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20250618京都橘大学‗情報展望論

 20250618京都橘大学‗情報展望論

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Kimura Atsunobu

June 18, 2025
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  1. 1 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 木村 篤信

    日本リビングラボネットワーク 代表理事 地域創生Coデザイン研究所 ポリフォニックパートナー 東京理科大学 客員准教授 これからの時代の 社会のデザインを考える 〜うまい棒ワークショップと企業事例から学ぶ〜 2025/6/18 京都橘大学 情報展望論
  2. 2 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 学術領域紹介 情報科学

    (キーワード:情報デザイン、ヒューマンインタフェース、 インタラクション,CSCW,VR) デザイン学 (キーワード:サービスデザイン,デザイン態度, コ・デザイン、参加型デザイン,リビングラボ, ソーシャルデザイン) システムデザイン理論 (キーワード:社会システム,トランジション(転換), ウェルビーイング,公共政策,地域社会、 ソーシャルイノベーション) 学会活動 日本デザイン学会,ヒューマンインターフェイス学会,情報処理学会,電子通信情報学会,サービス学会,共創学会,人間中心設計推進機構等 人と人がコミュニケーションし,関係を築いていく暮らしを, より面白く,豊かに,効果的にするためには,情報デザ イン、ヒューマンインタフェース、インタラクション,CSCW、 VR/ARなどの情報技術の研究が必要になります. 新しいメディア体験を創出するために,遠隔コミュニケー ションを活性化するための五感フィードバックに関する研究 や,日常的な会話や出会いの場を支援するコミュニケー ションメディアの研究を行ってきました. 社会に意味のある価値を探索し、社会実装するためには, 既存の社会の枠組みや役割に囚われない,セクターを 超えた共創のデザイン方法論が必要になります. 企業・行政・市民活動において,誰もがデザインに取り 組むために必要な手法や環境設計の方法論を研究し, ガイドブック・ツール等を開発するとともに,企業のビジネス 開発,行政の計画策定,地域のコミュニティづくりの実 践を行ってきました. ウェルビーイングな社会を実現するためには,現象的な問 題だけに取り組むのではなく、問題の構造(社会システ ムのエラー)を捉え,また一方で生活者のリアルなナラ ティヴを捉え,システム世界と生活世界の両面をハッキン グしながら転換する第三のデザイン(システムデザイン理 論)が必要になります. 福岡県大牟田市などで団体を立ち上げ,システム転換 を志向する統合的な実践と社会システムデザイン方法論 の提案を行うとともに,愛知県、奈良県、東京都など他 地域での展開を行っています。 NTT研究所 地域創生Coデザイン研究所 東京理科大学等 (一社)日本リビングラボネットワーク
  3. 3 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 企業におけるサービスデザイン 時間的・距離的に離れている家族間のコミュニケーションをサポートするホームコミュニケーションデバイス「petoco」

    親子のメッセージのやり取りをサポートすることに加えて、こどもが一人でPetocoと会話することもできる。 新規事業プロジェクトとして、Amazon Echo発売前にプロジェクト開始し、発売まで至ったが、2年で販売終了。
  4. 4 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 大牟田市 従来の介護予防施策では

    リーチすることが難しい人がいる (財政的制約も強まる) 企業 企業の意図 「早期検知」という機能検証 から、「自らのことを知る新た な方法のデザイン」という意味 探索へと課題設定を変更 地域住民 他地域で実施した 疾病の早期検知サービス の実証実験に人が集まらない (高齢者として)これまでの経験や興味を活か して地域に関わる機会がない、多様な形でどんな 人でもいれる居場所がない 地域の意図 企業がリビングラボへ支払う対 価(資金)を活用し、高齢 者が仲間を得て、自らのことを 振り返る(知る)過程で意 欲を育み、多様な参加に向 かう仕組みづくり検討 課題の再設定・ 統合的実践 地域におけるソーシャルデザイン 大牟田リビングラボ
  5. 5 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 木村 篤信

    (Kimura Atsunobu) Profile 地域創生Coデザイン研究所(NTTグループ) ポリフォニックパートナー 日本リビングラボネットワーク 代表理事 東京理科大学 客員准教授 東京電機大学/東京都市大学/大阪樟蔭女子大学(予定) 非常勤講師 生駒市「緑の基本計画改定懇話会」 有識者(リビングラボ) デジタル庁 認定Well-beingファシリテーター JST RISTEX「ケアが根づく社会システム」 領域アドバイザー 日本デザイン学会 情報デザイン研究部会 幹事 大牟田未来共創センター パーソンセンタードリサーチャー 京都大学デザインイノベーションコンソーシアム/ソーシャルビジネスネットワーク フェロー 横浜市PTA連絡協議会 理事 実践:社会課題解決/ソーシャルビジネス開発 研究:共創/リビングラボ/社会システムデザイン 教育:サービスデザイン/ソーシャルデザイン ⑧ ⑨ ⑩ 地域経営主体(中間支援団体)運営/伴走 地域共創拠点構築・運営 事業開発,政策立案,コミュニティ開発 学術論文・書籍 メディア・書籍取材 (人手不足、ウェルビーイング、民主主義、自律共生等) 大牟田市、奈良市, 岡崎市,生駒市, 八丈町,神山町, 天川村,佐渡市, 小松市、尼崎市 浦添市など 教育機関 非営利活動
  6. 6 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs リビングラボとは Carayannis,

    E.G., Campbell, D.F.J., 2009. “Mode 3″ and “Quadruple Helix”: toward a 21st century fractal innovation ecosystem. Int. J. Technol. Manag 46, 201. 4重螺旋モデル:Quadruple Helix Model モノ・コトをつくるときに 生活者と行政・企業・大学が共に 暮らしの場(リビング)において 試行錯誤(ラボ)をする活動・場 (人口減少時代の社会課題解決に必要な方法論 ≒コレクティブ・インパクト) デンマークのスマートシティ研 究者とともに、日本初のリビン グラボ書籍(教科書)を刊 行。全国30カ所で対話イベ ント実施予定。 千葉工業大学(情報学部・デザイン学部) 関西学院大学(イノベーション研究会) 官民共創HUB×東京大学(産官学民関係者) 徳島県神山町(地域創生関係者)
  7. 7 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs トピックス (100分1コマ×2)

    •デザインとは何か? •身の回りのデザインを考える 〜うまい棒ワークショップ〜 •なぜ今の時代にデザインが必要なのか? •企業におけるデザイン実践
  8. 10 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク デザインとは何か?

    具体例を2つ(有名なもの、身近なもの)挙げて自分なりの定義を書いてください 【STEP1.個人ワーク】 個人で考えてメモを取る 【STEP2.グループワーク】 個人で書いたメモを共有して、グループで話す 【STEP3.全体共有】 グループで話したことをの発表係が共有する
  9. 13 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs デザインとは? 誰かのために

    価値を生み出す(問題を解くこと) Sign De 表出 記号 (=対象・意味)
  10. 14 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 木村 篤信

    (Kimura Atsunobu) Profile 地域創生Coデザイン研究所(NTTグループ) ポリフォニックパートナー 大牟田未来共創センター パーソンセンタードリサーチャー 日本リビングラボネットワーク 代表理事 日本デザイン学会 情報デザイン研究部会 幹事 東京理科大学 客員准教授 東京電機大学/東京都市大学/大阪樟蔭女子大学 非常勤講師 京都大学デザインイノベーションコンソーシアム フェロー ソーシャルビジネスネットワーク フェロー 横浜市PTA連絡協議会 理事 デジタル庁認定Well-beingファシリテーター 実践:社会課題解決/ソーシャルビジネス開発 研究:共創/リビングラボ/社会システムデザイン 教育:サービスデザイン/ソーシャルデザイン ⑧ ⑨ ⑩ 地域経営主体(中間支援団体)運営/伴走 地域共創拠点構築・運営 事業開発,政策立案,コミュニティ開発 学術論文・書籍 メディア・書籍取材 大牟田市、奈良市 岡崎市,生駒市, 八丈町,神山町, 天川村,佐渡市など 教育機関 非営利活動
  11. 16 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs (狭義の)デザイン思考とは ユーザーのニーズを理解し、そのニーズに合致したアイデアを形にし、評価・テストすることで、新しい製品やサービスを生

    み出します方法論。狭義にはアメリカ・スタンフォード大学d.schoolの「デザインシンキングプロセス」のことを指す。 スタンフォード大学の「d. school」の教科書である『デザイン思考のプロセスガイド入門(An Introduction to Design Thinking PROCESS GUIDE)』によれば,デザイン思考について次の5段階プロセスで説明している。 スタンフォード大学d.schoolのDesign Thinking Process https://dschool.stanford.edu/executive-education/dbootcamp
  12. 17 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs デザイン思考の成功事例 iPod

