Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

これからの人材育成_変化の時代のキャリア形成/Future_Talent_Development

 これからの人材育成_変化の時代のキャリア形成/Future_Talent_Development

これからの人材育成
人材育成の何をどう変えなければいけないのか
変化の時代のキャリア形成

Future Talent Development
What Must Change in Talent Development
Career Development in an Era of Change

慶応義塾大学大学院 高橋俊介特任教授
『プロフェッショナルの働き方』、『21世紀のキャリア論』ほか

Avatar for Tomohiro Kimura

Tomohiro Kimura

August 01, 2017
Tweet

More Decks by Tomohiro Kimura

Other Decks in Education

Transcript

  1. なぜ人材育成が変わるのか 1. ビジネスモデルの変化とその速さで、育成すべきキー能力がより普遍化 し高度化している 2. ビジネスモデルの進化でより多くの分野で高度な専門性が必須になっ ている 3. 組織のコミュニケーション環境の変化で学び方が変わっている 4.

    仕事内容の変化で仕事を通じた成長のありようが変化している 5. 若者の若年時生育環境の変化で社会スタート時点での能力発達が変 化している 6. 働く人たちの人生と人生観が変化している
  2. どう人材育成が変わるのか 1. 正解があるものからないものへ 2. スキル以上に思考行動変容へ 3. 具体的職能能力からメタ能力へ 4. タテのOJTからヨコの学習へ 5.

    上司と人事が育てるから寄ってたかって育てるへ 6. 仕事経験から仕事内容へ 7. 前提としてのキャリア自律
  3. 1. 正解があるものからないものへ • 新入社員教育でのスキル研修と答え教えて症候群 • 正解主義教育と短期的功利性の影響の強い若者をどう導くのか • 知識はあっても自論を言えない日本人 • 教えるというより気づき学ぶ場を増やす

    • 正解がない問題ほど経験的知見ではなく体系的専門性と幅広い教育的 知見が求められる • 資格試験の罠、それを餌にする危険 • 独学力の時代、内省と集中力、インプットへの自己投資、実験と試行錯誤 • 根拠に基づく自論形成能力の形成が基本、常に自論を考える思考特性を 身に着けさせる会議、会話
  4. 5.上司と人事が育てるから寄ってたかって育てるへ • 万能のスーパーマン上司仮説と全知全能の人事仮説を追い求めることは全く現 実に合わない • そもそも家族状況や個人の人生やキャリア上の志向、ひいてはゲノム情報など は究極の個人情報であり、会社が管理すべきものではない • AIとビッグデータは補完的には活用できても、自動化できるものではないし、して はならない

    • 一方で直属上司以外の同僚等、さらには顧客や取引先など多くの人が関わるの が人材育成 • 人に興味を持ち一言伝える風土、特にその都度のポジティブフィードバックは重 要 • 例えばノンレイティングは、上司によるじっくりフィードバックから、多様な人たち からのその都度フィードバックへの軸足移動ともいえる
  5. 自律的キャリア形成の実際 • キャリアに長期の具体的ゴールは無くても問題ない、日々の仕事の主体 的取り組みの積み重ねこそ重要 • キャリア形成を合理性と効率で考えない、回り道がキャリアを強くすること もある • キャリア形成で職種マッチングばかりで考えない、プロセスにおける動機 マッチングや提供価値の主体的定義が重要

    • キャリアは偶然の出来事によって左右されるが、良い偶然の起こる確率 は普段の行いにより大きく異なるというのが、クランボルツ理論 • 日常の仕事やスキルアップは、管理可能性と予測可能性が高いので、具 体目標逆算が向いている
  6. 自律的キャリア形成の実際 • キャリアに長期の具体的ゴールは無くても問題ない、日々の仕事の主体 的取り組みの積み重ねこそ重要 • キャリア形成を合理性と効率で考えない、回り道がキャリアを強くすること もある • キャリア形成で職種マッチングばかりで考えない、プロセスにおける動機 マッチングや提供価値の主体的定義が重要

    • キャリアは偶然の出来事によって左右されるが、良い偶然の起こる確率 は普段の行いにより大きく異なるというのが、クランボルツ理論 • 日常の仕事やスキルアップは、管理可能性と予測可能性が高いので、具 体目標逆算が向いている