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日本薬局方-一般試験法 1.11 ヒ素試験法

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June 24, 2020

日本薬局方-一般試験法 1.11 ヒ素試験法

ヒ素は強い毒性と発がん性を持つ物質です。医薬品に混入するヒ素の量の限度試験がヒ素試験法です。ヒ素はヒ化水素として収集し、塩化銀錯体の呈色により量を調べます。

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June 24, 2020
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Transcript

  1. ヒ素試験法 ヒ素の限度試験のこと • 医薬品に混在するヒ素の量を調べる • ヒ素の量は三酸化二ヒ素(As 2 O 3 )の量で表す

    • ヒ素は毒性が強く、発がん性を持つ • 三酸化二ヒ素は医薬品*としても利用される *トリセノックス(日本新薬(株))、急性前骨髄球性白血病の治療薬 https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00050433
  2. 試験液の調整法 5つ方法がある 第1法 試料を水5mLに溶かす 第2法 試料に水5mLと硫酸1mLを加え、亜硫酸水10mLを加え、水浴上で加熱し、 2mLまで蒸発させる。水を5mL加える 第3法 試料をるつぼに入れ、硝酸マグネシウム六水和物エタノール溶液10mLを加 え、燃焼後加熱して灰化する。塩酸3mLを加え、溶かす

    第4法 試料をるつぼに入れ、硝酸マグネシウム六水和物エタノール溶液10mLを加 え、燃焼後加熱して灰化する。塩酸3mLを加え、溶かす 第5法 試料をN,N-ジメチルホルムアミド10mLに溶かす 3法と4法はほぼ同じで、差がよくわからない
  3. 試液 ヒ化水素吸収液と標準液を準備する ヒ化水素吸収液 • N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀*10.50 gをピリジンに溶かし,100 mLとす る.遮光した共栓瓶に入れ,冷所に保存する ヒ素標準液 •

    標準原液を薄めて使う。調製が困難なので、JCSS*2の標準液を購入するのが普 通だと思われる *1 ヒ化水素と反応し、赤色呈色を示す *2 校正事業者登録制度のこと
  4. 装置と操作法 ヒ化水素を発生・収集し、銀化合物錯体の赤色呈色を調べる • 発生瓶Aに試験液をとる • Aにメチルオレンジ試液1滴をいれる • アンモニア・希塩酸で中和する • 薄めた塩酸5mLとヨウ化カリウム試液5mLを加える

    • 酸性塩化スズ(II)試液を5mL加える • 室温で10分放置する • 水を加えて40mLにし、亜鉛2gを加える • 吸収管Dに吸収液5mLを入れ、直ちに接続する • 発生瓶Aを25ºCで水浴し、1時間放置する • 吸収液の色を観察する 標準液も同様に処理する