    Apple 開発のプロセスは、競合他社の製品分析とユーザーがど のように音楽を聴いているのかを徹底的に観察することか ら始まった。そこから、ユーザーの多くがCDからPCへ音楽を 保存し、それをプレーヤーに移すことを手間に感じているこ とが発見され、「どこでもその場で選んだ音楽を聴きたい」と いうユーザーの潜在的ニーズを導出した。そして、「音楽の 聴き方に革命を起こす」「全ての曲をポケットに入れて持ち 運ぶ」といったコンセプトが生まれ、回転する円盤のマウス により画面の変更操作できるスクロールホイールやiPodと PCを自動同期させるというアイデアを具現化していった。さ らに、約2カ月で100以上のプロトタイプが制作され、試 作と評価・フィードバックは何度も繰り返された。 https://www.buildinsider.net/enterprise/desi gnthinking/03/ 民泊サービスプラットフォーム Airbnb 当時のニューヨークの物件40件ほどを見ながら、なぜAirbnbが使われるようにならないのか 会話をしていたとき、とある重要な共通点に気がついた。それは「どの家の写真もださすぎる こと」。いくら安く泊れるサービスを提供していたとしても、それがユーザーに対して見える形で 届いていなければ、ユーザーは何にお金を払っているのかわからない。データを用いて検証す るよりも先に現場に行き、手作業で写真を撮って差し替えていった。結果として、売り上げが 一週間でいきなり2倍になった。この1つの出来事がきっかけとなり、彼らはプログラムだけで 全ての問題を解決出来るわけではないと気がついた。 https://blog.btrax.com/jp/airbnb/ Wii 任天堂 社員の家庭の観察を通じ、ゲーム機があることで子どもと 親の関係が悪化している、ゲーム機があるとリビングでの 子どもの滞在時間が短いといった状況が確認された。同 時に、鍋を囲んでいる家庭は親密度が高いことなどが明 らかになっていった。そして、「家族が楽しめる」「家族の関 係を良くするようなゲーム機」というコンセプトが生み出さ れ、開発チームが一体となってアイデア創出とプロトタイピ ングが繰り返され、家族がみんなで使えるリモコンのような コントローラーや低消費電力CPU、リビングにおいても邪 魔にならないコンパクトな本体が具現化されていった。コン トローラーは、1000回以上のプロトタイピングが重ねられ たといい、重さや形状、少ないボタン、片手での操作性な ど細かい点を何度も検討して開発された。 https://www.buildinsider.net/enterprise/desi gnthinking/03/ Keep the Change Program バンク・オブ・アメリカ 全米の様々な地域における多様な世帯、個人へのインタ ビューを通して見えてきたのは、「家族のお財布を握るのは 多くの場合母親たちである」ということ。そして彼女たちが 手書きで家計簿をつけていることだった。さらにリサーチを 進めると、彼女たちが家計簿をつける際に端数を切り上 げていることを発見。端数を切り上げることで計算も楽に なる上、支出のバッファーとしても機能するからであった。こ の気づきが鍵となり、バンク・オブ・アメリカの口座をデビット カードに紐付けると支払額の引き落としが端数を切り上げ て行われ、その差額分が自動的に貯金されていくサービス 「Keep the Change Program」が生まれた。このプロ グラムは成功し、1230万人のユーザーを獲得、預入額 は$20億も増加し、バンク・オブ・アメリカの新規顧客の 60%がこのプログラムに登録するという結果になった。 https://www.buildinsider.net/enterprise/desi gnthinking/03/
  13. 21 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 事例1:佐賀県「さがデザイン」による「SAGA BLUE

    PROJECT」 概要: 行政が実施する場合に画一的なものになりがちなプロモーションやコミュニケーションを 伴う事業について、構想段階からデザインの視点を取り入れ、独創性のあるものとして いくための取り組み。山口知事の提唱で2015年にスタートし、政策部政策チームが担 当している。さがデザインの執務スペース「ODORIBA(オドリバ)」に立ち寄る県庁職 員の事業課題に対してデザイン思考による問題解決を行っている。約100人のデザイ ナーやクリエイターのネットワークを持っており、彼らとのマッチングにより事業をさらに磨き 上げることもある。庁内コンサルティング機能とデザイナーなど外部とのハブ機能を担って いる。 その中の一つの地域課題解決プロジェクトが、佐賀に住む県民の一人ひとりが「交通 事故ゼロ」を自らの課題として認識し、車の運転や歩行者としてのふるまいなど、日常 生活の中で実際に行動を変えてもらうよう促すことを狙った「SAGA BLUE PROJECT」で ある。4 年間で8 件以上人身事故が発生している交差点に、集中力を高めると言わ れる青色を基調とした青色の四角枠を舗装し、スピードの出し過ぎや急な進路変更 を抑制する効果を狙っている。プロモーションでも県民一人ひとりが自身の行動を変え ていくことを目指し、県民参加型の取組として、地元の小学生が実際の交差点に舗 設された青色の枠の上に、交通安全の願いを込めてお絵描きを行うイベントを実施し ている。 活動: 勝手にプレゼンFES SAGAナイトテラスチャレンジ 県庁CLASS(資産活用課) 県庁本館ミーティングスペース「EN-えん-」(林業課) さがアグリヒーローズ(正式名称・さが農村イノベーション推進事業) 佐賀県公式ポストカード(観光課、(一社)佐賀県観光連盟) SAGA2024国スポ・全障スポ 佐賀県を変えた「デザインの視点」 行政の意識改革がつくり出 す未来像より https://journal.meti.go.jp/p/30075/
  14. 22 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 事例2:神奈川県横須賀市によるChatGPT活用プロジェクト 概要:

    職員数減少に備えて、デジタル技術を活用し業務改革と行政の構造改革を 推進するため、2020年にデジタルガバメント推進室が設立されている。利用者 中心の行政サービスの実現と、新たなイノベーションを創発できる地域の実現 を目的としており、機運醸成とともにデザインやアジャイルで取り組むプロジェク トの実践が重ねられてきた。 その中でも、職員の時間と労力が多くの文書作成に割かれている現状に対し て、ChatGPTを活用し、文章案の生成や質問への返答支援などを行い、職 員の負担を軽減する取り組みがある。2023年4月より全職員を対象に ChatGPT活用実証が行われ、国内外の多方面で取材・放送を通じて注目さ れた。6月の実証結果報告では、半数以上の職員が利用した結果、業務効 率が大幅に向上し(文書作成に関しては、約1年間で22,700時間の業務 時間削減効果)、また、職員の業務効率向上の実感や継続利用の意向も 高かった。一方で、ChatGPTへの質問や指示の仕方や、利用方法に課題が あることが明らかになった。以降、継続的な活用推進と積極的なノウハウ展開 を行っている。 また、不適切・不正確な返答をする可能性のあるChatGPTを活用したチャット ボット「ニャンぺい」を実験的に公開し、改善フィードバックを得るとともに、市 民・社会の受容性を確認・醸成することにもトライしている。 活動: チャットGPT通信(継続的な使用方法やトピックの周知) 横須賀市AI戦略アドバイザーの配置 チャットGPT研修(活用スキル強化プログラム)の導入 市役所内プロンプトコンテストの実施 (当時の最新バージョン)ChatGPT-4の導入 他自治体等へのノウハウ共有のための横須賀生成AI合宿開催 引用:全庁導入から1年が経過 生成AIを活用した横須賀市の取り組み より 引用:令和5年6月5日 横須賀市 経営企画部 デジタル・ガバメント推進室 ChatGPT活用実証結果報告 より 引用:横須賀市 生成AIを活用したお悩み相談チャットボットの公開実 験スタート より
  15. 23 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 事例3:新潟県小千谷市による公共施設整備事業 概要:

    旧小千谷総合病院の統合移転に伴う跡地整備の計画として、図書館を核 とした複合施設を整備し、中心市街地の活性化を図る事業が起点になった プロジェクト。その根幹には、「自分たちの社会を自分たちでつくる」というリビン グラボの思想と重なり、新しい公共、新しい公共空間をみんなで創っていく対 話的なプロセスが大事にされた。そして、「つくる」「つかう・参加する」「見つけ・ 動かす」などにフェーズを区切りながら、まちや公共施設における市民の関わり 代を生み出していった。2020年12月のプレイベントより始まったこのプロジェク トを経て、2024年9月に施設「ひと・まち・文化共創拠点 ホントカ。」がオープ ンし、市民が関わる多数の活動が行われている。 従来は行政と委託事業者だけで進めていたプロセスを、市民や事業者に開 き、みんなで創っていくプロセスとなるように事業が設計された。また、施設の 設計においてもハード中心ではなく、その後の活動が中心となるように、地域 の若者、子育て世帯、高齢者など多様な人が活動しやすくする仕掛けを埋 め込んでいる。 活動: 市民参加プラットフォームを育てるためのシンポジウム 第1~16回小千谷リビングラボ「まちと公共施設の未来をともに創造する」 小千谷リビングラボ(仮称)愛称市民投票 出張at!おぢや(ふるさと夢づくり教育) 新潟工科大学連携プログラム 共にある 共に創る暮らし「鰯新聞」(いわしんぶん) https://www.city.ojiya.niigata.jp/soshiki/kikakuseisaku/ojiya- livinglabo20211218.html https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/375139#google_vignette 引用:新潟県小千谷市候広報(Instagram)、小千谷市市役所 ホームページ、新潟日報デジタルプラス より
  16. 24 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs (広義の)デザイン思考とは デザイン思考とは、広義には、「デザイナーの問題解決の考え方を体系的に言語化したもの」

    https://mitpress.mit.edu/9780262691918/the- sciences-of-the-artificial/ • ハーバート・サイモンが「システムの科学(1969年)」において,デザインのことを 「思考の方法」と言及したのがデザイン思考という単語の始まり。 ※ハーバート・A・サイモン(1999)『システムの科学 第3版』パーソナルメディア • デザイン思考のビジネスへの適用は,1991年にアメリカのデザインコンサルティン グファーム IDEOを創立したデビッド・ケリーとトム・ケリーによって提唱され,世界 に広まった。 • 2003年,スタンフォード大学に「d.school(The Hasso Plattner Institute of Design)」が設立され,デザイン以外を専門とする学生やビジネスマンが, 課題解決,課題発見のアプローチとしてデザインを学ぶ機運が高まっていった。
  17. 25 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs (広義の)デザイン思考とは より良いものを生み出すことがデザイナーの目標であることから、一つの方法論に囚われる

