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女性活躍推進のための人員構成比のシミュレーション

 女性活躍推進のための人員構成比のシミュレーション

2022/02/18(金)に開催したExploratory データサイエンス勉強会#22の日鉄ソリューションズ株式会社のご登壇資料です。

Ikuya Murasato

February 18, 2022
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Transcript

  1. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 1
    Exploratory勉強会
    「⼥性活躍推進のための⼈員構成
    ⽐のシミュレーション」
    ⽇鉄ソリューションズ株式会社
    ⾚塚 友⾥

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  2. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 2
    ⾃⼰紹介
    ⽒名 ⾚塚 友⾥
    会社
    ⽇鉄ソリューションズ株式会社
    *ITを駆使して時代の先端を常にお客様と進む、ファーストDXパートナー
    *従業員数︓国内約7000名+海外グループ約500名
    職歴
    ・SEとしてメガバンク向けアプリ開発(Java/C/C+/C#)
    ・⼈事に異動し、働き⽅改⾰・ダイバーシティ&インクルージョンを担当
    趣味 絵画制作/鑑賞

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  3. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 3
    Exploratoryとの出会い
    ⼈事は従業員情報・社員アンケートなどデータ取り扱いの機会が多い。
    ⾯談などで1⼈1⼈の社員との対話も⼤切だけど、認識が偏らないよう、
    全社員をマクロにつかむためにデータ活⽤がとても重要。
    Excelでのデータ集計に限界を感じたこと、IT企業の⼈事データを
    ⾃分のような素⼈が扱うことへの違和感・危機感から勉強を決意。
    2020年7⽉にExploratoryのデータサイエンス・ブートキャンプ参加。
    直後、国内全社員対象の社内のテレワークアンケートを実施し、その分析に活
    ⽤。重回帰分析を使った社員の属性別の分析が⼤変評価される。
    (このときたくさんサポートしてもらい、Exploratory⼤好きに︕)
    今回は統計的な解析ではなく、集計機能を活⽤したシミュレーションに初挑戦。

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  4. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
    1. 業務の背景と現状業務の課題
    2. Exploratoryを活用したシミュレーション自動化
    3. シミュレーション自動化の効果
    Agenda

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  5. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
    1. 業務の背景と現状業務の課題
    2. Exploratoryを活用したシミュレーション自動化
    Agenda
    3. シミュレーション自動化の効果

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  6. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 6
    業務の背景︓ダイバーシティ&インクルージョンの全体像
    ダイバーシティ&インクルージョンの2つの意義
    属性に関わらず、社員1⼈1⼈の個性や価値観を認め合う/
    多様なスキル・経験を伸ばす
    似たような⼈材ばかりの組織では、変化の激しい社会に対応できない。多様
    な⼈材が様々な視点から議論し、新しい発想を⽣み出していく。
    所謂マイノリティの属性*で⽣じやすい制約や悩みを理解し、
    能⼒を最⼤限発揮できる環境を整える
    *⼥性、時間制約者(育児/介護/私傷病等)、シニア、LGBTQ、障がい者、外国籍社員等
    労働⼈⼝減少の折、これまでマイノリティだった⼈材や、育児・介護等の制
    約を持つ⼈材など、様々な属性の社員が働きやすい・活躍できる会社である
    ことが不可⽋。
    「属性」の
    ダイバーシティ
    「個性」の
    ダイバーシティ
    狭義の多様性
    本質的な多様性

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  7. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 7
    業務の背景︓⼥性活躍推進の社会的要請
    適切な⽬標設定のために、
    また⽬標達成に向けた毎年の
    進捗を測るために、
    当社では今後5年間の性別×資
    格別⼈数構成を試算(シミュ
    レーション)している
    「⼥性活躍推進法」で、⼀定以上の規模*
    の企業に対し、5年間の⾏動計画(⽬標)策
    定が義務付けられている。定量⽬標が必
    要なため、⼥性管理職⽐率を設定してい
    る企業も多い。
    *法改正により、2022年4⽉より対象企業の規模が「301⼈以
    上」から「101⼈以上」に拡⼤されます。近々新たに策定する
    企業も多いはず︕(⼥性活躍推進法の詳しい内容は厚⽣労働省
    HPをご覧ください。)
    社会的要請

