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教育実習の事後指導における話し合い活動でのICT活用

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February 28, 2026

 教育実習の事後指導における話し合い活動でのICT活用

CIS2026の発表スライドです。

教職課程において、感想や反省の交流を目的として話し合うことが有用と考えられる活動として、教育実習の事後指導における学生間の交流活動がある。本稿では、教育実習の事後指導において展開した話し合い活動について、実践の結果を報告する。特に、対面で直接話し合う活動と、ホワイトボードツールを用いて情報を共有する活動を行い、事後に記述させた文章を用いて教育方法の比較を試みた。その結果、ホワイトボードツールは概ね問題なく使用でき、ホワイトボードツールを使用した回の方が記述量がやや多くなったが、記述量が増えた原因を教育方法の差異に帰着させることは難しいといえ、検証方法の改善が必要という課題が得られた。

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February 28, 2026
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Transcript

  1. 背景 国語科における「話し合い」活動の目的: 発想を出し合う、感想や反省の交流、 理解を深める、意思決定、合意形成 (文科省『高等学校学習指導要領解説』) 感想や反省の交流: 参加者間で感想や反省を共有 • 全員が同じ学習活動を行った後に行う (芸術鑑賞、特別活動など)

    → 対象の解釈に多様性があることの学習が主 • 全員が異なる学習活動を行った後に行う (ジグソー法、ワールド・カフェの「他花受粉」など) → 対象自体に多様性があることの学習が主 2 (参考) 文科省(2018)『高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説 国語編』, p.87, https://www.mext.go.jp/content/20250410-mxt_kyoiku01-100002620_02.pdf
  2. 教育実習の概要: 実習校の決定 • 実習校は原則どの学校でもよく、 文科省は出身校以外での実習を奨励している • 実態としては、特段の事情がなければ卒業生しか 受け入れない学校が多く、多くの場合は「実習校 =出身校」となる (受入負荷の問題などがある)

    • 現実には多様な学校があるのに、実習生は自分 の出身校だけを見て、「学校とはこういうものだ」 という、狭い認識を持っていることが多い → 各校での経験を共有できると、学びが深まる 5 (参考) 文科省(2006)「今後の教員養成・免許制度の在り方について」 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1212707.htm
  3. 教育実習の概要: 実習の流れ 6 (参考) 文科省(2021)「教職課程コアカリキュラム」p.21, https://www.mext.go.jp/content/20210730-mxt_kyoikujinzai02-000016931_5.pdf 事前指導 • 教育実習生として学校の教育活動に参画する意識を高め る

    教育実習 • 観察・参加・実習という方法で教育実践に関わる • 教育者としての愛情と使命感を深める • 将来教員になるうえでの能力や適性を考え、課題を自覚 事後指導 • 教育実習を経て得られた成果と課題等を省察する • 教員免許取得までに習得すべき知識や技能等について理 解する
  4. 教育実習の概要: 事後指導に関する状況・実践 • 山本(2023)「幼稚園教育実習事後指導の実 際」: • 岡山県内の大学・短大・専門学校19校の幼稚園教 育実習のシラバスを比較 • 8校で「グループ討議」、7校で「反省会・報告会」

    • 吉田・吉山(2001)「グループワークを用いた教 育実習事後指導プログラムの開発」: • 事後指導でグループワークでの話し合いを取り入れ た教育実践を実施 • 濱矢(2025)「京都橘大学の中等「教育実習事 前・事後指導」について」: • 3年次の学生に対する教育実習の事前指導と、4年 次の学生に対する教育実習の事後指導を合同実施 • 実習を終えた4年次の学生の学びを、 実習前の3年次の学生に共有 8
  5. 教育実践: 実践の場面と対象 2024年度・2025年度に地方所在の私立A大学で 開講された「教職実践演習」で筆者が担当した、学 校でのICT活用をテーマとするゲスト講義で実践 • 履修者数: 各年度約50名 • 履修者の学科:

    5学科混合 9 ※本発表では「教職実践演習」での今回の実践を、広義の実習事後指導として位置づけている。 ※2025年には既卒の科目等履修生が1名履修していたが、表では在学時の学科に算入した。 学科 取得できる免許 2024年度 2025年度 A学科 英語 12名 12名 B学科 国語, 書道 16名 18名 C学科 地歴, 公民, 社会 5名 5名 D学科 家庭, 福祉 5名 6名 E学科 栄養教諭 8名 12名 計 46名 53名
  6. 教育実践: 実践した活動 「実習中に見聞きor実践したICT活用事例」の共有: • 2024年度: グループのメンバーと話し合い共有 • 2025年度: ホワイトボードツールで全員と共有 (一つのボードを作成し、全員で表示・記入)

    Microsoft Whiteboardを活用する活動にした理由: 1. 2024年度の活動時に栄養教諭課程の履修学生か ら、「自分たちは1週間のみの実習だったので、ICT 活用の事例をあまり見ることができなかった」という 旨の発言があり、学習効果に課題があった 2. 2025年度の参加者に遠隔で参加する学生がおり、 対面での活動に参加する環境を整えることが難し かった 10
  7. 結果: Whiteboardの動作上の課題 50名超の同時アクセスでも概ね問題なく動作 課題: • 遠隔で参加した学生1名がボードに入れなかった • その学生が使うPCの性能や通信環境の問題? • Teamsで行っていた動画配信と同時にボードを開く

    ことが難しいことが原因と推測される • Microsoft Whiteboardの動作要件は明確に示さ れていないが、多人数が同時に編集するため、ボード の表示には相応のPC・通信回線が必要と思われる • 授業後にホワイトボードを見るよう伝えて対応 • 使用中にボードから強制的に退出させられ、サイ ンイン画面に戻ることになった学生が数名いた • 再度サインインするとボードに戻ることができた 12
  8. 結果: 学科別の記述字数の比較 14 89 92 82 111 72 91 79

    67 95 90 0 100 200 300 400 500 2024 2025 A学科(英語) B学科(国語,書道) C学科(地歴,公民,社会) D学科(家庭,福祉) E学科(栄養教諭)