    のではなく、さまざまな状況や目的に合わせてプロセスやメソッドを柔軟に組み合わせて実 施することが重要である 引用:人間中心設計 JIS Z 8530:2019(ISO 9241-210:2010) (国際標準化機構) https://getting-better.jp/how-to-hcd-on-your-website-200327/3/ 引用:ダブルダイヤモンド(英国デザインカウンシル) https://www.justinmind.com/blog/double- diamond-model-what-is-should-you-use/ 引用:デザイン思考プロセス(d.school) https://note.com/xicunyou/n/nf15aac6480bb
  18. 26 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs デザイン思考が求められる場面:厄介な問題(Wicked Problem)

    リッテルらは、環境との複雑な相互作用のうちにとらえる考え方として,チェスのような線形モデルで記述できる 問題(飼い慣らされた問題)と,街の治安のような問題の認知類型とその手段が正しいとは容易に言えな い問題(厄介な問題)では,アプローチが違うことを提唱※。 ほとんどの社会問題は飼い慣らされた問題にはならず、厄介な問題に分類される。 https://slideplayer.com/slide/13456275/ 「厄介な問題」の特徴※ 1)問題の詳細を説明したり、定式化したりすることができない。 2)解決したと完了させることができず、解決策を常に探求し続け る必要がある。 3)解決策の正否を客観的に評価することはできず、自らの判断 で選択する必要がある。 4)解決策の効果はすぐにテストすることは難しく、時間とともに予 想外の結果をもたらす。 ※Horst W. J. Rittel and Melvin M. Webber (1973), “Dilemmas in a General Theory of Planning,” Policy Sciences 4, Elsevier, pp.155–169 .
  19. 27 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs デザインのパラダイムの変化 こ

    れ か ら の 行 政 前 例 踏 襲 の 行 政 ・人口ボーナス期 = 拡大・成長期 ・潤沢な供給リソースと需要 ・物質的な豊かさが生活者を充足 ・行政組織による計画的マネジメント (機関委任事務制度) ※広井(2019)人口減少社会のデザイン, 東洋経済新報社. ・人口オーナス = 定常期※ ・ひっ迫した供給リソースと減らない需要 ・生活者が精神的な豊かさも志向 ・共創によるアジャイル・ガバナンス (地方分権の推進と自治体の自立性強化を踏まえ たプラットフォームビルダー化とデジタル活用) 社会背景 パラダイムの変化 提供者 (行政) 一方的に実施内容を 企画・提供 実施内容を探索するためにデザインが必要 住民・現場で学びながら 実施内容を企画・提供 利用者 (市民) 実施内容は決まっていてデザインは不要 提供者 (行政) 利用者 (市民)
  20. 34 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 身の回りにある「うまい棒」のサービスデザインを考える 34

    突然ですが うまい棒をたべます そして、どうしたら いいパッケージになるのか考えます
  21. 35 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 35

    A.うまい棒を いつも通り食べる B.食べている人を 観察する とにかく細かく所作のメモを取る 手、目線、口の動きなど細かく
  22. 36 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 36

    食べ終わったら 入れ替えてもう一度 2人一組でやります
  23. 37 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 振り返り 37

    何か、気付きはありましたか? 所作の粒度は? どこから書き始めてる? 終わった後はどこまで書いてる?
  24. 38 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 観察 共感

    自分の知らない ことが沢山わかる 解説 38
  25. 39 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 39

    相手にとって何が良いか考えて 新うまい棒パッケージを 発想してください
  26. 41 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 定義 発想

    ユーザを知ると いろんなアイデアが 出てくる 解説 41
  27. 42 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 42

    アイデアの具体化のために ストーリーを作る アイデア検討シートを使う
  28. 43 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 仮説 ストーリーボード

    コンセプトの仮説を具体化しましょう! サービスコンセプトを伝えやすくしましょう 1-1 課題&ニーズ 1-1 ユーザーの課題やニーズは何ですか? 1-2 コンセプト 1-3 実現手段 1-4 ゴール アイデアの何が面白いのか仮説をたてると共に、 人に伝えられるようにストーリーを作成します。 得られる結果 自分達の頭の中にあるアイデアと そのアイデアの特徴が整理されたConcept Tailorのリスト アイデア検討シート コンセプト創出 ワークの説明 1-2 どのようなコンセプトで解決しますか?(提供価値) 1-4 ユーザーはサービスを通じてどうなりますか? 1-3 どのような手段で実現しますか?(デバイスなど) 絵 ストーリー 絵 ストーリー 絵 ストーリー 絵 ストーリー 共有
  29. 44 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 44

    考えたパッケージについて インタビューしてください アイデア検討シートを使う
  30. 45 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs インタビューをした相手はどのような人? -

    職業は? - 住まいと家族構成は? - 差し支えなければ年代(年齢): - 性別: - 自由記述(その他の属性): 3-1 課題&ニーズについて - 課題/ニーズは自分事として共感できますか?どんなところに共感できますか? - 課題/ニーズについて,具体的にどのような経験をしたことがありますか? - 自由記述(その他の質問をした場合はこちらに) 3-2 コンセプトについて(提供価値) - コンセプトには共感できますか?具体的に、どのような理由からですか? - このようなことができたらいかがですか(嬉しい?便利?)?それはなぜですか? - 自由記述(その他の質問をした場合はこちらに) 3-3 実現手段について - 自分で使っている状況を想像できますか?それはどんな状況ですか?(5W1H) - コンセプトを体現するうえでこの実現手段はどうですか?それはなぜですか? - その状況はどれぐらいの頻度で発生しますか?(毎日?毎週?毎月?) - 自由記述(その他の質問をした場合はこちらに) 3-4 ゴールについて - このようなゴールを達成できたら自分事として良いですか?それはなぜですか? その他: - このサービスを自分で使いたいと思いますか/思いませんか、なぜそう思うのですか? - 誰か、すすめたい人はいますか?それはどのような人ですか? - このサービスに、いくらなら払っても良いと思いますか?その理由はなぜですか? 人に聞く ストーリーを伝えて、仮説についてインタビューをしましょう ※できるだけ具体的に、そうなんですね、なぜですか?、それは面白いですね、などを駆使して深掘りしましょう 似 顔 絵 アイデアの何が面白いのか仮説をたてると共に、 人に伝えられるようにストーリーを作成します。 得られる結果 自分達の頭の中にあるアイデアと そのアイデアの特徴が整理されたコンセプトテーラーのリスト アイデア検討シート コンセプト創出 ワークの説明 共有
  31. 48 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs テスト 人で試すと

    色々わかる →「反復」が大事 解説 48
  32. 49 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 49

    パッケージを 実際に試作してください
  33. 50 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 50

    試作したパッケージを 使ってもらってください
  34. 52 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 具体 試作

    具体化すると 発見が増える 今まで見えなかったものが 見えるようになる 解説 52
  35. 53 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 53

    試作品の魅力を 60秒で説明してください
  36. 57 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク なぜデザインが必要なのでしょうか?