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  8. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 8
    現状業務の課題
    将来の資格別男⼥⽐率を求めるためには、多くの⼈員データを取り扱う必要がある。
    (直近の⼈員数、採⽤⽬標数、昇格⽬標数、定年退職・⾃⼰都合退職予測数、etc…)
    これらの膨⼤なデータをExcel上で計算していたため、以下のような課題があった。
    ①⼿作業でやらなければならない作業が多い。
    (ピボットテーブルで集計して、その結果をコピーして別の計算⽤シートに貼り付けて、etc…)
    ②⼤量の数式が詰まっているため、指定するセルのズレなどミスが起きやすく、
    かつミスの発⽣個所が特定しづらい。
    ③シミュレーションのプロセスの全体像がつかみにくい
    (1個1個数式をたどらないと何をしているシートなのかわからない)
    Exploratoryに置き換えすることに︕

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  9. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
    1. 業務の背景と現状業務の課題
    2. Exploratoryを活用したシミュレーション自動化
    Agenda
    3. シミュレーション自動化の効果

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  10. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 10
    ゴールの設定
    2020年度末の⼈員データを起点として、5年間の性別×資格別の⼈数集計表を作りたい
    ※本ページ以降に登場する
    データはすべてダミーであ
    り、実際の従業員数ではあ
    りません。

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  11. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 11
    データ加工のIn/Out
    ID ⽒名 資格 ⽣年⽉⽇ 性別 …
    A0001 ○○ ○○ 基幹職 yyyy/mm/dd 男性 …
    A0002 ○○ ○○ 上級専⾨職 yyyy/mm/dd 男性 …
    A0003 ○○ ○○ ⼀般 yyyy/mm/dd ⼥性 …
    A0004 ○○ ○○ ⼀般 yyyy/mm/dd 男性 …
    A0005 ○○ ○○ 基幹職 yyyy/mm/dd ⼥性 …
    Input①(従業員リスト)
    集計表の元となるOutput
    Input②(⼈員パラメーター)
    2020年度末の従業員リストと、今後5年間の⼈数変動をもとに、
    性別×資格×年度ごとの⼈数⼀覧を作成したい
    ※今後5年間の
    ⼊退職・昇格予定数

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  12. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 12
    加工後データ作成までのプロセス
    前年度末の性別×
    資格別⼈数を集計
    Branchを作成
    し、⽣年⽉⽇をもと
    に今後5年間の定年
    退職予定者数を計算
    従業員リスト
    前年度末時点の
    全社員⼀覧
    ⼈員パラメーター
    今後5年間の
    ⼊退職・昇格予定数
    ②の定年退職数と
    ⼈員パラメーターを、
    ①のテーブルと結合
    【Output】
    今後5年間の性別×
    資格別⼈数を計算


    3 4
    ⼤きく分けて4つのステップで、Inputデータを加⼯してOutputのテーブルを作成する

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  13. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 13
    加工後データ作成までのプロセス
    前年度末の性別×
    資格別⼈数を集計
    Branchを作成
    し、⽣年⽉⽇をもと
    に今後5年間の定年
    退職予定者数を計算
    従業員リスト
    前年度末時点の
    全社員⼀覧
    ⼈員パラメーター
    今後5年間の
    ⼊退職・昇格予定数
    ②の定年退職数と
    ⼈員パラメーターを、
    ①のテーブルと結合
    【Output】
    今後5年間の性別×
    資格別⼈数を計算


