Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
迷わないスクラム始めませんか?
Search
ディップ株式会社
PRO
October 05, 2025
Technology
0
11
迷わないスクラム始めませんか?
ディップ株式会社
PRO
October 05, 2025
Tweet
Share
More Decks by ディップ株式会社
See All by ディップ株式会社
Go×TDD/DDDによるリアーキテクチャ半年間の振り返り
dip_tech
PRO
0
0
新米スクラムマスターが考える 仕事を通じてチームを育む「制約主導」のアプローチ
dip_tech
PRO
0
1
Terraform定義もAIで自動作成してみた!インフラ構築でどれだけ生成AIが使えるの?
dip_tech
PRO
0
11
テストコードすら書けなかったレガシーアプリがAIと上手に協働できるようになるまでの軌跡
dip_tech
PRO
0
330
FIndy_Team__Award_2025受賞までの道のり_-_仲間を増やして次の街へ_-.pdf
dip_tech
PRO
0
12
Enablingチームの動きとは__Devin導入を通じての学び.pdf
dip_tech
PRO
0
18
なんとしてでもAWSでPrivate接続してみたかった_dip_田中一樹.pdf
dip_tech
PRO
0
15
AIエージェントの力を引き出すディレクトリ構成
dip_tech
PRO
0
140
若手エンジニアのための音声入力活用
dip_tech
PRO
0
110
Other Decks in Technology
See All in Technology
自作LLM Native GORM Pluginで実現する AI Agentバックテスト基盤構築
po3rin
2
220
神回のメカニズムと再現方法/Mechanisms and Playbook for Kamikai scrumat2025
moriyuya
3
190
FastAPIの魔法をgRPC/Connect RPCへ
monotaro
PRO
1
640
多野優介
tanoyusuke
1
140
Goを使ってTDDを体験しよう!
chiroruxx
1
240
Findy Team+のSOC2取得までの道のり
rvirus0817
0
280
職種別ミートアップで社内から盛り上げる アウトプット文化の醸成と関係強化/ #DevRelKaigi
nishiuma
2
120
バイブコーディングと継続的デプロイメント
nwiizo
2
380
研究開発部メンバーの働き⽅ / Sansan R&D Profile
sansan33
PRO
3
20k
非同期処理実行基盤 Delayed脱出 → Solid Queue完全移行への旅路。
srockstyle
3
1.6k
SwiftUIのGeometryReaderとScrollViewを基礎から応用まで学び直す:設計と活用事例
fumiyasac0921
0
110
PLaMo2シリーズのvLLM実装 / PFN LLM セミナー
pfn
PRO
2
890
Featured
See All Featured
Docker and Python
trallard
46
3.6k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
45
2.5k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
194
16k
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
358
30k
Embracing the Ebb and Flow
colly
88
4.8k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
507
140k
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
333
22k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
407
66k
It's Worth the Effort
3n
187
28k
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
95
14k
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
32
1.6k
"I'm Feeling Lucky" - Building Great Search Experiences for Today's Users (#IAC19)
danielanewman
229
22k
Transcript
© dip Corporation. 迷わないスクラム、 はじめませんか? スクラム祭り 2025 ディップ株式会社 ⼤瀧 純平
(Junpei OHTAKI) 梶原 萌恵⼦ (Moeko KAJIHARA) ⽑利 修⼈ (Shuto MOHRI)
© dip Corporation. 本セッションのターゲット • 古き良き開発現場からの脱却に失敗した経験のある⽅ • 組織へのスクラム導⼊を検討されている⽅ • 現在スクラム実践中の悩みを持っている⽅
© dip Corporation.. Agenda 1. ⾃⼰紹介 2. 会社概要 3. 今までのdipの開発
4. ガイドライン作成までの経緯 5. ガイドライン紹介 6. 今後の展望 7. まとめ
© dip Corporation. ⼤瀧 純平 2025年1⽉⼊社 アジャイル推進課 課⻑ スポットバイトル システムチーム
Scrum Master ⼈材業界Agile / Product開発コミュニティ 創設 経歴 :Eng、SM、CTO、EM、PdM、PO、ITコンサル ミキワメ :モチベーター(動機⼈) ストレングス‧ファインダー: 1. [⼈間関係構築⼒] 包含 2. [⼈間関係構築⼒] ポジティブ 3. [⼈間関係構築⼒] 共感性 4. [⼈間関係構築⼒] 調和性 5. [⼈間関係構築⼒] 適応性
© dip Corporation. 梶原 萌恵⼦ 2023年8⽉⼊社 アジャイル推進課 所属 スポットバイトル ワーカーチーム
Scrum Master 🐣 経歴 :Eng(主にPHP)、パティシエ(3年) ミキワメ :プロテクター(守護者) ストレングス‧ファインダー: 1. [⼈間関係構築⼒] 調和性 2. [⼈間関係構築⼒] 共感性 3. [実⾏⼒] 達成欲 4. [実⾏⼒] 回復志向 5. [影響⼒ ]社交性 5
© dip Corporation. ⽑利 修⼈ 2023年7⽉⼊社 アジャイル推進課 所属 / 第2Ops課
課⻑ バイトル アプリチーム Scrum Master 👻 経歴 :Eng(Android) ミキワメ :ブレイン(参謀) ストレングス‧ファインダー: 1. [⼈間関係構築⼒] 親密性 2. [戦略的思考⼒] 戦略性 3. [実⾏⼒] 責任感 4. [実⾏⼒] アレンジ 5. [影響⼒] 活発性
VISION Labor force solution company ⼈材サービスとDXサービスの提供を通して、 労働市場における諸課題を解決し、 誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を⽬指します。 Copyright ©
dip Corporation, All rights reserved.
