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メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析/ipsj-ss...
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NAKAZONO Nagayoshi
August 16, 2026
Education
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メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析/ipsj-sss2026-7-2
NAKAZONO Nagayoshi
August 16, 2026
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Transcript
2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 7-2 [実践] メディアリテラシー科目における フェイクニュース疑似発信演習の 改善と経年変化分析
麗澤大学 国際学部 NAKAZONO Nagayoshi 中園 長新 本研究は、JSPS科研費JP21K02864ならびにJP25K06475の助成を受けたものである
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 本発表の位置付け 初年度実践の発表 中園長新(2024)「メディアリテラシー科目に おけるフェイクニュース疑似発信演習の実践」 『情報処理学会研究報告 コンピュータと教育(CE)』 Vol. 2024-CE-174, No.
11, pp. 1-9. 情処CE研 第174回研究発表会@麗澤大学(2024-03-09) 【本発表】実践を3年間(2023~2025年度)実施し、 演習の改善ポイントや経年変化を分析 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 2
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 Summary 大学のメディアリテラシー科目において、3年間にわたって フェイクニュース疑似発信演習を実践し、その改善に伴う 受講者の意識の経年変化を分析 2023: 対策をプラットフォーム運営者や政府等の外部に委ねる ↓ 2025: AIの影響や心理的メカニズムを構造的に理解し、
ファクトチェックの活用など自分事として主体的に対応しようとする姿勢 受講者がフェイクニュースを単なる「個人の注意」ではなく 「複雑な社会課題」と捉える傾向が強まっている 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 3
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 フェイクニュース フェイクニュース ≒ 偽・誤情報 事実かどうかわからない情報の代名詞 デマや陰謀論、プロパガンダ、ディープフェイクなど、様々な意味 社会問題の一つとして認識 ポスト真実(post-truth) 「事実」よりも「真実とみなされるもの」のほうが影響力大
それが事実であれ虚構であれ、支持されたものが真実となる ※ フェイクニュースの定義は研究者によって様々であるが、 本発表ではわかりやすさを重視して紹介している 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 4
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 研究の目的と意義 大学のメディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信 演習を開発ならびに改善し、その実践によって受講者がどのような ことを考えたのかを把握するとともに、それが実施年度において 変化したかどうかを検討することを目的とする 授業という閉じた空間で実践する演習 社会的なリスクを回避しながら受講者がフェイクニュースを実践的に 扱うことができるようになることが期待される 演習の結果を分析することにより、実践的なフェイクニュース演習の
必要性を明らかにする 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 5
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 実践を行った授業科目 麗澤大学国際学部の専門科目「現代社会とメディア」 専門科目(選択科目)、3年次以上学生対象 履修者数: 毎年度おおむね50名前後 教科書:坂本・山脇(編著)(2022) 『メディアリテラシー:吟味思考を育む』時事通信社 フェイクニュースに関する学修 教科書内容講義において随所に登場
2023・24年度はゲーム教材 「To Share or Not to Share」を活用 2025年度はフェイクニュースとポスト真実に関する講義 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 6
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 「現代社会とメディア」の学修内容 実施回(実施年度) 2023 2024 2025 学修内容 形態 1-4 1,3-5
1-4 教科書第1部の講義 (現代社会におけるメディアの様相、メディアリテラシーの本質、 デジタル・シティズンシップ、批判的思考とメディアリテラシー) 5-7,9 2,6-8 5-8 教科書第2部に基づくグループワーク 演習 8 9 – 現代社会とメディアに関する研究動向調査 演習 10 10 – SNSとメディアリテラシー(ゲーム教材演習) 演習 11-13 11,12,14 10,12,13 メディアの歴史調査・発表会 講義 演習 – – 9 フェイクニュースとポスト真実 講義 14 13 11 フェイクニュース疑似発信演習 【本研究の実践】 演習 – – 14 異なる視点からの教科書再考 講義 授業は1コマ100分、全14回/青字の回はオンデマンド形式で実施 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 7
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 フェイクニュース疑似発信演習(概要) フェイクニュースと真実のニュースを出し合い、もっとも真実に 見えるフェイクニュースを投票で決定する 「一見フェイクに見えるが正しいニュース」と「一見正しく見えるが フェイクのニュース」それぞれの「タイトル(見出し)」を考え、クラス内で 共有し、「どのニュースタイトルがもっとも真実っぽいフェイクニュースか」 を投票で決定 もっとも投票数が多かったフェイクニュースが優勝だが、 「正しいニュース」が選ばれた場合はアウト
