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法務担当者が押さえておくべきスマホ競争促進法の概要と、アプリビジネス法務のポイント

 法務担当者が押さえておくべきスマホ競争促進法の概要と、アプリビジネス法務のポイント

2025年12月に施行されるスマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(スマホ競争促進法、スマホ新法)の施行によって何が変わる?
スマホ競争促進法の施行によって、
①既存アプリストアのルールが大きく変更される
App StoreとGoogleプレイストアのルールが大きく変わり、外部サイトに誘導したり、アプリ内課金以外の決済手段を用いたりすることができるようになる
②第三者が運営するアプリストアで配信することができるようになる
AppleとGoogle以外の第三者が運営するアプリストアが実現可能に。第三者アプ
リストアでは、 AppleとGoogleによるアプリ審査ガイドラインの多くが適用され
なくなる見込みのため、現在のガイドラインでは認められていないアプリの配信が
実現できる可能性がある
③アプリストアを開設することができるようになる
自らがサードパーティとしてアプリストアを開設することも可能となる。自社のアプリのみで構成されるアプリカタログを提供することも可能に(AppleのEU向け新ルール)
→アプリビジネス関係者は、来年(2025年)12月のスマホ競争促進法の施行を待た
ず、早い段階で検討を進めておく必要がある

本セミナーは
①アプリビジネスの仕組みと、関連法である透明化法の内容を踏まえたうえで、
②スマホ競争促進法の概要を掴んでいただき、
③アプリ分野において自社が行うべきタスクを洗い出す機会として頂く
ことを目的としています
※2024年8月時点の内容となります

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Transcript

  1. © STORIA 弁護士杉浦 健二|[email protected] ▼略歴 企業勤務を経て2007年弁護士登録 2015年STORIA法律事務所共同設立(神戸事務所・東京事務所) 経済産業省設置デジタルプラットフォーム取引相談窓口(アプリス トア利用事業者向け)法律顧問(2021-) ▼主な著書

    『新アプリ法務ハンドブック』(共編著 日本加除出版 2022年) 『AIプロファイリングの法律問題』(共編著 商事法務 2023年) 『60分でわかる!最新著作権 超入門』(共編著 技術評論社 2024年) 「フェーズで理解するアプリサービスの関連法」(ビジネス法務 2023年9月号) ほか ▼近時の取材、コメント 「チャットGPT機能、入力情報の行方は 広がる外部サービス、 取り扱い規約ない例も」(朝日新聞・2023年7月9日1面) 「悩み相談・会議録…ChatGPT使う外部サービス、入力情報どこ へ」(朝日新聞デジタル・2023年6月18日) 「『日本は個人情報集めやすい』ChatGPT使うサービスの注意点」 (朝日新聞デジタル・2023年6月18日) 「ChatGPT完全攻略 最新決定版」(週刊ダイヤモンド・2023年6月 10・17日号) 「ChatGPTのオープンAIに注意喚起の行政指導 個人情報保護委」 (朝日新聞デジタル・2023年6月2日) ほか ▼主な取扱分野 アプリやウェブサービスを中心としたオンラインビジネスをめぐる 法的問題、個人情報保護法制を踏まえた個人データの利活用、 AI・ データに関する法的問題を主に取り扱う。近年は生成AIビジネスの スキーム構築(ビジネスモデル審査、個人情報、著作権処理など) や社内利用ガイドラインの作成等に携わる機会が増えている。 弁護士法人STORIA https://storialaw.jp STORIA法律事務所 パートナー弁護士 1
  2. スマホ競争促進法によって何が変わる? スマホ競争促進法の施行によって、 ①既存アプリストアのルールが大きく変更される App StoreとGoogleプレイストアのルールが大きく変わり、外部サイトに誘導 したり、アプリ内課金以外の決済手段を用いたりすることができるようになる ②第三者が運営するアプリストアで配信することができるようになる AppleとGoogle以外の第三者が運営するアプリストアが実現可能に。第三者アプ リストアでは、 AppleとGoogleによるアプリ審査ガイドラインの多くが適用され

    なくなる見込みのため、現在のガイドラインでは認められていないアプリの配信が 実現できる可能性がある ③アプリストアを開設することができるようになる 自らがサードパーティとしてアプリストアを開設することも可能となる。 自社のアプリのみで構成されるアプリカタログを提供することも可能に(Apple のEU向け新ルール) →アプリビジネス関係者は、来年(2025年)12月のスマホ競争促進法の施行を待た ず、早い段階で検討を進めておく必要がある 2
  3. 法務担当者が押さえておくべきスマホ競争促進法の概要と、 アプリビジネス法務のポイント 1 アプリビジネスのしくみ 2 スマホ競争促進法が成立するまでの経緯 (1) アプリビジネス市場の構造と実態 (2) デジタルプラットフォーム取引透明化法

