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アジャイル_スクラム勉強会_第3回

 アジャイル_スクラム勉強会_第3回

Satoshi Harada

July 20, 2022
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  1. スクラムの立ち位置をおさらい The New New Product Development Gameの 論文に着想を得て、米国のKen Schwaberと Jeff

    Sutherlandが1995年にアジャイルソフト ウェア開発スクラムにてスクラム(Scrum)を提 唱。 Jeff Sutherland氏はその後、2001年のアジャ イルソフトウェア開発宣言(Agile)の場にも参加 しており、スクラムの概念はアジャイルにも影 響を与えている。 2010年に、Jeff Sutherlandによってスクラム ガイドの初版が制定される。スクラムフレーム ワークを用いた開発はこのスクラムガイドが ルールとなる。 https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v 2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf https://speakerdeck.com/kawaguti/kanban-and-scrum
  2. スクラムガイドの章立て 1. スクラムガイドの目的 2. スクラムの定義 3. スクラムの理論 4. スクラムの価値基準 5.

    スクラムチーム 6. スクラムイベント 7. スクラムの作成物 8. 最後に 9. 翻訳について 10. 用語集 11. スクラムガイド 2017 年版からスクラムガイド 2020 年版への変更点
  3. 3. 2. 1. スクラムの定義 スクラムガイドの記述 スクラムとは、複雑な問題に対応する適応型の ソリューションを通じて、人々、チーム、組織 が価値を生み出すための軽量級フレームワーク である。 簡単に言えば、スクラムとは次の環境を促進す

    るためにスクラムマスターを必要とするもので ある。 1. プロダクトオーナーは、複雑な問題に対応するた めの作業をプロダクトバックログに並べる。 2. スクラムチームは、スプリントで選択した作業を 価値のインクリメントに変える。 3. スクラムチームとステークホルダーは、結果を検 査して、次のスプリントに向けて調整する。 4. 繰り返す。 解説 プロダクト バックログ インクリ メント スプリント プロダクトオーナー スクラムチーム ステークホルダー スクラム マスター 左記の環境を 促進する 複雑な問題 PO stakeholder dev S M 4. 1から3を繰り返す
  4. スクラムの理論 スクラムガイドの記述 スクラムは「経験主義」と「リーン思考」に基づいてい る。経験主義では、知識は経験から生まれ、意思決定は 観察に基づく。リーン思考では、ムダを省き、本質に集 中する。 スクラムでは、予測可能性を最適化してリスクを制御す るために、イテレーティブ(反復的)でインクリメンタ ル(漸進的)なアプローチを採用している。 スクラムを構成するのは、作業に必要なすべてのスキル

    や専門知識をグループ全体として備える人たちである。 また、必要に応じてそうしたスキルを共有または習得で きる人たちである。 スクラムでは、検査と適応のための 4 つの正式なイベン トを組み合わせている。それらを包含するイベントは 「スプリント」と呼ばれる。これらのイベントが機能す るのは、経験主義のスクラムの三本柱「透明性」「検 査」「適応」を実現しているからである。 解説 経験主義 リーン思考 スクラムは経験して学ぶことを重 視している 顧客までの価値の流れのムダを 取り除くという考え方 イテレーティブ (反復的) インクリメンタル (漸進的) 透明性 検査 適応 繰り返す 少しずつ スクラム の土台 スクラムの リスク制御 のアプローチ 経験主義の スクラムの 三本柱
  5. 経験主義のスクラムの3本柱 - 透明性・検査・適応 スクラムガイドの記述 透明性 創発的なプロセスや作業は、作業を実行する人とその作業を受け取 る人に見える必要がある。 スクラムにおける重要な意思決定は、3 つの正式な作成物を認知する状態に基づいている。透明性の低い作 成物は、価値を低下させ、リスクを高める意思決定につながる可能

    性がある。 透明性によって検査が可能になる。透明性のない検査 は、誤解を招き、ムダなものである。 検査 スクラムの作成物と合意されたゴールに向けた進捗状況は、頻繁か つ熱心に検査されなければ ならない。これは、潜在的に望ましくな い変化や問題を検知するためである。スクラムでは、 検査を支援す るために、5 つのイベントでリズムを提供している。 検査によって 適応が可能になる。適応のない検査は意味がないとされる。スクラ ムのイベント は、変化を引き起こすように設計されている。 適応 プロセスのいずれかの側面が許容範囲を逸脱していたり、成果とな るプロダクトが受け入れられなかったりしたときは、適用している プロセスや製造している構成要素を調整する必要がある。それ以上 の逸脱を最小限に抑えるため、できるだけ早く調整しなければなら ない。 関係者に権限が与えられていないときや、自己管理されてい ないときは、適応が難しくなる。 スクラムチームは検査によって新 しいことを学んだ瞬間に適応することが期待されている。 解説 プロダクト バックログ スプリント バックログ インクリ メント 3つの 正式な 作成物 透明性の高い作成物がプロダクトの価値を高める。 透明性の無い検査は、誤解を招きムダなものになる。 作成物は透明性が大事で、その内容が認知されている必要 がある。 5つの イベント スプリント プランニング デイリー スクラム スプリント レビュー スプリント レトロ スペクティブ スプリント 5つのイベントでリズムを提供し、検査(スプリントレビュー) では最新の状況に応じて適応する必要がある。 スプリントレビューで検査を行い、状況に適応する。 また、予定を逸脱しそうな場合・状況が変わった場合、 スクラムチームは学習し適応することが期待される。
  6. スクラムの価値基準 スクラムガイドの記述 スクラムが成功するかどうかは、次の 5つの価値基準を実践できる かどうかにかかっている。 確約(Commitment)、集中(Focus)、公開(Openness)、 尊敬(Respect)、勇気(Courage) スクラムチームは、ゴールを達成し、お互いにサポートすることを 確約する。スクラムチームは、ゴールに向けて可能な限り進捗でき るように、スプリントの作業に集中する。スクラムチームとステー

