心理的安全性とソフトウェア化する社会/ Psychological Safety and Software-based Society

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September 17, 2019

心理的安全性とソフトウェア化する社会/ Psychological Safety and Software-based Society

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hirokidaichi

September 17, 2019
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  1. 11.

    © rector,inc しかし、不確実性に向き合うのは怖い 怒りは攻撃的行動の最たる例です。異分子だと認識しているも の(わからないもの)にいきなり、自分の立場をあやうくされるよ うなことをされると怒り出す人がおおいです。 様々な理屈を述べますが、怒りは「自分の大切にしているもの を、攻撃された」と感じる時に発生します。 変化に対して弱い人は他人に対して マウンティング、威圧、冷笑などをつかって、異分子を攻撃しよ

    うとします。 組織は新しいこと/ものを恐れるようになります。 攻撃的行動(Fight) 目標に対する有形無形の圧力が大きい場合、その不確実性へ の恐怖が問題を隠蔽する方向に機能します。 たとえば、納期の圧力大きい状態ではマネージメントから真実 の情報は隠蔽されるようになります。プロジェクト終盤で、問題 が頻発するのは、このように問題を隠す文化が醸成されたこと によります。 このような監視者と作業者の間に生まれる無駄をエージェン シースラックと言います。人間の無意識の恐怖が、回避行動と なって問題の解決を遅らせていきます。 防御的行動・回避的行動(Flight)
  2. 13.

    © rector,inc 不確実性に向き合うための土台=心理的安全性 心理的安全性とは
 
 ‘’対人リスクを取っても問題ないという信念がチーム で共有されている状態 
 
 つまり、自分が間違いを犯しても、助けを求めても、意見を言っ

    ても、ここにいても大丈夫だとチームの間で共有されている状 態。同調圧力の高い、上意下達の、権威主義的な職場関係と は真逆のイメージ。「仲が良い」だけで連想すると随分と違うフ ラットな関係性。
 仲良しとは違う心理的安全性 「間違い」を認めても大丈夫 「意見」を言っても大丈夫 「助け」を求めても大丈夫 OK! OK! OK! 「ここにいても」大丈夫 OK! 心理的安全性を支える4つの大丈夫
  3. 16.

    © rector,inc あなたは今、どこにいるか エドモンドソンによれば、心理的安全性の高低と、責任意識の 高低によって四象限が定義される。 責任も心理的安全性もないとチームは、無関心無気力になり、 何もしない。 責任が強く心理的安全性がないチームは、何かして怒られるの が怖いので何もしない。 心理的には安全であるが、何もしないくても目的意識がない

    チームは、ぬるま湯の中で、何もしない。 目的意識・責任と心理的安全性が共存しないと、学び強化して いくチームとしての活動ができない。 責任と心理的安全性の4象限 不安ゾーン ぬるま湯ゾーン 学習ゾーン 無関心ゾーン 心 理 的 安 全 性 高 低 高 低 責任
  4. 17.

    © rector,inc 不確実性の大きさと4つのゾーン 学習ゾーン 不確実性の大きさ ぬるま湯ゾーン 不安ゾーン 無関心ゾーン 四つのゾーンを仕事における「不確実性の大きさ」によって当て はめると、1つの直線上に置かれる。

    何をしても予想通りで、興味が持てない、つまらないと無関心に なる。 何もかもわからず不安がいっぱいでどうしたらよいかと右往左 往して、互いに疑心暗鬼だと不安ゾーンになってしまう。 適度な課題の粒度に調整しながら問題を噛み砕いて渡していく ことが学習ゾーンを維持するためのマネジメント。
  5. 18.

    © rector,inc どのゾーンにいるかでどんなマネジメントをしていくかが変わる。 学習ゾーン ぬるま湯ゾーン 不安ゾーン • 心理的安全性の確保 • コミットメントの緩和

    • 傾聴 / 信頼 • 簡単化するお手伝い・可視化 • 自律性の確保 • 課題・目標の難易度を • 危機/課題意識の醸成 • 仕事の意義の再定義 • 小さな挑戦・小さな成功体験 • 環境の変化 無関心ゾーン • 自己肯定感の獲得 • 家族・健康・承認関係の獲得
  6. 19.