各ニュースタイトルの真偽については伏せた状態で共有する (演習後に答え合わせとして真偽を確認する) 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 8
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 フェイクニュース疑似発信演習(流れ) 1. 2. 3. Moodle から【提出用】フォーム(Googleフォーム) を開き、各ニュースタイトルを提出する (氏名や真偽も) Moodle
から【演習用】フォーム(Slido)を開き、 各ニュースタイトルの「タイトルのみ」を提出する (氏名や真偽は書かない) Truth? Fake? Slido News 1 News 2 News 3 (1) post News 4 受講者全員の提出が終わったら、Slidoですべての タイトルを参照し、もっとも真実っぽい「フェイク ニュース」のタイトル(1つ)に投票する Google Forms 5. 投票が終わったら、どのタイトルが多くの票を獲得 したか、クラス内で確認する ID, Name Truth News Fake News 6. 【提出用】フォームの提出内容をクラス内で共有し、 答え合わせをする … 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス (2) judgment … 4. 各自で「正しいニュース」と「フェイクニュース」の タイトルを考える ID, Name Truth News Fake News (3) checking answers 9
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 ツールの活用 授業用LMS: Moodle 教材配付、事後アンケート実施 Googleフォーム 記名での投稿 スプレッドシートで回答管理 Slido Slido
匿名での投稿 「いいね」ボタンでの匿名投票 Googleフォーム 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 10
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 年度ごとの改善点 2023 一見して明らかに嘘、既知のニュース等が散見 誹謗中傷や差別的な内容もあり 2024~ 授業内解説の調整 一見してジョークとわかるものは適さないことを強調 誹謗中傷や差別など、相手が嫌な気持ちにならないかよく考える 2025
実践の前段階の変更 「To Share or Not to Share」サービス休止 フェイクニュースやポスト真実、パロディコンテンツ等に関する講義 e.g.) 虚構新聞、国際信州学院大学 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 12
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 演習の実際 授業実施回 2023・2024: 最終回授業 2025: 第11回授業 年度 授業回 実施日
参加者 分析対象者 2023 第14回 2024/01/09 45 44 2024 第13回 2025/01/15 50 48 2025 第11回 2025/12/09 48 47 以降、分析対象者数を母数として分析 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 13
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 演習後アンケート 1. 演習に対する感想(1~5のランクで回答) a. 演習は楽しかった b. 演習は難しかった c. 演習は考えることが多かった
d. 演習は今後の生活に役立つと思う 本研究では • 設問(1a)~(1d)を分析、 経年変化考察 • 設問(6)の自由記述を分析・考察 2. 演習で楽しかったところ 3. 演習で難しかったところ 4. 演習で考えさせられたところ 5. 演習で今後の生活に役立つと思うところ 6. 演習を終えて、フェイクニュースについてどのように考えているか 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 14
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 演習に対する感想 1/2 0.0% 2023 15.9% 11.4% 11.4% 2023 61.4%
4.2% 4.2% 2024 6.3% 6.3% 14.9% 0% 13.6% 36.4% 25.0% 4.2% 2024 79.2% 2.1% 2025 11.4% 13.6% 12.5% 14.6% 29.2% 39.6% 4.3% 12.8% 23.4% 20% 40% 2025 46.8% 60% そう思わない あまりそう思わない まあまあそう思う そう思う 80% どちらとも言えない (1a) 演習は楽しかった 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 100% 14.9% 0% 21.3% 20% 38.3% 40% 60% そう思わない あまりそう思わない まあまあそう思う そう思う 21.3% 80% 100% どちらとも言えない (1b) 演習は難しかった 15
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 演習に対する感想 2/2 2023 11.4%6.8%9.1% 29.5% 2023 43.2% 11.4% 11.4%
4.2% 35.4% 2024 8.3% 45.8% 8.5% 6.4% 0% 20.5% 36.4% 4.2% 2024 4.2% 10.4% 2025 20.5% 8.3% 29.2% 50.0% 2.1% 4.3% 20% 38.3% 40% 2025 10.6% 8.5% 42.6% 60% そう思わない あまりそう思わない まあまあそう思う そう思う 80% どちらとも言えない (1c) 演習は考えることが多かった 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 100% 0% 20% 36.2% 40% 42.6% 60% そう思わない あまりそう思わない まあまあそう思う そう思う 80% 100% どちらとも言えない (1d) 演習は今後の生活に役立つと思う 16
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 演習に対する感想の分析 年度によらず、受講者に好意的に受け止められた 楽しみながら学べたが、簡単ではなかった 感覚的側面「楽しかった」「難しかった」 学びの本質「考えることが多かった」 必ずしも連動しない 「今後の生活に役立つ」は初年度のみやや低評価 → 2年目以降は授業者(発表者)が慣れてきた?
