Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

小学校にプログラミング教育がやってきている

 小学校にプログラミング教育がやってきている

小平市立小平第七小学校 校内研究会
2018年7月12日

Naoki Kato

July 12, 2018
Tweet

More Decks by Naoki Kato

Other Decks in Education

Transcript

  1. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小平市立小平第七小学校 校内研究会 20180712 小学校にプログラミング教育

    がやってきている 東京学芸大学 教育実践研究支援センター 加藤直樹
  2. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 自己紹介 加藤直樹 東京学芸大学 教育実践研究支援センター

    専門:情報工学 Human Computer Interaction 特にペン入力 ペン入力I/Fの教育への利用 文科省:デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に 関するガイドライン検討会議 委員 ICT活用教育アドバイザー派遣事業 アドバイザー(小金井市) 総務省:スマートスクール・プラットフォーム実証事業 「次世代学校ICT環境」の整備に向けた実証 有識者(町田市,小金井市) 都教委:公立小中学校ICT教育環境整備支援事業 専門委員
  3. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 そして第四次産業革命 画像: Industry

    4.0(第4次産業革命)とは? ReadWrite Japan https://thinkit.co.jp/article/9597 AI,IoT →ビッグデータ 情報通信技術の高度化
  4. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 イスラエル l 使い方よりも、原理やプログラミングを

    教えるべきだ pJudith Gal-Ezer他:A High-School Program in Computer Science l 2000年,高校で「Computer Science」 n 90時間5ユニット中,2ユニット必修 n アルゴリズム的思考を開発し, アルゴリズムをプログラミングで実装する
  5. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 ハンガリー l 課題解決の手法という

    IT のテーマは、 教育上の目的の中においても、主要能力 (Key Competencies)・・・ l 2003年 初等教育(6~10歳) n 「Informatika」を導入 l 初等中等課程(6~15歳)必修化 n 9歳でアルゴリズム n 10,11歳で簡単なプログラミング n 14歳以上では改良手法も
  6. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 フィンランド l IT

    が生活を取り巻くようになったため、 全ての子供にソフトウエアについて基礎 的なことを学ぶ機会を与える l 2016年から順次 必修化 n 7,8歳で正確な指示を出すことを学ぶ n 9~12歳でビジュアルプログラミング n 13~15歳で汎用プログラミング言語
  7. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 イングランド(英国) n コンピュータは今や日々の生活の一部に

    なっており、そのテクノロジーは、私たち にとって、 家庭でも、仕事においても、 生活していく上で必要不可欠である。 Computational Thinkingは、子供たちが 将来働くための準備をし、このデジタル 社会に効果的に参加するために習得すべき 能力である。 l 2014年 「Computing」5~13歳必修化 n 5~10歳でビジュアルプログラミング n 11~15歳で汎用プログラミング言語
  8. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 国家戦略(IT総合戦略本部→戦略室) (H26~H28/2016.4) l

    一定数の突出した能力を有するIT人材育成 l 新たな産業をリードする高度なIT人材育成 + l あらゆる国民層に対して ITに係る能力を醸成するための取組 l 特に若年層に対するプログラミング教育 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 現社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 高度なIT利活用社会 (超スマート社会)
  9. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 育成すべき資質・能力 創造 協働

    自立 生きる力 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能
  10. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 学習の基盤となる資質・能力 創造 協働

    自立 生きる力 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能
  11. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 情報教育の方針 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切かつ効果的に 活用して、問題を発見・解決したり自 分の考えを形成したりしていくために 必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 情報の科学的な理解に裏打ちされた 情報活用能力を育むことが重要
  12. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 次期学習指導要領の方針(高校 情報) l

    情報Ⅰ(必修) n Computer Science pプログラミング及びモデル化とシミュレーショ ン,ネットワーク,データベースの基礎 n 情報デザイン p情報コンテンツの制作・発信の基礎 n 情報モラル l 情報Ⅱ(選択) (参考)幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の 学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)
  13. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 次期学習指導要領(中学校 技術) l

    小学校におけるプログラミング教育の成果を生かし、 発展させるという視点(答申より) l 生活や社会における問題を, ネットワークを利用した双方向性のある コンテンツ と 計測・制御 のプログラミングによって解決する活動 n 安全・適切なプログラムの制作,動作の確 認及びデバッグ等ができる n 問題の見いだし課題を設定→システムを構 想→情報処理の手順を具体化→評価,改善 及び修正
  14. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育必須化の背景 次期学習指導要領 小学校 中学校

    高校 科学的情報 社会的情報 科学的情報 (必修) 計測と制御 計測と制御 対話型 現行 次期
  15. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 学習指導要領では 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  16. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 コンピュータに意図した処理を行わせる をするために必要な論理的思考力 10

