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LeSS導入からじき2年、Rettyが経験した改善と悩みについて / Introduction of LeSS in Retty

LeSS導入からじき2年、Rettyが経験した改善と悩みについて / Introduction of LeSS in Retty

LeSS Studyで使用した登壇資料です
「LeSS導入から1年半、Rettyが経験した改善と悩みについて」
https://less-study.doorkeeper.jp/events/119353

Yuichi Tsunematsu

April 16, 2021
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Transcript

  1. 自己紹介
 • 常松祐一 (つねまつ ゆういち) 
 • SNSアカウント
 ◦ tunepolo

    : 
 ◦ tune : 
 
 • Retty マネージャー 
 • アジャイルの取り組みは5年目、LeSS導入の取り 組みは4年目
 • LeSS導入は2社目
 • Certified LeSS Practitioner(多分失効) 

  2. 3 自分にとってBESTなお店が見つかる 
 日本最大級の"実名型"グルメサービス
 レビューよりもレコメンド。 
 Rettyは他人におすすめしたい 
 美味しいお店を投稿するサービス! 


    食の好みは人それぞれ。 
 自分と嗜好が合う人をフォローして、 
 BESTなお店を見つけられるSNS型! 
 実名制の口コミだからこそ 
 「信頼できる」「ポジティブ」な 
 情報が集まっています! 
 批評ではなくオススメの口コミ 
 自分と好みが近い人から探せる 
 顔が見えて信頼できる実名制 

  3. ネット予約 投稿 集客 CS/データ整備 toB開発 運用・バグ 取り組むこと 代表者 代表者 🎍たけのこ

    開発チーム2 🐡あんこう 開発チーム3 🍄きのこ 開発チーム1 🥩はらみ 開発チーム4 🍑ももてん 開発チーム5 意思決定者 大規模スクラム? LeSS?

  4. Rettyの開発プロセスにおける私の立ち位置
 PO BackLog PdM Team PdM Planner Designer PdM Planner

    Designer Feature Team x 5 ユーザース トーリー 追加 ユーザース トーリー 追加 ユーザース トーリー 並び替え 開発着手 Engineer Team リファインメント SM Engineer SM Engineer Manager &プロセス全体の 問題解決 Engineer SM toC toC toC toB App
  5. この後の流れ
 • LeSS導入開始から現在までの流れ
 ◦ LeSS導入期 2019/6〜2020/3
 ◦ Go To EatをLeSSで乗り切る

    2020/4〜2020/10
 ◦ LeSSをやめプロジェクトを編成 2020/11〜2021/4
 • 「何を作るか」をどうしたら洗練させられるか

  6. 部門長 BackLog PdM Team Analyst Team PdM Planner Designer PdM

    Planner Designer SM Engineer Engineer Feature Team SM Engineer Engineer Feature Team SM Engineer Engineer Feature Team user story add user story add user story sort analysis support analysis support user story get Engineer Team Feature Team Engineer Engineer SM refinement refinement 【部門長・PO】 何を(何から)作る かに最終責任を 持つ 【開発チーム】 どう作るかに責任 を持つ 【SM】 開発プロセスの遵 守に責任を持つ 【PdM・Planner・Designer】 どんなユーザ価値を提供するの か考え抜く
  7. 開発サイクル
 月 火 水 木 金 午前 お昼休み 午後 スプリントレ

    ビュー チーム 振り返り スプリント プランニング リファインメント 優先順位のす り合わせ 振り返り 共有会 チーム朝会 チーム朝会 チーム朝会 チーム朝会 リファインメント リファインメント リファインメント
  8. プロジェクト規模
 • 携わったエンジニア数 : 26名
 • 開発期間 : 3〜4ヶ月
 •

    開発項目
 ◦ [toC]キャンペーンページの用意
 ◦ [toC]キャンペーンの仕組みに合わせたネット予約の改修
 ◦ [toB]ポイントの管理・発行・消化
 ◦ [toB]お店からのキャンペーン申し込み画面
 ◦ [toB]お店側がみる管理画面の修正。来店確認・支払管理など
 ・・・とにかく”たくさん”