    (3) 透明化法の成果と課題 (4) 残された競争法上の懸念 3 スマホ競争促進法の解説 (1) 禁止事項と遵守事項 (2) スマホ競争促進法の運用と執行(課徴金など) (3) 無過失損害賠償責任と差止請求権 4 スマホ競争促進法がアプリ配信企業に与える影響と アプリビジネス法務のポイント ※本資料の記載内容は、2024年8月23日時点において講師が把握する情報に基づくものであり、その最新性 を保証するものではありません。デベロッパー規約は、同日時点で日本国内に適用される内容を前提に説明 しています。また分かりやすさの観点から、条文や説明を簡略化している場合があります。 4
  4. © STORIA 関連資料 スマホ競争促進法の条文(e-gov) https://laws.e-gov.go.jp/law/506AC0000000058/20251218_000000000000000 公正取引委員会 (令和6年6月12日)「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関す る法律」の成立について https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/jun/240612_digitaloffice.html 内閣官房デジタル市場競争本部事務局

    モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/index.html 公正取引委員会 デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書(2019年10月) https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/oct/191031_2.html 経済産業省 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性についての評価(2024年2月) https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/digitalplatform/evaluation.html 透明化法(特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律)の条文(e-gov) https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000038 DMAの条文(Regulation (EU) 2022/1925) https://eur-lex.europa.eu/legal- content/EN/TXT/?uri=uriserv%3AOJ.L_.2022.265.01.0001.01.ENG&toc=OJ%3AL%3A2022%3A265%3ATO C 5
  5. © STORIA アプリビジネスにおける当事者 アプリストア提供者とデベロッパー間の契約関係に適用される規約が 「②デベロッパー向け規約」 AppStore App Developer Program使用許諾契約(DPLA) App

    Reviewガイドライン 等 Google Play Store Google Play デベロッパー販売 / 配布契約等 ・法律とは異なる「場」独自のルールが定められている 8 AppleのApp Store GoogleのGoogle Playストア 『新アプリ法務ハンドブック』P98
  6. © STORIA デベロッパー向け規約の内容(Appleの場合) ・デベロッパーがアプリストアに支払う手数料は、原則30% (前年の年間売上が100万米ドル以内の場合は15%) ・ユーザーがアプリをダウンロードした日から90日以内であれば、 Appleはユーザーに無条件で返金することができる(DPLA別紙2 6.3) ・アプリストアによる独自決済手段(アプリ内課金)の利用強制(レビューGL3.1) ・アプリ内通貨に有効期限を設けることができない(レビューGL3.1.1)

    デベロッパー向け規約に違反するとアプリがリリースできなかったり(審査リジェ クト)、アプリが事前の予告なく削除されたりと、デベロッパーにとって重大な不 利益が生じる。 →デベロッパーにとっては、ある意味法令違反よりもリスクが大きい面がある (即時削除によるアプリ事業の停止) 9
  7. © STORIA アプリストア(App Store、GooglePlayストア) アプリストア=スマホにアプリをインストールするためのアプリ Apple(iOS):App Store iOSにはApp Store以外からアプリをインストールできない Google(Android):Googleプレイストア

    Googleプレイストア以外のアプリストアやブラウザからもアプリのインストール が可能(ただし警告表示が出る) アプリストアの審査 Apple/Googleとも審査ガイドラインを作成しており、審査を経ないとアプリを配 信することができない。 アプリを配信できるかどうかは、Apple/Googleの判断に左右される構造となって いる スマートフォンは「端末→OS→アプリストア→アプリ」といった レイヤー構造による「モバイル・エコシステム」を構成している 16
  8. © STORIA Appleのモバイル・エコシステム 17 端末: iPhoneを自社で製造 OS: Apple が提供する iOS

    に限定 アプリストア: App Storeのみに限定 ブラウザ: Appleが提供するSafariがプリインス トールされ、デフォルトのブラウザと されている 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf
  9. © STORIA Googleのモバイル・エコシステム 18 端末とOS: Googleが 他社(OEM) にも Android のライセンス供与を行い、OEMも