    具体的な事例をあげ、デザインの必要性を書いてください。 【STEP1.個人ワーク】 個人で考えてメモを取る 【STEP2.グループワーク】 個人で書いたメモを共有して、グループで話す 【STEP3.全体共有】 グループで話したことをの発表係が共有する
  37. 58 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 人口構造の変化:人口減少社会 日本の総人口の長期的トレンド

    (出所)総務省「国勢調査報告」、同「人口推計年報」、同「平成12年及び17年国勢調査結果による補間補正人口」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成1 8年12月推計)」、国土庁「日本列島における人口分布の長期時系列分析」(1974年)をもとに、国土交通省国土計画局作成 人口ボーナス期 人口オーナス期
  38. 60 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 人口構造の変化:労働供給制約 構造的な人手不足により働き手を補えない「労働供給制約」状況となり、物流、建設・土木、介護、交通、

    小売、飲食などの生活維持サービスが維持できない状況が迫っている。 ◯問題意識 「単なる人手不足論ではない。後継者不足や技能承継難、デジタル人材の不足などと いった産業・ 企業視点からの問題ではなく、「生活を維持するために必要な労働力を日 本社会は供給できなくなるのではないか」という問題意識である。」 「労働供給制約社会において最も懸念されるのは、「生活維持サービス」である。物流や 建設・土木、介護・福祉、接客などの職種は既に需給ギャップが 顕在化しており、著し い人手不足に陥っている。これは「大変だなあ」ではすまない問題でもある。こうした職種 の供給不足を放置すると、私たちの生活に大きなダメージを与える可能性が高い」 ◯予測される状況(日本全体) ①2030年に341万人余、2040年に 1100万人余の労働供給が不足する。 ②労働供給は今後加速度的に減少していく。 ③労働需要はほぼ横ばい。 ◯起こりうる変化(パラダイムシフト) 「現在の人手不足が深刻化している状態ですら、まだまだはじまりにすぎないことも教えて いる。2040年にかけての日本における1つの格言は「今が一番人材を獲得しやすい」に なるだろう。去年よりも今年、今年よりも来年のほうが人材確保が困難な状況となる。 こうした実感は企業の採用意欲を加速させ、人材獲得に一層の激しい競争を生み出 す。人材を獲得するために経営戦略を変えたり、資金調達をしたり、新商品を開発し たりといった過去になかった動きを引き起こすだろう」 ◯示される解決策 (1)徹底的な 機械化・自動化 (3)シニアの 小さな活動 (2)ワーキッシュ アクトという選択肢 (4)待ったなしの ムダ改革 古屋星斗、リクルートワークス研究所 『「働き手不足1100万人」の衝撃』 (2024年1月30日) リクルートワークス研究所発行 『未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる』 (2023年3月)
  39. 61 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 人口構造の変化:労働供給制約 永田町、霞ヶ関、主要な経済団体の政策・戦略検討において前提としての位置づけを得るとともに、産業界等のオピニ

    オンリーダーが公式の場で使い、メディアも特集を組んで報道すること、それを共通言語に議論を深めることが起き始め ている。 参議院自民党・政策審議会 ◯「参議院自民党政策審議会では、山田太郎 政審副 会長の司会の下、「令和の転換点」がやってくる-働き手 不足1100万人の衝撃 と題し、労働市場分析について 有識者ヒアリングを実施しました」(2024年5月15日) ( https://sangiin-jimin.jp/?p=2176) 冨山和彦氏 経営共創基盤(IGPI)グループ会長 ◯日本記者クラブ「働く人材クライシス」(8) (2024年03月27日) 「人手不足問題の論客としても知られる経営共創基盤(IGPI) グループ会長の冨山和彦さんが「労働供給制約の時代の労働 (市場)政策」と題して登壇した。」 ( https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/36705/report ) 少子高齢化による深刻な人手不足と、デジタル化の進展による急激な人余 りが同時に起きつつある日本社会。人手不足はローカル産業で生じ、人余り はグローバル産業で顕著に起こる。 これまでの常識に捉われたホワイトカラーは、生き残る選択肢がほとんどなく なってゆく。 企業再生支援の第一人者による、国、組織、個人それぞれの抜本的再生 を促すための緊急提言! ホワイトカラー消滅: 私たちは働き方をどう変えるべきか (NHK出版) 朝日新聞 ◯「8がけ社会 高齢化がさらに進む2040年。社 会を支える働き手はますます必要になるのに、現 役世代は今の8割になる「8がけ社会」がやってき ます。今まで通りが通用しなくなる未来を私たちは どう生きるべきでしょうか。」 ※担当デスクによると「労働供給制約社会」の重要性に強く共 感し、特集を組んでいる ( https://www.asahi.com/rensai/list.html?id=2040 )
  40. 63 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 財政構造の変化:自然災害リスクの増大 気候変動などの影響で、猛暑日、集中豪雨などの自然災害は増加傾向にあり、また、南海トラフ地震の発生が想定され

    る中、人命が失われ、インフラが崩壊するなど、暮らしの継続が難しくする状況が高まっている。 日本全国(13地点平均)での猛暑日(最高 気温35度以上)の年間日数は増加している。 最近30年間(1993~2022年)の平均年 間日数(約2.7日)は、統計期間の最初の 30年間(1910〜1939年)の平均年間日 数(約0.8日)と比べて約3.5倍に増加して いる。 気象庁, https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html 大雨の年間発生回数は有意に増加しており、よ り強度の強い雨ほど増加率が大きくなっていま す。1時間降水量80mm以上、3時間降水量 150mm以上、日降水量300mm以上など強 度の強い雨は、1980年頃と比較して、おおむ ね2倍程度に頻度が増加しています。
  41. 64 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 社会的価値感の変化:SDGs 社会の潮流として、サスティナビリティやウェルビーイングなどの新しい価値観が提案され、価値観を実現する

    社会にシフトすることが志向されている。 Sustainable Development Goals 2030 (SDGs) wedding cake from Azote Images for Stockholm Resilience Centre, 2016. https://www.stockholmresilience.org/research/research- news/2016-06-14-the-sdgs-wedding-cake.html
  42. 65 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 社会的価値感の変化:DEI(Diversity, Equity

    & Inclusion) 個人や集団が持つさまざまな違いを尊重し、それを価値として活かす考え方(性別、年齢、国籍、文化、宗教、性的指向、障害の有無、経済的背景等) しかし、価値観の多様化に対して、社会(制度や行動規範)が追いついていない時代 65
  43. 69 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs VUCAと呼ばれる前例が通じない(答えの見えない)時代 69

    ※Stiehm, Judith Hicks and Nicholas W. Townsend (2002). The U.S. Army War College: Military Education in a Democracy. Temple University Press. p. 6. ISBN 1-56639-960-2.
  44. 70 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs デザインのパラダイムの変化 こ

    れ か ら の 政 策 前 例 踏 襲 の 政 策 ・人口ボーナス期 = 拡大・成長期 ・潤沢な供給リソースと需要 ・物質的な豊かさが生活者を充足 ・行政組織による計画的マネジメント (機関委任事務制度) ※広井(2019)人口減少社会のデザイン, 東洋経済新報社. ・人口オーナス = 定常期※ ・ひっ迫した供給リソースと減らない需要 ・生活者が精神的な豊かさも志向 ・共創によるアジャイル・ガバナンス (地方分権の推進と自治体の自立性強化を踏まえ たプラットフォームビルダー化とデジタル活用) 社会背景 パラダイムの変化 提供者 (行政) 一方的に実施内容を 企画・提供 実施内容を探索するためにデザインが必要 住民・現場で学びながら 実施内容を企画・提供 利用者 (市民) 実施内容は決まっていてデザインは不要 提供者 (行政) 利用者 (市民)
  45. 71 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs デザイン思考が求められる場面:厄介な問題(Wicked Problem)

    リッテルらは、環境との複雑な相互作用のうちにとらえる考え方として,チェスのような線形モデルで記述できる 問題(飼い慣らされた問題)と,街の治安のような問題の認知類型とその手段が正しいとは容易に言えな い問題(厄介な問題)では,アプローチが違うことを提唱※。 ほとんどの社会問題は飼い慣らされた問題にはならず、厄介な問題に分類される。 https://slideplayer.com/slide/13456275/ 「厄介な問題」の特徴※ 1)問題の詳細を説明したり、定式化したりすることができな い。 2)解決したと完了させることができず、解決策を常に探求し 続ける必要がある。 3)解決策の正否を客観的に評価することはできず、自らの 判断で選択する必要がある。 4)解決策の効果はすぐにテストすることは難しく、時間ととも に予想外の結果をもたらす。 ※Horst W. J. Rittel and Melvin M. Webber (1973), “Dilemmas in a General Theory of Planning,” Policy Sciences 4, Elsevier, pp.155–169 .
  46. 72 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 外部環境の変化に対応する動的・探索的アプローチが必要 引用:https://ferret-plus.com/8737

    状況を観察 → まずは実行 (不確定要素が多い状況での 実行プランの探索に向いている) 計画を立てる → 行動して評価 (変化の少ない状況での 計画の最適化に向いている) 庁内/トップダウンで企画立案し、最適な計画を実行 する 例)上下水道、防災危機管理、港湾等 データドリブン/ボトムアップで社会や市民の状況を観 察し、まずは実行してみる 例)デジタル、福祉、公園、公共施設等
  47. 73 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs デザインに求められる4つのスキル&マインド 現場の個別の問題事象に対処する

    デザイン思考 定量的なアウトプットデータを活用する EBPM 問題構造を捉えアウトカムにコミットする システム思考 定性的なアウトカムデータを活用する ウェルビーイング指標 状 況 に 応 じ て 意 思 決 定 す る ス キ ル 動 的 に 考 え る マ イ ン ド 止揚して 第3の社会システムへの転換 定性×定量による アウトカム重視のマネジメント
  48. 74 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs リソース制約下での新しいモデルの必要性 地方自治体の運営は限界を迎える。持続可能な形で住民サービスを提供し続けるために、ICT活用による「スマート自治