    3 4
    ⼤きく分けて4つのステップで、Inputデータを加⼯してOutputのテーブルを作成する

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  14. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 14
    ①従業員リストをもとに、前年度末の性別×資格別⼈数を集計
    ID ⽒名 性別 資格 ⽣年⽉⽇ …
    A0001 ○○ ○○ 男性 基幹職 yyyy/mm/dd …
    A0002 ○○ ○○ 男性 上級専⾨職 yyyy/mm/dd …
    A0003 ○○ ○○ ⼥性 ⼀般 yyyy/mm/dd …
    A0004 ○○ ○○ 男性 ⼀般 yyyy/mm/dd …
    A0005 ○○ ○○ ⼥性 基幹職 yyyy/mm/dd …
    Input①(従業員リスト) (前年度末)性別×資格別⼈数
    従業員リストをExploratoryに
    読み込み、性別・資格の列を
    キーにして集計を⾏う
    シミュレーションの発射台となる、
    前年度末時点の⼈員構成のテーブル
    ができた︕

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  15. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 15
    加工後データ作成までのプロセス
    前年度末の性別×
    資格別⼈数を集計
    Branchを作成
    し、⽣年⽉⽇をもと
    に今後5年間の定年
    退職予定者数を計算
    従業員リスト
    前年度末時点の
    全社員⼀覧
    ⼈員パラメーター
    今後5年間の
    ⼊退職・昇格予定数
    ②の定年退職数と
    ⼈員パラメーターを、
    ①のテーブルと結合
    【Output】
    今後5年間の性別×
    資格別⼈数を計算


    3 4
    ⼤きく分けて4つのステップで、Inputデータを加⼯してOutputのテーブルを作成する

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  16. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 16
    ②Branchを作成し、⽣年⽉⽇をもとに今後5年間の定年退職予定者数を計算
    ID ⽒名 資格 性別 ⽣年⽉⽇ ⽣年⽉⽇
    _years

    A0001 ○○ ○○ 基幹職 男性 yyyy/mm/dd 58 …
    A0002 ○○ ○○ 上級専⾨職 男性 yyyy/mm/dd 35 …
    A0003 ○○ ○○ ⼀般 ⼥性 yyyy/mm/dd 24 …
    A0004 ○○ ○○ ⼀般 男性 yyyy/mm/dd 26 …
    A0005 ○○ ○○ 基幹職 ⼥性 yyyy/mm/dd 45 …
    Input①(従業員リスト)
    Branchを作成して従業員リストを複製。
    ⇒⽣年⽉⽇をもとに、年齢を計算する。
    定年退職予定数
    定年を迎える
    年度を特定し、
    今後5年間の
    定年退職予定数
    を計算

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  17. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 17
    加工後データ作成までのプロセス
    前年度末の性別×
    資格別⼈数を集計
    Branchを作成
    し、⽣年⽉⽇をもと
    に今後5年間の定年
    退職予定者数を計算
    従業員リスト
    前年度末時点の
    全社員⼀覧
    ⼈員パラメーター
    今後5年間の
    ⼊退職・昇格予定数
    ②の定年退職数と
    ⼈員パラメーターを、
    ①のテーブルと結合
    【Output】
    今後5年間の性別×
    資格別⼈数を計算


    3 4
    ⼤きく分けて4つのステップで、Inputデータを加⼯してOutputのテーブルを作成する

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  18. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 18
    ③計算した定年退職数と⼈員パラメーターを、①のテーブルと結合
    定年退職予定数
    Input②(パラメーター)
    ※今後5年間の
    ⼊退職・昇格予定数
    (前年度末)性別×資格別⼈数


    年度・性別・資格を
    キーにしてそれぞれ結合

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  19. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
    ③計算した定年退職数と⼈員パラメーターを、メインのテーブルと結合
    結合結果︓性別×資格ごとに、各年度の⼈数増減を⼀覧化したテーブルができた︕
    前年度末時点の
    ⼈数(発射台)
    今後5年間の
    ⼈数変動

