Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

OCI技術資料 : Email Deliveryサービス 概要

OCI技術資料 : Email Deliveryサービス 概要

Oracle Cloud Infrastructure (OCI) の技術説明資料、Email Deliveryサービスの概要編 (Level 100) です。

OCI Email Deliveryサービスは、OCI内外に配置されたサービスやアプリケーションから、確実にEmailを配信したい場合に利用することができるマネージドサービスです。
この資料では、OCI Email Deliveryサービスについて、サービスの概観、特徴、利用方法などの基礎的な内容について解説しています。

[更新履歴]
2024/9/10 HTTPSエンドポイントの追記、サービス制限・価格の更新、その他フォントなど細かな修正
2022/8/5 制限と価格を最新情報に修正

More Decks by Oracle Cloud Infrastructure ソリューション・エンジニア

Other Decks in Technology

Transcript

  1. メールを使用する主な用途と OCI Email Delivery のカバー範囲 3 OCI Email Deliveryサービスの カバー範囲

    Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates メール配信 • トランザクションメール • 何らかのアクションをきっかけに、自動的に送信されるメー ル • マーケティングメール • ニュースやイベント情報等を定期的に配信するメールの配 信形態 個人用途 メール • 個人同士のメッセージコミュニケーション • Gmail、Yahooメール、Microsoft Exchangeなど
  2. 4 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates メール配信における課題 メールボックスへの低い到達率

    • 正当なマーケティングメールのおよそ15%がユーザーのメールボックスに届かない (出典 2023 Email Deliverability Benchmark: https://www.validity.com/wp-content/uploads/2023/03/2023-Email-Deliverability-Benchmark.pdf) コスト • メール配信システムを構築するための初期コスト • 安定運用するためのランニングコストや拡張時の追加コスト メンテナンス • メール配信を最適化するために定期的なチューニング • 最適なメール配信システムを運用するための長い運用経験を持つ人員 • スパム・フィッシングメール対策のためのセキュリティ維持・修正
  3. 6 メールボックスへの 到達率 コスト メンテナンス Email Delivery • メール到達性を向上するための機能を 有したサービス利用

    • 初期投資不要なクラウド利用 • 配信量に応じた従量課金 • 最適化された基盤利用によるメンテナ ンスコスト削減 • マネージドサービスによる高セキュリティ 維持 信頼性の高いメール配信によるCX向上 => 顧客満足度・収益向上 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates メール配信に求められること
  4. 8 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates OCI Email

    Deliveryとは? 迅速・高信頼性・低コストなメール配信 (リレー) サービス • 10年以上にわたり高い稼働実績のあるDyn Email DeliveryサービスをOCIに統合 • 送信IPのレピュテーション管理と、Dyn時代から続く専門の送達性管理チームによるサポート • SendGrid や AWS SES などと同等の機能をカバーするサービス • メール受信機能はカバーしないため、必要な場合は別途用意 高品質なメールを配信するための豊富な機能を用意 • 資格証明によるSMTP認証 • SPF認証、DKIM認証、DMARC認証 • 抑制リストの自動管理 アプリケーションからの容易な呼び出し • 各リージョンに用意されたSMTP/HTTPSエンドポイント経由の送信 • 主要なアプリケーション向けのセットアップガイドを用意 • Postfix / Sendmail / JavaMail / Mailx / Swaks / Python / Oracle APEX / Oracle Enterprise Manager / PeopleSoft
  5. OCI Email Deliveryのアーキテクチャ Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    9 OCI各リージョン内に設置された SMTPまたはHTTPSのエンドポイント に対してSMTP/HTTPSでメールを送信すること で、OCI外部に向けてメールが配信される • アプリケーションからの送 信 • マーケティング・オート メーション • システムの自動生成 メッセージ アプリケーション OCI Region • 受信確認 • 認証 • 送信保障 • レピュテーション管理 OCI Email Delivery SMTP 受信者 インターネット エンド ポイント* * エンドポイントに対しては、インターネット経由での他リージョンやオンプレミスからのアクセスも可能 HTTPS
  6. SMTPエンドポイント HTTPSエンドポイント ポート 587(推奨)または25 443 暗号化 TLS必須 (v1.2) - 認証方式

    SMTP認証 • SMTP-AUTH PLAIN (RFC2595) のみ ※OCIユーザーのOCIDとSMTP資格証明を使用 OCI SDK認証(参照) • APIキー • トークンベース • インスタンス・プリンシパル • リソース・プリンシパル エンドポイント Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 10 エンドポイントは各リージョンの Oracle Services Network (参照) に存在するため、 VCN内からアクセスするには下記いずれかのゲートウェイの経由が必要 • サービス・ゲートウェイ • NATゲートウェイ • インターネット・ゲートウェイ
  7. Email Deliveryは大量メール配信に対応していますが、初期セーフガードとしてサービス制限を設けています サービス制限を増やしたい場合にはOCIコンソールから引き上げ申請を実施 Email Delivery のサービス制限の初期値 11 リソース Oracle Universal

