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学習曲線をスライド10枚で整理してみた

marimari
February 10, 2025

 学習曲線をスライド10枚で整理してみた

エビングハウスが提唱した学習曲線(ラーニングカーブ)。学習時間が増すほど、経験的効果が上がって、習熟度が増すという右肩上がりの学習曲線を示したわけだが、その肝心どころをスライド10枚で整理してみた。詳しくは、筆者ブログにて。
がたがた昇る学習曲線をスライド10枚で┃心のうち
https://hysmrk.cocolog-nifty.com/blog/2025/02/post-6eed6e.html

marimari

February 10, 2025
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Transcript

  1. 学習した時間と習熟度の関係性をグラフで表現したもの。 1885年にドイツの 心 理学者ハーマン・エビングハウスが提唱した。 足 場:学習曲線とは何か? タスク回数 学 習 成

    度 横軸:タスク回数 右に 行 くほど、時間経過とともに 学習課題に取り組んだ試 行 回数が増えていく。 左側ほど経験値が低く、右側ほど経験値が 高 い。 縦軸:学習成 長 度 上に 行 くほど、やってみた学習課題の到達レベルが 高 い。 上側ほど正確さ(正しい反応を 示 す)、速さ(所要時間が 短い)などの観点からみてレベルが 高 く、下側ほど低い。
  2. タスク回数 学 習 成 度 Q. さて、このグラフ上に学習の線はどう引かれるか? タ ス ク

    回 数 を こ な す ほ ど 、 成 長 し て い く は ず だ よ ね ?
  3. タスク回数 学 習 成 度 Q. じゃあ、その上がり 方 は? 「直線」的に?

    タスク回数に 比 例して 一 定の割合で上がっていくもの?
  4. タスク回数 学 習 成 度 正の加速曲線 学習を始めて早々 急速な伸びがある S字型曲線 立

    ち上がり低調を 越えて伸びてくる 負の加速曲線 始めは低迷。学習期間が 長 いほど急激に加速する 三 谷 慶太・星野 孝総「 長 期学習者の成 長 曲線に基づく学習度合い予測モデルの開発と評価」「図1 学習曲線を表す成 長 のステップ」を、筆者が分解して 示 したグラフ ┃知能と情報( 日 本知能情報ファジィ学会誌)Vol.33, No.4, pp.845 – 859(2021)原著論 文 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoft/33/4/33_845/_pdf#page=2 A. 学習は「曲線」をたどり、曲がり 方 も 一 様ではない
  5. 足 場:学習曲線は「3ステージ」に 大 別される タスク回数 学 習 成 度 1st

    ステージ 2nd ステージ 3rd ステージ 三 谷 慶太・星野 孝総「 長 期学習者の成 長 曲線に基づく学習度合い予測モデルの開発と評価」「図1 学習曲線を表す成 長 のステップ」を、筆者が分解して 示 したグラフ ┃知能と情報( 日 本知能情報ファジィ学会誌)Vol.33, No.4, pp.845 – 859(2021)原著論 文 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoft/33/4/33_845/_pdf#page=2
  6. 足 場:各ステージも「3段階」に 大 別される タスク回数 学 習 成 度 1st

    ステージ 2nd ステージ 3rd ステージ 学習曲線 | UX TIMES の図「学習曲線を表す成 長 のステップ」をもとに筆者作成 https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/learning-curve/ 準 備 期 発 展 期 原 期 発 展 期 原 期 準 備 期 発 展 期 原 期 準 備 期
  7. 足 場: 高 原期は、次のステージの準備期でもある タスク回数 学 習 成 度 1st

    ステージ 2nd ステージ 3rd ステージ 学習曲線 | UX TIMES の図「学習曲線を表す成 長 のステップ」をもとに筆者作成 https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/learning-curve/ 準 備 期 発 展 期 原 期 発 展 期 原 期 準 備 期 発 展 期 原 期 準 備 期
  8. 三 谷 慶太・星野 孝総「 長 期学習者の成 長 曲線に基づく学習度合い予測モデルの開発と評価」「図1 学習曲線を表す成 長

    のステップ」を、筆者が分解して 示 したグラフ ┃知能と情報( 日 本知能情報ファジィ学会誌)Vol.33, No.4, pp.845 – 859(2021)原著論 文 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoft/33/4/33_845/_pdf#page=2 タスク回数 学 習 成 度 1st ステージ 2nd ステージ 3rd ステージ 急 速 伸 急 速 伸 急 速 伸 プラトー現象 足 場:各ステージで「急速な伸び」があるプラトー現象
  9. Q. 自 分は今どこにいるのか?現在地を 見 定めよう 準 備 期 発 展

    期 原 期 学習を始める段階で、 比 較的進めやすい期間。 本 人 の成 長 実感はあるが、他者からは変化が分かりづらい。 業績インパクトに直結せず、組織貢献として評価しづらい。 準備期に蓄えた 力 が発揮され、成 長 につながりやすい期間。 本 人 の成 長 実感のみならず、他者にも変化が分かりやすい。 業績貢献など組織的インパクトもつ成果にも発展しやすい。 頭打ちで、なかなか伸びを実感しにくくなる期間。 次の発展期への準備期間でもある。 とくに1stステージでは次の発展期まで時間がかかりやすく、 不安に駆られやすい。乗り越えれば 大 きな成 長 につながる。
  10. つまり 1. 基本、タスク課題を「反復して」回数をこなすほど習熟度は増す タスク課題に対して正しい反応を 示 せるようになり、所要時間が減少する。 ただ、漫然と同じことを繰り返していても習熟は期待できない。 何が邪魔しているか内省する→ 見 直しポイントを書き出す→ポイントを意識して再挑戦を反復。

    2. ただし、停滞期もあれば「急激に伸びる」タイミングもやってくる 1回やるごと前回より上 手 くなるわけではないし、整然と3ステージ3期が訪れるわけでもない。 個 人 差もあるし、学習の分野・範囲・レベル、学習・発揮する環境や時々の状況、本 人 のコン ディションなど、さまざまな影響を受けながら、それぞれに複雑な学習曲線を描くのが実際。 3. 本 人 の成 長 実感≠他者評価、組織貢献度 学習始めは本 人 からすると成 長 実感を得やすいが、周囲から、客観的には変化が分かりづらい。 本 人 は、 自 分の成 長 実感とは分けて「 自 分の学習成果・働きが組織的成果をあげられているか」 を 自己 評価する 目 をもつ必要がある。 上司や先輩は、 見 えづらい変化をとらえて評価・フィードバックすることが成 長 を促すことも。 また、直線的に「やればやっただけ」成 長 するものではないという学習曲線について教えてあげ ることも、本 人 の焦りをほどき、あきらめずに学習を継続する 一 助になるかもしれない。