    体への転換」と、公共私(自治体・コミュニティ・民間企業等)の連携による自治体の「プラットフォーム・ビルダー化」が必 須 ※自治体戦略2040構想(総務省、2018) スマート自治体への転換 • 新たな自治体や国の施策(アプリケーション)の機能が最大限発揮できるような自治体行 政(OS)の大胆な書き換えが必要 • 破壊的技術(AI・ロボティクス等)を使いこなす自治体へ 公共私によるくらしの維持 (自治体のプラットフォームビルダー化) • 自治体は新しい公共私相互間の協力関係を構築する「プラットフォーム・ビルダー化」が必要: 公 • くらしを支えるための地域を基盤とした新たな法人が必要:共 • 全国一律の規制見直し、シェアリングエコノミー等の環境整備の必要性:私 減少する地方公務員 ひっ迫する財政 増加するインフラ更新費用
  49. 75 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 価値観の変化に伴う新しいモデルの必要性 企業がSDGs等の社会的価値のある事業創出に取り組むことが社会の要請になっており、持続可能な形で企業が存続

    するためには、「社会的価値を重視した事業創出・運営」や、サービスの「提供者・利用者の構造転換」が必須 社会的価値を重視した事業創出・運営 機能や消費体験だけでなく、AI、ロボット、社会システムがどのような社会的 価値を生み出すのか注目され、人のあり方・暮らしのあり方を問い直すことが ビジネスの土台として求められている 提供者・利用者の構造転換 不確実性が高く、複雑な状況下では、一方通行ではない柔軟なサービス設 計、開発、運用のあり方が適しており、さらには学習する組織文化・共感者を 増やすブランディングが効果的 持続可能な開発目標 倫理的なテクノロジーの原則 (日本の人間中心の AI 社会原則、GoogleのAI原則等) シェアリングエコノミー
  50. 76 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs TESLA Patagonia

    Google FairPhone システムデザインからはじめるビジネス開発へのインパクト 今の時代における本質的な違和感(ビジネス上の敵)を明示することで,①メディア露出が高まり市場イメージを独占 し,②エンゲージメントの高い同志が集まり,結果的にブルーオーシャンでニッチな市場を形成し,利益を生み出せる. 化石燃料依存に終止符を打つ 化石燃料に依存する社会システ ム 自然環境を保全する 大量生産・大量消費の経済シ ステム 世界中の情報に誰もがアクセス できるようにする 情報へのアクセスを阻むルールや 制約(情報格差のシステム) 自分で修理ができる暮らし 使い捨て・メーカーだよりの製品 エコシステム 新たな理念(企業ビジョン) 既存社会のシステムエラー 山口周(2024)クリティカル・ビジネス・パラダイム: 社会運動とビジネスの交わるところ,プレジデント社
  51. 77 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ゼブラ企業 ゼブラ企業は社会的インパクトと経済性という、ゼブラ=シマウマのような白と黒のような一見相反するような概念を持つこと

    が特徴。シマウマは群れになると、白と黒の縞模様によって、捕食者が狩りの獲物とする個体を識別しにくくするため、一頭 でいるときよりも捕食動物に対して強くなる。同じようにゼブラ企業はユニコーン企業と違い、コミュニティや関係性を重視して 協力することで事業をしていく 労働搾取をなくす、ドライバーによる協同組合型の配車アプリ「Co-op Ride」 2021年5月30日にライドシェアサービス「Co-op Ride」の正式提供を開始。8月現在、3,000人以上のドライバーがCo-op Rideに在籍しており、10万ドル(約1,100万円)の収益を生み出したという。また、投資家からは64万ドル以上の資金を集め ており、その注目度の高さが伺える。(8月時点)組合員の手数料が安く、経営参画することで配当もレベニューシェアされる。ま た、利用料も安い、利益の10%を地域に根差した助成プログラムも備えている。
  52. 78 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク なぜデザインが必要なのでしょうか?

    具体的な事例をあげ、デザインの必要性を書いてください。 【STEP1.個人ワーク】 個人で考えてメモを取る 【STEP2.グループワーク】 個人で書いたメモを共有して、グループで話す 【STEP3.全体共有】 グループで話したことをの発表係が共有する
  53. 80 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 企業のデザイン実践(ソーシャルデザイン)の事例を聞いて、感じたこと、調べてみたいと

    思ったことを書いてください。 【STEP1.個人ワーク】 個人で考えてメモを取る 【STEP2.グループワーク】 個人で書いたメモを共有して、グループで話す 【STEP3.全体共有】 グループで話したことをの発表係が共有する
  54. 81 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 木村 篤信

    (Kimura Atsunobu) Profile 地域創生Coデザイン研究所(NTTグループ) ポリフォニックパートナー 日本リビングラボネットワーク 代表理事 東京理科大学 客員准教授 東京電機大学/東京都市大学/大阪樟蔭女子大学(予定) 非常勤講師 生駒市「緑の基本計画改定懇話会」 有識者(リビングラボ) デジタル庁 認定Well-beingファシリテーター JST RISTEX「ケアが根づく社会システム」 領域アドバイザー 日本デザイン学会 情報デザイン研究部会 幹事 大牟田未来共創センター パーソンセンタードリサーチャー 京都大学デザインイノベーションコンソーシアム/ソーシャルビジネスネットワーク フェロー 横浜市PTA連絡協議会 理事 実践:社会課題解決/ソーシャルビジネス開発 研究:共創/リビングラボ/社会システムデザイン 教育:サービスデザイン/ソーシャルデザイン ⑧ ⑨ ⑩ 地域経営主体(中間支援団体)運営/伴走 地域共創拠点構築・運営 事業開発,政策立案,コミュニティ開発 学術論文・書籍 メディア・書籍取材 (人手不足、ウェルビーイング、民主主義、自律共生等) 大牟田市、奈良市, 岡崎市,生駒市, 八丈町,神山町, 天川村,佐渡市, 小松市、尼崎市 浦添市など 教育機関 非営利活動
  55. 82 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 個別の地域活動や企業サービス、 領域ごとの政策による対応で

    バケツの穴(問題)を事後的に塞ぐ 新しい社会構造(システム)への 転換を志向することで 穴(問題)が生まれづらい状態をつくる + 個別の穴(問題) を防ぐ 構造(システム)の転換を志向 課題意識:ソーシャルインパクト 2022/3/14 第4回全国リビングラボ ネットワーク会議 趣旨説明資料 e.g.本籍校に復帰できることを目標にする適応指導教室 e.g.学校への適応ではなく学ぶことを真ん中にした教育 (学習計画を子どもたち自身が作るイエナプラン教育)
  56. 85 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 核となる新しい人間観:パーソンセンタード※ 生活者(パーソン)の暮らしを、独立した個人の暮らしとして捉えるのではなく、周りの家族や地域の人と

    の繋がりと、その繋がりの中で捉え直されるケイパビリティに基づき、豊かで継続性を持ったナラティブによっ て成り立っていると捉えるもの 学ぶ 楽しむ 働く 出会う 知る つながる 好奇心 意欲 問題意識 潜在能力 capability つながり connection 人生 narrative 【ビジネス】 マーケティング5.0 【教育】 未来の教室(経済産業省) 【福祉】 地域共生社会(厚生労働省) ※木村ら(2019)パーソンセンタードデザイン:その人らしい暮らしを目 指す人間観に基づくデザイン方法論,日本デザイン学会発表大会概要
  57. 86 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 可能性を信じるケア 認知症ケアで培ってきた揺るぎない部分は,

    人間はどんな人だって価値がある人,と言う人間観 (大牟田市 健康福祉部 池田さん) 予防型ケア 予備型ケア できないから先回りしてやってあげる 先取り 失敗は未然に防ぐべきもの 可能性を限定する 当事者の自由や主体性の喪失 問題発生時の対処法を準備しておく 待ち 失敗は起こりうるもの 可能性が開かれている 当事者が挑戦できる
  58. 87 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 可能性を信じるデザイン 「自分の体調が予測できないから,計画のたてようがないんですよね」

    (認知症当事者であり作家の樋口直美さん) 引き算のデザイン 足し算のデザイン 保険など多くの社会制度 予測された未来 未来から逆算され現在 連続・均質な時間 自分の視点で他者を判断 「逆算・先回り」 生きているからだ 予測を超える未来 不連続な生成の先にある未来 不連続・不均質な時間 本人の視点で他者を評価 「可能性を評価,待ち」 ※介護フェスタ トークイベント「動物×人間×福祉=?」(2019)伊藤亜紗さんの講演から引用
  59. 88 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs パーソンセンタードシティのコンセプト: どのような状態でも本人の存在が肯定され力が発揮されるまち

    コミュニティケア的視点 その人らしく生きることに向き合う 産業・テクノロジー的視点 その人と支える人を影ながら支える 社会疫学的視点 その人らしく生きやすい環境を作る 支援者 (専門職等) 参加コミュニティ 未参加コミュニティ 友人 家族 近所住民 同僚 モバイル 戸建住宅 集合住宅 都市 支援者+モバイル ナラティブ DB 社会資源 DB 生活者課題 DB 疫学知見 DB テク ノロジー DB 設計 ガイドライン DB マクロ ミクロ 暮らし 技術 社会課題 DB 保険業 金融業 医療介護 保育教育 サービス業 宿泊業 交通 物流 建築 通信
  60. 89 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 行政政策: 健康福祉総合計画策定・運用