    クホルダーは、作業や課題を公開する。スクラムチームのメンバー は、お互いに能力のある独立した個人として尊敬し、一緒に働く人 たちからも同じように尊敬される。スクラムチームのメンバーは、 正しいことをする勇気や困難な問題に取り組む勇気を持つ。 これらの価値基準は、スクラムチームの作業・行動・振る舞いの方 向性を示している。下される意思決定、実行される手順、スクラム の使用方法は、これらの価値基準を減少や弱体化させるものではな く、強化させるものでなければならない。スクラムチームのメン バーは、スクラムのイベントや作成物を用いながら、これらの価値 基準を学習および探求する。これらの価値基準がスクラムチームや 一緒に働く人たちによって具現化されるとき、経験主義のスクラム の三本柱「透明性」「検査」「適応」に息が吹き込まれ、信頼が構 築される。 解説 透明性 検査 適応 経験主義の スクラムの 三本柱 スクラムの 5つの 価値基準 確約 (Commitment) 集中 (Focus) 公開 (Openness) 尊敬 (Respect) 勇気 (Courage) 息が吹き込まれる 信頼 (Trust) 構築 スクラムチームは、スプリント ゴールの達成を確約する。 スクラムチームは、スプリントの 作業に集中する。 スクラムチームやステークホル ダーは、作業や課題を公開する。 スクラムチームのメンバーはお互 いを独立した個として尊敬する。 スクラムチームのメンバーは正し いことをする勇気・困難に向き合 う勇気を持つ。
  7. 解説 スクラムチーム スクラムチーム スクラムガイドの記述 スクラムの基本単位は、スクラムチームという小さなチームである。スクラムチーム は、スクラムマスター1人、プロダクトオーナー1人、複数人の開発者で構成される。 スクラムチーム内には、サブチームや階層は存在しない。これは、一度にひとつの目的 (プロダクトゴール)に 集中している専門家が集まった単位である。 スクラムチームは機能横断型で、各スプリントで価値を生み出すために必要なすべての

    スキルを備えている。また、自己管理型であり、誰が何を、いつ、どのように行うかを スクラムチー ム内で決定する。 スクラムチームは、敏捷性を維持するための十分な小ささと、スプリント内で重要な作 業を完了するための十分な大きさがあり、通常は 10人以下である。一般的に小さな チームのほうがコミュニケーションがうまく、生産性が高いことがわかっている。スク ラムチームが大きくなりすぎる場合は、同じプロダクトに専念した、複数のまとまりの あるスクラムチームに再編成することを検討する必要がある。したがって、同じプロダ クトゴール、プロダクトバックログ、 およびプロダクトオーナーを共有する必要があ る。 スクラムチームは、ステークホルダーとのコラボレーション、検証、保守、運用、実 験、研究開発など、プロダクトに関して必要となり得るすべての活動に責任を持つ。ス クラムチームは、 自分たちで作業を管理できるように組織によって構成され、その権 限が与えられている。持続可能なペースでスプリントの作業を行うことにより、スクラ ムチームの集中と一貫性が向上する。 スクラムチーム全体が、スプリントごとに価値のある有用なインクリメントを作成する 責任を持つ。スクラムはスクラムチームにおいて、開発者、プロダクトオーナー、スク ラムマスターという3つの明確な責任を定義する。 プロダクト オーナー PO dev S M 開発者 スクラム マスター スクラムチームは機能横断型(クロスファンクショナル)である ➔ チームで見たときに、開発に必要なスキルを備えている 人材が揃っている ➔ チーム単体でプロダクトバックログの1アイテムを完了ま で持っていくことができる(フィーチャチームである) スクラムチームが大きくなりすぎた場合の対処 ➔ 同じプロダクトに専念する、複数のスクラムチームに再 編成することを検討 ➔ 複数のチームは、1つのプロダクトゴール・1つのプロダ クトバックログ・1人のプロダクトオーナーを共有する
  8. 解説 開発者が責任を持つこと スクラムチームのロール - 開発者 スクラムガイドの記述 開発者 開発者はスクラムチームの一員である。各スプ リントにおいて、利用可能なインクリメントの あらゆる側面を作成することを確約する。