    Androidを搭載した端末を提供してい る アプリストア: Appleと異なり、Google Playストア 以外のアプリストアを搭載することも 可能だが、ほとんどの場合Google Playストアがプリインストールされて いる ブラウザ: Chrome がプリインストールされたり デフォルト設定されたりしていること が多い 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf
  10. © STORIA 透明化法に基づいてアプリストア提供者が負う情報開示義務 ①一定の「アプリストア提供条件」を開示する義務(5条2項) ・アカウント停止、アプリ削除や審査リジェクト等を行う基準 ・アプリ内課金の利用強制を行う場合はその内容等 ・検索結果やランキングの表示順の決定要素となる主要な事項 ※アルゴリズムやプログラム自体の開示は求められていない ・自社優遇を行う場合はその内容と理由 など

    ②アプリ削除や審査リジェクトをする場合→理由を通知する義務(5条3項) ・外国語で理由を通知する場合は、請求があれば日本語の訳文を開示する義務 ③アカウントを削除する場合→原則30日前までに理由を含めて通知する義務(5条4項) ・外国語で通知をする場合は、請求があれば日本語の訳文を開示する義務 ④アプリストア提供条件の変更を行う場合→原則15日前までに通知する義務(5条4項) ・外国語で通知をする場合は、請求があれば日本語の訳文を開示する義務 提供条件や一定の行為時における理由等の開示(透明性)が求められている 22
  11. © STORIA 施行から3年、透明化法の成果と課題 【透明化法の成果】 透明化法の施行によって、アプリストアの透明性及び公正性について、一定の向上 が認められたといえる。 ・モニタリング会合におけるアプリストア側からの意見聴取自体が、アプリストア の運営や手続きを透明化し、アプリストアの考え方を把握でき相互理解を促進する ことができる場として機能している ・アプリストア側作成の報告書概要や大臣評価が毎年公表されるため、アプリスト

    ア側が自主的な改善に向けた取組みを実施するインセンティブが働いている (令和6年2月Apple報告書概要、Google報告書概要、経産大臣評価) ・経産省が設置するデジタルプラットフォーム取引相談窓口(DPCD)に寄せられ る相談がアプリストア側に伝えられることで、個別事案についても解決が図られる 契機となっている ※本年8月、透明化法に基づく初の勧告も行われた(対Apple及びAmazon。Apple については、デベロッパー向け規約について日本語の翻訳文を付さず、付す期限も 明示しなかったり付した期限を徒過したりしていた。2024年8月2日付勧告) 24
  12. © STORIA 懸念① 決済・課金システムの利用義務づけ 28 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf ・デベロッパーは、Apple及びGoogleの決済・課金システムを利用すること、

    当該システムを通じて一定の手数料(30%、15%など)を支払うことが義務付け られている →代替的な決済サービスを提供する事業者の参入を阻害し、手数料負担がデベ ロッパーの収益を圧迫し、あらたな価値提供と競争の減退につながりうる(最終 報告)
  13. © STORIA 懸念③ アプリストア間の競争圧力 31 内閣官房デジタル市場競争本部事務局・モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告 概要 (2023年6月) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digitalmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf ・iOSでは、App

    Store以外からのアプリのインストールが原則認められていない ・アプリストアの手数料負担が大きく収益を圧迫している →アプリストア審査の透明性、公正性についての懸念が指摘され、デベロッパは 保守的にならざるを得ず、イノベーションが阻害されている(最終報告)
  14. © STORIA 独占禁止法や透明化法ではこれらの競争法上の懸念への対応が困難 アプリストア関連における主な競争上の懸念点(最終報告) ①アプリ内課金の利用義務づけ ②アプリ内における他の課金システム等の情報提供、誘導等の制限 ③アプリストア間の競争圧力 複数のレイヤーにまたがるモバイル・エコシステムにおいては、 市場画定等、慎重な審査を必要とする独占禁止法(事後規制)では対応が困難 +

    プラットフォーム事業者が競争に悪影響を及ぼす危険性の高い行為類型が明らか になってきている中で、プラットフォーム事業者の自主的な取組のみで実効性を 確保することには限界があり、特定の行為の禁止や義務付けを行う枠組みがない 現行の透明化法では、こうした行為への対応が困難である。そのため、透明化法 との関係においても、既存の対応策とは異なる対応策が必要であると考えられ る。 →事前に一定の行為類型の禁止や義務付けをする、事前規制アプローチの必要性 32
  15. © STORIA (1) アプリストア間の競争制限禁止(法7条1号) ※課徴金対象 【アプリストアの開放】 スマホOSを通して提供されるアプリストアについて、 ・自社のアプリストアに限定してはならない(法7条1号イ) ・他事業者がアプリストアを提供することや、スマホ利用者が他事業者のアプリス トアを利用することを妨げてはならない(法7条1号ロ)

