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Restructuring of business processes to DX in accounting

Restructuring of business processes to DX in accounting

2021年7月開催の「ITmedia SaaS Expo 2021夏」での講演資料です。
さまざまな領域で目にすることが増えた「DX(デジタルトランスフォーメーション)」ですが、中にはITシステムを導入しただけでDXと宣伝しているケースも少なくありません。特に、煩雑なワークフローとなっていることも多い財務経理の領域では、一見便利そうなシステムを導入したにもかかわらず「部分最適」となってしまい、全体を見渡すと、「特に効率はよくなっていない」あるいは逆に「非効率になってしまった」というケースもよく聞きます。
デジタルシフトが一気に進もうとしている2020年代こそ、業務全体の再構築が必要であり、それこそがDXの本質です。そのために、経理財務は作業者から設計者に変わらなければいけません。

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Shunsuke Takeuchi

July 12, 2021
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Transcript

  1. 経理の DX推進のための 業務プロセス再構築 株式会社Backyard 代表取締役 武内俊介

  2. 武内 俊介 株式会社Backyard 代表取締役 業務設計⼠® 税理⼠ TAKEUCHI SHUNSUKE • ⾦融のシステム企画部⾨、会計事務所、スタート

    アップのバックオフィスを経て、独⽴。 • 会計処理から逆算した業務フローや全体の設計に強 みを持ち、Salesforce+freeeの導⼊⽀援実績多数。 • 複数のSaaSを組み合わせたパッケージ型バックオ フィスサービス「BrowniesWorks」を2020年1⽉に リリース後、2021年4⽉より分社化。 • 現在はSmartHRのグループ会社・Backyardの代表 として、業務プロセスの整理や可視化を⽀援する業 務プラットフォームを開発中。 Backyard Inc. 2 @Libero_shunsuke
  3. Backyard Inc. 3 \登壇時のスライド30本以上公開中!/ https://speakerdeck.com/shunsuke_takeuchi/

  4. Agenda Backyard Inc. 4 1. DXの本質 2. 経理のDXに向けたプロセス 3. 作業者から設計者へ

  5. Backyard Inc. 5 DXの本質 01

  6. Backyard Inc. 6 DX デジタル・トランスフォーメーション

  7. Backyard Inc. 7 DX ペーパーレス ⾃動化 脱ハンコ 業務効率化 テレワーク SaaS導⼊

    クラウド ⼈⼿不⾜対策 AI活⽤ RPA 働き⽅改⾰ ⽣産性 すべてを解決する魔法ではない
  8. Backyard Inc. 8 「このシステムを導⼊すれば、御社もDXできます」 ••DX あまい宣伝⽂句に ⾶びついてはいけない

  9. Backyard Inc. 9 システム導⼊はDXへの 過程の1つに過ぎない

  10. Backyard Inc. 10 デジタル活⽤はDXの途上 Step 3: ビジネス全体のデジタル化 Step 2: プロセスのデジタル化

    Step 1: ⼿段のデジタル化 Step 0: アナログな世界 デジタル化 (デジタイゼーション) デジタル活⽤ (デジタライゼーション) デジタル変⾰ (デジタル・トランスフォーメーション) ビジネス上のすべての活動がデジタル上で⾏われる ことを前提に再構築される。 収益構造やビジネスモデルも変質する。 データ⼊⼒・収集やDBへの格納などプロセス全体もデジタル化する。 処理が効率化され、データ活⽤によりビジネスが加速する。 Ex)SaaS導⼊による効率化 アナログ情報をデジタル化する。 Excelや簡易なシステムを活⽤した集計なども含まれる。 Ex)紙の書類をデータ化する。 紙の書類、書棚管理、ハンコ⽂化、ファクシミリ、etc.
  11. Backyard Inc. 11 『アフターデジタル』 「⾃動化・最適化」ができるようになると、 ⼈間がわざわざやっていた「余計な作業」がなくなります。 これによって⼈の仕事がなくなると考えるのではなく、 「余計な処理や情報収集の時間が消え、空き時間が⽣まれる」 と捉えます。 オフラインがなくなる世界の到来。

