2022年マイベスト本紹介「FACTFULNESS」2022/12/09 Speee年末LT大会西田和史 (@k_bigwheel)
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FACTFULNESS原書は2018年に発売されたビジネス書あんまり興味がない僕にも届くぐらい話題になっていたプラモデルのエアブラシ塗装中に時間を有効活用するためAudibleで適当に購入→ めっちゃよかった
何がよかったか2段階の新鮮な発見があった1つはまさに事実に基づいて世界の現状を正しく見る(Factfulness)ということもう1つは、なぜ現在の世界では多くの人がそうできないのかの解釈
著者ハンス・ロスリング▰ スウェーデン人で統計・医学・公衆衛生学の学者▰ アフリカでの数十年医療活動に従事▰ WHO・ユニセフなどでアドバイザー▰ TEDのプレゼンで有名彼の経歴がまさに本書へつながっている
クイズ(3問)
質問 1現在、低所得国(※)に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?1. 20%2. 40%3. 60%※ アフガニスタン、ジンバブエ、ソマリアなど国民1人当たりの年間総所得が15万円以下の国(地球の全人口の9%が分布)
質問 2世界の人口で見て、極度の貧困(※)にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?1. 2倍になった2. 変わっていない3. 半分になった※ 1日の所得が300円以下
質問 3国連の予測によると、15歳未満の子供の人口は2100年には何人になるでしょう?
平均正解率は7%問題は国連統計などをもとにしており正確。なのに7%。世界に明るいはずの政治家・国連関係者でも変わらない。著者いわく「サイコロ(33%)以下」
回答者の人種・年齢にかぎらず一様に期待値(サイコロ)以下自然にこうはならないみな同じ方向(悲観的)に勘違いしているなぜ?報道の偏り?マスメディアの陰謀?
確かにマスメディアの偏りは一因だが根本原因は人間の本能Q1. 女性初等教育割合の錯誤 → 分断本能Q2. 極貧層の割合の錯誤 → ネガティブ本能Q3. 子供の人口推移の錯誤 → 直線本能石器時代 ~ 数千年前ぐらいの間は役に立った
分断本能 → 敵を素早く認識して先制攻撃ネガティブ本能 → 生存を脅かすリスクに素早く対処直線本能 → 少ない情報から危険を素早く察知少ない情報から素早く生存を脅かす要因を認識する本能→ これを備えた個体が生き残った
高度な社会を築いた結果、皮肉なことにその本能が今は足枷になっている分断本能 → やり方によっては協力できた相手と対立ネガティブ本能 → 即座に死亡しない情報でも強いストレス直線本能 → 二次曲線やバスタブ曲線を読み違う現代社会ではむしろ生存を脅かす
本書から受け取ったメッセージ▰ 世界はほとんどの人が考えるよりずっと良い状態▰ 錯誤は原初からの本能によるもの。だから何もしないと絶対にそうなる(正解率7%)▰ 本能を抑えて現代社会に適用する必要がある。生き残るために!