    →アプリ提供者は、サードパーティのアプリストアからアプリを配信することや、 新たにアプリストアを提供するビジネスが可能となる(懸念③に対応) →ただし①セキュリティ②プライバシー③青少年保護④その他政令で定める目的(犯罪行為 の予防等)のために必要な行為を行う場合であって、かつ、他の行為によって目的達成が困 難である場合は、自社アプリストアに利用を限定し、他社アプリストアの利用を妨げること も認められる(正当化事由による例外。法7条但書) (法7条但書) ただし、サイバーセキュリティの確保等(スマートフォンの利用に係るサイバーセキュリティ基本法(平成二十 六年法律第百四号)第二条に規定するサイバーセキュリティの確保、スマートフォンの利用に伴い取得される氏名、性 別その他のスマートフォンの利用者に係る情報の保護、スマートフォンの利用に係る青少年の保護 その他政令で定め る目的をいう。次条において同じ。)のために必要な行為を行う場合であって、他の行為によってその目的 を達成することが困難であるときは、この限りでない 40
  16. © STORIA (1) アプリストア間の競争制限禁止(法7条1号) ※課徴金対象 【7条但書・正当化事由を判断する運用】 ・DMAが先行する欧州では、Apple社が代替アプリストアについて、一定の認証 (公証)をする運用が導入となっている。 →日本においても、指定事業者が、セキュリティ確保等の観点から、第三者アプリ ストアについて一定の認証(公証)を行うことが想定される

    「セキュリティ等に関しどういった場合に正当化事由が認められるのかといった点に関 する具体的な考え方については、今後、関係省庁とも連携をしながらガイドラインを策 定し、考え方の明確化を図っていきたいと考えている。その過程においては、EU、英 国等先行している諸外国の状況もよく見ながら具体的な考え方の検討を進めていきたい と考えている。」 (公取委 令和6年7月16日「第227回 独占禁止懇話会の議事概要の公表について) https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/jul/240716_227_happyou_gijigaiyou.pdf 41
  17. © STORIA (1)指定事業者以外の課金システムの利用制限禁止(法8条1号) ※課徴金対象 【アプリ内課金システムの利用強制禁止】 前払式支払手段等の支払手段に関して、 ・指定事業者が提供する課金システム(アプリ内課金システム)以外の課金システ ム(他の課金システム)をアプリ提供者が利用しないことを、アプリストアの利用 条件としてはならない(法8条1号イ) ・上記のほか、アプリ提供者が他の課金システムを利用することを妨げたり、アプ

    リ提供者がスマホ利用者に他の課金システムを用いることができるようにすること を妨げてはならない(法8条1号ロ) ※法7条と同様に正当化事由の例外あり →アプリ提供者は、指定事業者が提供するアプリ内課金(IAP等)以外の決済手段を利用で きるようになる(懸念①に対応) ・他の事業者が提供するアプリ内課金システム ・他の事業者が提供するアプリ外の課金システム 42
  18. © STORIA (1)アプリ内でのユーザーへの情報提供制限の禁止(法8条2号) ※課徴金対象 【アプリ内情報提供制限の禁止、関連ウェブページ等における販売制限の禁止】 アプリ提供者が、アプリ内で提供する商品や役務と同一の商品又は役務を、ウェブページや 別のアプリ(関連ウェブページ等)を通じて提供する場合において、 ・関連ウェブページ等を通じて提供する商品又は役務の価格その他の情報について、アプリ 作動中に表示されないようにすることをアプリストアの提供条件としてはならない(法8条 2号イ)

    ・上記のほか、アプリ提供者がアプリ利用者に対して、関連ウェブページ等を通じて商品又 は役務を提供することを妨げてはならない(法8条2号ロ) ※法7条と同様に正当化事由の例外あり →アプリ内において、アプリ外にある関連ウェブページ等でも購入できることや、関連ウェ ブページ等で販売するアイテム等の価格を表示したり、外部に誘導するリンクを表示するこ と(アウトリンク)が許されることとなる(懸念②に対応) 43
  19. © STORIA (1)アプリ事業者に対する不公正な取扱い(法6条) 【アプリ提供者に対する不公正な取扱いの禁止】 アプリ提供者に対して、 アプリ作動中に表示されるアプリの仕様等の表示方法等に係る条件、アプリ提供者 によるスマホOS利用やアプリストア利用に関する条件、当該条件に基づく取引の 実施について、不当に差別的な取扱いその他の不公正な取扱いをしてはならない (法6条) →いわゆるバスケット条項。

