Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
15年続く老舗技術メディアのリブランディングで考えたこと #DevRelAsia / Rebr...
Search
kondoyuko
November 14, 2020
Business
2
3.4k
15年続く老舗技術メディアのリブランディングで考えたこと #DevRelAsia / Rebranding Technology Media for its 15-year anniversary
DevRel/Asia 2020での発表資料です。
https://devrel.dev/asia-2020/speakers/yuko/
kondoyuko
November 14, 2020
Tweet
Share
More Decks by kondoyuko
See All by kondoyuko
あなたの声を届けよう! 女性エンジニア登壇の意義とアウトプット実践ガイド #wttjp / Call for Your Voice
kondoyuko
4
950
人とAIとの共創を夢見た2か月 #共創AIミートアップ / Co-Creation with Keito-chan
kondoyuko
1
1.3k
もうひとつのアーキテクチャ #kichijojipm
kondoyuko
0
250
カンファレンス運営者の視点で伝えたい、アフターコロナのITコミュニティの未来 / The Future of IT Communities #OSO2023
kondoyuko
2
500
みんなに愛されて20年! 「Developers Summit」オーガナイザーとしてやったこと、考えたこと #oso2022 / What I did and thought about as an organizer of Developers Summit
kondoyuko
1
760
大学生に『書くこと』の授業をしたときに 引き合いに出した本 / books on writing for students
kondoyuko
9
10k
The Struggle of online conferences in the time of COVID-19
kondoyuko
0
1.5k
編集者が考える! 大学生が書く技術を高めるべき理由とは? / Why should we improve our writing skills?
kondoyuko
2
1.1k
FreeStyleリブレで 14日間血糖値モニタリングしてみた / glucose monitoring using FreeStyle Libre
kondoyuko
0
340
Other Decks in Business
See All in Business
Arches 会社説明資料/ HR Deck
arches0501
0
13k
プロダクト進化とグロースを加速させる「強いCS組織」の秘訣 / The secret to a strong customer service organization that accelerates product evolution and growth
kaminashi
0
110
OpenBridge株式会社 会社紹介資料 / We are hiring
openbridge
0
340
ties|クラウド顧客・案件管理システム - サービスのご紹介
so_kotani
2
450
株式会社クラダシ_中期経営計画(2025年6月期‐2027年6月期)
kuradashi
0
200
Top 07 Ways to connect QuickBooks Payroll Support Number
qbpayroll1
0
180
RとLLMで自然言語処理
bob3bob3
3
500
特別講義 理系のための法学入門
seko_shuhei
2
2.4k
Platform Engineering done well: innovation, efficiency, market advantage - Matthew Skelton - ProductTank Auckland
matthewskelton
PRO
0
410
国内ランサムウェア3事例から学ぶ中小病院におけるサイバーセキュリティ対策 / Cybersecurity Learned from Cases
henryofficial
0
300
SlackでDMを使わない方が いい理由を説明してみた
walkersumida
1
1.1k
Company Deck_2025.06
sixtypercent
0
530
Featured
See All Featured
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
126
53k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
KATA
mclloyd
30
14k
Facilitating Awesome Meetings
lara
54
6.5k
Docker and Python
trallard
45
3.5k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
299
21k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
47
9.6k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
35
2.4k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
