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MF Cloud and freee 2021

MF Cloud and freee 2021

2018年の講演した「MFクラウドとfreee」を、私の現在の解像度で再整理したものです。お伝えしたいことは「最高の会計ソフトなどない。自社に最適な会計ソフトがあるだけ。」ということ。

MFクラウドとfreeeは「クラウド会計」というカテゴリーで雑にまとめられがちですが、その機能やターゲット、実現したい世界観などは全く別物。

使いにくいのではなく、それはソフト側の思想を理解していなかったり、使い方が間違っているだけ。

今回はfreeeマジカチmeetupでの登壇であったため、税理士向けのまとめとなっていますが、一般企業でもこの2つのソフトを比較する際は、何を目指して何を実現したいのか、を整理した上で検討することをオススメします。

Shunsuke Takeuchi
PRO

December 17, 2021
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Transcript

  1. 「MFクラウドと freee」2021
    株式会社Backyard
    代表取締役 武内俊介
    〜⾃社に最適なクラウド会計ソフトの選び⽅〜

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  2. 武内 俊介
    株式会社Backyard 代表取締役
    業務設計⼠® 税理⼠
    TAKEUCHI SHUNSUKE
    • ⾦融のシステム企画部⾨、会計事務所、スタート
    アップのバックオフィスを経て、独⽴。
    • 会計処理から逆算した業務フローや全体の設計に強
    みを持ち、Salesforce+freeeの導⼊⽀援実績多数。
    • 複数のSaaSを組み合わせたパッケージ型バックオ
    フィスサービス「BrowniesWorks」を2020年1⽉に
    リリース後、2021年4⽉より分社化。
    • 現在はSmartHRのグループ会社・Backyardの代表
    として、業務フローの作成や運⽤を⽀援するプロダ
    クトを開発中。
    2
    @Libero_shunsuke

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  3. 3
    • 年商数億円前後の中⼩企業を中⼼に
    税理⼠補助業務を担当。
    • 仕事以外の時間はすべて税理⼠試験
    の勉強にあてる。
    • バックオフィスの設計と構築を複数社で担当。
    • SFDCの導⼊や会計ソフトの変更、請求システムの再
    構築、IPO準備などを⾏う。
    • 副業としてコンサルタント業を複数社に提供。
    • 働きながら⼤学院を修了し、税理⼠登録
    スタートアップ
    会計事務所
    2004 2009 2012
    • 新商品についての業務フロー構築やシス
    テムの要件定義を担当。
    • 主に交通系(⾶⾏機、⾞、電⾞)の提携
    クレカの開発を⾏う。
    ⾦融系企業
    2004年 2012年
    2009年
    2016
    税理⼠登録を機に
    独⽴
    2016年
    キャリアの変遷

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  4. 4
    ⼀晩で業界内の有名⼈に
    税理⼠+業務委託(主に経理部)
    「MFクラウドとfreee」
    のスライドがバズる
    2018
    2016
    起業
    2016〜2018年
    2018年10⽉
    2018年12⽉
    あ!
    あの武内さん!
    名刺交換すると…
    2017
    • 依頼があればSalesforce構築なども⼿掛
    けていた
    • 税理⼠だけで続けていけるイメージが
    もてなかった
    先輩経営者の⾔葉で
    起業に踏み出した
    キャリアの変遷
    2021
    2021年4⽉
    事業譲渡
    元従業員に経理コンサル
    事業を譲渡
    顧問先もすべて引き継ぎ
    2021年5⽉
    創業
    SmartHR傘下で新サービ
    スの開発を開始

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  5. 5
    業務フローを歩くように仕事する
    Like a Walking on the Workflow.
    業務フローの上で仕事をすれば、
    ⾃然に業務の流れが分かる。
    業務フローの上で仕事をすれば、
    ⾃然に⾜跡=記録が残る。
    Backyard は
    デジタルの業務フロー上で
    仕事ができるサービスです。
    β版ユーザー募集中
    https://b-yard.jp/

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  6. 6
    業務フローを歩くように仕事する
    Like a Walking on the Workflow.
    β版ユーザー募集中 https://b-yard.jp/

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  7. 7
    「クラウド会計ソフトの決定版は
    MFクラウドか?それともfreeeか?」
    という永き論争に今⽇、
    終⽌符を打つ…!?