    Coデザのビジョン&ミッション 大牟田から未来をのぞき見 る、 対話・体験・テクノロジー 「NINGEN Societal Festival」 働き方を転換 する「超短時間 雇用」PJ ×東 大等 みんなが自然と元 気になるまちPJ w/ モデル事業 ×NTTデータ等 Well-being な住まいPJ ×有明高専等 社会の本質に迫る 問いと対話のメディア 「湯リイカ」 ×SMBC等 ・市民の主体性があたたまる場から、社会の価値が共創されていく場や機会づくり ・地域としての課題を乗り越え、新しい住まい・介護予防・働き方を実践するプロジェクト ・現場での実践から生まれる問いを起点に地域や社会のあり方を問い直す対話 大牟田から「人々が主体的に共創できる社会」のモデルをつくる 「わたし」として扱われる場があたたまりを生む 公営住宅モデルルームと住みこなしに必要な家具DIY (2021年~) VRで思い出の場所を散策することができる 多様な労働者のインクルージョンを実現する @超短時間雇用モデル 対話を通じて 市民の主体性があたたまる 「わくわく人生サロン」 主体的なデジタル活用をサ ポートする人材 「インフォナビゲーター」養成 講座 高齢者の主体性を引き出す デジタル体験 「VRを活用した未来の福祉 プロジェクト」 ×東大等 ・・・ 多様な市民が集った「にんげんフェスティバル」 対話を通じて未来について考える仲間が集う
  61. 90 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 学術表彰・外部メディア掲載等 オウンドメディア(湯リイカ)

    外部メディア掲載 90 https://digital-is-green.jp/branding/human- centered/001.html https://note.com/pub_lab/n/n4b6f780cbc14 学術・登壇・表彰等 https://dialogue-eureka.jp/ ※上記以外にも、「リビングラボ」「社会システムデザイン」というテーマで 受賞・論文採択・講演登壇・セッション企画を多数 様々な分野における気鋭の有識者・実践者との対話メディア 持株SSPP・外部メディアへの記事掲載 NHK・朝日新聞・地元紙等への掲載 デザイン/ウェルビーイング関連書籍への事例掲載 90 書籍の出版 社会福祉士が目の前で困って いる人への寄り添い方だけでな く、マクロな制度にアプローチす るために必要な「情報を俯瞰・ 言語化・構造化するスキル」も ガイドする。ソーシャルワーカー を「生き方」として捉えて、自由 なアプローチで社会を変えてい けることの魅力を平易な言葉 で語り尽くした入門書。
  62. 92 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs AI(人工知能)とは? 人間の知的な活動を

    コンピュータで実現すること (見聞き・思考し、 言葉や絵などで表現する) なぜ急にAIが話題に (研究開発: 1950年代~)
  63. 93 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs AIの形態と発展 大量のルールを与えて

    AIを賢くする 大量のデータを与えて AIを賢くする
  64. 94 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs AIの形態と発展 研究者

    AI開発者 • 人手で用意するのが大変! (=コストが高すぎる) • 矛盾のないルール構築が難しい! 大量のルールを与えて AIを賢くする 猫を分類するには? • 足が4本 • 耳が2つ • ひげ • : ルールの例
  65. 95 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs AIの形態と発展 研究者

    AI開発者 大量のデータを与えて AIを賢くする • データを大量に用意するのが大変! • データからAIを学習させるのに 膨大な時間! データの例 猫のデータ … 他の動物データ …
  66. 96 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 計算機の能力向上 計算

    データ保存 通信 … 大量のデータを与えて AIを賢くする AI進展のブレークスルー インターネットの普及 動画投稿 SNS … Web 大量のデータ 短時間で学習 急激に 実用的な性能に!
  67. 98 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs AIの進展とシンギュラリティ 2012

    2022 旧来のAI 実用的AI AIの能力 年 ChatGPT ▲ NOW
  68. 99 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs AIの進展とシンギュラリティ 2045

    2012 2022 旧来のAI 人の知能 実用的AI AIの能力 年 技術的特異点 (シンギュラリティ) ▲ NOW
  69. 100 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs AIの能力向上とその問題 消費電力↑

    個性の消失↓ (一般性向上) 学習 AIの大規模化 大量のデータ AIの能力↑
  70. 101 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs AI同士の議論 〜AIコンステレーション

    コンステレーション=「星座」 AIが「星座」のように相互に連携する様子から命名 専門性・個性が異なるAIがそれぞれ意見を表 明することで、多様な価値観を創出 重要さを互いに議論することで、 少数意見も尊重して議論を高度化 ◼ 専門性・個性を持ったAI同士が相互に議論・訂正を行い、複雑な問題に対して 多様な視点から解を創出
  71. 103 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 忖度と縦割りによる 地域/組織における「議論・意思決定」のボトルネック

    地域においても、企業においても、忖度・縦割り・形式的な合意形成によって、実質的な 議論や創発が生まれにくい構造がある(サービスデザインのプロジェクト範疇だと起こりづらいが。。。)
  72. 104 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 忖度と縦割りによる 地域/組織における「議論・意思決定」のボトルネック

    たとえば、介護予防がテーマで、医者、看護師、行政職員、市民が議論しているとする と、以下のようなボトルネックが発生する 医師 行政職員 看護師 市民 関係性上、言いたい ことが言えない 専門的な知識が なくて話しづらい 民間人の発言には 気を遣う 権力があり自分だけ の目線で語りがち
  73. 105 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 忖度と縦割りによる 地域/組織における「議論・意思決定」のボトルネック

    空気社会、縦割り構造の日本においては、特に、現場の価値に根差した議論が深まりず らい構造(ボトルネック)がある アイデア出し ディスカッション 意思決定・優先順位付け 意見交換 (ポジショントーク) 目標・目的/論理・根拠 ビジョン・判断基準・制約 議 論 の 広 が り 議論の深まり 地域のイベント (WS等) 多くの審議会・協議会 ・業界団体内 ほとんど存在しない (「意見交換」化している) 意思決定者が決定 地域/組織における「議論」 地域の 審議会 企業の 経営会議 地域の 審議会 企業の 経営会議 アイデアの広がり 当事者参加:多 (市民、現場担当者、ユーザ) 当事者参加:少 当事者参加:なし 磨かれた意見 選ばれた意見 決定された施策 当事者参加:- それぞれ、担う役 割としての意見は ある(公式見解)
  74. 107 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 自治体職員 ・審議会などを開くが、ポジショントークで終わり、

    議論が深まらない ・統合的に政策課題を議論する場がない 企業担当者 企業の意図 複数の生成AIが多様なアイ デアを出す機能検証から、 空気社会において議論が深 まらないという地域の構造的 課題の解決へと課題設定を 変更 地域住民/事業者 複数の生成AIが対話する新たな技術開発を 行っているが、具体的に社会や地域のどの場面で 有用に使えるのかユースケースが見えていない ・従来の年功序列や忖度などで、限界に近付い ている地域の現状が変わって行かない ・地域の未来についてフラットに話す機会がない 地域の意図 企業がリビングラボへ支払う対 価(資金)を活用し、 地域の統合的な政策課題を 従来の慣習(空気社会にお ける議論の場)から離れて議 論できる仕組みづくり検討 大牟田リビングラボでのあるプロジェクトの始まり 大牟田リビングラボ 課題の再設定・ 統合的実践
  75. 108 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 複数の生成AIが対話する新たな技術のユースケース探索 NTT研究所が掲げる「技術コンセプト」に対して、

    地域の産業・福祉課題、また意思決定プロセスの課題等の リアリティを踏まえたユースケース・UI・UXの具体化をすることに 大牟田リビングラボが伴走
  76. 109 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 地域には多くの「会議」がある 一方で、「議論」になりづらい

    (構造的な問題) テクノロジーが発展している 現状、効率化への活用 積極的な議論・意思決定 (やらないことを決める) 「人の可能性を引き出す」 テクノロジーの活用 労働供給制約と呼ばれる構造的な人手不足 地域の議論における構造的問題を解決する「会議シンギュラリティ」 ①大牟田における中小 企業の生産性向上に 向けた施策の検討 ②大牟田における 介護予防施策の検討 議論・意思決定が 必要な地域のテーマ 知識はあるが文脈を読まない AIの発言機能
  77. 110 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ・本イベントの趣旨説明 ・生成AI技術についての説明

    テーマ:中小企業支援&介護予防 |開会 15分 ・AIたちによるアイデア出し (パート1) ・個人ワーク→グループ内共有→全体共有 |会議前半 40分 |休憩 ・AIたちによる議論 (パート2) ・個人ワーク→グループ内共有 ・グループワーク→全体共有 |会議後半 45分 ・アンケート記入等 |閉会 5分 会議シンギュラリティの流れ
  78. 112 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 人間が安心して発言できる場で「AI同士の発言」を見る効果 AIが余白のある80点程度の発言

