教師向け1時間のコーチング講座。 【内容】 コーチングとは? コーチングの基礎 その1:すでにできている点や強みに注目する その2:相手の考えや価値観を尊重する その3:理想の未来像を描く その4:SMART(スマート)な目標とスモールステップを設定する 宿題(のご提案)
職員室で使えるコミュケーションのためのコーチング講師:元木 敬太
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自己紹介元木敬太合同会社実践サイコロジー研究所 代表日本実行機能コーチング協会 共同代表修士(心理学)・博士(医学)、キャリアコンサルタント、公認心理師、臨床心理士2010年より心理職として心理カウンセリングの実践を行っており、2017年にキャリアコンサルタント、2019年に公認心理師を取得。 東京都(練馬区)、宮城県(仙台市)、埼玉県(さいたま市)で、学校生活支援員、小中高等学校スクールカウンセラーを経て、現在は、メンタルヘルス、コーチング、キャリア開発に関連した実践と研究を行っている。埼玉県坂戸市の不登校いじめ対策研修を2019・2020年度担当。共著書・訳書:コーチング心理学概論(ナカニシヤ出版)ポジティブ心理学コーチングの実践(金剛出版)2
内容• コーチングとは?• コーチングの基礎–その1:すでにできている点や強みに注目する–その2:相手の考えや価値観を尊重する–その3:理想の未来像を描く–その4:SMART(スマート)な目標とスモールステップを設定する• 今後に向けて3
技法などより具体的な内容https://youtu.be/j_zV85OFs6c4
コーチングとは?思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるような、コーチとクライアントのパートナー関係ICF/国際コーチング連盟対話パフォーマンスやウェルビーイングに焦点 対等な関係で育まれる単に技法を使うことではない5
ICF 国際コーチング連盟• 国際的なプロ・コーチ(主にビジネス・コーチ)の職能団体• 資格認定–ACC(associate certified coach):アソシエイト認定コーチ–PCC(professional certified coach):プロフェッショナル認定コーチ–MCC(master certified coach):マスター認定コーチ• 指針–コンピテンシー(能力要件)–倫理規定ICFジャパンWebサイト6
コーチングの基礎その1すでにできている点や強みに注目する7
できている点や強みに注目• 問題よりも希望の話を多くする–なぜ?なぜ?なぜ?→×–どんな風になったらいい?/もしそれが実際に実現したら?/何も制約が無かったらどうしている?/何とかやれているのはどうして?/最悪でない所は?• できていない点よりもできている点、資源や強みに注目する–今少しでもできているところは?/問題が少しでもましな時は?/以前うまくいったときは?/問題解決や目標達成のために活用できそうなものは?/この場面で活用できるあなたの強みは?8
質問1現在の学校や教師間のコミュニケーションで良いところ、悪くはないところをできるだけ多く挙げましょう。9
コーチングの基礎その2相手の考えや価値観を尊重する10
相手の考えや価値観を尊重• 人それぞれ考え方や価値観は違うが、誰でも気持ちよく働きたい!• 心理的安全性–できないことに寛容に。違いを認め、尊重する。• 無条件の積極的関心:頭ごなしに否定しない–へぇそうなんだ!もっと教えて!/○○さんはそう思うのね。一方で、~という意見もある。これについてはどうしたらいいと思う?/~について私の考えを伝えてもいいですか?…これについてはどう思いますか?–何度言ったらわかるんだ!→前~と伝えたと思うけど、これについてはどう思う?11
質問2学校や教師間のコミュニケーションでもう少しこうなって欲しいなということは?12
コーチングの基礎その3理想の未来像を描く13
理想の未来像を描く• 具体的に、そして、どうなりたいかのその先へ!–それが実現したらどんないことがありそう?/それが実現したことはどんな所からわかるだろう?/そうなったらどんな気持ち?/そうなったときどんなこと考えている/そうなったら何をする?/それが実現したら、他者との関係はどう変わる?• 聞き返し(確認)がとても大事–相手の思いや気持ちを想像して聞き返す(確認する)–~ということ?/~という気持ち?/~して欲しい?/~したい?/~だったらいい?14
質問31 年後もこの学校で働いていることを想像してください。そして、すべてのことが順調に進んで、学校は、理想通りの姿になっているとします。あなたにはどんな光景が見えますか?教職員や生徒、保護者、近隣住民、掲示物など学校内の様子のどんなところに、理想が実現されたことが表れていますか?「理想は」は、各々の思い描くもので構いません。1 年後に理想が実現された様子について自由にお答えください。15
コーチングの基礎その4SMART(スマート)な目標とスモールステップを設定する16
SMART(スマート)な目標とスモールステップ• SMART(スマート)–Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連している)、Time-based(期限がある)• できるだけ小さな変化を起こす。1つ変われば、次も変わりやすく–スケーリング(点数化)→1点上がったら?–理想の未来が実現される最初の兆候は?/8割方できそうなことは?/まずどれから始める?/理想の未来に向けた1番初めの1歩は?17
質問4理想の未来像を100点として今現在は何点でしょう?それが1 点上がった状態は今とどう違っていますか?1 点上げるために、あなたにできそうなことは何ですか?18
質問5上記の1点上がった状態について、SMART なゴールを設定しましょう。いつまでに何がどうなったら達成といえますか?19
テイクホームメッセージ•1対1面接だけでなく、普段からコーチングを意識して建設的なコミュニケーションを心がけてみてください。–ち:注目するのはできている点や強み–か:(相手の)考えや価値観を尊重–み:(理想の)未来像を思い描く–ち:小さな(スモール)ステップで実行•無条件の積極的関心と聞き返し(確認)を忘れずに。20
宿題(のご提案)今後1か月間の間で、どこかで、相手に気づかれないように、コーチング的な応答(質問、無条件の積極的関心、聞き返しなど)を使ってみてください。–気づいた人は、「~がコーチング的で良かったね」と声をかけてください。–気づかれなかったら、しめしめとほくそ笑んでください。※実際のコーチングでは、宿題は話し合いで決めます。21
参考図書Amazon22