    「デジタル化するか、さもなくば死か」 それは企業内の業務プロセスも例外ではない。
  12. Backyard Inc. 12 DXに⾄るまでのイメージ Step 3: ビジネス全体のデジタル化 Step 2: プロセスのデジタル化

    Step 1: ⼿段のデジタル化 Step 0: アナログな世界 デジタル化 (デジタイゼーション) デジタル活⽤ (デジタライゼーション) デジタル変⾰ (デジタル・トランスフォーメーション) 誰かとシェアするため スマホで写真を撮りSNSにアップ 写真をデータで管理・編集・送受信する デジタルカメラで撮影し 写真をデータとして保管、プリントアウトする フイルムカメラで撮影し 写真屋さんで現像、アルバムで保管する
  13. Backyard Inc. 13 ビジネスモデルの変遷 Before DX After DX 写真 ⾳楽

    書籍 フイルムカメラ デジタルカメラ スマホ+SNS レコード/CD 本 ダウンロード ストリーミング Kindle/オーディオブック
  14. Backyard Inc. 14 Microsoft社が考える、DX推進の優先順位 2位 お客様とつながる 3位 社員にパワーを 4位 製品の変⾰

    1位 業務を最適化 出典:Microsoft Asia Digital Transformation Study インフォグラフィックス
  15. Backyard Inc. 15 経済産業省が分析した、⽇本企業のDXの現状 企業内に事業変⾰の体制が整い、 環境の変化に迅速に対応できているデジタル企業は 10%以下 出典:経済産業省「DXレポート2 中間取りまとめ(サマリー)」2020年12⽉28⽇ https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-1.pdf

    • デジタル変⾰は、レガシーシステム刷新「だけ」では実現しない。 • 変⾰の阻害要因となっているのは、「企業⽂化(業務・慣習)」である。 • つまり、DXとは「企業⽂化刷新の問題」である。 • ビジネスを今、変化させなければ、「デジタル競争の敗者」となる。
  16. Backyard Inc. 16 DXがもたらすビジネスのBefore/After ⼈とITとの関係 求められる成果 ITの価値 アクション 最終⽬標 ⼈間とITとが⼀体となり

    ビジネスを動かす 変化への即応⼒、破壊的競争⼒ 価値の創出 競争⼒の源泉 投資対効果で評価 • ビジネスに貢献できれば投資拡⼤ • 柔軟×迅速と試⾏錯誤 • 競争⼒の源泉として内製 変化に柔軟・迅速に対応し ビジネスを成功させる ⼈間主体でビジネスを動かし ITが⽀援する ⽣産性向上、コスト削減 期間短縮 コスト削減することが正義 • 常にコスト削減圧⼒に晒される • 安定×⾼品質の徹底追求 • コスト削減の⼿段としての外注 仕様書通りQCDを守って 情報システムを完成させる Before DX After DX
  17. Backyard Inc. 17 ⼀朝⼀⼣ではDXは不可能 DX=システム導⼊ • ちょっと近所の⼭へハイキング • なんならリフトで頂上までらくらく DX=ずっと改善し続ける仕組みの構築

    • 終わりなき旅、状況に応じた判断 • ⼭あり⾕あり(実⾏と改善)の繰り返し ⼀般的なイメージ 真の姿
  18. Backyard Inc. 18 経理のDX推進プロセス 02

  19. Backyard Inc. 19 『ザ・ゴール』 「ロボットを使って、 ⼯場の⽣産性は本当に上がったのかね」 システム導⼊による個別最適はゴールではない。 これまでの常識を覆し、全体最適による⽣産性の向上。 プロセス全体の再構築の先にしかゴールはない。