    いたちごっこを防止するために有益な条項であり、 ガイドライン等による該当事例の明確化が望まれる。 (個別アプリ事業者に対する不公正な取扱いの禁止) 第六条 指定事業者(基本動作ソフトウェア又はアプリストアに係る指定を受けたものに限る。)は、その指定に係る 基本動作ソフトウェア又はアプリストアに関し、個別アプリ事業者に対し、当該個別アプリ事業者が提供する個別ソフ トウェアの作動中に表示される当該個別ソフトウェアの仕様等の表示の方法等に係る条件その他の個別アプリ事業者に よる当該基本動作ソフトウェア又はアプリストアの利用に係る条件及び当該条件に基づく取引の実施について、不当に 差別的な取扱いその他の不公正な取扱いをしてはならない。 44
  20. © STORIA Q 第三者アプリストアを利用する場合に、指定事業者が課す手数料が不当に高額だった場 合、スマホ競争促進法上問題となるか? →個別の事案によっては、法7条1号ロ「他の事業者が提供するアプリストアを利用すること を妨げること」に該当するほか、法6条「不当に差別的な取扱いその他の不公正な取扱い」 に該当するといえる場合があるのではないか。 「本法案では、他の事業者がアプリストアを提供することでありますとか、利用者が他のアプリス トアを利用することを妨げることを禁止する旨を規定すると、妨げるという言葉を使うようにして

    いるなど、新たな手数料の徴収等によりまして他の事業者によるアプリストアの提供が事実上制限 されるような場合を含めて、幅広く問題行為を捉えることが可能な規定ぶりというふうにしている ところでございます。」(第213回国会 参議院 経済産業委員会 第15号 令和6年6月6日岩成 博夫政府参考人028) ※スマホ競争促進法附帯決議 五 指定事業者以外の事業者によるアプリストアの提供について、指定事業者が、不当に高 額な手数料等を徴収する等により、事実上参入を制限することがないよう、指針においてそ の考え方を明確にすること。 45
  21. © STORIA (2)指定事業者以外のブラウザエンジンの利用禁止(法8条3号) 【アプリ内におけるブラウザエンジンの利用強制禁止】 アプリの構成要素であるブラウザエンジンについて、 ・指定事業者が提供するブラウザエンジンをアプリの構成要素とすることを、アプ リストア提供条件としてはならない(法8条3号イ) ・上記のほか、指定事業者が提供するブラウザエンジン以外のブラウザエンジンを、 アプリの構成要素とすることを妨げてはならない(法8条3号ロ) ※正当化事由の例外あり

    ※ブラウザエンジン…ブラウザの一部を構成するソフトウェアであって、ウェブページに係 る情報を閲覧することができる状態に処理するもの(法8条3号) iOS におけるブラウザエンジンは Appleが 提供するWebKit のみに制限されており、 iOSにおいては、Chrome等の他社ブラウザで あってもWebKit以外のエンジン(Googleの Blink等)の使用が認められていなかった 48 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/digita lmarket/kyosokaigi/dai7/siryou1s.pdf
  22. © STORIA (3)法12条(4)法9条(5)法5条 (3)OSとブラウザにおけるデフォルト設定(法12条) ・OSによるアプリのデフォルト設定や、ブラウザにおける検索エンジンのデフォルト設定 等について、利用者が簡易な操作により変更できるようにしなければならない(法12条第 1号イ、第2号イ) ・一定のアプリ等について、他の同種のアプリ等の選択肢を示す選択画面を表示しなければ ならない(チョイススクリーン。法12条第1号ロ、第2号ロ) (4)検索における自社サービスの優先表示禁止(法9条)

    検索結果の表示において、自社のサービスを、正当な理由がないのに、競争関係にある他社 のサービスよりも優先的に取り扱ってはならない(法9条) 「自己優遇の有無の確認方法として、例えば、ニュースコンテンツ配信分野に関する実 態調査において、ある検索サービスの検索結果と別の検索サービスの検索結果を比較し て有意な差があるかどうかといった検証を行っている」(令和6年7月16日独禁懇) (5)指定事業者による不当なデータの使用禁止(法5条) 指定事業者が取得した、アプリの利用状況や売上げ等のデータについて、他のアプリ事業者 等と競合するサービスの提供のために使用してはならない(法5条) 49
  23. © STORIA (6) OSにより制御される機能への他の事業者のアクセスの制限(法7条2号) ※課徴金対象 スマホOSによって制御される音声出力機能等のスマホの機能のうち、 指定事業者がアプリ提供時に利用するものについて、他の事業者がアプリ提供時に 同等の性能で利用することを妨げてはならない(法7条2号) ※正当化事由の例外あり →スマートウォッチをはじめとする周辺機器は、スマホとの間でいかにスムーズに連携でき