    © rector,inc 「関わり行動」のOSをアップデートする 致命的な7つの関わり 1. 傾聴する 2. 支援する 3. 励ます

    4. 尊敬する 5. 信頼する 6. 受容する 7. 意見の違いを交換する 身に付けたい7つの関わり 1. 批判する 2. ガミガミ言う 3. 文句を言う 4. 攻める 5. 脅す 6. 罰する 7. 目先の褒美で釣る ※ウィリアム・グラッサー 選択理論
  7. 20.

    © rector,inc マネジメント/メンタリングの流れは「根源的な恐れ」から いきなり将来の話なんかされても困る 1.健康・生理的な不安 2.ハラスメント・ストレスへの不安 3.交友関係に関する不安 4.成果・尊敬・達成への不安 5.自己実現への不安 1on1をするというと、いきなり将来設計の話をする人がいる。正

    直そんなこといきなり聞かれても、困る。 多くの人はそんな高尚なことでは悩んでいないし、それを聞か れると高尚なことで悩んでいない自分に対して後ろめたい気持 ちになってしまう。 課題はいつだって卑近なところに存在します。
  8. 22.

    © rector,inc 他人はコントロールできない。行動変化は観測できる。 観測でき、
 コントロールできる
 観測できないが
 コントロールできる
 観測できないし、
 コントロールできない
 観測できるが、

    コントロールできない。 観測できるが、コントロール できないものは、 「コントロールできるもの」を つかって、間接的に制御する しかない。
  9. 23.

    © rector,inc 他人はコントロールできない。行動変化は観測できる 成果 行動 習慣 能力 コントロールできる コントロールできない その人を通じて、自分の仕事の成果を作りたいと考えると多く

    の人がその人をダイレクトにコントロールしようと考えます。 ですが、これではなかなかうまくいきません。成果も能力もコント ロールできないからです。 自発的に考えて、成長し、ひとりではできないことができるので マネジメントをしてまで集団で成果を得ようとしているのです。 コントロールできないが、行動を促し良い習慣を見つけるといず れ、成果につながります。 コントロールではなく、行動支援
  10. 24.

    © rector,inc 「悩む」から「考える」に変換する手伝いをする 悩む 「悩んでいる」というのは、頭の中に様々なこと が去来し、ずっと思考をぐるぐるともたげてい て、もやもやがとれない状態 
 
 これは非常に苦しい上生産的ではないので、

    「頑張っている」ように感じるわりに結果が伴い ません。この状態から「考える」へ変化させてあ げたいのです。 悩むは「状態」で考えるは「行動」 考える 「考える」とは、次にどうすればいいかわかって いて、そのための行動を起こしている状態です。 必ず手が動いているのです。 
 
 メモ帳やホワイトボードなどに、課題を書き出 し、分解したり、調査をしたりと考えているときは 常に問題がクリアになって行く状態です。 

  11. 26.

    © rector,inc 信頼関係のある他者からの働きかけで自己変容する 他者説得 自己説得 周りの状況などから、自らいままでわからなかったことを理解し た状況を「自己説得」と言います。 「自己説得」は、 • 他人が促すのが難しいかわりに

    • 行動の変化が発生しやすく長続きする そのため、難しいが、効果が生まれやすい。 他者から、たとえや理屈、学習などを通じて、そのことを説得す ることを「他者説得」と言います。 「他者説得」の難しい点は2点 • 体感を伴わないため長続きしない • 理解を確認できない そのため、安易だが、効果が生まれにくい。
  12. 30.

    © rector,inc ソフトウェアづくりはコミュニケーションそのもの プログラミングは理科系的な数理的なという側面を受け取られ がちだが、実際には • 複数人の認識を揃えながら • 機械が理解できるほどブレのない明晰な文章を •

    将来の不確実な要求に耐えられるように構成し、 • 共同で継続的に管理する というプロセス。人文的な側面で言えば、立法行為に近いもの だと考えると理解しやすい。コミュニケーションが大事どころか、 「コミュニケーションそのもの」 機械が理解できるほど明晰な言語化
  13. 32.