71
11k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
223
9.7k
Making the Leap to Tech Lead
cromwellryan
134
9.4k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
181
54k
Transcript
15年続く老舗技術メディアの リブランディングで考えたこと 2020.11.14 @kondoyuko from SHOEISHA Co.,Ltd. DevRel/Asia 2020
自己紹介 近藤佑子 aka @kondoyuko / ゆうこりん • 所属:株式会社翔泳社 – CodeZine編集部
編集長 – Developers Summit オーガナイザー • メディアの立場でDevRelに関わる – DevRelCon Tokyo 2017-2020 スタッフ – DevRel/Japan 2019 スピーカー&スタッフ • 開発者と一緒に踊る、キャッチコピーは「踊る編集者」 kondoyuko516 kondoyuko アイコン アー写
CodeZine / Developers Summit CodeZine: 2005年から続くソフトウェア開発者向けメディア Developers Summit: 2003年から続くソフトウェア開発者向けカンファレンス
DevRel/Japan 2019での登壇内容 https://devrel.tokyo/japan-2019/speakers/kondoyuko/ https://speakerdeck.com/kondoyuko/how-to-make-a-tech-conference-from-an-editors-perspective
Developers Summit 2020
Developers Summitを通じて感じた手応え • 特定のテーマ(例「ともにつくる」)のもと、 多数の開発者が自己や他者と向き合う 1カンファレンスがそんな機会となる可能性を感じた • 出版社が主催するからこそ、広く届いて多くの開発者 の助けになりうる。その結果、世の中が良くなること につながるかもしれない
デブサミの運営を通じて上がった視座 • デブサミで感じた手応えは、Webで開発者に広く参照 してもらえるCodeZineにも適用できるのではないか? • 「いいメディア/イベントを作りたい」から 「いいメディア/イベントで世の中を良くしたい」へ 自分のなかで視座が上がった
そんなことを考えていたら・・・ • 2020年2月下旬 「CodeZineの編集長を任せたい」と 上長から伝えられた • 新型コロナウイルス感染症拡大の影響 でカンファレンスの中止が相次ぐ時期
そして2020年6月:CodeZine 15周年を機に編集長を交代 編集長交代の告知ニュース https://codezine.jp/article/detail/12344 いきさつをふりかえったブログ https://kondoyuko.hatenablog.com/entry/2020/10/08/190000
今日お話したいこと • 開発者向けメディア「CodeZine」の15周年にあたり、 リブランディングとして何を行ったか • リブランディングで学んだこと
こんな課題を持っている方のヒントになるかも? • 長年続く開発者向けの取り組みを新しく引き継いだ方 • 取り組みを時代に合わせてアップデートしたい方
老舗技術メディアのリブランディングで 何を行ったのか
リブランディングで行ったこと • コンセプトの刷新 • ロゴの刷新 • Webとイベントの連動
リブランディングで行ったこと • コンセプトの刷新 • ロゴの刷新 • Webとイベントの連動
CodeZineの新コンセプト • 旧コンセプト: 開発者のための実装系Webマガジン • 新コンセプト: デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア
リブランディングの背景 • 視座が上がっていた私は、 2020年6月のCodeZine 15周年に向けて コンセプトやロゴの変更を行いたいと提案 • 2020年1月末、編集部と広告営業メンバーで 「CodeZineはどんなプラットフォームでどんな社会的 責任があるのか」というテーマで検討会議を開催した
話し合ったこと • いま開発者を取り巻く状況にはどんな課題があるか • CodeZineによって誰のどんな課題を解決したいか
ミーティングの様子 開発者を取り巻く課題について CodeZineが解決しうることについて
出てきたトピックとそれに対してできそうなこと(一部) • 開発者向けの情報が多すぎる – 現場視点の解説記事 – メルマガ • キャリアに悩みがある –
若手向けキャリアインタビュー – ロールモデルとなりそうな方の紹介 • 技術と他分野の掛け合わせが広がっている – 開発とビジネスがうまく連携している事例の紹介 • アウトプットを高めたい – アウトプットのコンサルティング
ミーティングで前編集長が言ったこと 15年前は「技術が主役」、今は「開発者が主役」
15年前は「技術が主役」、今は「開発者が主役」 • CodeZine発刊当初は今より個人の発信が多くなく 技術情報を発信するだけで貴重だった? • 現在、多様な手段で技術情報が得られるなか、 開発者を主役に据えた情報発信をしていきたい →開発者の成長(キャリア)と現場の課題解決に焦点
早い段階でプレスリリースを作成 • Amazonの開発スタイル を参考に、コンセプトを 考えたらまず プレスリリースを作った • 折々で修正しながら 完成形に持っていく https://codezine.jp/article/detail/12344