  20. Backyard Inc. 20 システム導⼊だけで 達成できる効果は 思ったよりも 少ない

  21. 経理業務の実態 ⼀般的な イメージ 処理:80% その他 20% 真の姿 処理 20% 21

    Backyard Inc. 売掛⾦が 未⼊⾦なので 先⽅確認を… この請求書 何費です? 領収書添付 漏れてます この⽀払い 稟議通って ますか? 経費精算 の〆切が… え?これも先⽉の 売上に⼊れる!? (締めたのに…) 情報収集・整理・コミュニケーション:80%
  22. 業務システムで処理する以外の時間が80% 22 Backyard Inc. 売掛⾦が 未⼊⾦なので 先⽅確認を… この請求書 何費です? 領収書添付

    漏れてます この⽀払い 稟議通って ますか? 経費精算 の〆切が… 処理 20% 情報収集・整理・コミュニケーション:80% • 必要な資料やデータを集めるための対応依頼や内容確認 • 様々な場所に情報・やり取りが散らばっている (例:⼝頭、メール、チャット、システム上のコメント、etc.) • 「⽬の前の業務」を終わらせることで⼿⼀杯 INPUT OUTPUT • 会計ソフト • 給与ソフト • ⼈事労務ソフト • ⾃動化や業務効率化はどんどん進化 • ただし、いずれも 正しいデータを投⼊することが条件 • 正しいデータを集めるためには、上流の 情報収集・整理・コミュニケーション をどう整えるかが重要 え?これも先⽉の 売上に⼊れる!? (締めたのに…)
  23. Backyard Inc. 23 システムは 道具に過ぎない 「業務効率化」「⾃動化」 に振り回されず 経理業務全体の 再設計・再構築 に取り組む必要がある

  24. Backyard Inc. 24 DX推進のための3ステップ Step1: 現状の課題を 把握 Step2: 改善策の 検討・⽴案

    Step3: システム選定 と運⽤変更
  25. Backyard Inc. 25 Step1:現状の課題を把握 情報収集 コミュニケーション 処理作業 課題の例 • 催促しないと、必要な資料が集まらない

    • 紙で管理されていて書類整理ができていない • 経理部⾨から関係各所に連絡する必要がある • 処理に関して社内からの質問が多い • 同じような情報を⾊々な所に⼊⼒している • ⽉初など、短期間に作業が集中している
  26. Backyard Inc. 26 Step2:改善策の検討・⽴案 情報収集 コミュニケーション 処理作業 改善策の例 • 請求書回収⽤のフォームを整備する

    • 案件管理システムを導⼊して書類管理する • ワークフロー上で期限管理と通知を⾏う • 社内Wikiと質問受付⽤フォームを設置する • APIによるシステム間のデータ連係を⾏う • ⾃動化ツールで繁忙期の業務負荷を軽減する
  27. Backyard Inc. 27 Step3:システム選定と運⽤変更 情報収集 コミュニケーション 処理作業 システム選定の例 • 受取請求書システムを導⼊する

    • CRMと会計システムを連携する • システム上のワークフローを整備する • ドキュメントツールを導⼊する • API連係可能なシステムへリプレイスする • ⾃動化ツールでシステム間を繋ぎ込む
  28. Backyard Inc. 28 『チェンジ・ザ・ルール!』 テクノロジーというのは必要条件ではあるが、 それだけでは⼗分ではないんだ。 新しいテクノロジーをインストールして、 そのメリットを享受するには、 それまでの限界を前提にした ルールも変えなければいけない。

    システム導⼊を⽬的にしてはいけない。 デジタル活⽤を前提にした運⽤やルールの構築。 そこまでやってこそのDX推進となる。
  29. Backyard Inc. 29 経理業務の「真のゴール」とは何か? これまで: 早く、正確な作業