2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 17
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 フェイクニュースへの意識(共起ネットワーク) ニュースと真実の 関係性考察・判断 2024 2023 地震、災害 →演習直前に発生した 能登半島地震の影響 2026-08-21
Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 2025 自分自身で考える ことの重要性 18
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 フェイクニュースへの意識(AIを援用した分析) 1/3 設問(6)の自由記述回答をGoogleのNotebookLMで分析 各年度の特徴 各年度の共通点・相違点・変化している点 NotebookLM(Google Gemini)の回答をそのまま使うのではなく、 筆者(発表者)がAI回答とアンケート回答を見比べた上で 適宜取捨選択・一部改変して利用
NotebookLMに与えたプロンプトは 予稿集 p.178(6ページ目)に記載 ※NotebookLMは、2026年7月下旬に「Gemini Notebook」に改称 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 19
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 フェイクニュースへの意識(AIを援用した分析) 2/3 年度 2023 2024 2025 フェイクニュースの 許容範囲 具体的な懸念事項
推奨される対策 メディアリテラシーの重要性 • 明らかな嘘 • エンタメとして楽しめる 範囲内 • 災害時の救助要請の 虚偽投稿 • AIによるディープフェイク • デマによるパニック • 政治的意図による世論操作 • プラットフォーム運営者による コンテンツ管理 • 発信者の責任感の向上 • 情報源の確認 • 政府や学校による教育の実施 情報の真偽を精査し,鵜呑みに せず批判的に読み解く能力が、 受け手・発信者の双方に不可欠 • 誰も傷つけない • 明らかな嘘 • ほのぼのネタ系 • AI生成画像の悪用 • 収益目的の過激なタイトル • 政治・戦争に関連する 情報操作 • SNS上での差別や誹謗中傷 の助長 • 公的機関によるフィルタリング や法整備 • AIに対する規制 • 情報の多角的な検証 • 批判的思考の導入 感情に流されず、公的機関の情 報を確認するなど、個人が「情報 の目利き」になることが社会全体 の防衛策となる • 明らかな嘘 • 実害の少ないジョーク • 災害時のパニック誘発 • 公的ニュースへの偽装 • アルゴリズムによる拡散 • 個人の思考や行動を無意識に 支配するリスク • ファクトチェックツールの活用 • 信頼できる情報源の固定 • 拡散前の自制心の保持 • 学校での体験的学習の導入 フェイクニュースは個人の欲望や 不安に付け込むため、情報の裏 側にある意図を読み解く能力が 重要視される 青字:「他者」による解決志向 / 赤字:「自分事」としての解決志向 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 20
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 フェイクニュースへの意識(AIを援用した分析) 3/3 フェイクニュース対策の主たる行動者 運営者や政府等の他者 → 自分自身(ファクトチェックツールの活用等) AI に対する認識 表面的なもの
→ 具体的活用例を伴う具体的なものへと変容 フェイクニュース問題の本質 情報の真偽を精査する「個人の注意」 → 技術や心理的要素が複雑に絡み合う「社会課題」へ移行 問題を自分事として捉える姿勢 複雑な社会課題であるという理解の深化 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 21
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 考察 学びとしての難易度を持ちつつ、楽しみながら学べる演習 フェイクニュースについて正対し、自分事として考える機会を提供 年度毎の受講生の意識相違 社会情勢や受講生の違い、直前の災害等の影響を受けやすい可能性 フェイクニュースの多面性 娯楽・エンタメであれば許容できる? 線引きには個人差が大きい 人権意識・道徳観
教員が事前注意しても誹謗中傷のような投稿あり 教員の事前検閲が必要? 演習運営における今後の課題 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス 22
メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の改善と経年変化分析 Summary(再掲) 大学のメディアリテラシー科目において、3年間にわたって フェイクニュース疑似発信演習を実践し、その改善に伴う 受講者の意識の経年変化を分析 2023: 対策をプラットフォーム運営者や政府等の外部に委ねる ↓ 2025: AIの影響や心理的メカニズムを構造的に理解し、
ファクトチェックの活用など自分事として主体的に対応しようとする姿勢 受講者がフェイクニュースを単なる「個人の注意」ではなく 「複雑な社会課題」と捉える傾向が強まっている 2026-08-21 Fri. 情報教育シンポジウム SSS2026 @広島大学霞キャンパス Acknowledgment 本研究で実践したフェイクニュース疑似発信演習は、立教大学 村上祐子教授の 授業実践に着想を得て、本研究発表者が独自に開発したものである 23