    開発者が必要とする特定のスキルは、幅広く、 作業の領域によって異なる。ただし、開発者は 常に次の結果に責任を持つ。 • スプリントの計画(スプリントバックロ グ)を作成する。 • 完成の定義を忠実に守ることにより品質 を作り込む。 • スプリントゴールに向けて毎日計画を適 応させる。 • 専門家としてお互いに責任を持つ。 dev スプリント バックログ 完成の 定義 スプリント ゴール 品質の作り込み 計画を毎日検証 ・適応させる 作成の確約 インクリ メント スプリント 開発者 専門家として お互いに責任を持つ 確約(Commitment)とは、「徹夜してでも絶対に間に合わせ る」といったようなニュアンスではない。 開発者自らが設定したスプリントゴールを達成するために、開発 者は最善を尽くすこと・最大限の努力をすることを期待されてお り、そのような行動を自ら起こすための確約である。
  9. スクラムチームのロール - プロダクトオーナー スクラムガイドの記述 プロダクトオーナー プロダクトオーナーは、スクラムチームから生み出されるプロダクトの価値 を最大化することの結果に責任を持つ。組織・スクラムチーム・個人によっ て、その方法はさまざまである。 プロダクトオーナーは、効果的なプロダクトバックログ管理にも責任を持 つ。たとえば、

    • プロダクトゴールを策定し、明示的に伝える。 • プロダクトバックログアイテムを作成し、明確に伝える。 • プロダクトバックログアイテムを並び替える。 • プロダクトバックログに透明性があり、見える化され、理解される ようにする。 上記の作業は、プロダクトオーナーが行うこともできるが、他の人に委任す ることもできる。いずれの場合も、最終的な責任はプロダクトオーナーが持 つ。 プロダクトオーナーをうまく機能させるには、組織全体でプロダクトオー ナーの決定を尊重しなければならない。これらの決定は、プロダクトバック ログの内容や並び順、およびスプリントレビューでの検査可能なインクリメ ントによって見える化される。 プロダクトオーナーは1人の人間であり、委員会ではない。プロダクトオー ナーは、多くのステークホルダーのニーズをプロダクトバックログで表して いる場合がある。ステークホルダーがプロダクトバックログを変更したいと きは、プロダクトオーナーを説得する。 解説 プロダクトオーナー 1人の人間 PO ステークホルダー stakeholder プロダクト バックログ ・プロダクトバックログアイテム1 ・プロダクトバックログアイテム2 ・プロダクトバックログアイテム3 .... プロダクト ゴール 策定し 明示的に伝える プロダクトバックログの管理はプロダクトオーナーの責任領域。 プロダクトバックログの作成・明示的に伝える・並び替える・透 明性を維持する・見えるようにする・理解されるようにすること について、プロダクトオーナーは責任を持っている。 ステークホルダーがプロダクトバックログ を直接変更することはできない。 プロダクトバックログを変更したい場合 は、プロダクトオーナーを説得する。 説得 直接変更は NG
  10. スクラムチームのロール - スクラムマスター スクラムガイドの記述 スクラムマスター スクラムマスターは、スクラムガイドで定義されたスクラムを確立させることの結果に責任を持つ。スクラムマスターは、スクラ ムチームと組織において、スクラムの理論とプラクティスを全員に理解してもらえるよう支援することで、その責任を果たす。 スクラムマスターは、スクラムチームの有効性に責任を持つ。スクラムマスターは、スクラムチームがスクラムフレームワーク内 でプラクティスを改善できるようにすることで、その責任を果たす。 スクラムマスターは、スクラムチームと、より大きな組織に奉仕する真のリーダーである。

    スクラムマスターは、さまざまな形でスクラムチームを支援する。 • 自己管理型で機能横断型のチームメンバーをコーチする。 • スクラムチームが完成の定義を満たす価値の高いインクリメントの作成に集中できるよう支援する。 • スクラムチームの進捗を妨げる障害物を排除するように働きかける。 • すべてのスクラムイベントが開催され、ポジティブで生産的であり、タイムボックスの制限が守られるようにする。 スクラムマスターは、さまざまな形でプロダクトオーナーを支援する。 • 効果的なプロダクトゴールの定義とプロダクトバックログ管理の方法を探すことを支援する。 • 明確で簡潔なプロダクトバックログアイテムの必要性についてスクラムチームに理解してもらう。 • 複雑な環境での経験的なプロダクト計画の策定を支援する。 • 必要に応じてステークホルダーとのコラボレーションを促進する。 スクラムマスターは、さまざまな形で組織を支援する。 • 組織へのスクラムの導入を指導・トレーニング・コーチする。 • 組織においてスクラムの実施方法を計画・助言する。 • 複雑な作業に対する経験的アプローチを社員やステークホルダーに理解・実施してもらう。 • ステークホルダーとスクラムチームの間の障壁を取り除く。 解説 S M スクラムマスター スクラムチームと 組織に奉仕するリーダー プロダクト オーナー PO dev 開発者 ステーク ホルダー stake holder 支援 支援 スクラムチーム 組織 その他 関係者 支援
  11. スクラムイベント スクラムガイドの記述 スプリントは他のすべてのイベントの入れ物で ある。スクラムにおけるそれぞれのイベント は、 スクラムの作成物の検査と適応をするため の公式の機会である。これらのイベントは必要 な透明性を実現するために明確に設計されてい る。規定通りにイベントを運用しなければ、検 査と適応の機会が失われる。スクラムにおける

