一年前くらいに社内勉強会で発表した資料です。 公開しても問題なさそうなんで公開
家政婦は見た! 命を張った好奇心 Active Recordの正体と 犠牲にされた疎結合 命を張った好奇心 Active Recordの正体と 犠牲にされた疎結合
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最近 設計の本とかパーフェクト ruby on railsとか読んでActive Recordが何なのかちょっとだけ理解できてきたので語っていきます。
Rails ガイドのActive Recordとは 1 Active RecordについてActive Recordとは、MVCで言うところのM、つまりモデルに相当するものであり、ビジネスデータとビジネスロジックを表すシステムの階層です。ActiveRecordは、データベースに恒久的に保存される必要のあるビジネスオブジェクトの作成と利用を円滑に行なえるようにします。Active Recordは、ORM(オブジェクト/リレーショナルマッピング)システムに記述されている「Active Recordパターン」を実装したものであり、このパターンと同じ名前が付けられています。1.1 Active Recordパターンパターン名としてのActive RecordはMartin Fowler『Patterns of Enterprise Application Architecture』という書籍に記述されています。Active Recordパターンにおいて、オブジェクトとは永続的なデータであり、そのデータに対する振る舞いでもあります。Active Recordパターンは、データアクセスのロジックを常にオブジェクトに含めておくことで、そのオブジェクトの利用者にデータベースへの読み書き方法を指示できる、という立場に立っています。https://railsguides.jp/active_record_basics.html#active-record%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
PoEAA https://www.amazon.co.jp/dp/B01B5MX2O2/
PoEAAのActive Recordとは データベースのテーブルやビューの列をラップし、データベースアクセスをカプセル化し、ドメインロジックを追加するオブジェクトデータと振る舞いの両方を持つオブジェクト。データの多くは永続的であり、データベースに格納される必要がある。 ActiveRecordは、メインオブジェクトにデータアクセス処理を置くという最も明らかなアプローチを採用している。この方法では、全員がデータベースへの読み書きするやり方を知っている。https://bliki-ja.github.io/pofeaa/ActiveRecord/
Active Recordとは 1. データベースのテーブルやビューの列をラップし、 a. 1テーブル、1クラス。クラスの属性は、テーブルの各カラムに対応 2. データベースアクセスをカプセル化し、 a. ORM 3. ドメインロジックを追加するオブジェクト a. ドメインロジック?なんだそれ
ドメインとは ドメインは「領域」の意味をもった言葉です。ソフトウェア開発におけるドメインは、「プログラムを適用する対象となる領域」を指します。重要なのはドメインが何かではなく、ドメインに含まれるものが何かです。 成瀬 允宣. ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる!ドメイン駆動設計の基本
ドメインとは たとえば会計システムを例にしてみましょう。会計の世界には金銭や帳票といった概念が登場します。これらは会計システムのドメインに含まれます。物流システムであればどうでしょうか。会計システムとは打って変わって貨物や倉庫、輸送手段などの概念が存在し、それらがそのまま物流システムのドメインに含まれます。 成瀬 允宣. ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる!ドメイン駆動設計の基本
モデルとは 「モデルとは、何らかの実体があって、それを縮小(あるいは拡大)して細かい部分は省いて自分たちの都合の良いところだけを抽出して形成した形のことである。」(知り合いのモデラー談)
モデルとは 同じ人間だけど、「スポーツをする人」と捉えたときと「転職をする人」と捉えたときで抽出する情報は変わってくる。 自分たちがシステム化したいドメインに関して対象をモデル化したものを ドメインモデルと呼ぶ。 Active Recordをドメインモデルと呼んでる人はあんまりいないけど広義にはActiveRecordもドメインモデルになると思う。
RailsのActive Recordを継承したmodel - 値のチェック - ユースケースの組み立て RailsにおけるActive Recordがやってくれること 値のチェック →validation ユースケースの組み立て →after_createとか Active Record パターン - DBをラップ - ORM - ドメインロジック
僕がやったことのあるSpring(Javaのフレームワーク) 値のチェック → form object ユースケースの組み立て → service ORM → repository DBをラップ → なかった気がする ドメインロジック → Entity 確かこんな感じだった気がする...
RailsのActive Record - 値のチェック - ユースケースの組み立て RailsにおけるActive Recordがやってくれること 値のチェック →validation ユースケースの組み立て →after_createとか Active Record パターン - DBをラップ - ORM - ドメインロジック
RailsのActive Record - 値のチェック - ユースケースの組み立て RailsにおけるActive Recordがやってくれること 値のチェック →validation ユースケースの組み立て →after_createとか Active Record パターン - DBをラップ - ORM - ドメインロジック そりゃあFat Modelになりまっせ!
Rails の Active Recordは めっちゃ色んな機能を集約したおかげで便利につかえる あとModelとTableを1:1対応にしたことで何も宣言せずに便利に使える https://speakerdeck.com/yasaichi/what-is-ruby-on-rails-and-how-to-deal-with-it?slide=39
じゃあFat Modelどうするんだ 値object →紹介 ドメインモデルへの切り出し https://qiita.com/MinoDriven/items/3c7db287e2c66f36589a サービスクラスhttps://qiita.com/chrischris0801/items/58a12d17a440b842db02
値オブジェクト パラメータ名 パラメータの型名前 String誕生日 date住所 String性別 String人物モデル 各パラメータの制限や便利メソッドはすべて人物モデルの中にある制限の例: 誕生日は過去日でないといけない便利メソッド: 誕生日から今の年齢を出す
値オブジェクト パラメータ名 パラメータの型名前 String誕生日 Birthday住所 String性別 String人物モデル 制限の例: 誕生日は過去日でないといけない便利メソッド: 誕生日から今の年齢を出す↓Birthdayクラスを作りそこに集約する
こういうのやっていくとRails wayから離れる = 規約のパワーでどうにかできなくなりRailsである必要ある?状態になる
ちょっとまって本当にまだRails Wayから去る必要ある? tableとmodelが1:1だとして データモデリングちゃんとできてる?
https://www.slideshare.net/HidekatsuIzuno/ss-67532977
人物マージの例 例えば人物マージという機能がある - データ上のAさんとBさんが実際は同一人物(重複登録)だったためマージする機能 人物マージはそもそも人物というモデルの責務なのか? マージされる側の責務?マージする側の責務? controllerは何のメソッド使う?update?delete? merge可能かどうかはどう判定する?
過去自分がやった実装 マージされる側の責務?マージする側の責務? →マージする側(残る側)の責務にしよう...うーん controllerは何のメソッド使う?update?delete? →よくわかんないけどupdateかな... merge可能かどうかはどう判定する? →merge_candidateメソッドの中でチェックしよう...
今の自分がやるなら 人物マージをイベントとして捉えてそれをモデルにする (イベントが発生したらDBにも保存する) マージされる側の責務?マージする側の責務? →人物の責務じゃなくて人物マージの責務 controllerは何のメソッド使う?update?delete? →人物マージのレコードがひとつ増えるからcreate merge可能かどうかはどう判定する? →validateで判定可能 after_createでマージされる側を削除するロジックを組み立てる
参考文献 パーフェクト Ruby on Rails 【増補改訂版】 現場で役立つシステム設計の原則 ドメイン駆動設計入門 https://anchor.fm/textafm