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  8. 8
    …というワケではありません

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  9. Backyard 9
    3年前にバズったときから⾔い続けてきたこと
    2018年10⽉公開
    SpeakerDeck
    にて
    27,000pv突破!

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  10. Backyard 10
    3年前にバズったときから⾔い続けてきたこと
    2018年10⽉公開
    SpeakerDeck
    にて
    27,000pv突破!
    「MFクラウドか、それともfreeeか」
    はその会社の状況による

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  11. 11
    デジタル化の更なる進展
    DXブーム
    「SaaS」や「クラウド会計」
    という概念が浸透
    Afterコロナ
    Withコロナ
    ⽇本の「SaaS」をリードし続ける2社
    MFもfreeeも上場
    最新の状況をもとに選び⽅を解説します
    「MFクラウドとfreee 2018」から3年で何が変わったのか?

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  12. Agenda
    12
    1. 製品の違いを理解する
    2. それぞれの製品が適した企業と
    は何かを理解する
    3. あなたの会社は、どちらの姿を⽬
    指したいのかを決める

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  13. Backyard
    製品の違いを理解する
    01

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  14. • 経営管理全体をデジタル前提で
    再構築する
    → 改⾰アプローチ
    • 会計だけでなく、社内の業務
    全体の再構築が必要なため、
    乗り換えの難易度が⾼い
    • 経理コンサルをメイン
    とする税理⼠と相性が良い
    14
    MFクラウドとfreeeとの違い
    • 会計&関連ソフトを正しく
    デジタル化する
    → 改善アプローチ
    • 既存の会計&周辺ソフトからの
    乗り換え難易度は低い
    • 記帳代⾏ビジネスをメイン
    とする税理⼠と相性が良い
    同じ会計ソフト領域だが、思想やターゲットは全く違う

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  15. 理想は
    正しい会計処理をすること
    15
    ①アプローチの違い
    オーソドックスな会計ソフト
    Microsoftタイプ
    (⾃社製品で囲い込み)
    ERPの中の会計機能
    Googleタイプ
    (オープンプラットフォーム)
    理想は
    会計処理を不要にすること

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  16. 16
    ②ターゲットの違い
    伝統的な中⼩企業の経理部⾨
    との相性が良い
    「⾃分で経営管理したい!」
    という個⼈事業主・中⼩企業
    新しい産業やスタートアップ
    との相性が良い
    徹底的に業務を効率化したい
    というニーズに応える
    「税理⼠にお任せしたい!」
    という個⼈事業主・中⼩企業
    従来のやり⽅をデジタル化
    したいというニーズに応える

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  17. 17
    ③今後の⽅向性の違い(予想)
    各プロダクトをアップデート
    し上位プランも⽤意して
    ターゲットを引き上げる
    建設業会計や製造業会計など
    「業種特化パッケージ」を
    開発する
    アプリストアをさらに拡充し
    経営管理におけるハブになる
    スタートアップを中⼼に
    デジタルシフトした経営管理
    を構築する

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  18. 18
    製品展開の仕⽅を⾒れば、戦略の違いが⼀⽬瞭然
    ⾃前主義のMFクラウド、オープンプラットフォームのfreee

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  19. 19
    「会計ソフト」と括られることが多いが、そもそもの考え⽅が違う
    「機能の○×表」で⽐較しても、あまり意味がない
    画像引⽤元:https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-compact-car/
    https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-suv-definition-meritt/
    「5⼈乗りの⾞」を買うのでも、
    「誰を乗せるのか」「何に使うのか」で選ぶ⾞が変わるのと同じ。

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  20. Backyard
    それぞれの製品が適した
    企業とは何かを理解する
    02