    イベントは、規則性を生み、スクラムで定義さ れていない会議の必要性を最小限に抑えるため に用いられる。 すべてのイベントは、複雑さを低減するため に、同じ時間と場所で開催されることが望まし い。 解説 スプリント プランニング デイリー スクラム スプリント レビュー スプリント レトロ スペクティブ スプリント 透明性 検査 適応 経験主義の スクラムの 三本柱 5つの イベント スクラムイベントは 検査と適応のための 公式の機会 スクラムイベントは 透明性実現のために 設計されている
  12. スクラムイベント - スプリント スクラムガイドの記述 スプリント スプリントはスクラムにおける心臓の鼓動であり、スプリントにおいてアイデアが価値に変わる。 一貫性を保つため、スプリントは1か月以内の決まった長さとする。前のスプリントが終わり次第、新しいスプリ ントが始まる。 スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブを含む、プロ ダクトゴールを達成するために必要なすべての作業は、スプリント内で行われる。

    スプリントでは、 • スプリントゴールの達成を危険にさらすような変更はしない。 • 品質を低下させない。 • プロダクトバックログを必要に応じてリファインメントする。 • 学習が進むにつれてスコープが明確化され、プロダクトオーナーとの再交渉が必要になる場合がある。 スプリントによって、プロダクトゴールに対する進捗の検査と適応が少なくとも1か月ごとに確実になり、予測可 能性が高まる。スプリントの期間が長すぎると、スプリントゴールが役に立たなくなり、複雑さが増し、リスクが 高まる可能性がある。スプリントの期間を短くすれば、 より多くの学習サイクルを生み出し、コストや労力のリス クを短い時間枠に収めることができる。スプリントは短いプロジェクトと考えることもできる。 進捗の見通しを立てるために、バーンダウン、バーンアップ、累積フローなど、さまざまなプラクティスが存在す る。これらの有用性は証明されているが、経験主義の重要性を置き換えるものではない。複雑な環境下では、何が 起きるかわからない。すでに発生したことだけが、将来を見据えた意思決定に使用できる。 スプリントゴールがもはや役に立たなくなった場合、スプリントは中止されることになるだろう。プロダクトオー ナーだけがスプリントを中止する権限を持つ。 解説 スプリント スプリントは、スクラムにおける心臓の鼓 動であり、一定のリズムを刻む。 スクラムガイドではスプリントの長さは1 か月以内とされているが、1週間スプリン トでリズムを刻むことが多い。 これは、進捗の検査と適応を高頻度で行 い、予測可能性を高めたいためである。 スクラムは経験主義であり、過去のスプリ ントの学習や実績をもとに将来を見据えた 意思決定を行う。(プロダクトゴールが何 スプリント後に達成できそうか、など)
  13. スクラムイベント - スプリントプランニング(1) スクラムガイドの記述 スプリントプランニング スプリントプランニングはスプリントの起点であり、ここで はスプリントで実行する作業の計画を立てる。結果としてで きる計画は、スクラムチーム全体の共同作業によって作成さ れる。 プロダクトオーナーは参加者に対して、最も重要なプロダク

    トバックログアイテムと、それらとプロダクトゴールとの関 連性について話し合う準備ができているかを確認する。スク ラムチームは、アドバイスをもらうためにチーム以外の人を スプリントプランニングに招待してもよい。 スプリントプランニングは次のトピックに対応する: トピック 1:このスプリントはなぜ価値があるのか? プロダクトオーナーは、プロダクトの価値と有用性を今回の スプリントでどのように高めることができるかを提案する。 次に、スクラムチーム全体が協力して、そのスプリントにな ぜ価値があるかをステークホルダーに伝えるスプリントゴー ルを定義する。スプリントゴールは、スプリントプランニン グの終了までに確定する必要がある。 解説 スプリント プランニング チーム 以外の人 スクラムチーム プロダクト オーナー PO dev S M 開発者 スクラム マスター 作業の計画は、スクラムチームの共同 作業で作成する。 プロダクト バックログ プロダクトオーナーはスプリントプランニングの参 加者に対して、最も優先度が高いプロダクトバック ログアイテムについて説明・話し合いをする必要が ある。(つまり、プロダクトバックログアイテムが Readyな状態になっている必要がある) スクラムチーム全体が協力し、今回のスプリントにどのような価値がある か・スプリントの終わりにステークホルダに何を伝えるのか(スプリント ゴール)を定義する。 招待 可能
  14. スクラムイベント - スプリントプランニング(2) スクラムガイドの記述(前ページからの続き) トピック 2:このスプリントで何ができるのか? 開発者は、プロダクトオーナーとの話し合いを通じて、プロダクトバックロ グからアイテムを選択し、今回のスプリントに含める。スクラムチームは、 このプロセスの中でプロダクトバックログアイテムのリファインメントをす る場合がある。それによって、チームの理解と自信が高まる。