× Human work force solution ユーザーファーストな独⾃機能を搭載した、 求⼈情報‧⼈材紹介サービスの提供を通じて、 ユーザーの就業課題を解決しています。 ⼈材サービス事業 Digital
labor force solution バイトコミュニケーションアプリ『バイトル トーク』や、機能を絞ったシンプルなSaaS型の 『コボット』を通じて、職場環境やコミュニ ケーション課題を解決しています。 DX事業
© dip Corporation. バイトル:2004年〜 はたらこねっと:2000年〜 これまでの開発組織 開発は外部発注がメイン。開発⼿法はウォーターフォールを採⽤。 歴史の⻑いプロダクトはあるが、業務知識がナレッジが社員に溜まっていない。
© dip Corporation. なんちゃってスクラム 少しずつ内製化が進み、開発組織が組成され始めた。 個⼈的にナレッジがある⼈を筆頭にスクラムっぽいものがちらほら動き出 したが、組織にスクラムの動きが波及していくことがなかった... 現在 約150名!
© dip Corporation. 新CTO就任!アジャイル推進の追い⾵に ⻑島 圭⼀朗 (執⾏役員 CTO ソリューション開発本部⻑) 複数ECサイトやSNSプラットフォームの⽴ち上げ及び企画/開発
責任者を歴任。 その後渡⽶しUS向けスマホゲームやアプリを企画開発を担当。 帰国後新規アドテクノロジー事業⽴ち上げやスタートアップの 取締役CTOに従事。 2024年ディップ株式会社に参画。同年7⽉よりCTOをつとめる。
© dip Corporation. dip tech vision エンジニア組織の⽬指す⽅向性の指針となる「dip tech vision」を掲げ、 事業によりフォーカスする組織へと変⾰を進める。
トップガンチーム⽴ち上げ
© dip Corporation. 2つのトップガンチーム Bチーム Aチーム 頑張るぞ! スクラム やるぜ!
© dip Corporation. 半年ほど活動した結果... Bチーム Aチーム みんなで 協⼒できて いい感じ! うまくできな
かった、、
© dip Corporation. なぜBチームが解散してしまったのか? 正しいスクラムにこだわりすぎて、前に進めなかった スクラム「信者」の壁 • スクラムガイドを盲信していた。やり⽅だけ模倣しようとしていた。 • ルールに固執しすぎた。まずはトライしてみる、というマインドが⽋如。
◦ 外部のアジャイルコーチの⽀援があったが、その恩恵を活かせなかった。 複雑な意思決定と曖昧な⽬的 • プロジェクトの内容が検証ベースで、ロードマップが⽴てづらかった。 • 複数の意思決定者(PO側で4名)がいて、連携が困難。 結果:チームの解散 • 議論が進まず、熱意が失われ、スクラムを進めること⾃体が困難になった。
© dip Corporation. なぜAチームはうまく⾏ったのか? 議論を重ね、⾃分たちのやり⽅を考えて進めていけた 完璧より「まず⼀歩」の精神 • 最初の議論は殴り合いだったが、「まず1スプリントやってみよう」「その結果振り返って 向き直ろう」という進め⽅で折り合いをつけられた。 •
完璧なスクラムではなく、⾃分たちのやり⽅を⾃分たちで⾒つけ出すことに集中した。 熱意と信頼の循環 • 全員が「スクラムを理解し、実践してみよう」という熱意を持っていた。 • スキルセットが近く、HRTの原則に基づく対等な関係を築けた。 結果:ある程度の習熟へ • 議論と実践を繰り返す中で、チームとしての⾃律的な成⻑が⽣まれた。
© dip Corporation. 2つのチームの違い Bチーム Aチーム ココが課題 改善策は... こうじゃ なきゃダメ
© dip Corporation. 以上の分析から浮かび上がった仮説 スクラムガイドは読んだ! 初⼼者向けHowto本も読んだ!! 輪読会やワークショップもやってみた!!! アジャイルコーチの⽀援も受けた!!!! …なのにいざ実践となると まずやるべきことが分からない
© dip Corporation.. 正直、スクラムガイドって 抽象度⾼すぎじゃない??