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  21. 21
    企業の規模によって抱える課題は異なる
    • 古い⼤掛かりなシステムを
    刷新できない
    • 隙間を埋めるためアナログ
    運⽤が増える悪循環
    • アナログな運⽤を担う⼈材
    の不⾜
    • システム投資資⾦や
    知識がない
    • ⼀⼈親⽅・⼀⼈社⻑で
    回っている
    • 専任者を雇えないしお⾦も
    掛けられない
    ⼤企業 中⼩企業 個⼈事業主
    運⽤の複雑化により効率が
    上がらず、現場が疲弊する
    処理することが⽬的化し
    そのまま衰退していく
    税理⼠に丸投げ or
    ⾃分で無理⽮理処理

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  22. 22
    同じ企業規模でも、経営者の考え⽅次第で変わる
    例えば、業界や売上規模がまったく同じ中⼩企業でも…
    今までも、これからも、過度な
    成⻑を追わず堅実にやっていく。
    頑張ってくれる従業員や、その
    家族の⽣活を守ることが第⼀!
    先代からお世話になっている
    税理⼠先⽣と、これからも⼆⼈
    三脚でやっていきますよ。
    ⽗の後を継いで、これからさら
    に事業を伸ばしていきたい。
    東京で修⾏していた会社と⽐べ
    て、当社のやり⽅はだいぶ遅れ
    ている。今こそ、改⾰が必要だ。
    今までのやり⽅を積極的に⾒直
    し、もっと良い会社にするぞ!
    A社の社⻑ B社の社⻑
    「在り⽅」の違いであり、
    「どちらが良い・悪い」ではない

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  23. 23
    ツールありきではなく
    会社の状況や
    ⽬指す⽅向性に応じて
    ツールを選ぶ必要がある

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  24. 24
    MFクラウドとfreee、どちらを使うべきか?
    ※⼤企業は、現時点ではどちらもちょっと厳しい
    (SAPやオービックなどの領域)
    記帳代⾏で
    税理⼠先⽣に
    お任せしたい!
    個⼈事業主や
    経理がいない
    ⼩規模企業
    中⼩企業
    現在のやり⽅を
    基準にデジタル
    化したい!
    個⼈事業主や
    経理がいない
    ⼩規模企業
    中⼩企業
    経理知識はない
    がデジタルで
    効率化したい!
    経理だけでなく
    業務全体を⾒直し
    デジタル化したい!

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  25. 25
    ちなみに「スタートアップ企業」の場合
    投資家からの
    資⾦調達により事業運営
    → 爆発的な成⻑が求められる
    組織が急拡⼤する宿命を負う
    → 「後から」「徐々に」
    整えることは許されない
    事業全体の管理(企業経営・内部統制)や拡張性
    という観点で個⼈的にはfreeeの⽅がおすすめ
    SmartHR社の例(画像引⽤元:https://jp.techcrunch.com/2021/06/08/smarthr-fundraising/)
    いわゆる中⼩企業とは別モノです!!

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  26. Backyard
    あなたは、どちらの姿を
    ⽬指したいのかを決める
    03

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  27. 27
    製品展開の仕⽅を⾒れば、戦略の違いが⼀⽬瞭然
    ⾃前主義のMFクラウド、オープンプラットフォームのfreee

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  28. 28
    ひとつの税理⼠事務所が
    両⽅を取り扱うのは
    実はかなり難しい
    野球選⼿とサッカー選⼿を同時に⽬指そうとするようなもの

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  29. 29
    どちらの道を究めたいか?
    記帳代⾏で
    税理⼠先⽣に
    お任せしたい!
    個⼈事業主や
    経理がいない
    ⼩規模企業
    中⼩企業
    現在のやり⽅を
    基準にデジタル
    化したい!
    個⼈事業主や
    経理がいない
    ⼩規模企業
    中⼩企業
    経理知識はない
    がデジタルで
    効率化したい!
    経理だけでなく
    業務全体を⾒直し
    デジタル化したい!
    既存のお客様はどちらか。これからどちらのお客様と取引したいか。

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  30. 30
    ⾃分は何を⽬指すのか
    ⽅向性を決めて
    選びましょう!

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