  9. Go To EatをLeSSで乗り切る
 • バックログを全てGo To Eatキャンペーン関連のものに差し替え
 • 全体設計・仕様整理を行った後、各チームが優先順位にしたがって粛々と 実装を進めた。


    • toBの開発項目が多かったが、toCチームに管理画面の構築など難易度の 低いものをとってもらい負荷を調整
 • フィーチャーフラグで表示を塞ぎ、スプリントごとのリリースを続けた。全部 揃ったところで検証し、2020/10/1に時限式でフラグが外れるようにした。

  10. LeSSをやめてどうだった?
 • Pros
 ◦ 多少の遅延はあったが、両プロジェクト無事に完遂できた。 
 ◦ メンバーを固定したことで習熟が早く進み、スピードを出すという主目的は達成できた。 
 ◦

    企画・デザイン・開発のプロジェクト内に閉じた連携がスムーズにできた。 
 • Cons
 ◦ プロジェクトを超えた連携に課題 
 ◦ リリース前に連携箇所の見落としが起きるなど、コミュニケーションの問題が発生した。 

  11. LeSS導入状況
 • 5チームで3つのプロダクトバックログを持っている。
 ◦ toC Web x 3、App、toB Web
 •

    Rettyのメイン開発はLeSSだが、それ以外も残っている。
 ◦ 広告関連、新規事業(Retty Order)、データ基盤、データ分析、インフラ
 • チームで取り組み、振り返りを行って改善していこうという文化はほぼ全 チームに定着した。

  12. PM内で工数見積もりしてもらうことが目的化し、開発物が洗練されていない中で見積もりを依頼される エンジニアとPMが険悪なムードに。 工数見積もりを行わないと開発ラインに載せるこ とができないため、開発物を洗練することよりも工 数を見積もることが目的化。 PMの状況 ① 必要性 解決するべき問題なのか わからない

    ② 妥当性 最適な解決策なのか わからない ③ 実現性  最適な詳細要件なのか わからない PMは急いで見積もりを要求するが、実際は上記い ずれかのパターンで認識が揃わず、見積もりの段 階にまでに到達できない。 認識が合わない3つのパターン 絶対見積もりして もらうぞ!! リファインメントがうまくできない問題

  13. 何が原因だったのか?
 • リファインメントのメンバーが毎回変わるため、ちょうど良い塩梅の説明が 掴めない。
 • 企画担当者の理解が足りず、「なぜやりたいのか」に答えられない。
 • PdMから企画担当者への権限移譲が十分にされておらず、どう実現する かに相談の余地がない。
 •

    施策を多角的に(批判的に)検討する文化が無い
 • 初期段階からエンジニアを巻き込む・相談するスキルが不足。
 • 司会が不在、企画と開発の人数比が崩れている、ステークホルダー不在 で議論が長期化

  14. Q1: オーバーオールレトロのやり方
 • 振り返り共有会 (毎週30分)
 ◦ チーム代表(SM) + マネージャーが参加
 ◦

    チーム内で解決できない課題をエスカレーション
 • スクラムイベントフィードバック相談会 (隔週30分)
 ◦ マネージャーが参加
 ◦ チームのパフォーマンスに対してFBを話す

  15. Q2: POのふるまい (RettyのLeSS PO = VPoP, 執行役員)
 • バックログの優先順位決定について責任を持つ
 ◦

    バックログにアイテムを自ら積むことはしない
 ◦ プロダクトの各領域を検討するPdM/企画担当と会話し、バックログアイテムの 並び替えをする。
 ◦ 勝手にバックログアイテムが並び替えられるのを叱る
 • 最近は中期計画の立案と直近の開発との整合性担保に時間を使っている。
 • 迷ったら最後はPOが決めるのはRettyも同様だが、「事業インパクト×リスク」の優 先度マトリクスを導入するなどして、優先度を決めるルールを組織知にする動きを 試行錯誤中

  16. Q4: 目標管理
 • 組織目標(部門目標)
 ◦ 複数チームで共通
 ◦ 3ヶ月毎に見直す、大きくは変わらない
 • 個人目標


    ◦ 全員ほぼ共通、公開する
 ◦ 3ヶ月毎に見直す、あまり変わらない
 • 個人課題
 ◦ 個人ごとに固有、非公開
 ◦ 業務グレードが変わらない限り変わらない