    人間側が無礼講状態になり、発言可能な領域が増えた 同じ属性の専門家がAIに付け足す・批判するなど発言が引き出された 通常言いづらい関係でも、AIが 空気を読まずはっきりと批判
  79. 114 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs AI体験デザインのアプローチ 効率性

    創 造 性 これまでにない 可能性を 引き出してくれるAI 前例を踏まえて 妥当な解を 導いてくれるAI
  80. 115 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 事例:地域事業者・行政職員等と考える生成AI技術 (1)技術・社会実装課題

    ・複数の生成AIが多様なアイデアを出す という技術コンセプトが資する、具体的な 社会課題が見えていない (2)生活課題 ・従来の年功序列や忖度などで、限界に近付い ている地域の現状が変わって行かない ・地域の未来についてフラットに話す機会がない (3)政策課題 ・審議会などを開くが、ポジショントークで終わり、 議論が深まらず、統合的に政策課題を議論する 場がない (4)課題の捉え返し ・地域の持続に向けた「問題の根源 ※1,2」の議論がないと、多様なアイデアは 無意味 ※1:生活を維持するための労働力を日 本社会は供給できなくなる(古屋) ※2:地域間・男女間の賃金格差や、 様々な場面にある. アンコンシャス・バイアス (無意識の思い込み)(冨山) 技術の 社会実装課題 リアリティを踏まえた 生活・政策課題 有識者知見に基づく 課題再設定 地域の現場での プロトタイピング (5)会議シンギュラリティ それぞれの課題が重なる領域を捉え返し 新たな課題「自分の言葉が出る会議」を 設定 ・具体的な示唆を得ることができる場とし て、知識はあるが文脈を読まないAIの発 言機能を活用した議論・意思決定ができ る会議「会議シンギュラリティ」を企画・開 催
  81. 118 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 大牟田市 従来の介護予防施策では

    リーチすることが難しい人がいる (財政的制約も強まる) 企業 企業の意図 「早期検知」という機能検証 から、「自らのことを知る新た な方法のデザイン」という意味 探索へと課題設定を変更 地域住民 他地域で実施した 疾病の早期検知サービス の実証実験に人が集まらない (高齢者として)これまでの経験や興味を活か して地域に関わる機会がない、多様な形でどんな 人でもいれる居場所がない 地域の意図 企業がリビングラボへ支払う対 価(資金)を活用し、高齢 者が仲間を得て、自らのことを 振り返る(知る)過程で意 欲を育み、多様な参加に向 かう仕組みづくり検討 課題の再設定・ 統合的実践 大牟田リビングラボでのあるプロジェクトの始まり 大牟田リビングラボ
  82. 119 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs (チラシを貼る) 第4回において、

    睡眠センサーと家電センサーで得た データを「自分の無意識を知るため の情報」として利用 ※参加者にとっても情報提供、セン サー利用に価値がある形にしている •対象者:大牟田市在住の要支援・要介護認定を受けていない65歳以上の方 •募集期間:2019/11/28〜2020/1/31・開催期間:2020/1/10〜2020/3/13 •サロン申込者(面談参加者):35名/サロン参加者:32名(面談後の辞退:3名)/ センサー設置者:18名(センサー設置辞退:14名) わくわく人生サロン 実施概要
  83. 120 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 「大牟田市高齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画」 総括時の職員の意見

    「既存活動に関心が 薄い人もいることから、「わくわく人生サロン」 ように自分こ とを語る場を設けるなど 、新たな活動きっかけを作る必要が あると考えます。 」 •地域包括支援センターがリーチすることが難しかった、20年間自宅に引きこもっていた方が参加 •介護保険サービスでは居場所が得られなかった(合わなかった)方の居心地のいい場となる •制度利用がなく生きづらさを抱えている高次脳機能障害のご本人、ご家族への支援を実施 (個別にご本人、ご家族の不安や悩みに寄り添った対応を実施) •配偶者に先立たれた方たちによるピアが生まれる(グリーフケア) •持っている資格やスキルを生かし、地域の課題を解決したいという方が生まれる(例:「防災 士の資格を活かして地域のために活動したい」「子どものための活動をしたい」「大牟田市をアピー ルする商品開発をしたい」などの自発的な言葉がある) •年齢が異なるが同じ大学やサークルに参加していた等「縁」のある人との出会いが生まれる (友人ができる) •前向きな動機をきっかけとして参加し、通所、ピア(グループ)、訪問、家族支援を、個別一 人ひとりの状況に合わせて柔軟に組み合わせて行う「多機能型サロン」とも言える相談支援拠点 の可能性を示唆 •自治体からの資金的な援助を得ることなく開催するモデルを構築(企業との協働) わくわく人生サロン 地域住民にとっての価値 高齢者にとって、自分の経験や興味を起点として地域に関わる機会や、支援されたり、高齢者的なテーマに区切られる ことのない居場所を持つことができ、同じ経験や悩みをもつ人と語らい、意欲が育っていく中で新たなことに取り組もうと する人が現れた
  84. 121 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs わくわく人生サロン 行政にとっての価値

    これまでの行政施策でアウトリーチすることが難しかった人に出会うことができるとともに、住民の主体性/潜在能力を核 に福祉計画全体を考えるという本質的な示唆を得た。そして、この示唆を活かして各施策を実行するために、暮らしの 総合計画ともいうべき大牟田市健康福祉総合計画を、縦割りの行政計画でなく、統合的に地域や生活を捉え直す構 造とした計画として策定した。 ✓ これまで別々に策定されていた、高齢、障害、健康増進、食育など9本の行政計画を、「地域共生社会の実現」という 共通のビジョンに向けて1つにまとめた。 ✓ 概要版については、通常、「計画のサマリー」にとどまりがちであったものを、「計画の理念を体感してもらうもの」へと位置 付けを変え、親しみやすいイラストを活用し、実際に大牟田で暮らしている人たちのエピソードを紹介する形とした。タイト ルにつけた「うずうず」は、わくわく人生サロンの際に見出した「温まる」を言葉にしたものである。この考え方(感覚)を行 政、市民と共有することを試みている。あわせて、計画策定の大牟田市側の担当者と強く理念を共感できるようにな り、それ以降計画推進全体のキーマンとなっている(現在、健康づくり課長)。
  85. 122 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 「疾病を前もって知ること=価値」の社会的合意 疾病の早期検知技術

    知る意味のデザイン (サービスコンセプトの転換) UI 生活者 知る意味の体験デザイン UX 「疾病を前もって知ること=価値」の社会的合意 疾病の早期検知技術 地域の調剤薬局 睡眠センサー・睡眠レポート 生活者 新規事業における体験デザイン UX わくわく人生サロン 企業にとっての価値 ⚫ 企業としては、これまで開発してきたアルゴリズムをサービスに活かすための土台となる、「(自らのことを) 知る意味のデザイン」の知見を獲得することができた ⚫ この知見をもとに、地域のかかりつけ薬局が地域住民と対話的な関係性を構築し、自らのことを知る体験 (UX)を提供するサービスモデルを提供
  86. 123 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs Coデザイン/リビングラボの事例: 専門職・行政職員等と考えるヘルスセンサー技術

    (1)技術・社会実装課題 ・睡眠センサー・電力センサーを活用した 軽度認知障害の検出アルゴリズムの開発 をしている ・他地域で実証実験を行う際、参加者が 集まらない。何が足りないか検討がつかな い。 (2)生活課題 ・高齢者扱いをされる「デイサービス」、高齢者だ けが集まる「サロン」以外の居場所がない (3)政策課題 ・介護予防、地域の担い手不足への対応におい て、高齢者の想いや意欲を中心に据え、引き出 すような施策が検討・実施できていない。 (4)課題の捉え返し ・参加へのためらいの背景には、「体調の変 化、特に疾病の予兆をあらかじめ知る」とい うことへの不安や恐れがあり、さらに「セン サーを介して知る」ということがその不安や恐 れを大きくしているのではないか。 (村瀬、上岡、石川、北嶋) 技術の 社会実装課題 リアリティを踏まえた 生活・政策課題 有識者知見に基づく 課題再設定 地域の現場での プロトタイピング (5)わくわく人生サロン それぞれの課題が重なる領域を捉え返し 新たな課題「知ることのデザイン」 を設定 ・具体的な示唆を得ることができる場とし て、一人ひとりにフォーカスした場で多様な 人に出会い、ユニークな「自分を知り直 す」わくわく人生サロンを企画・開催
  87. 126 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs (57/156戸) 2021年7月19日

    現在 とある市営住宅の全体像 棟数:26棟 全戸数:156戸 建設年:昭和41年~43年(築年数50年超) 入居世帯数:85世帯(132人) 高齢化率:62.88%(R2.4.1情報) 高齢単身世帯:41世帯 高齢者のみ世帯:52世帯 生活保護率27% 世帯割合: 1人世帯58% 2人世帯30% 3人世帯11% 4人以上1% 平均居住年数:33年 50年以上住んでいる人:19世帯 (R2.4.1情報)
  88. 132 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 政策の帰結としての居住環境の無機質化(公営住宅) ➢