    るかが重要であるところ、スマホOS指定事業者とサードパーティとの間で、連携条件が異 なれば、イコールフッティングが阻害されることになる。(最終報告書P185以下6-7参照) ◦古谷政府特別補佐人「指定事業者がスマートウォッチ等のアプリに用いるOSの機能につきまし て他の事業者による利用を妨げているというふうに認められる場合には、この法案の、具体的には 七条二項になろうかと思いますが、それに基づいて対処していくことになるというふうに考えてお ります。また、この法案に直接違反しない場合でありましても、独占禁止法に違反する疑いがある 場合には、当然、独占禁止法に基づいて対処していくということになります。」(第213回国会 衆議院 経済産業委員会 第15号 令和6年5月17日123発言) 第七条 指定事業者(基本動作ソフトウェアに係る指定を受けたものに限る。)は、その指定に係る基本動作ソフト ウェアに関し、次に掲げる行為を行ってはならない。ただし…(略) 二 当該基本動作ソフトウェアにより制御される音声を出力する機能その他のスマートフォンの動作に係る機能であっ て、当該指定事業者が個別ソフトウェアの提供に利用するものについて、同等の性能で他の事業者が個別ソフトウェア の提供に利用することを妨げること。 50
  24. © STORIA (その他)OS、アプリストア等の仕様変更、利用拒絶時における義務(法13条) OS、アプリストア、ブラウザについて、仕様の設定若しくは変更、利用に係る条 件の設定若しくは変更又は利用の拒絶をするときは、デベロッパー等の事業者が円 滑に対応するための期間の確保、情報の開示、必要な体制の整備その他の必要な措 置を講じなければならない(法13条)。 →透明化法における、アプリストア提供条件等の開示義務(透明化法5条)に類似。 →二重規制を防ぐ観点から、新法施行後に透明化法から一部適用が外される見込み (第213回国会衆議院経済産業委員会第15号令和6年5月17日野原政府参考人047発言)

    (特定ソフトウェアの仕様等の変更等に係る措置) 第十三条 指定事業者は、その指定に係る次の各号に掲げる特定ソフトウェアについて、仕様の設定若しくは変更、利 用に係る条件の設定若しくは変更又は利用の拒絶をするときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、当該各号 に定める事業者が当該措置に円滑に対応するための期間の確保、情報の開示、必要な体制の整備その他の必要な措置を 講じなければならない。 一 基本動作ソフトウェア 当該基本動作ソフトウェアを利用する個別アプリ事業者及びウェブサイト事業者 二 アプリストア 当該アプリストアを利用する個別アプリ事業者 三 ブラウザ 当該ブラウザにより表示されるウェブページを提示するウェブサイト事業者 51
  25. © STORIA その他 ・利用者確認方法の利用強制禁止(法8条4号) ※正当化事由の例外あり →正当化事由がない限り、”Sign in with Apple”等の利用強制は許されなくなる ・データの管理体制等の開示義務(法10条)

    →指定事業者がアプリ提供者及びユーザーから取得するデータについて、 一定の範囲で開示しなければならない(≒透明化法5条2項) ※10条のデータ開示義務、13条の取引条件等の開示義務については透明化法でも規定 されているところ、今後は新法で一元的に対応される整理(令和6年7月16日独禁懇談話) ・データポータビリティツール提供の義務づけ(法11条) →公正取引委員会規則で定めるところにより、ユーザーの求めに応じて、 一定のデータを円滑に移転するために必要な措置を講じなければならない →iCloudへのアクセスがAndroidからはできないこと、SafariはiOSのみの提供であるこ と、アプリ購入に関するデータポータビリティが提供されていないことなど、データ ポータビリティがOS間スイッチングにおけるボトルネックの一つの要因となってい る懸念に対応(最終報告5-3) 52
  26. © STORIA スマホ競争促進法における課徴金制度(法19条) ・課徴金の対象となる行為は? ・アプリストアの提供妨害の禁止(法7条1号) ・スマホの動作に係る機能の利用妨害の禁止(法7条2号) ・支払管理役務の利用妨害の禁止(法8条1号) ・アプリ外取引の制限の禁止(法8条2号) の4類型に限られる。 「課徴金制度がそもそも違反行為を抑止するという行政目的の下に行われるものでありまして、そ