    スプリント内でどれくらい完了できるかを選択するのは難しいかもしれな い。しかしながら、 開発者が過去の自分たちのパフォーマンス、今回のキャ パシティ、および完成の定義の理解を深めていけば、スプリントの予測に自 信が持てるようになる。 トピック 3:選択した作業をどのように成し遂げるのか? 開発者は、選択したプロダクトバックログアイテムごとに、完成の定義を満 たすインクリメントを作成するために必要な作業を計画する。これは多くの 場合、プロダクトバックログアイテムを1日以内の小さな作業アイテムに分 解することによって行われる。これをどのように行うかは、開発者だけの裁 量とする。プロダクトバックログアイテムを価値のインクリメントに変換す る方法は誰も教えてくれない。 スプリントゴール、スプリント向けに選択したプロダクトバックログアイテ ム、およびそれらを提供するための計画をまとめてスプリントバックログと 呼ぶ。 スプリントが1か月の場合、スプリントプランニングのタイムボック スは最大で8時間である。 スプリントの期間が短ければ、スプリントプラン ニングの時間も短くすることが多い。 解説 プロダクト バックログ スプリント バックログ スクラムチーム プロダクト オーナー PO dev S M 開発者 スクラム マスター 相談 PBI PBI 今スプリントで実施するアイテムをプロダクトバック ログから選択し、スプリントバックログに含める。 どれくらいのアイテムを選択できるかは、スクラム チームの過去のパフォーマンスをもとに推測する。 スプリントバックログでは、プロダクトバックログア イテムを1日以内の小さな作業アイテムに分解する。 PBI: プロダクトバックログアイテム 1日以内の 作業アイテム
  15. スクラムイベント - デイリースクラム スクラムガイドの記述 デイリースクラム デイリースクラムの目的は、計画された今後の作業を調整しなが ら、スプリントゴールに対する進捗を検査し、必要に応じてスプリ ントバックログを適応させることである。 デイリースクラムは、スクラムチームの開発者のための15分のイベ ントである。複雑さを低減するために、スプリント期間中は毎日、

    同じ時間・場所で開催する。プロダクトオーナーまたはスクラムマ スターがスプリントバックログのアイテムに積極的に取り組んでい る場合は、開発者として参加する。 開発者は、デイリースクラムがスプリントゴールの進捗に焦点をあ て、これからの1日の作業の実行可能な計画を作成する限り、必要な 構造とやり方を選択できる。これは集中を生み出し、自己管理を促 進する。 デイリースクラムは、コミュニケーションを改善し、障害物を特定 し、迅速な意思決定を促進する。その結果、他の会議を不要にす る。 開発者が計画を調整できるのは、デイリースクラムのときだけでは ない。スプリントの残りの作業を適応または再計画することについ て、より詳細な議論をするために、開発者は一日を通じて頻繁に話 し合う。 解説 デイリー スクラム デイリースクラムは、開発者のための イベント。スプリントゴールに対する 進捗を検査する。 スクラムチーム プロダクト オーナー PO dev S M 開発者 スクラム マスター 毎日、同じ時間・同じ場所で、15分のデイリースクラムを実施する。 デイリースクラムでは、以下の問を用いてスプリントゴールに対する進捗 を検査することが多い。 • 昨日は何をしたか • 今日は何をするか • 困っていることや障害になっていること ※作業アイテムに積極的 に取り組んでいる場合 は、POとSMも開発者とし て参加する。
  16. スクラムイベント - スプリントレビュー スクラムガイドの記述 スプリントレビュー スプリントレビューの目的は、スプリントの成果を検査 し、今後の適応を決定することである。スクラムチーム は、主要なステークホルダーに作業の結果を提示し、プ ロダクトゴールに対する進捗について話し合う。 スプリントレビューにおいて、スクラムチームとステー

