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人工知能(AI)の「細胞」の動きを学ぼう

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December 22, 2025

 人工知能(AI)の「細胞」の動きを学ぼう

2025/12のノートルダム清心女子大学 情報デザイン学部オープンキャンパスの学科企画で使用したスライドです。

◆概要
誰もがAIを使う現代では、ただAIサービスを使えるだけでなく、AIの動作原理を理解して活用できる人材が求められます。AIの「細胞」である形式ニューロンの動作を、表計算ソフトを使って学びましょう!

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December 22, 2025
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Transcript

  1. AI技術の発展: これまでの「AIブーム」 第1次 (1950~70年代) • Artificial Intelligenceという言葉が登場 • 形式ニューロンなどの基礎的なモデルが考案 第2次

    (1980年代) • 質問に答えるエキスパートシステムが登場 • ニューラルネットワークの理論が発展 第3次 (2000年代~) • 画像や動画の生成AIを含むAIの高度化 • ニューラルネットワークの高度な学習が可能に 4
  2. 形式ニューロン: AIの「細胞」 脳内の神経細胞(neuron)の動作を模したモデル 5 (参考) McCulloch & Pitts(1943)「A logical calculus

    of the ideas immanent in nervous activity」 Bulletin of Mathematical Biophysics, Vol.5, p.115-133, doi:10.1007/BF02478259 𝑡 𝑥1 𝑥2 𝑥3 𝑤1 𝑤2 𝑤3 𝑦 = ቊ 1 (𝒘 ⋅ 𝒙 ≧ 𝑡) 0 (𝒘 ⋅ 𝒙 < 𝑡) 重み 特徴 しきい値
  3. 事例: ある受験者Aさんの合否判定 Aさんの試験での得点(換算前)が 国語: 50点・英語: 40点・数学: 60点 のとき、Aさんのスコア𝑠は、 𝑠 =

    80 100 × 50 + 70 100 × 40 + 150 100 × 60 = 0.8 × 50 + 0.7 × 40 + 1.5 × 60 = 40 + 28 + 90 = 158 𝑠 ≧ 150なので、 AさんはP学部に合格する 7 科目 国語 英語 数学 満点 100 100 100 換算点 80 70 150 換算比 0.8 0.7 1.5
  4. スコアの式の一般化 Aさんの得点が 国語: 50点・英語: 40点・数学: 60点 のとき、Aさんのスコア𝑠は、 𝑠 = 0.8

    × 50 + 0.7 × 40 + 1.5 × 60 …と表せる Aさんの得点が 国語: 𝑥1 点・英語: 𝑥2 点・数学: 𝑥3 点 のときには、Aさんのスコア𝑠は、 𝑠 = 0.8 × 𝑥1 + 0.7 × 𝑥2 + 1.5 × 𝑥3 …と表せる 11 科目 国語 英語 数学 満点 100 100 100 換算点 80 70 150 換算比 0.8 0.7 1.5
  5. ベクトル: 複数の文字をまとめて扱う 複数の文字を(𝑥1 , 𝑥2 , 𝑥3 )のようにまとめたものを ベクトルという 例:

    • Aさんの得点は(50, 40, 60)と表せる • P学部の換算比率は(0.8, 0.7, 1.5)と表せる ベクトルは、文字を太字にして表すことが多い 例: 𝒙 = (𝑥1 , 𝑥2 , 𝑥3 ) 12
  6. ベクトルの内積: ベクトルの「かけ算」 2つのベクトル𝒘 = 𝑤1 , 𝑤2 , 𝑤3 ,

    𝒙 = 𝑥1 , 𝑥2 , 𝑥3 について、 𝒘 ∙ 𝒙 = 𝑤1 𝑥1 + 𝑤2 𝑥2 + 𝑤3 𝑥3 を、𝒘と𝒙の内積という 例: ベクトル(1, 2, 3)と(6, 5, 4)の内積は、 (1, 2, 3) ∙ (6, 5, 4) = 1 × 6 + 2 × 5 + 3 × 4 = 6 + 10 + 12 = 28 13
  7. 内積を使った表記 Aさんの国語・英語・数学の得点が 𝒙 = (𝑥1 , 𝑥2 , 𝑥3 )点で、

    𝒘 = 0.8, 0.7, 1.5 とすると、 Aさんのスコア𝑠は、 𝑠 = 0.8 × 𝑥1 + 0.7 × 𝑥2 + 1.5 × 𝑥3 = (0.8, 0.7, 1.5) ∙ (𝑥1 , 𝑥2 , 𝑥3 ) = 𝒘 ∙ 𝒙 …と表せる 14 科目 国語 英語 数学 満点 100 100 100 換算点 80 70 150 換算比 0.8 0.7 1.5
  8. 内積を使った表記 Aさんの国語・英語・数学の得点が 𝒙 = (𝑥1 , 𝑥2 , 𝑥3 )点で、

    𝒘 = 0.8, 0.7, 1.5 とすると、 Aさんのスコア𝑠は、 𝑠 = 0.8 × 𝑥1 + 0.7 × 𝑥2 + 1.5 × 𝑥3 = (0.8, 0.7, 1.5) ∙ (𝑥1 , 𝑥2 , 𝑥3 ) = 𝒘 ∙ 𝒙 …と表せる 15 各科目の得点をどれだけ 重視するかという比率 ⇒「重み(weight)」を表す 受験者の特徴が各科目の 得点という形で抽出 ⇒ 「特徴(feature)」を表す 科目 国語 英語 数学 満点 100 100 100 換算点 80 70 150 換算比 0.8 0.7 1.5
  9. 形式ニューロン: AIの「細胞」 脳内の神経細胞(neuron)の動作を模したモデル 形式ニューロンは、計算結果を0 or 1で出力できる 16 (参考) McCulloch &

    Pitts(1943)「A logical calculus of the ideas immanent in nervous activity」 Bulletin of Mathematical Biophysics, Vol.5, p.115-133, doi:10.1007/BF02478259 𝑡 𝑥1 𝑥2 𝑥3 𝑤1 𝑤2 𝑤3 𝑦 = ቊ 1 (𝒘 ⋅ 𝒙 ≧ 𝑡) 0 (𝒘 ⋅ 𝒙 < 𝑡) 重み 特徴 しきい値
  10. (おまけ) 重みの調節: 教師あり学習 • 設定した重みに基づいて合否を判定したところ、 学部の専門性に即した適性がありそうな受験生 が不合格と判定されてしまった… • 次年度からは、このような現象を回避したい •

    調整方法は次のいずれか: • 重み𝒘を調整する方法: 理想的な重みに近づける • (しきい値𝑡を調整する方法: 「合格ライン」を下げる) • (特徴𝒙を調整する方法: 試験の難度を下げる) • 合否判定結果の妥当性を第三者(「教師」)の目 で確認し、妥当でないと判断したら重みを調整し て、次回以降の精度を向上させる ⇒ 「教師あり学習(supervised learning)」 19 ※人工知能で用いられる学習方法には他にも、教師データなしに行う教師なし学習や、 半自動的に学習が進むような手法など、さまざまなものがあります。