リブランディングで行ったこと • コンセプトの刷新 • ロゴの刷新 • Webとイベントの連動
新旧ロゴ比較 旧ロゴ 新ロゴ
なぜロゴを変更したかったか • 旧ロゴは一昔まえの印象があり、今風にしたかった • 翔泳社が持っている開発者向けプロダクトの ブランド統一ができていなかった
各種プロダクトの旧ロゴ
ロゴ発注の際にお伝えしたこと • 開発者に新しい印象を与えたい • フォントウェイトは細すぎず太すぎず – 参考となるロゴもいくつか提示 • 関連プロダクトが統一感あるようなデザイン •
デブサミ/デブストは大きく印象が変わらないように • ロゴタイプの前に•型のアイコンがあるとよさそう? • プレスリリースの草案も共有
最終的に完成したロゴ
実際のプレスリリース文面より(ロゴについて) Developers Summitが、デベロッパー としての頂点を目指し高め合う「山」の ような存在だとしたら、CodeZineは、 デベロッパーを取り巻く不確実性の高い 環境を「海」とたとえ、デベロッパーが その大海原を進んでいくためのガイドで ありたい。そう考え、CodeZineの新し いシンボルとして「コンパス」のマーク
を採用しています。 カラーリングやモチーフは当初から意図したものではないが、 考えるなかで、イメージがつながっていく感覚があった
リブランディングで行ったこと • コンセプトの刷新 • ロゴの刷新 • Webとイベントの連動
Webとイベントの連動 • デブサミとCodeZine、それぞれブランドがあるが、 同一企業・チームで運営されていることが あまり知られていない • Webとイベントのシナジーを強めることで、 開発者のアウトプットが最大化され、学びが深くなり ブランドもより強固になると考えられる
行っていること(まだ道半ば) • ロゴに統一感をもたせる(既出) • デブサミの特設コーナー(Developers Online)の設置 • 「開発者の成長ジャーニー」を考え、社内に共有
CodeZine内にDevelopers Onlineの設置 • デブサミ/デブストの レポートなどの 関連コンテンツを紹介する 特設コーナーを設置 • イベントの発信をストック し、発信の価値を最大化す
るために拡充していきたい https://codezine.jp/devonline/
翔泳社プロダクトと開発者の成長ジャーニー(例) CodeZineやデブサミ に触れた方が 組織やコミュニティで 前向きな行動を起こし CodeZineの著者や デブサミ登壇者になり CodeZine Academy の講師になる
各プロダクトが開発者の成長にどう関わっているか 社内にイメージを伝える
リブランディングで学んだこと
リブランディングの効果 • プロダクトへのオーナーシップを持てるようになった • デブサミの「ミッション」を言語化に役立った
プロダクトのオーナーシップを持てるようになった • 「借りてきた言葉」を使っていた感覚から 「CodeZineは私達のプロダクトである」と思えた • 孤独なリモートワークでの自分の支えになったし、 きっと他のメンバーの指針にもなったと思う
デブサミの「ミッション」を言語化に役立った • オンライン開催となるデブサミ2021で、 これまで通りの価値が提供できるか不安 – 雅叙園という空間も、対面の交流もない…… • だからこそ、社内外の方にはたらきかけるにあたって 「世の中に価値を届けるために協力してほしい!」と 伝えるため、ミッションを考えた
– CodeZineで一度考えていたので、スムーズに考えられた
デブサミの「ミッション」 デベロッパーをスターにし、世の中をアップデートを加速する • スピーカーをスターにするのはもちろん、参加者の前向きなアクションの きっかけとなり、組織や社会、身の回りの方々から尊敬・尊重され、デベ ロッパー全員がスターになることを目指しています • 輝けるデベロッパーが増えた結果、価値提供が進み、世の中がより速く アップデートされると信じています
実は翔泳社やCodeZineのミッションと対応している コンテンツで人と社会の可能性を拡げる デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア デベロッパーをスターにし、世の中をアップデートを加速する
デブサミのミッションの活用 • 考えたミッションを社内外に伝える – 社外開発者による「コンテンツ委員会」お誘いの際に – 苦しいときを乗り切れるように社内メンバーにも • 講演依頼の際や参加者の方に向けても伝えていく予定
リブランディングで学んだこと • 引き継いだものを自分の言葉で語ることの大切さ – プロダクトへのオーナーシップ – 折れそうな心の支え • プロジェクトの「社会的責任」を伝えることの大切さ –
自分が「何のために?」と迷わないため – 社内外に協力いただき、ミッションの実現に近づくため
おわりに
新型コロナの影響で、私の生活は一変した • 勉強会にフットワーク軽く参加できない • 登壇したり、同人誌を書いたりして楽しめない • 雑談できず、孤独にリモートワークをする日々 • ……
でも辛いからこそ、考え続けた • この状況のなかで開発者に貢献できることとは? • そのためにどんなメッセージを発していけばいいか? • 心が折れないように、前に進み続けるには? • 楽しく働くには? 仕事を頑張れるには?
• ……
自分を省みて、世の中へと接続する • 自分の取り組みにどんな社会的責任があるか考える • それを自分の言葉にする • まわりに伝え、実現のため協力してもらう • 世の中が良くなることに接続していると信じる
自分の取り組みが 世の中につながっていると信じて ともにがんばりましょう!