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カーネルとシステムコール

 カーネルとシステムコール

以下動画に使ったスライドです。
https://www.youtube.com/watch?v=8YGNg38-6jM

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Satoru Takeuchi

May 31, 2020
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Transcript

  1. カーネルとシステムコール May 31th, 2020 Satoru Takeuchi Twitter: satoru_takeuchi

  2. 目次 • カーネルとは何ぞや • CPUモードとシステムコール • システムコールの使用例 2

  3. 目次 • カーネルとは何ぞや • CPUモードとシステムコール • システムコールの使用例 3

  4. カーネル概論 • システムに存在する全アプリの一番下に存在するプログラム ◦ 本当はさらに下にファームウェアというソフトウェアがいるが省略 • Linuxもカーネルの一種 ◦ OSとカーネルの違いについてはここでは省略 •

    システムの核となるので「カーネル(英語で”核”の意味)」と呼ばれる アプリ ハードウェア アプリ カーネル
  5. カーネルが無いシステム1 • ハードウェアの上に直接アプリが1つ、以上! • すごく不便 ◦ 複数アプリ一気に動かしたいよね (例: アニメ見ながらドキュメント作成 ◦

    アプリがバグってたらシステムが死ぬ。文鎮になるかも? ◦ アプリ作るたびにハード叩かなきゃいけない 5 アプリ ハードウェア アクセス
  6. カーネルが無いシステム2 • ハードウェアの上に直接アプリが複数、以上! • やっぱり不便! ◦ アプリがバグってたら依然システムが死ぬ ◦ アプリ作るたびに依然ハード叩かなきゃいけない ◦

    アプリの実行をどうやって切り替える? • 注意: 本来はメモリ保護も考えなきゃいけないけど今回は省略 ◦ 仮想記憶 6 アプリ ハードウェア アプリ アクセス
  7. 単純なカーネルがあるシステム • アプリとハードウェアの間に全アプリ共通コードを置く ◦ 共通コードがハードウェアアクセスやアプリ実行切り替えなどをする ◦ アプリはハードウェアにアクセスしたければカーネルに依頼 ◦ これがいわゆるカーネル 7

    アプリ ハードウェア 依頼 アプリ カーネル アクセス
  8. 単純なカーネルではまだツラい • アプリは依然ハードウェアに不正アクセス可能 ◦ これを禁止したい! 8 アプリ ハードウェア アプリ カーネル

    ☠ 依頼 不正アクセス アクセス
  9. Linuxを含む現代的なカーネル • 「CPUモード」というCPUの機能によって不正アクセスを防止 • アプリからカーネルへの依頼は「システムコール」を使う 9 アプリ ハードウェア アプリ カーネル

    CPUモード 不正アクセス不可 アクセス 依頼(システムコール)
  10. 目次 • カーネルとはなんぞや • CPUモードとシステムコール • システムコールの使用例 10

  11. CPUモード • 大まかにいうと2種類( x86_64のring protection) ◦ カーネルモード: 全命令を実行できる ◦ ユーザモード:

    一部命令の実行が禁止されている ▪ 典型的にはハードウェアアクセスを禁止 ▪ 禁止された命令を使うとカーネルモードの特定処理が動く (後述) • いつどんなCPUモードになるか? ◦ カーネル実行中: カーネルモード ◦ アプリ実行中: ユーザモード アプリ ハードウェア カーネル ユーザモード カーネルモード アクセス可 アクセス不可
  12. システムコール • アプリからカーネルへ処理を依頼する手段 1. アプリが所定のお作法で CPU命令を実行 2. CPUがユーザモードからカーネルモードに遷移 3. カーネル内の所定のコードが動く

    4. カーネルは依頼内容が正当ならば実行 5. CPUがカーネルモードからユーザモードに遷移 アプリ ハードウェア カーネル ユーザモード カーネルモード (1) (2) (3) (4) (5)
  13. 目次 • カーネルとはなんぞや • CPUモードとシステムコール • システムコールの使用例 13

  14. write()システムコール • 雑にいうと「データをどこか(正確にはfile descriptor)に書き込む」 ◦ 仕様は`man 2 write`参照 • たとえば以下は端末に対応するfile

    descriptorにwrite()を発行 ◦ `echo test` 14
  15. 実験 • やること ◦ 端末への書き込み時に write()システムコールが発行されていることの確認 • 使うツール ◦ straceコマンド:

    プロセスのシステムコール発行履歴が見られる ▪ strace -o <ログファイル> <プログラム> [プログラムの引数...] ◦ 様々なプログラミング言語 (C,Python,Go)で書かれたhello worldプログラム • 期待する結果 ◦ 全プログラムについて、 write()で”hello <言語名>”を書き込んだ履歴が残っている 15
  16. まとめ • ユーザの利便性、開発効率のためにカーネルが必要 • アプリとカーネルの実行時はCPUモードが違う • アプリからカーネルへの依頼にはシステムコールを使う • どんなプログラミング言語を使おうと、ハードウェアにアクセスすると最終的にはシ ステムコールが呼ばれる

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