    INPUT A 20 INPUT B 30 PRINT A+B 目的である 処理 処理の手順を指示する コードを作成 組み込んで 実行
  17. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 学習指導要領解説では 子供たちが将来どのような職業に就くとし ても時代を越えて普遍的に求められる「プ

    ログラミング的思考」を育むため, 小学校においては,児童がプログラミングを体験しながら,コン ピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を 身に付けるための学習活動を計画的に実施することとしている (小学校学習指導要領解説総則編p.85)
  18. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 プログラミング的思考って? 自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの 組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのよ

    うに組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善し ていけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理 的に考えていく力 意図する 活動 必要な動き 記号 組み合わせ 評価・改善 を論理的に考える力
  19. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 プログラミン的思考の要素 目的 分割

    アルゴリム的 思考 評価 順次,並列 分岐,反復 などなど 抽象化 一般化 パラメタライズ 論理的思考 演繹,帰納 パタン認識 分割・構造化
  20. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 でも重要なのは・・・ 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切かつ効果的に 活用して、問題を発見・解決したり自 分の考えを形成したりしていくために 必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 情報の科学的な理解に裏打ちされた 情報活用能力を育むことが重要
  21. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育むべき力 抽象化 プログラミング教育で育む力 一般化

    分解 手順化 評価 順序 分岐 反復 演繹 帰納 類推 仮説 (Computational Thinking) 問題 Computer 大きく複雑な 高速化・自動化 高度情報化社会における 高度情報化社会における 大きな武器である
  22. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 高度情報化社会で重要な問題解決能力 解決すべき 問題

    Computerが 解決 10 INPUT A 20 INPUT B 30 PRINT A+B cording 人が解決 抽象的に 具体的に 何ができるのか 選択 発見
  23. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 展開の基本 l 要は,カリキュラム・マネージメント

    各学校においては,児童の発達の段階を考慮し・・・情 報活用能力(情報モラルを含む。)・・・等の学習の基 盤となる資質・能力を育成していくことができるよう, 各教科等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育 課程の編成を図るものとする。 (小学校学習指導要領 p.5) あわせて,各教科等の特質に応じて,次の学習活動を 計画的に実施すること。 (小学校学習指導要領 p.8)
  24. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 学習指導要領が具体的に示している活動 l 教科書にも載ります

    小学校教育課程 中学校 高校 5年 算数 6年 理科 プ ロ グ ラ ミ ン グ 教 育 多角形を描く 電気の利用
  25. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 それだけでよい? 小学校教育課程 中学校

    高校 プ ロ グ ラ ミ ン グ 教 育 多角形を描く 電気の利用 実 施 の た め に 必 要 な 力 を 育 む 必 要 小学校教育課程 中学校 高校 プ ロ グ ラ ミ ン グ 教 育
  26. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 カリキュラム・マネージメント 多角形を描く 電気の利用

    小学校教育課程 プ ロ グ ラ ミ ン グ 教 育 小学校教育課程 プ ロ グ ラ ミ ン グ 教 育 中学校 高校 コンピュータ操作に慣れる プログラミングを 楽しむ プログラミングで 教科の学びを深める 論理的思考を 育む プログラミングに慣れる
  27. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の評価 プログラミング教育のもう一つのねらい l プログラミング教育を通して

    教科等の学びを深める さらに,教科等で学ぶ知識及び技能等をより確 実に身に付けさせることにある。 (小学校学習指導要領解説総則編 p.85)
  28. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の評価 評価については l 教科の学びを強化できたか

    l 教科等で育むべき「コンピュータ を・・・論理的思考力」を育めたか 基本教科等の評価規準により評価するのが基本 となります。すなわち、プログラミングを実施 したからといって、それだけを取り立てて評価 したり、評定をしたりする(成績をつける)も のではありません。 (小学校プログラミング教育の手引 p.18)
  29. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU Hour of code 七小の取り組みから

    動作を読み取り 対応するコードを その順番に 並べる
  30. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 七小の取り組みから Hour of code

    ステージが上がると 高度な パタン認識 も
  31. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 七小の取り組みから イモムシ l Hour

    of codeと同じ使い方 ここを通るように 1年生でできました!
  32. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに 全学年への展開を 多角形を描く 電気の利用

    小学校教育課程 プ ロ グ ラ ミ ン グ 教 育 小学校教育課程 プ ロ グ ラ ミ ン グ 教 育 中学校 高校 コンピュータ操作に慣れる プログラミングを 楽しむ プログラミングで 教科の学びを深める 論理的思考を 育む プログラミングに慣れる