    メゾネットタイプの長屋(昭和41~43年度建設)から地上10階建ての集合住宅に集約(それに伴う強制移転) ➢ 公営住宅は、慣習的に自主管理(共有部分の清掃、植栽の維持、共益費の徴収・使用など)が基本となっているが、政策的に低 所得者や高齢者、障害者が優先的に入居できる公営住宅では自主管理が困難になっているため、結果的に住民や行政の総意とし て、できる限り植栽を排除した無機質な空間が造成 ➢ 税金の効率的活用、使途の透明化の流れから、より効率的な建設が求められる 専用の庭部分に豊かな庭を作ったり、自由に増築して住みこなしている 植栽を排除するために、地面がアスファルトやコンクリートで覆われている
  89. 133 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 既存の役割は、生活者の暮らしの困りごと に届かない場合がある(はざまの問題)

    既存の役割(ビジネスや行政サービス)では関わりきれない問題 ➢ 長年住んでいた住まいから強制的に移転せざるを得ない高齢者たちは、住まいと,その生活設備,周囲の環境の変 化により,不安や孤独感などが大きくなり、せん妄や認知症、鬱病などが起こりやすくなる ➢ 既存の役割が、生活者の暮らしの困りごとに届かない(はざまの問題)ため、ビジネスや行政サービス)では関わり きれない 市営住宅 管理センター 福祉事業所 大牟田市 建築住宅課 自治会 (まちづくり準備会) 地域包括支援センター 有明高専
  90. 134 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 国民が後押しした持ち家政策(住宅すごろく:1973年→2007年) 上田篤・久谷政樹「現代住宅双六」(朝日新聞1973年1月3日)

    ➢ 1973年版の住宅すごろくはゴールが「庭つき郊外一戸建住宅」のみ。2007年版ではゴールが多様(6つ)になったもの の、住宅を所有するというトレンドは変わらず。 ➢ 持ち家という夢と、経済政策としての新築分譲という両輪が、日本の住宅政策を駆動。 ➢ 公営住宅はいずれにおいても、次の住宅のステップとして描かれているが、実際は多くの高齢者の終の棲家になってい る。
  91. 135 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 既存の役割は、生活者の暮らしの困りごと に届かない場合がある(はざまの問題)

    既存の役割から離れて生活者の暮らしに関わる実践の立ち位置 ➢ 皆が遠巻きにして関わっていなかった(既存の役割においては関わりきれない)市営住宅の問題を、誰かを責める問 題ではないと再定義しなおす(政策的帰結として、公営住宅が住宅セーフティネットとして活用され、高齢者や障害者等の生活に支援が必要 な人が暮らす場となり、地域コミュニティが維持できない状態になっている) ➢ 大牟田未来共創センターが、既存の役割から離れて、生活者の暮らしに関わる(コミットする)実践の立ち位置に飛 び込むことで、各関係機関のメンバーも既存の、もしくは、新しい役割で関わりはじめることができる 既存の役割から離れて生活者の暮らしに関 わる実践の立ち位置 市営住宅 管理センター 福祉事業所 大牟田市 建築住宅課 自治会 (まちづくり準備会) 地域包括支援センター 有明高専 市営住宅 管理センター 福祉事業所 大牟田市 建築住宅課 自治会 (まちづくり準備会) 地域包括支援センター 有明高専 大牟田未来共創センター
  92. 136 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs Well-beingな住まい方にまつわる「あるの世界」と「いるの世界」 スマートな先取りにより見落とされる「いる」の位相と、人のWell-beingにつながるアイデンティティ形成のあり方、ま

    た、アイデンティティ形成の具体的なアプローチ(DIY等の住みこなしの実践知)について明らかにした。 ・情報化によって扱える領域(「ある」の世界)による先取りが、人のアイデンティティ形成を奪う危険性。 ・それでは扱いきれない「いる」の世界。この部分におけるモノ・環境と身体のコミュニケーションの過程こそが、人のアイデ ンティティ形成に関わる重要な領域(住みこなし・ DIY、コモンズ・場所愛着、周囲・地域に対する自律性・自己効力感、予備) 石田英敬 現実の「先取り」・ アルゴリズム的統治性 石田英敬、東浩紀『新記号論 脳とメディアが出会うとき』(ゲン ロン叢書、2019) 「生命を被っている」という生のありよう(ヴァイツゼッカ―) 場所愛着 大谷華「場所と個人の情動 的なつながりー場所愛着、場 所アイデンティティ、場所感覚 ―」(環境心理学研究2013 第1回第1号、pp58-67、 2013) 大谷華 コモンズ・住みこなし 篠原聡子『アジアン・コモン ズ: いま考える集住のつなが りとデザイン』(平凡社、 2021) 篠原聡子 「いる」の世界 石井美保『環世界の人類 学 南インドにおける野生・ 近代・神霊祭祀』(京都 大学学術出版会、2017) 石井美保 伊藤亜紗 予防と予備 伊藤亜紗「予防から予備 へ:「パーソンセンタード」な 冒険のために」
  93. 139 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 市営住宅Aから市営住宅Bへの移転に対する関わり 再現

    移転 住みこなして きた住環境 身につけた「ふるまい」を生かした住みこなし (身体的な関わり) 対話的な場 現在/市営住宅A 未来/市営住宅B モデルルーム サポートする人 完成直前まで見学することができない (移転してからの住みこなし) サポートする人 馴染みの関係 馴染みの関係 移転後も続く伴走的関係 関係性の模索
  94. 144 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs 「住まう」にまつわる理念の転換:Being-wellのOS 顕在化した空き家をマッチングする制度があるが、近隣トラブルや社会的孤立、自治会運営困難化の加速

    につながるため、転換したアプローチが必要。潜在している空き家を地域住民と連携して探すとともに、可処 分所得の少ない若者や移住希望者も住宅確保が困難な人と捉え、「はたらくこと」や「地域とのつながり」も 含めてコーディネートする仕組みを創出 顕在化した空き家 (安価で借りることが できる) 住宅確保が困難な人 (ひとり親、高齢者など) 生存権の保障 地域で増加する空き家を、住宅確保が 困難な人にマッチング 潜在している空き家 *地域住民と連携して探す (家主へのアプローチ) 住宅確保が困難な人 の範囲を拡張 (若者、移住者も含む) Being-well※(幸福追求権)の保障 住まいを、生活や人との関係等を「つくる」場と捉え直し、 「はたらく」ことや移住・定住等の文脈に位置づける ※イギリスやオランダ等において「国から認可された家主が、家賃、入居者の所得、住戸割当方法に関する協定 を国と結び、供給・管理する賃貸住宅」。一般の賃貸住宅よりも安価で借りることができる。日本においては公 営住宅(全体の戸数の3%程度)しかないのに対し、イギリスやオランダ等では社会賃貸住宅が2~3割あ り、ある程度の所得がある人も住むことができる。 はたらく リノベーション/管理 移住・定住 地域との つながり コーディネート 中間支援団体 ※住宅セーフティネット制度等 ※どのような状態でも、本人の存在が肯定され、力が発揮されている状態
  95. 145 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs Coデザイン/リビングラボの事例: 建築専門家・行政職員等と考えるスマートシティ技術

    (1)技術・社会実装課題 ・IoT、音声アシスタント、家電遠隔操作 アプリなど、Well-beingに暮らすスマート シティ・スマートホームに関する設計手法 の研究に向けて、従来の技術を設置する だけのアプローチに限界を感じている (2)生活課題 ・市営住宅に住む高齢者の移転への不安、自 分の一部となっている ・住まい・住環境との別れの準備、新たな住まい への適応・住みこなし (3)政策課題 ・市営住宅の移転に伴う引越しにおいて起こる 「リロケーションダメージ(アイデンティティ・クライシ ス)」への対応が必要。 (4)課題の捉え返し ・「Well-beingに暮らし」は、豊かなアイデ ンティティ形成と不可分であり、それは「人と 社会」のみならず、「人とモノ」「人と住まい」 「人と空間」へ広がっている。一方で、「ス マートさ」は、それが形成される契機を奪う 可能性が孕まれているのではないか。 (伊藤、石井、三宅、篠原) 技術の 社会実装課題 リアリティを踏まえた 生活・政策課題 有識者知見に基づく 課題再設定 地域の現場での プロトタイピング (5) 「AR的モデルルーム」 ・これら3つが折り合うところに新たな課題「アイデ ンティティ形成を促す設計」を設定 ・具体的な示唆を得ることができる場として、アイ デンティティの再構成、新たな住宅との関わりを可 能とする、)「AR的モデルルーム」「住みこなし DIY」等の企画・開催
  96. 147 Copyright 2025 Japanese Network of Living Labs ワーク 企業のデザイン実践(ソーシャルデザイン)の事例を聞いて、感じたこと、調べてみたいと

    思ったことを書いてください。 【STEP1.個人ワーク】 個人で考えてメモを取る 【STEP2.グループワーク】 個人で書いたメモを共有して、グループで話す 【STEP3.全体共有】 グループで話したことをの発表係が共有する