© dip Corporation.. スクラムガイドは多くのガバナンスや マネジメントモデルを包含するように書かれている... ↓ 今の⾃分たちにあった ガイドラインを作成した⽅がいいのでは?
© dip Corporation.. dip版 スクラムガイド 作ろう!!!
© dip Corporation. 作成までの歩み イテレーションを回しながら、フェーズ2〜4までを半年ほどかけて実施。 フェーズ1 叩きを作成 フェーズ2 レビュー フェーズ3
ブラッシュ アップ フェーズ4 再レビュー フェーズ5 組織へ展開 プランニング 1週間 サイクル レビュー 修正 修正 2025.2 初版完成 ~2025.6 レビュー完了 ~2025.8 修正完了 ~2025.8 第⼆版完成 2025.9 広報
© dip Corporation.. 完成しました🎉🎉
© dip Corporation.. 作成したガイドを⾒てみよう! (近⽇公開予定)
© dip Corporation. TOP 本書の概要 ⽬次 時系列順3章構成 +α(Tips‧失敗談)
© dip Corporation. 「スクラムとは」の章内 適宜、理解を助ける図解を作成
© dip Corporation. 「スクラムチーム⽴ち上げ」の章内 スプリント0期間にやるべきタスクを列挙
© dip Corporation. インセプションデッキのテンプレート
© dip Corporation. 「インセプションデッキ」の「我なぜ」のテンプレート
© dip Corporation. 「スプリント期間中の活動」の章内 各スクラムイベントのまず⽬指すべき状態について記載
© dip Corporation. 各章内の補⾜を抜粋 迷いやすいポイントはその場で補⾜
© dip Corporation. 「Tips & 失敗例」の章内
© dip Corporation. フィードバックフォーム TOPにフィードバックフォームを設置 誰でもフィードバックを投稿できる
© dip Corporation. どういう点に⼯夫したか • ゴールとペルソナを定義 ◦ 「誰が読むのか」「どうなってほしいのか」を明確にした • 完璧ではなく完了を重視
◦ フィードバックを受けながら改善する⽅針を取った • 「正しいスクラム」よりも「dipの⼈が始めやすいスクラム」を優先
© dip Corporation.. 組織的な効果が出てくるのは まだこれから!!
© dip Corporation. 今後のさらなる展望 今後の展望と、さらなる改善に向けた次のステップを共有します。 • ポッドキャストイベントの定期開催 ◦ POやアジャイルコーチをゲストに招待 •
新規発⾜チームへのサポート ◦ 社内でワークショップの開催 • 既存のチームへ参加しフォロー ◦ イベント参加、改善提案 • POの⽀援 ◦ プロダクトゴールやMVP策定など
© dip Corporation. 取り組んでみた感想‧思い この取り組みは、私たちにとってアジャイルやスクラムの理解を深め、組織 全体に波及していくための⾜がかりとなりました。 多くの情報が溢れる中で、「何が⾃分たちに合うのか」という共通の悩み に直⾯しましたが、この活動を通してチームの数だけ正解があるという考 えを⼤切にしつつも、現時点での「最適な形」を定めることができたのは⼤ きな収穫です。
現在は「守破離」の「守」の段階と捉え、このガイドをさらに磨き上げて いく必要があります。私たちが得た経験や学びを組織全体へと広げ、仲間の 不安や迷いを払拭できるよう、今後も活動を持続的に推進していきます。
© dip Corporation.. 「正しい」より「まず⼀歩」 やり⽅は、⾃分たちが決める!
「挑戦し、変化し、リードする仲間」を募集中! 📎採用情報 📎インタビュー記事 📎テックブログ
dip版スクラムガイドの作成秘話について、 社内のインタビュー記事でもお話しさせていた だきました。 ご興味ある⽅はぜひ読んでみてください! 本セッションについて質問‧コメントがある⽅ は、このあとお声がけください! 📎インタビュー記事
© dip Corporation.. ご清聴ありがとうございました