    のような行政目的を達成する観点から、不当利得を明確に観念できる範囲内において課徴金制度の 対象としたというもの」(第213回国会衆議院経済産業委員会第15号令和6年5月17日塚田政府参考人147発言) ・課徴金の算定方法は? 違反行為期間中の違反行為に係る商品又は役務の売上額×原則20%(法19条) ※違反行為期間は、公正取引委員会の調査開始日の十年前まで遡る ※国内売上高が基準 ⇔DMAは全世界売上高基準で原則10% ※「デジタルプラットフォーム事業者の利益率が高いことを踏まえまして、20%という 課徴金率を設定」(同55発言) (参考)電力分野のカルテルについて、公取委は総額約1010億円の課徴金を命じた例あ り(2023年3月) ※独禁法と同様に確約手続あり(法22条) 55
  27. © STORIA 無過失損害賠償責任(法32条) 指定事業者が禁止行為(法5条から法9条に違反する行為)をした場合、被害者は 指定事業者に対して、法32条に基づいて損害賠償を請求できる ・無過失賠償責任(同条2項) ・ただし公取委の命令が確定した後である必要がある(同条3項) ・東京地裁の専属管轄(法42条、独禁法25条、独禁法85条の2) →従来、透明化法違反に基づく私法上の請求や、デベロッパー規約違反等に基づく 私法上の請求は、裁判管轄などの問題があり困難な面があったが、スマホ競争促進

    法によって、公取委の命令が確定した後であれば、日本の裁判所(東京地裁)に損 害賠償請求ができる道がひらけた(ハードルは高いが‥) →別途、民709条に基づく損害賠償を請求することも可能と思われる(≒独禁法) ※ただし過失責任となることのほか、デベロッパー規約における専属的合意管轄 の問題があると考えられる (無過失損害賠償責任)第三十二条 第五条から第九条までの規定に違反する行為をした指定事業者は、被害者に対し、損害賠償の責めに任ずる。 2 指定事業者は、故意又は過失がなかったことを証明して、前項に規定する責任を免れることができない。 3 第一項の規定による損害賠償の請求権は、排除措置命令(第十八条第一項又は第二項の規定による命令をいう。以 下同じ。)(排除措置命令がされなかった場合にあっては、課徴金納付命令)が確定した後でなければ、裁判上主張す ることができない。 4 前項の請求権は、排除措置命令(排除措置命令がされなかった場合にあっては、課徴金納付命令)が確定した日か ら三年を経過したときは、時効によって消滅する。 57
  28. © STORIA 差止請求権(法31条) ①指定事業者による禁止行為(法5条から法9条に違反する行為)によって ②その利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、 ③これにより著しい損害を生じ、又は生ずるおそれがあるときは、 その侵害の停止又は予防を請求することができる(法31条) ・裁判管轄は、民訴法4条5条の裁判籍のほか、東京地裁および各高裁所在地を管 轄する地裁にも競合管轄を認めている(法42条、独禁法24条、独禁法84条の2) ・仮処分申立ても可能と考えられる(≒独禁法)

    ・消費者団体等による訴訟制度はなし (差止請求権)第三十一条 第五条から第九条までの規定に違反する行為によってその利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、これに より著しい損害を生じ、又は生ずるおそれがあるときは、その利益を侵害する指定事業者又は侵害するおそれがある指 定事業者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 58
  29. © STORIA 欧州デジタル市場法(DMA)の概要 DMA(The Digital Markets Act) 2023年5月施行、2024年3月7日適用開始 ・「コアプラットフォームサービス」と呼ばれるオンラインデジタルサービスを提 供する大規模プラットフォームを「ゲートキーパー(GK)」として指定し、一定

    の行為禁止や一定の行為を義務づける法律 ・コアプラットフォームサービスの範囲は、スマホ競争促進法よりも広範 ・GKの禁止行為や遵守行為は、欧州における競争法の先例を踏まえて定められた ・GKに指定された日本企業はない(2024年8月時点) ・制裁金は原則として前年度世界売上高の最大10% ・消費者団体訴訟も可能 ※英国でも、2024年5月、デジタル市場・競争・消費者法(DMCCA, Digital Markets, Competition and Consumers Act)が成立 60
  30. © STORIA DMA発効後の動向 DMAの発効を受けて、Appleは欧州において新たに「コアテクノロジーフィー」 (CTF)を導入 …代替アプリストアからアプリを配布する場合、年間インストールが100万回 を超えるインストールがあった場合、デベロッパーに1回あたり0.5ユーロの手 数料の支払いを義務付ける新規約への同意を義務付けた ↓ 欧州委員会は、CTFについてDMA違反の疑いがあるとして調査開始。

