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GX推進による好循環な地域金融

abenben
March 06, 2025

 GX推進による好循環な地域金融

2024年4月6日開催の「GX推進による経済の活性化~AI時代における金融のチカラ~」FinGATE Campus 第18回(フィンテック養成勉強会#51)にて発表した『GX推進による好循環な地域金融 ~GXを活用し、根本的な構造変革を促すシステム思考~』のスライドです。
https://fintech-engineer.connpass.com/event/346025/
#fingate #finengine #JapanFintechWeek2025 #JapanFintechWeek

abenben

March 06, 2025
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  1. 2024年4月〜 PayPay証券会社 2023年11月〜 2024年3月 フリーランス 2020年2月〜 2023年10月 Instituion for a

    Global Society株式会社 2013年1月〜 2020年1月 三菱UFJトラスト投資工学研究所 それ以前 ANTAS、NTTデータ先端技術、NSD 一般社団法人Privacy by Design Lab 事務局 一般社団法人第二地方銀行協会 SARBLAB DXオンボード コアアドバイザー 株式会社コミュカル 技術顧問 教育&HR企業でブロックチェーンを活用したWeb3プロジェクトのテック リードを担当(現在は証券サービスのプロダクトマネジャー) Pythonや機械学習、ブロックチェーン、クラウド、金融、ソフトウェア開発 に関するITコミュニティのスタッフ(主にコンテンツ企画担当)や、先端技術、 ビジネスや組織改革のイベント企画、執筆などの個人活動を行う。 [コミュニティ運営スタッフ] Start Python Club、フィンテック養成コミュニティ、Fin-JAWSほか多数 監修、執筆、翻訳、査読、企画協力 ・Sparkによる実践データ解析 ―大規模データのための機械学習事例集 ・マンガと図解でスッキリわかる プログラミングのしくみ ・実践 金融データサイエンス 隠れた構造をあぶり出す6つのアプローチ ・テスト駆動Python ・あたらしいPythonによるデータ分析の教科書 ・みんなのブロックチェーン ・フィンテックエンジニア養成読本 ・Python 3スキルアップ教科書 ・After GAFA 分散化する世界の未来地図 ・金融AI成功パターン ・AI×Web3の未来 光と闇が次世代の実業に変わるとき 阿部 一也 フィンテック養成コミュニティ共同発起人 Profile
  2. こんなGXプロジェクト、いかがでしょう? 例1:山間部の木材を使ったバイオマス発電。 地域の廃材を活かす 例2:商店街全部で省エネ化に踏み切る → 浮いたコストを新サービスに 例3:地元の中小企業を集めてグリーン電力を共同購入 → ブランド力アップ 例2のイメージ:商店街の省エネ化を部分的に実施

    観点 対症療法だけ システム思考で根本治療 投資範囲 個別店舗や個別企業がバラバラ に対応 商店街全体・地域全体で協力する計画を作り、 一斉に導入 融資スタイル 短期返済や担保重視。「とりあ えず貸すが、返済はすぐ始ま る」 中長期的な投資を見越した柔軟なサポート。 「成果が出るまで伴走しよう、専門家も一緒 に」 成果の広がり 部分的な省エネしかできず、経 費が少し減った程度。客数や雇 用はあまり増えない 大幅なコスト削減+売上増の余力を活用して、 新事業やPR、観光誘致などに発展しやすい。 地域ブランドも高まる 銀行の役割 「貸し付けたお金が返ってくれ ばOK」という受け身 地域全体の構造を考え、企業や自治体と連携 して具体的な施策を立案。新規需要を掘り起 こし、地方が元気になると銀行も得をする Win-Winモデルへ 長期的影響 数年後、金利や返済負担がきつ くなり、結局設備更新もままな らない 商店街が収益アップ&地域の人材も増える。 さらにグリーン投資の波及効果で、地域経済 が活性化。銀行の融資先も増え、長期にわた る収益源になる 商店街 全体で 投資 効果が 大きく 収益増 雇用拡 大&お 客さん 増 新しい 事業が 生まれ る 地域が もっと 活気づ く さらに 銀行の 融資機 会も広 がる 売上増、雇用増、地域の省エ ネ率も上がる。銀行が地域と 長く伴走するモデルができる 部分的 にしか 投資で きない 効果が 小さい 利益が さほど 増えな い 銀行も また短 期返済 を求め る 更に大 きな投 資がで きない 地域経 済が活 性化し ない 借り手 が減る 銀行の 将来も 不安 「少し良くなっただ け」でプロジェクトが しぼみ、地方全体が本 当に元気になるところ まではいかない。 悪循環 好循環
  3. ぶつかりそうな壁、そしてそれを超えるための方法 壁 • 銀行のノルマや短期志向 (すぐ利益を出さなくちゃ、というプレッシャー) • GX効果を見える化できず、投資 判断が難しい • 外部の専門家や、他地域の成功

    事例を取り入れる仕組みが弱い カギ • 銀行トップが中長期のビジョ ンを掲げ、現場に浸透させる • 企業・自治体・銀行が情報を 共有する場をつくる • 外部人材の受け入れ、スタッ フの研修やチャレンジを促す