  30. Backyard Inc. 30 経理業務の「真のゴール」とは何か? これから: 経営状況の可視化

  31. Backyard Inc. 31 システム導⼊は、DXの⼀歩⽬に過ぎない 仕組みを根本から変える 覚悟が必要

  32. Backyard Inc. 32 周辺業務も含めて全体を⾒る 請求管理 (売上) 会計ソフトは「会計データを集約する箱」になっていく ⽀払管理 (原価、販管費) 経費精算

    (販管費) 給与計算 (原価、販管費) その他 (在庫、固定資産 経過勘定、など) 会計ソフト 会計データ 予実管理 資⾦繰表 事業計画
  33. Backyard Inc. 33 Excelや紙を使わないで済むように 根本から業務を⾒直す 必要がある

  34. Backyard Inc. 34 最初に取り組むこと 「どのシステムを⼊れるか」は後回し。 「業務フローとデータフローを整える」 ことを、まず考えなければならない。 経理業務の 効率化 システムの

    検討 業務フロー・データフロー の⾒直し ×直接の⼿段の検討 ◦プロセス⾒直し後に ⼿段の検討
  35. Backyard Inc. 35 今の業務をシステムに載せ替えてはならない • 現状のまま、業務ごと個別にシステム導⼊しても意味がない。 • ⼀⾒、簡単に⾒えるが、逆に「余計な⼊⼒作業」など、⼿間が増えることも。 • 後の改善が難しく、いずれ、また限界を迎える。

  36. Backyard Inc. 36 フローを整えた上でシステムを導⼊する • 業務フロー・データフローを整備したうえ、それに合うシステムを導⼊する。 • ⼀⾒、遠回りに⾒えるが、処理全体の流れがスムーズになる。 • ⻑期的に改善し続けることができる。

    ⾒積 営業 契約 実働 売上 費⽤ 消込 ⽀払 経理 業務フロー・データフロー
  37. Backyard Inc. 37 作業の効率化 仕組みの再構築 ⼩⼿先の効率化では、問題の先送り! 根本からの再構築が必要不可⽋! <

  38. Backyard Inc. 38 業務全体の再構築 それこそが DXの本質

  39. Backyard Inc. 39 作業者から設計者へ 03

  40. Backyard Inc. 40 作業はシステムが 代替していく 処理量や正確性では、⼈はシステムに敵わない

  41. Backyard Inc. 41 システムの限界 「いい感じ」に処理してくれるシステムは存在しない。 システムを⽣かすも殺すも、使う⼈間次第。 DX推進において 「設計者」が求められている

  42. Backyard Inc. 42 善意は役に⽴たない。 仕組みだけが役に⽴つ。 ジェフ・ベゾス Good intention doesn’t work,

    only mechanism works! Jeff Bezos
  43. Backyard Inc. 43 作業者から設計者へ スキル チームワーク アクション マインド キーワード 仕事を進めるための仕組みを作る

    チームで仕事を進めるための ルールを作る 課題点を洗い出し 分析して改善策を考える 常に改善を続けて、 仕組みをアップデートする 再現性、可視化、改善 正確に⼤量の処理をこなす 1⼈で黙々と仕事を進める 期限までに終わらせるために 頑張る(残業する) 現場で頑張って 創意⼯夫をして乗り切る 属⼈化、ブラックボックス 作業者 設計者
  44. Backyard Inc. 44 設計者に求められる要件 専⾨スキル ITリテラシー 設計⼒ • 知識 •

    経験 • 省⼒化 • 再現性 • 全体俯瞰 • 逆算思考 ITツールを使いこなしながら、 専⾨知識や経験をベースに、 全体を広く俯瞰し、 ゴールから逆算しながら、 業務プロセスを構築し、 常に改善し続けられること。
  45. Backyard Inc. 45 改善し続けるマインド 経理のデジタルシフトはまだ始まったばかり。 最初から完璧なものを作ることは不可能。 たくさん、試して たくさん、失敗して たくさん、改善した⼈が 勝つ

  46. Backyard Inc. 46 今までの経理に固執していては絶対にDXできない DX実現のために、設計⼒を⾝につけよう 今までの 延⻑線上 DXした 経理

  47. Backyard Inc. 47 経理のDX推進は、まだ始まったばかり。 全体を真に効率化する 仕組みを構築しよう!