebuild.fm を研究 m(_ _)m → フィード記載のURLにアクセスすると、 キャッシュの効いたMP3ファイルのURLにリダイレクト ↑ ①RSSフィードには、 cache.rebuild.fm のURLが載っている ↑ ②実際の音声ファイルはリダイレクト後にCDNからDL
ロギングの実装 • フィードには↓のようなURLを記載し、 /audio/d36e49d128/podcast-ep120.mp3 Controller内でロギングとリダイレクトを行った ← rails_storage_proxy_url(ar_instance.attribute) すると、
Railsが裏側でS3等からファイルをDLし、 クライアントにファイルを送信(プロキシ)してくれる ↑ フィード記載のURLへのアクセスはオリジンまで到達し、リダイレクト後のURLはエッジがレスポンスを返す これによって、Rails AppでのロギングとMP3ファイルのキャッシュからの配信を両立する
あとはふつうのRails開発 • Rails謹製のActiveStorageを利用して Episodeモデルにaudio_ fi leをattach • お手軽版S3(?)のLightsailオブジェクトストレージ利用 •
音声DLのログをBigQueryに流したりなどしつつ……
!!!完成!!! • リスナーから見てなにかが変わったわけでは無いが。。。 • Webプレイヤー経由 / RSSフィード経由のDL数をとれたり • User-Agentからみんなの
Podcastアプリを調査 してみたり ←↑ RedashからBigQueryに 繋いでBIしてみた図
!!!完成!!! • 編集→公開も管理画面で完結 • SoundCloudと管理画面を行き来する 不毛な作業から開放🎉 • (音声配信部分だけ)$16 /
月 → $1 / 月に圧縮 • SoundCloud Pro: $16 → Lightsailのオブジェクトストレージ: $1 • 年間$180(2万円ちょい)の費用削減🎉
吉祥寺.pm 28 テーマ「リブート」
リブート的な話 • 2021年: Podcastのサポータープログラムの収益で (ありがたいことに)収支がトントンに。 • 2022年: 脱SoundCloud(DONE)や脱Heroku(WIP)を
やって、経費を圧縮する予定。 • 利益(?)をゲスト様のマイク代にしたり、 機材アップグレードにまわしたり、 よりおもしろいことに投資したり • 2022年5月からPodcastも4年目になるので、 ここらでリブートしていきたい💪 www.patreon.com/bePatron?u=12932782
おもしろいことの例 • もっとゲスト回 / 企画回増やす • 突然YouTuberデビューする • BigQueryに突っ込んだ再生ログを使ってなにかする •
エピソードの自動文字起こしを使ってなにかする • ……アイデア募集! ← Googleの自動文字起こしAPIで生成した 文字起こしの検索(そのうち公開予定)
まとめ • Podcast配信システムを自作すると捗る • 費用圧縮 • ログ取って遊べる • 自由度高い •
大容量ファイルへのアクセスをキャッシュ効かせつつ ロギングしたいときは、ロギング用URLからキャッシュの 効いたURLにリダイレクトすると良い • 配信を 自分でやると 捗るよ(575)