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日本薬局方-一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィー
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May 12, 2020
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日本薬局方-一般試験法 2.01 液体クロマトグラフィー
液体クロマトグラフィーは医薬品に限らず、あらゆる分野での化学物質の分離と同定に用いられている方法です。
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May 12, 2020
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Transcript
日本薬局方-物理的試験法 2.01 液体クロマトグラフィー 2020/4/27 Ver. 1.0
日本薬局方の記述順 1.化学的試験法 2.物理的試験法 3.粉体物性測定法 4.生物学的試験法 化学的試験法で物理的試験法を後方参照している 5.生薬試験法 6.製剤試験法 7.容器・包装材料試験法 8.標準品等
物理的試験法を読まないと化学的試験法がわからない
2. 物理的試験法 大きく分けると3つ • クロマトグラフィー • 分光学的試験法 • その他
クロマトグラフィーの種類 クロマトグラフィーとして登録されている試験法は4つ 2.01 液体クロマトグラフィー 2.02 ガスクロマトグラフィー 2.03 薄層クロマトグラフィー 2.04 タンパク質のアミノ酸分析法
2.01 液体クロマトグラフィー 溶液中の物質を分離し、測定する機械のこと • 移動相(液体)と共に試験する液を流す • 固定相(固体)で物質を分離する • 検出器で分離した物質を検出する
HPLC High Performance Liquid Chromatographyのこと 古典的なクロマトグラフィー HPLC(高圧で移動相を流す)
移動相 検体を一部に含み、固定相内を移動する液体のこと • 普通は有機溶媒を使う • 場合によってはグラジエントを用いる メタノール・アセトニトリル・ヘキサン・BHTなどが一般的 グラジエント(Gradient): 移動相Aから移動相Bに徐々に入れ替わっていくような移動相のこと
固定相 表面に化学処理した、多孔質な物質のこと • シリカゲルや合成樹脂などの粒子を用いる • ステンレス管に粒子を詰め*、移動相を通す • 分子の大きさ・極性により、移動速度が変わる 移動速度の差で移動相内の物質を分離する *これをカラムと呼ぶ
移動相と固定相の選択 日局記載の医薬品には、移動相と固定相の指定がある 例)アセトアミノフェン カラム:内径約4 mm,長さ約15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラ フィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:pH 4.7の0.05
mol/Lリン酸二水素カリウム試液/メタノール混液(4:1) カラムの温度は一定に保つことが多い
検出器 分離した物質の量を測定する計器のこと • 紫外吸光光度計 • 可視吸光光度計 • 蛍光光度計 • 示差屈折計
• 電気化学検出器 • 化学発光検出器 • 電気伝導度検出器 • 質量分析計 たくさんあるが、紫外吸光光度計が最も一般的だと思われる *液クロの原理から外れるので、ここでは解説しません。いずれ勉強します
物質量の計算 分離した物質の量は、内標準法 / 絶対検量線法で計算する 内標準法 絶対検量線法 内標準物質を試料とともに流し、標準物質と 調べたい物質の検出値の比から量を計算する 既知の濃度の調べたい物質の検出値から検量 線を作成し、検量線から計算する
液体クロマトグラフィーの出力 横軸に保持時間、縦軸に信号の強さ Zapata et al. (2000) Marine Ecology Progress Series
保持時間(Retention Time、RT) カラムに投入して、出てくるまでの時間 • 物質により、RTは異なる • RTの比から物質を特定することがある
ピークの測定 物質に対応した、山形のピークが得られる ピーク高さ測定法 ピーク面積測定法 ピークの頂点の高さを測定値とする ピークの面積を測定値とする 普通は面積を自動計算して得る
システム適合性 試験のシステムが適切な性能で稼働することを確認すること 検出の確認 システムの性能 システムの再現性 対象となる物質を検出できること 対象となる物質を分離できること 対象となる物質を6度連続で測定し、 相対標準偏差が小さいこと の3点を確認する
用語 液体クロマトグラフィーの用語として以下が記載されている • SN比(Signal-Noise Ratio) • シンメトリー係数 • 相対標準偏差 •
ピークの完全分離 • ピークバレー比 • 分離係数 • 分離度 • 理論段数
SN比 ノイズに対する対象物質のピークの高さの比 = 2 ℎ • シグナルを2倍にするのが特殊 • ノイズはピーク幅の20倍から取る
シンメトリー係数 ピークの左右対称性を示す数値 = 0.05ℎ 2 • 左右対称なら1 • 大きいほど左に偏っている •
小さいほど右に偏っている
相対標準偏差 標準偏差を平均値で割って100をかけたもの = 100 ത × σ =1 − ത
2 − 1 • 赤線の二乗和が分散 *n-1で割るのは、母標準偏差の推定のため • 分散を検体数で割り、平方根 を取ったものが標準偏差
分離係数 2つのピークの保持時間(RT)の比のこと = 2 − 0 1 − 0 •
分子の大きさ・極性の差を表す
分離度 保持時間(RT)とピーク幅の関係のこと = 1.18 × 2 − 1 0.5ℎ1 −
0.5ℎ2 • ピークが分離していると大きい • ピークが分離していないと小さい • 分離度が1.5以上の時を完全分離とする *1.18はピーク幅を4σとしたとき、W0.5hが2.354σになることから来る https://www.an.shimadzu.co.jp/hplc/support/lib/lctalk/81/81intro.htm
ピークバレー比 完全分離していないときのピークの分離の指標 = • 分離がよいと大きい • 分離が悪いと小さい
理論段数 ピークの幅の度合いを示すもの • tR が大きいほど幅が広くなる • 大きいほど幅がせまい • 小さいほど幅が広い =
5.54 × 2 0.5ℎ 2 *5.54はピーク幅を4σとしたとき、W0.5hが2.354σになることから来る https://www.an.shimadzu.co.jp/hplc/support/lib/lctalk/85/85intro.htm