    2024年6月、欧州委員会は、 Appleが外部サイトへの誘導制約について定める条 項(パラメータを含むリンク禁止等)についてDMA違反であるとの暫定的見解を 公表 https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_24_3433 ↓ 2024年8月8日、Appleは、ユーザーを識別するためのパラメーターを含む外部購 入リンクを、一部の例外を除いて認める旨を公表 https://developer.apple.com/news/?id=szrqxadx 63
  31. © STORIA DMA発効後の動向 第三者アプリストアについて、 欧州ではマイクロソフトやSpotify、Epic Games等が参入又は参入意向を表明 Epic Games CEO「アプリストアをダウンロードすれば使えるようになるわけですが、 これは通常のアプリダウンロードよりもずっと手間がかかります。Androidでは12もの

    ステップが必要です。iOSはさらにひどく、15ものステップが必要です。その間には、 不必要に怖がらせ、インストールを思いとどまらせるようなスクリーンも出ます。こう した仕組みは変更せねばなりません。」 モバイル版Epic Games Store開始 アップル・グーグルの“外”「ストア」の価値 https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/1616485.html →スマホ競争促進法の政省令ガイドラインの制定や運用においても、 DMA発効後における欧州の状況等を慎重に観察していくことが求 められる 64
  32. 【再掲】スマホ競争促進法によって何が変わる? スマホ競争促進法の施行によって、 ①既存アプリストアのルールが大きく変更される App StoreとGoogleプレイストアのルールが大きく変わり、外部サイトに誘導 したり、アプリ内課金以外の決済手段を用いたりすることができるようになる ②第三者が運営するアプリストアで配信することができるようになる AppleとGoogle以外の第三者が運営するアプリストアが実現可能に。第三者アプ リストアでは、 AppleとGoogleによるアプリ審査ガイドラインの多くが適用され

    なくなる見込みのため、現在のガイドラインでは認められていないアプリの配信が 実現できる可能性がある ③アプリストアを開設することができるようになる 自らがサードパーティとしてアプリストアを開設することも可能となる。 自社のアプリのみで構成されるアプリカタログを提供することも可能に(Apple のEU向け新ルール) →アプリビジネス関係者は、来年(2025年)12月のスマホ競争促進法の施行を待た ず、早い段階で検討を進めておく必要がある 66
  33. © STORIA スマホ競争促進法で拡大するアプリビジネス ・Appleは本年3月7日に発効したDMA(デジタル市場法)に対応するため、 App Reviewガイドラインを改訂。 iOS 17.4では「第三者アプリストアの運営」「Webサイトからのアプリ直接配布」「第 三者アプリストアでのアプリ配信」等が、Appleの公証を得ること等を条件に許容された 公証によって配信が認められる

    アプリについては、AppStoreの ルールであるApp Reviewガイド ラインの多くの条項が適用されな い。たとえば「ゲーム内通貨に 有効期限を設定することはでき ません」とする3.1.1も適用対象外。 →GoogleとApple双方で ゲーム内通貨に有効期限を 付することができれば、 前払式支払手段の適用除外が アプリビジネスでも実現できる 可能性が生じる →スマホ新法への対応が待たれる 67 https://developer.apple.com/jp/app-store/review/guidelines/
  34. 法務担当者が押さえておくべきスマホ競争促進法の概要と、 アプリビジネス法務のポイント 1 アプリビジネスのしくみ 2 スマホ競争促進法が成立するまでの経緯 (1) アプリビジネス市場の構造と実態 (2) デジタルプラットフォーム取引透明化法

    (3) 透明化法の成果と課題 (4) 残された競争法上の懸念 3 スマホ競争促進法の解説 (1) 禁止事項と遵守事項 (2) スマホ競争促進法の運用と執行(課徴金など) (3) 無過失損害賠償責任と差止請求権 4 スマホ競争促進法がアプリ配信企業に与える影響と アプリビジネス法務のポイント ※本資料の記載内容は、2024年8月23日時点において講師が把握する情報に基づくものであり、その最新性 を保証するものではありません。デベロッパー規約は、同日時点で日本国内に適用される内容を前提に説明 しています。また分かりやすさの観点から、条文や説明を簡略化している場合があります。 69
  35. お問い合わせ 弁護士 杉浦 健二 TEL 03-6711-5160 Mail [email protected] URL storialaw.jp

    X kenjisugiura01 STORIA法律事務所東京オフィス TEL: 03-6711-5160 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-6-1大手町ビル6階 STORIA法律事務所神戸オフィス TEL: 078-391-0232 〒650-0031 神戸市中央区東町123-1貿易ビル3階