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ふりかえりにおける意思決定を考える

sobarecord
April 10, 2021

 ふりかえりにおける意思決定を考える

ふりかえりカンファレンスで発表した資料です。
https://retrospective.connpass.com/event/203149/

良いふりかえりには、良い意思決定するための「納得感」「方向性」「情報量」を整える=チームビルディングが大事というお話です。

sobarecord

April 10, 2021
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Transcript

  1. • 1位にした人が多い案を選択する多数決ではAが選ばれる 多数決では… 人数 4 3 2 1位 A B

    C 2位 D C E 3位 E D D 4位 C E B 5位 B A A ナーミの反例 A:4票 B:3票 C:2票 D:0票 E:0票
  2. • 多数決で1位と2位の案で決選投票をする場合はBが選ばれる 決選投票では… 人数 4 3 2 1位 A B

    C 2位 D C E 3位 E D D 4位 C E B 5位 B A A ナーミの反例 A:4票 B:5票 AよりもBが良いので 決選投票では Bに入れる
  3. • 総当たり戦では全ての戦いで勝つ(ペア勝者)Cが選ばれる 総当たり戦では… 人数 4 3 2 1位 A B

    C 2位 D C E 3位 E D D 4位 C E B 5位 B A A ナーミの反例 A vs C はCの勝利 A:4票 C:5票 ⇒上記の様に全てのペアで勝負 するとCが全勝する
  4. • ボルダルールは順位に応じて配点し、点数が高い案を選択する方法 • 一番得点の高いDが選択される ボルダルールでは… 人数 4 3 2 1位

    A B C 2位 D C E 3位 E D D 4位 C E B 5位 B A A ナーミの反例 A:25点 B:23点 C:30点 D:31点 E:26点 ※1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点
  5. • 是認投票は有権者が案の中からいくつでも丸を付けられる方法 • 下記の点線部分に丸を付けるとEが選択される 是認投票では… 人数 4 3 2 1位

    A B C 2位 D C E 3位 E D D 4位 C E B 5位 B A A ナーミの反例 A:4票 B:3票 C:5票 D:4票 E:6票 ナーミの反例では「決め方」によって 全ての案が選ばれる可能性がある!!!
  6. それぞれの決め方には欠点がある 決め方 欠点 多数決 ・票割れからダメな選択肢を選んでしまう 決選投票 ・多数決を繰り返すだけなのでデメリットは多数決と同様 総当たり戦 ・勝敗に循環が生まれ、 1位が決まらない場合がある

    ボルダルール ・対象が多い場合に集計に時間がかかる 是認投票 ・多数決と同様になる可能性がある( 1位にのみ丸をつける) ・他の選択肢の影響を受けるコントラスト効果や判断軸のブレといった心 理的な影響がある
  7. それぞれの決め方には欠点がある 決め方 欠点 多数決 ・票割れからダメな選択肢を選んでしまう 決選投票 ・多数決を繰り返すだけなのでデメリットは多数決と同様 総当たり戦 ・勝敗に循環が生まれ、 1位が決まらない場合がある

    ボルダルール ・対象が多い場合に集計に時間がかかる 是認投票 ・多数決と同様になる可能性がある( 1位にのみ丸をつける) ・他の選択肢の影響を受けるコントラスト効果や判断軸のブレといった心 理的な影響がある 結果に悪い 影響なさそう?
  8. あらためてボルダルールとは • 18世紀後半にフランス海軍の科学者ジャン=シャルル・ド・ボルダが考案 • 案の順位に応じて配点し、点数が高い案を選択する方法 人数 得点 4 3 2

    1位 3 A B C 2位 2 C C B 3位 1 B A A 3案ある場合の 有権者9人による順位づけの例 A:17点(3x4 + 1x3 + 1x 2) B:17点(1x4 + 3x3 + 2x 2) C:20点(2x4 + 2x3 + 3x 2) ⇒ C案が選択される
  9. ボルダルールの特徴 • ボルダルールは満場一致への距離が近い選択肢が選ばれる 人数 得点 4 3 2 1位 3

    A B C 2位 2 C C B 3位 1 B A A 3案ある場合の 有権者9人による順位づけの例 Aが1位になるには10ステップが必要。 ・3人が3位⇒1位(2ステップx3人) ・2人が3位⇒1位(2ステップx2人) 同様にBは10ステップ、Cは7ステップ ⇒満場一致へはCが一番近い
  10. 「人」も結果に影響する ・可用性ヒューリスティック ・確証バイアス ・コントラスト効果 ・心理的リアクタンス ・正常性バイアス ・バイアスの盲点 ・アンカリング ・ギャンブラーの誤謬 ・現状維持バイアス

    • 人の思考のクセが選択に影響を及ぼす ・コンコルド効果 ・双曲割引 ・フレーミング効果 ・システム正当化バイアス ・根本的な帰属の誤り ・同調バイアス ・集団浅慮 ・ピークエンドの法則 ・損失回避 などなどなどなど… 「最後の藁」 なんてことわざ もありますね
  11. 「情報量」を整える(実例) • アメリカのオレゴン州で飲酒運転などの厳罰化を住民投票(2010年) • 住民代表が検討し、声明文を出すプロセスを入れると投票結果に影響が出た 熟議と投票の組み合わせで何が起こるのか?《後編》 熟議 × 投票 =

    民主主義のバージョンアップ https://www.youtube.com/watch?v=nWUQVJ5b46M より 検討プロセス 賛成5,反対6,保留13 ⇒ 賛成3,反対21 世論調査 賛成:67~73% 投票結果 賛成:57% →声明文を読んだ人 賛成:40% →読まなかった人 賛成:66%