    Credits / Pay As You Go トライアル Always Free 受信者 50,000 人/日 200 人/日 0 承認済送信者 10,000 人 2,000 人 10 SMTP資格証明 ユーザごとに2つ 送信レート 18,000 メッセージ/分 10 メッセージ/分 最大メッセージサイズ base64エンコーディングおよびヘッダーを含む最大2 MB* Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates * デフォルトで2 MBまでのメッセージ(メッセージ・ヘッダー、本文および添付を含む)をサポート SPFおよびDKIMが送信ドメインに設定されている場合は、要件に基づいて、最大60 MBまでのサービス制限引上げをリクエスト可能
  8. 設定方法 : 承認済送信者(Approved Sender) の追加 12 Copyright © 2024, Oracle

    and/or its affiliates 1. コンソールから 電子メール配信 → 電子メールの承認済送信者 を選択 2. 承認済送信者の作成 ボタンをクリック 3. 電子メール・アドレス にメールの送信者アドレス("from"アドレス)を入力して追加
  9. 設定方法 : SPFレコードの追加(1/3) 13 Copyright © 2024, Oracle and/or its

    affiliates 1. 作成した承認済み送信者の右側のメニューから SPFの表示 を選 択 2. ポップアップした画面で、送信元に使用したいリージョンのSPFレコー ドのテキストをコピー
  10. 設定方法 : SPFレコードの追加(2/3) 14 Copyright © 2024, Oracle and/or its

    affiliates 1. OCIコンソールより ネットワーキング → DNS管理 → ゾーン を選択 2. 管理対象のDNSゾーンをクリック(ここでは ocitutorials.tk) 3. レコードの追加 をクリック
  11. 設定方法 : SPFレコードの追加(3/3) 15 Copyright © 2024, Oracle and/or its

    affiliates 1. レコード型 で TXT – テキスト を選択 2. TEXT (テキスト) フィールドに、先に確認したSPFレコー ドの内容を入力し、送信 ここでは[v=spf1 include:ap.rp.oracleemaildelivery.com ~all] 3. 変更の公開 ボタンを押してレコードをDNSサーバーに 反映
  12. Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 16 設定方法 :電子ドメイン名の作成

    1. コンソールから 電子メール配信 → 電子メール・ドメイ ンを選択 2. 電子メール・ドメインボタンをクリック 3. 電子メール・ドメイン名を入力して作成(電子メール・ ドメインはDNSで所有または制御するドメインにする必 要がある)
  13. 設定方法 : DKIMレコードの追加(1/3) Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    17 1. DKIMの追加ボタンをクリック 2. DKIM セレクタを入力(「prefix-region- YYYYMMDD」にすることが推奨される) 3. DKIM レコードの生成ボタンをクリック 4. CNAMEレコードとCNAME値の値をコピー
  14. 設定方法 : DKIM(2/3) Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    18 1. コンソールからネット ワーキング→ゾーンを 選択 2. ゾーン名をクリック(こ こでは ocitutorials.ml) 3. レコードの追加をクリッ ク
  15. 設定方法 : DKIM(3/3) Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates

    19 1. レコード型 でCNAME – CNAMEを選択 2. 名前のフィールドにCNAMEレコードの内容を入力 ここでは[tutorial-tokyo-20220712._domainkey] 3. ターゲットフィールドにCNAME値を入力 ここでは[tutorial-tokyo- 20220712.ocitutorials.ml.dkim.nrt1.oracleemaildeli very.com] 4. 送信ボタンを押す 5. 変更の公開 ボタンを押してレコードをDNSサーバーに反 映
  16. 設定方法 : SMTP資格証明の作成 20 Copyright © 2024, Oracle and/or its

    affiliates 1. コンソールから アイデンティティ → ユーザー → SMTP資格証明を選択 2. SMTP資格証明の生成 ボタンをクリック 3. 生成された資格証明のユーザー名とパスワードをコピー (パスワードは一度しか表示されないため注意)
  17. 設定方法 : SMTPエンドポイントの確認 21 Copyright © 2024, Oracle and/or its

    affiliates 1. コンソールから 電子メール配信 → 電子メール構成 を選択 2. パブリック・エンドポイント に表示されたホスト名をメール送信先に指定してメールを 送信
  18. SMTP経由でのメール送信例 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 22 #

    swaks --server smtp.us-ashburn-1.oraclecloud.com:25 -tls --from [email protected] --to <宛先メールアドレス> -- auth-user ‘<********>' --auth-password ‘<********>’ ~ 省略 ~ <~ 235 Authentication successful. ~> MAIL FROM:<[email protected]> <~ 250 Ok ~> RCPT TO:<宛先メールアドレス> <~ 250 Ok ~> DATA <~ 354 End data with <CR><LF>.<CR><LF> ~> Date: Mon, 06 Apr 2021 06:23:51 +0000 ~> To: <宛先メールアドレス> ~> From: [email protected] ~> Subject: test Mon, 06 Apr 2021 06:23:51 +0000 ~> Message-Id: <20180705062351.006710@mailsrv.sub07050521130.testvcn.oraclevcn.com> ~> X-Mailer: swaks v20201014.0 jetmore.org/john/code/swaks/ ~> ~> This is a test mail ~> . <~ 250 Ok ~> QUIT <~ 221 Bye SMTP 資格証明 SMTPエンドポイント 承認済送信者 認証ユーザ
  19. 23 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates メールの到達可能性を向上するには・・・ 送達可能性を向上するためのなりすまし防止技術として、以下のような送信元認証があります