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  20. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
    ③計算した定年退職数と⼈員パラメーターを、メインのテーブルと結合
    結合結果︓性別×資格ごとに、各年度の⼈数増減を⼀覧化したテーブルができた︕
    20
    合算
    最後の計算がしやすいよう
    に、要因別の⼈数変動を合
    算した列を作っておく
    ★summarize_row関数で
    同じ⾏内の指定列を合算
    今後5年間の
    ⼈数変動

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  21. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 21
    ③計算した定年退職数と⼈員パラメーターを、メインのテーブルと結合
    結合結果︓性別×資格ごとに、各年度の⼈数増減を⼀覧化したテーブルができた︕
    前年度末時点の
    ⼈数(発射台)
    今後5年間の
    ⼈数変動
    さらに、前年度末時点の⼈数(発射台)
    と⼈数変動を1列にまとめておく
    ★coalesce関数で、「⼈数」列が空
    なら「⼈数増減」列の値を⼊れる

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  22. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 22
    加工後データ作成までのプロセス
    前年度末の性別×
    資格別⼈数を集計
    Branchを作成
    し、⽣年⽉⽇をもと
    に今後5年間の定年
    退職予定者数を計算
    従業員リスト
    前年度末時点の
    全社員⼀覧
    ⼈員パラメーター
    今後5年間の
    ⼊退職・昇格予定数
    ②の定年退職数と
    ⼈員パラメーターを、
    ①のテーブルと結合
    【Output】
    今後5年間の性別×
    資格別⼈数を計算


    3 4
    ⼤きく分けて4つのステップで、Inputデータを加⼯してOutputのテーブルを作成する

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  23. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 23
    ④今後5年間の性別×資格別⼈数を計算
    累積和
    性別×資格ごとに集計で
    きるように、グループ化
    しておく
    性別×資格ごとの各年度の⼈数は、
    ⼈数変動の「累積和」によって求められる。
    ★累積をを求めるcumsum関数

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  24. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
    ゴール!!
    前ページのテーブルを元に
    ピボットテーブルで集計すると、
    最終⽬的の表が完成︕

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  25. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
    1. 業務の背景と現状業務の課題
    2. Exploratoryを活用したシミュレーション自動化
    Agenda
    3. シミュレーション自動化の効果

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  26. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 26
    シミュレーション⾃動化の効果
    現状の業務の課題が以下のように解消された
    ①⼿作業でやらなければならない作業
    が多い。
    (ピボットテーブルで集計して、その結
    果をコピーして別の計算⽤シートに貼り
    付けて、etc…)
    ②⼤量の数式が詰まっているため、指
    定するセルのズレなどミスが起きやす
    く、かつミスの発⽣個所が特定しづら
    い。
    ③シミュレーションのプロセスの全体
    像がつかみにくい
    (1個1個数式をたどらないと何をしてい
    るシートなのかわからない)
    ⼈員パラメーター作成以外,ほぼ全ての作業を⾃動化︕
    *ステップ内に年度をべた書きしている部分だけ修正すれば、来年
    度もそのまま利⽤可能。作業時間を⼤幅に短縮︕
    *正直、1回しかシミュレーションをやらないならExcelの⽅が構築
    は楽かもしれませんが、継続性を考えるとメリット。
    ほぼ⾃動化できたため、ヒューマンエラーによるミス
    の余地を極⼩化︕
    設定したステップを⾒れば、計算のプロセスがすぐに
    振り返りできる︕

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  27. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 27
    最後に
    2020年のデータサイエンス・ブートキャンプ参加以降、個別のレク
    チャー等々 とても丁寧にフォローいただき、本当に感謝しています︕
    ⼈事のデータ利活⽤に、今後も⼀層活⽤していきます。
    Exploratoryのみなさま、愛⽤者のみなさま、
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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  28. Copyright ©2022 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 28
    ご清聴ありがとうご
    ざいました︕
    リーガルページ︓https://www.nssol.nipponsteel.com/info/legal.html
    本⽂記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標⼜は登録商標です。

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