    クホルダーは、スプリントで何が達成され、自分たちの 環境で何が変化したかについてレビューする。この情報 に基づいて、参加者は次にやるべきことに協力して取り 組む。新たな機会に見合うようにプロダクトバックログ を調整することもある。スプリントレビューはワーキン グセッションであり、スクラムチームはスプリントレ ビューをプレゼンテーションだけに限定しないようにす る。 スプリントレビューは、スプリントの最後から2番目の イベントであり、スプリントが1か月の場合、タイム ボックスは最大4時間である。スプリントの期間が短け れば、スプリントレビューの時間も短くすることが多 い。 解説 スプリント レビュー ステーク ホルダー スクラムチーム プロダクト オーナー PO dev S M 開発者 スクラム マスター スプリントの成果を検査し、今後のス プリントについて話し合い決定する。 インクリ メント プロダクト バックログ スプリントの成果をお披露目 ステークホルダーは、スプリントで何が達成され、自分た ちの環境で何が変化したかについて、スクラムチームとと もにレビューする。 スクラムチームとステークホルダは、今回のスプリントで プロダクトゴールにどれくらい近づいたかも話し合う。 stake holder プロダクト ゴール
  17. スクラムイベント - スプリントレトロスペクティブ スクラムガイドの記述 スプリントレトロスペクティブ スプリントレトロスペクティブの目的は、品質と効果を高め る方法を計画することである。 スクラムチームは、個人、相互作用、プロセス、ツール、完 成の定義に関して、今回のスプリントがどのように進んだか を検査する。多くの場合、検査する要素は作業領域によって

    異なる。 スクラムチームを迷わせた仮説があれば特定し、そ の真因を探求する。スクラムチームは、スプリント中に何が うまくいったか、どのような問題が発⽣したか、そしてそれ らの問題がどのように解決されたか(または解決されなかっ たか)について話し合う。 スクラムチームは、自分たちの効果を改善するために最も役 立つ変更を特定する。最も影響の大きな改善は、できるだけ 早く対処する。次のスプリントのスプリントバックログに追 加することもできる。 スプリントレトロスペクティブをもってスプリントは終了す る。スプリントが1か月の場合、スプリントレトロスペクティ ブは最大3時間である。スプリントの期間が短ければ、スプリ ントレトロスペクティブの時間も短くすることが多い。 解説 スプリント レトロ スペクティブ スクラムチーム プロダクト オーナー PO dev S M 開発者 スクラム マスター 品質と効果を高める方法を考えて、計 画に反映する。 スプリント バックログ KPT YWT KPT, YWT, Fan/Done/Learnなどなど... ふりかえりと改善のための手法はたくさんある。 スクラムチームは自分たちの効果を改善するために最も役立つ変 更を特定したいので、状況にあった手法を選択するのが重要。 改善はできるだけ早く対処するために、スプリントバックログに 追加することもできる。 Fan Done Learn 改善 アクション
  18. スクラムの 作成物 確約 (Commitment) スクラムの作成物 スクラムガイドの記述 スクラムの作成物は、作業や価値を表してい る。これらは重要な情報の透明性を最大化でき るように設計されている。作成物を検査する人 が、適応するときと同じ基準を持っている。

    各作成物には、透明性と集中を高める情報を提 供する「確約(コミットメント)」が含まれて いる。これにより進捗を測定できる。 • プロダクトバックログのためのプロダク トゴール • スプリントバックログのためのスプリン トゴール • インクリメントのための完成の定義 これらの確約は、スクラムチームとステークホ ルダーの経験主義とスクラムの価値基準を強化 するために存在する。 解説 プロダクト バックログ スプリント バックログ インクリ メント プロダクト ゴール 完成の 定義 スプリント ゴール 確約 確約 確約 各成果物には確約が含まれており、確約によって透明性 が維持され、進捗を測定できる。
  19. スクラムの作成物 - プロダクトバックログ スクラムガイドの記述 プロダクトバックログは、創発的かつ順番に並べられ た、プロダクトの改善に必要なものの一覧である。これ は、スクラムチームが行う作業の唯一の情報源である。 1スプリント内でスクラムチームが完成できるプロダク トバックログアイテムは、スプリントプランニングのと きには選択の準備ができている。スクラムチームは通