    ※出典:一般財団法人インターネット協会 (http://salt.iajapan.org/wpmu/anti_spam/admin/tech/explanation/) • SPF(Sender Policy Framework) : 送信元IPアドレスに基づく認証 • メール送信元アドレスのドメインからDNSを引き、SPFレコードと呼ばれる情報から正規の送信元IPアドレスを調べて、 実際の送信元IPアドレスと照合 • DKIM(Domainkeys Identified Mail) : 送信元による署名に基づく認証 • あらかじめ公開鍵をDNSサーバで公開 • メールヘッダーに電子署名を付与して送信し、メールを受け取ったメールサーバで取得した公開鍵を使って電子署 名を検証
  20. 1. oraclecloud.netドメインのメールサーバよりメール 送信開始 2. 受信先のメールサーバはMAIL FROM:コマンドの引 数に与えられたアドレスのドメイン部 [oraclecloud.net]をもとに,DNSサーバに対して SPFレコードを問い合わせ 3.

    SPFレコードに定義されている内容が正しければ認 証完了し、メールを受信 ※参考例はIPアドレスが[xxx.xxx.xxx.xxx]にマッ チした場合 OCI Email Delivery での SPF 動作の仕組み 24 送信元 メールサーバ (oraclecloud.netドメイン) 受信先 メールサーバ DNSサーバ (SPFレコード : v=spf1 ip4:[xxx.xxx.xxx.xxx] ~all) 1. メール送信 From : <[email protected]> 2. Fromドメインに対するSPF レコード問い合わせ 3. 正しい登録がされていれば、 認証完了して受信 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates
  21. 1. DNSサーバーに事前に電子署名で使用する公開 鍵を公開 2. oraclecloud.netドメインのメールサーバより電子署 名付きメール送信開始 3. 受信先のメールサーバはDNSサーバーに対して公 開鍵の問い合わせを行う 4.

    電子署名の情報と公開鍵が合致すればメールが 受信される OCI Email Delivery での DKIM 動作の仕組み 25 送信元 メールサーバ (oraclecloud.netドメイン) 受信先 メールサーバ DNSサーバ 2.電子署名付きメール送信 From : <[email protected]> 3. 公開鍵の問い合わせ 4.電子署名の情報と公開鍵が合 致すれば、認証完了して受信 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 1.公開鍵の公開
  22. OCI Email Deliveryはバウンス・メッセージ受信時に抑制リストに自動登録する仕組みを持つ ハード・バウンス・メッセージ受信時 • メールアドレスが間違っていたり、ユーザが存在しない ため受信を拒否された場合 • ハード・バウンス・メッセージを1回受信すると抑制リスト に登録

    ソフトバウンス・メッセージ受信時 • 宛先のメールアドレスは正しいが、サーバの理由により 受信できなかった場合 • ソフト・バウンス・メッセージを4回受信すると抑制リス トに登録 バウンス時の抑制リストへの自動登録の仕組み Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 27 Email Delivery 受信先 メールサーバ クライアントPC ・メールアドレス間違い ・ユーザが存在しない Bounce Message*1回 Email Delivery 受信先 メールサーバ クライアントPC ・メールボックスが一杯 ・メールサーバダウン ・メールサイズが大きい Bounce Message*4回
  23. メール配信において適切なメール運用は必須 • Email Deliveryサービス利用有無に関わらず、不正な送信元とみなされない運用が必要(正常な宛先の維持、適 切なメール送信量など) OCIドキュメントにある配信到達性のベスト・プラクティス参照 https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/Email/Reference/deliverabilitybestpractices.htm 概要 • Implement

    an Opt-in Process : ユーザに対するメール配信許可プロセスの実装 • Purge Unengaged Users : 配信許可されていないメールアドレスを配信一覧から削除 • Review Your Subscriber List : 購読者リスト確認 • Evaluate Your Sending Frequency : 送信頻度の評価 • Easily Accessible Unsubscribe URL : わかりやすいメール購読解除URLへのアクセス方法を明記 • Canadian Anti-Spam Law (CASL) Guide : カナダスパム対策法への準拠 メール配信する際の注意点 28 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates
  24. Always Freeリソースとして、1か月当たり3,000通の電子メールを無料で送信可能 1か月間に送信されたメール 1,000 通あたり 13.175円 • 例)100,000通配信された場合 : (100,000

    – 3000) / 1,000 * ¥ 13.175 = ¥1277.975 価格 31 Copyright © 2024, Oracle and/or its affiliates 単位 単価 補足 最初の 3,000 通 1,000回のメール送信 無料 Always Freeリソース 3,000 通を超えた場合 1,000回のメール送信 ¥13.175 最新状況は下記URLをご参照ください。 • https://www.oracle.com/jp/cloud/price-list/#email-delivery
  25. Our mission is to help people see data in new

    ways, discover insights, unlock endless possibilities.