    © rector,inc 説明責任の所在に注目せよ どちらにどんな説明責任が求められるか しな い理 由 は ? する

    理 由 は ? たとえば、PCのスペックであれば ・「採用競合に比べて、悪くする理由」の説明を求めるか ・「去年に比べて、高くする理由」の説明を求めるか によって無意識な選好の違いが、上長が求める説明責任の方 針に反映させてしまう。しばしば、合理的に説明を求めることに 何の認知の歪みがないと錯覚している人がいるが、何に対し合 理性を求めるかに権力構造が内包されている。 このようなまなざし(gaze)の違いが、文化資本の形成を促進し たり、妨げたりする。
  14. 33.

    © rector,inc Skill Spectrum: B2B SaaSの場合 P/L B/S Engineering Manager

    Engineer UX Designer Sales BizDev Product Manager Marketer Current Future プロダクトの意思決定は、将来投資と現在のビジネスとの両端を持つ スペクトラムになる。それぞれに持つべきスキルセットや常識が異なるので、 隣接領域の知識を持つものとしかコミュニケーションが成立しない。
  15. 34.

    © rector,inc Skill Spectrum:B2B SaaSの場合 Engineering Manager Engineer UX Designer

    Sales BizDev Product Manager Marketer P/L B/S Current Future グルーとなる人材がいないほど、情報の非対称性が高くなり、 コミュニケーション上の問題が発生しやすい。
  16. 35.

    © rector,inc Skill Spectrum:B2B SaaSの場合 P/L B/S Engineering Manager Engineer

    UX Designer Sales BizDev Product Manager Marketer Current Future グルーとなる人材がいれば、コミュニケーションの健全性は保ちやすい。 しかし、人数が増える分コミュニケーションロスは発生しやすい。 チームとしての成熟に力を入れる必要がある。
  17. 36.

    © rector,inc Skill Spectrum:B2B SaaSの場合 Engineering Manager Engineer UX Designer

    Sales BizDev Product Manager Marketer P/L B/S Current Future 人数が少なくても、相互理解ができる領域が広い方が コミュニケーションの齟齬は小さくなり、うまく行きやすい。 反面、広い範囲のスキルを持つ人材の採用は難しい。
  18. 37.

    © rector,inc 技術系組織の進化は行きつ戻りつを繰り返し融和する 職能別組織
 事業部組織
 ユニット型組織
 CEO ビジネス組織 技術組織 技術組織とビジネス組織を分離し、

    必要に応じてプロジェクトに振り分 ける組織形態。 技術系人材の流動的運用が可能であ るが、ビジネスとの間のコミュニ ケーションがうまくいかず、対立構 造になることがある 事業部 ビジネス組織 技術組織 CEO 事業部 事業ごとに必要な技術組織を持つや り方。 技術人材の育成やキャリア形成に難 がある。また、職能別組織と同じよ うな問題も再現しやすい。 事業部 プロダクトチーム プロダクトチーム プロダクトチーム 事業ごとに機能横断的なプロダクト チームを組成し、そのチームによっ て継続的なプロダクトマネジメント を行う。 2000年代後半から流行しはじめ、ア ジャイル開発の普及とともに日本で も盛んになった。 横軸組織
  19. 41.

    © rector,inc 何がコンピュータに置き換えられるか 数理計算・物理シミュレーション領域       税務・業務台帳領域 社会インフラ コマース事業領域       クリエイティブ・戦略領域 仕 事

    が 置 き 換 わ る 流 れ 再 定 義 の 流 れ コンピュータに置き換え可能で、かつ人間の 単価の高いものから商業的にはコンピュータ に置き換えられていく。 より、曖昧で定義がしにくく、変動の大きい仕 事はコンピュータで置き換えるには、コン ピューティングリソースや、ソフトウェアエンジ ニアリングリソースが膨大に必要になるため、 置きかわりにくい。 科学技術領域からはじまり、 社会インフラ、ERP、マッチングサービス、 SNSなど。
  20. 43.

    © rector,inc 人的資源がコンピューティング資源に変換された企業 近年のワークスタイルのシフトは、この変換現象の一側面にすぎない。 旧来型組織
 現代的ソフトウェア企業
 コンピュータ コンピュータ コンピュータ 官僚型職能別組織

    コマンド&コントロールの目標管理 メンバーシップ型人事制度 全体論的多様性のあるチーム 権限委譲と透明性のある OKR型目標 ジョブディスクリプション型人事制度