    常、リファインメントの活動を通じて、選択に必要な透 明性を獲得する。プロダクトバックログアイテムがより 小さく詳細になるように、分割および定義をする活動で ある。これは、説明・並び順・サイズなどの詳細を追加 するための継続的な活動である。多くの場合、属性は作 業領域によって異なる。 作業を行う開発者は、その作業規模の評価に責任を持 つ。開発者がトレードオフを理解して選択できるよう に、プロダクトオーナーが開発者を支援することもでき る。 解説 プロダクト バックログ プロダクトバックログアイテム1  →プロダクトバックログアイテム1-1(準備完了)  →プロダクトバックログアイテム1-2(準備完了)  →プロダクトバックログアイテム1-3(準備中) プロダクトバックログアイテム2(準備中) プロダクトバックログアイテム3(準備中) スクラムチームが行う作業はプロダクト バックログに載っている必要がある。 プロダクトバックログリファインメントという活動で、プロダク トバックログアイテムの詳細化・分割・並び替え・規模評価を開 発者が行う。(プロダクトオーナーが開発者を支援) 上記の活動で選択の準備(Ready)ができている状態になったプ ロダクトバックログアイテムについて、スプリントプランニング でスプリントの作業対象にすることができる。 逆に、選択の準備(Ready)ができていないプロダクトバックロ グアイテムをスプリントの作業対象にすると、スプリント内で詳 細化や分割を行う必要があり、不確実性が高まる。 スプリント の作業対象 にできる PBI
  20. プロダクトバックログの確約 - プロダクトゴール スクラムガイドの記述 プロダクトゴールは、プロダクトの将来の状態を表 している。それがスクラムチームの計画のターゲッ トになる。プロダクトゴールはプロダクトバックロ グに含まれる。プロダクトバックログの残りの部分 は、プロダクトゴールを達成する「何か (what)」を定義するものである。

    プロダクトとは価値を提供する手段である。 プロダクトは、明確な境界、既知のステーク ホルダー、明確に定義されたユーザーや顧客 を持っている。プロダクトは、サービスや物 理的な製品である場合もあれば、より抽象的 なものの場合もある。 プロダクトゴールは、スクラムチームの長期的な目 標である。次の目標に移る前に、スクラムチームは ひとつの目標を達成(または放棄)しなければなら ない。 解説 プロダクト ゴール プロダクト 価値 プロダクト バックログ 長期的な目標 プロダクトの将来の 状態はプロダクト ゴールで表される。 プロダクトは価値を 提供する手段。プロ ダクトが目的ではな く、価値提供を目的 である。 PBI プロダクトゴールを達成 するために何が必要か →プロダクトバックログ アイテム PBI PBI
  21. スクラムの作成物 - スプリントバックログ スクラムガイドの記述 スプリントバックログは、スプリントゴール (なぜ)、スプリント向けに選択されたいくつ かのプロダクトバックログアイテム(何を)、 およびインクリメントを届けるための実行可能 な計画(どのように)で構成される。 スプリントバックログは、開発者による、開発

    者のための計画である。スプリントバックログ には、スプリントゴールを達成するために開発 者がスプリントで行う作業がリアルタイムに反 映される。その結果、より多くのことを学ぶに つれて、スプリントの期間を通して更新され る。 スプリントバックログはデイリースクラムで進 捗を検査できる程度の詳細さが必要である。 解説 スプリント バックログ スプリント ゴール プロダクト バックログ PBI スプリントで どのように実現するか の計画 スプリントで 何を実現するか スプリントでなぜ それを実現するのか スプリントバックログの計画(作業タスク)は、 デイリースクラムで進捗を検査できる程度の詳細 さ(1日以下の細かさ)が必要。
  22. スプリントバックログの確約 - スプリントゴール スクラムガイドの記述 スプリントゴールはスプリントの唯一の目的で ある。スプリントゴールは開発者が確約するも のだが、スプリントゴールを達成するために必 要となる作業に対しては柔軟性をもたらす。ス プリントゴールはまた、一貫性と集中を生み出 し、スクラムチームに一致団結した作業を促す

    ものでもある。 スプリントゴールは、スプリントプランニング で作成され、スプリントバックログに追加され る。開発者がスプリントで作業するときには、 スプリントゴールを念頭に置く。作業が予想と 異なることが判明した場合は、スプリントゴー ルに影響を与えることがないように、プロダク トオーナーと交渉してスプリントバックログの スコープを調整する。 解説 スプリント バックログ スプリント ゴール PBI スプリントで どのように実現するか の計画 →スプリントゴールに 影響を与えない前提 で、開発者とプロダク トオーナーが交渉して 作業範囲(スコープ) を調整できる スプリントで 何を実現するか スプリントでなぜ それを実現するのか →開発者がスプリント プランニングで確約
  23. スクラムの作成物 - インクリメント スクラムガイドの記述 インクリメントは、プロダクトゴールに向けた具体 的な踏み石である。インクリメントはこれまでのす べてのインクリメントに追加する。また、すべての インクリメントが連携して機能することを保証する ために、徹底的に検証する必要がある。価値を提供 するには、インクリメントを利用可能にしなければ

    ならない。 スプリントでは、複数のインクリメントを作成可能 である。インクリメントをまとめたものをスプリン トレビューで提示する。それによって、経験主義が サポートされる。ただし、スプリント終了前にイン クリメントをステークホルダーにデリバリーする可 能性もある。スプリントレビューのことを価値をリ リースするための関門と見なすべきではない。 完成の定義を満たさない限り、作業をインクリメン トの一部と見なすことはできない。 解説 これまでのすべての インクリメント 今回のスプリントのインクリ メント(複数作成可能) 検証は完成の定義を用いて行う。完成の定義を満た さないとインクリメントとして認められない。 検証の具体的な実現方法として、テストコードを各 インクリメントに用意しておき、新たなインクリメ ントを加えても過去のインクリメントを壊していな いか自動テストで検証するといった手法がある。 検証が済んですべてのインクリメントが利用可能な 状態になっていないと、価値を提供できている状態 にならない。 完成の 定義 すべてのインクリメ ントが連携して機能 することを検証を通 じて保証する必要が ある 価値
  24. インクリメントの確約 - 完成の定義 スクラムガイドの記述 完成の定義とは、プロダクトの品質基準を満たすインクリメ ントの状態を示した正式な記述である。 プロダクトバックログアイテムが完成の定義を満たしたとき にインクリメントが誕生する。 完成の定義により、作業が完了してインクリメントの一部と なったことが全員の共通認識となり、透明性が生み出され

    る。プロダクトバックログアイテムが完成の定義を満たして いない場合、リリースすることはできない。ましてやスプリ ントレビューで提示することもできない。 そうした場合、あ とで検討できるようにプロダクトバックログに戻しておく。 インクリメントの完成の定義が組織の標準の一部となってい る場合、すべてのスクラムチームは最低限それに従う必要が ある。組織の標準になっていない場合、そのスクラムチーム はプロダクトに適した完成の定義を作成する必要がある。 開発者は完成の定義に準拠する必要がある。プロダクトに関 わるスクラムチームが複数ある場合、共通の完成の定義を作 成して、それに準拠する必要がある。 解説 完成の 定義 完成の定義をどのようなものにすればよいかは 以下のWebページが参考になる(Ryuzee.com) https://www.ryuzee.com/contents/blog/3285 https://www.ryuzee.com/contents/blog/3290 プロダクト バックログ PBI インクリ メント プロダクトバックログアイテ ムは、完成の定義を満たして 初めてインクリメントとして 認められる。 完成の定義を満たしていない のなら、スプリントレビュー で提示することも、リリース することもできない。
  25. スプリント スクラムの俯瞰図 プロダクト バックログ スプリント バックログ インクリ メント 複雑な問題 PO

    stakeholder S M スプリント プランニング デイリー スクラム スプリント レビュー スプリント レトロ スペクティブ PBI スプリント ゴール 作業タスク プロダクト ゴール PBI 完成の 定義 PBI プロダクト 価値 改善 アクション dev スクラム チーム 経験主義 リーン思考 透明性 検査 適応 確約 集中 公開 尊敬 勇気 スクラムの土台 経験主義の 三本柱 スクラムの 価値基準
  26. スクラムガイドは守破離の守 スクラムガイドの記述 “スクラムガイドにはスクラムの定義が含まれている。フレーム ワークの各要素には特定の目的があり、スクラムで実現される 全体的な価値や結果に欠かせないものとなっている。スクラム の核となるデザインやアイデアを変更したり、要素を省略した り、スクラムのルールに従わなかったりすると、問題が隠蔽さ れ、スクラムの利点が制限される。場合によっては、スクラム が役に立たなくなることさえある。” スクラムガイド

    P2 スクラムガイドの目的 より “スクラムはシンプルである。まずはそのままの状態で試してほ しい。そして、スクラムの哲学、理論、構造が、ゴールを達成 し、価値を生み出すかどうかを判断してほしい。スクラムフ レームワークは意図的に不完全なものであり、スクラムの理論 を実現するために必要な部分のみが定義されている。” スクラムガイド P5 スクラムの定義 より “スクラムの一部だけを導入することも可能だが、それはスクラ ムとは言えない。すべてを備えたものがスクラムであり、その 他の技法・方法論・プラクティスの入れ物として機能するもの である。” スクラムガイド P14 最後に より 解説 守 破 離 ルールに沿って型を 守り、繰り返し実践 することで基本を身 につける段階 守で身につけた基本 をベースにしなが ら、自分なりの工夫 を加えて型に自分ら しさを加える段階 型やルールから離れ て、独自の手法や個 性を発揮する段階 スクラムガイドは守破離の「守」にあたる。 そのため、スクラムガイドにおいても「まずはそのままの状態 で試してほしい」と書かれており、またルールに従わない場合 はスクラムの価値を享受できないと警告されている。 組織ルールや組織構造に合わせてスクラムを最初からカスタマ イズして試したいというケースもあるだろうが、それは最初か ら「破」や「離」で成功させるような高難易度な話である。
  27. スクラムは軽量フレームワークであり、 スクラムを核としながらその他の技法・ 方法論・プラクティスを必要に応じて ピックアップして入れる事ができる。 ただしその場合でも、スクラムの核とな るルール(守破離の守)を省いたり変え たりするべきではない。 出典: Scrum Developers

    Night! Online 〜6th〜 https://techplay.jp/event/827393 Subway Map to Agile Practices https://www.agilealliance.org/agile101/subwa y-map-to-agile-practices/ スクラムはその他の技法・方法論・プラクティスの入れ物として機能する