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プルサーマル202211アップ用.pdf

HKano
December 22, 2022

 プルサーマル202211アップ用.pdf

• 第1部 プルサーマル序章
• 第2部 六ヶ所再処理工場運転開始正当化のためのプルサーマル
• 第3部 余剰プルトニウムは量的概念ではないーー核兵器国が核
兵器用と言えば、軍事用余剰ではないのと同じ?
• 第4部 再処理継続正当化論ーー本音と新たな謳い文句
• 第5部 国際的影響と解決への協力?

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December 22, 2022
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  1. 概要 • 第1部 プルサーマル序章 • 第2部 六ヶ所再処理工場運転開始正当化のためのプルサーマル • 第3部 余剰プルトニウムは量的概念ではないーー核兵器国が核

    兵器用と言えば、軍事用余剰ではないのと同じ? • 第4部 再処理継続正当化論ーー本音と新たな謳い文句 • 第5部 国際的影響と解決への協力?
  2. 六ヶ所再処理工場・MOX燃料工場現状まとめ 再処理工場 (800t/y:1993年建設開始) 2020年7月29日 原子力規制委の新規制基準に基づく審査に合格 2020年8月21日 竣工延期 2021年度上半期から2022年度上半期へ *実際のせん断は2023年度 2021年7月:更田原子力規制委:[完成目標]普通に考えて難しいと思う

    2022年9月7日 竣工延期26回目 県・村に報告 新たな竣工目標時期 年内公表と MOX 燃料工場(建設開始2010年)近年は再処理工場から2年遅れの運転開始計 画 2020年12月9日 原子力規制委審査に正式合格 2020年12月16日 竣工延期 2022年度上半期から2024年度上半期へ(これも合わせて延期?) 2022年10月26日 進捗率:約9.4%
  3. なぜ再処理か 問題 (と思われた) ウラン資源は希少 + 原子力発電が世界で急速に増える ウランが枯渇する! 燃えるウラン235を使う軽水炉ではダメ 天然ウランに0.7%だけ 燃えないウラン238から原子炉で生じるプルトニウムの利用が必要

    解決策 (のはずだった) 米国主導 高速増殖炉の夢 使った以上のプルトニウムを生み出す ↑初期装荷燃料用プルトニウムが必要:軽水炉使用済燃料再処理 ウランは枯渇せず、問題自体が消滅 増殖炉技術も難しく「解決」の夢もシャボン玉のごとく消える ここで再処理構想は破綻 だけど・・・
  4. 1970年代の予測:ウラン枯渇➡高速増殖炉が支配的に ←米国原子力委員会予測 1974年 2010年の米国原発発電容量 2300Gwe 100万kW 級2300基分 高速増殖炉 軽水炉 実際の米国の原子力発電容量

    米国の電力全部を発電できる容量 U.S. 実際の 原子力発電 容量 米国2022年現在 軽水炉 基数:92基 設備容量:95GWe 高速増殖炉 ゼロ http://www.world-nuclear.org/information-library/country-profiles/countries-t-z/usa-nuclear-power.aspx 単位:GWe(百万kW) 2010年 2300基分 http://kakujoho.net/npp/repro_j.html 約70% (1600基分)
  5. 日本における高速増殖炉の夢 原子力委員会長期計画 • 1956年 わが国の国情に最も適合 • 1961年 自立体制を取った場合不可欠 • 1967年

    将来の原子力発電の主力 • 1972年 将来、原子力発電の主流 • 1978年 将来の発電用原子炉の本命 • 1982年 将来の原子力発電の主流 • 1987年 将来の原子力発電の主流 • 1994年 将来の原子力発電の主流 • 2000年 将来のエネルギーの有力な選択肢 • 2005年 将来における核燃料政策の有力な選択肢 背景にあるのはウラン資源は希少で、原子力発電が世界で急 速に増えるとの考え 7
  6. 長期計画に現れた再処理計画 1956年 初期は日本原研 1961年 原子力発電規模増大した段階においては国内で 1967年 国内で行う原則。 1972年 燃料安定供給・安全確保に重要。新型炉に不可欠。国 内が原則。

    1978年 ウラン資源に乏しいわが国に不可欠。国内が原則。 1982年 自主性の他廃棄物の適切な管理・処分にも重要 1987年 自主性確保ため、原則、国内で。エネルギー安定供給。 廃棄物の適切管理 1994年 自主性確保ため、原則、国内で。 2000年 供給安定性の向上、原子力の長期供給を可能に。 2005年 供給安定性の向上、原子力の長期供給を可能に 8
  7. 遠ざかり続ける高速増殖炉の夢 高速増殖炉の実現時期予測 1961年 1970年代後半以降 15年後 1967年 1985-90年 23 1972年 1985-95年

    23 1978年 1995-2005年 27 1982年 2010年頃 28 1987年 2020年代-2030年頃 38 1994年 2030年頃まで 36 2000年 柔軟かつ着実に検討 2005年 2050年頃から 45 9 2014年2月のエネルギー基本計画 「増殖」の文字が消え「高速炉」に 2018年戦略ロードマップ 「高速炉の本格的利用が期待されるタイミングは21世紀後 半のいずれかのタイミング」 http://kakujoho.net/npp/fr10ys.html
  8. 先導していた米国の撤退、不退転の決意の日本 1974年インド核実験の警鐘 民生用プルトニウム使用 米国 1976年選挙でカーター政権登場 政策見直し:「高速増殖炉経済性なし」との結論 つまり日本の再処理計画は破綻 (再処理は元々、高速増殖炉用) 1977年 東海再処理工場試運転開始

    ☚カーター政権中止要請 (1969年から 英仏再処理委託 2001年輸送終了) 1993年 六ヶ所再処理工場建設開始 97年完成予定 約8トン/年 1995年 もんじゅナトリウム火災:つまり再綻綻! ➡2018年廃炉決定 1997年 プルサーマル計画発表 ウランとプルトニウム混ぜたMOX燃料 2010年までに16-18基導入 年間7-11トン(Put)の消費計画 ↑六ヶ所運転正当化、だが *MOX燃料は低濃縮ウラン燃料の10倍レベルのコスト 2001年9・11➡ 2005年 エルバラダイIAEA事務局長再処理凍結案発表 2006年3月末 六ヶ所再処理工場ホットテスト開始
  9. プルトニウムをどうする? 出典 我が国のプルトニウム管理状況 2022年7月12日 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/sitemap/pdf/kanri220712.pdf 2021年末 国内 9.3トン 英国 21.8トン

    フランス 14.8トン 合計 約45.8トン=約5700発分 IAEA:8㎏のプルトニウム➡最初の1発が製造できると想定 六ヶ所試験再処理量425トン 分離量3.6トン
  10. 対応策はプルサーマル? 貯まったプルトニウムを普通の原発(軽水炉)で消費して 「需給」関係の辻褄を合わせようという試み 六ヶ所運転正当化のため 1997年目標 2010年までに合計16~18基導入 2009年目標 2015年までに合計16~18基導入 年間7-11トン(Put換算) http://www.fepc.or.jp/about_us/pr/sonota/__icsFiles/afieldfile/2010/09/17/plu_keikaku.pdf

    1)長計 つなぎ的役割としての位置づけ 2)宅間正夫氏の説明 「1997年から」=1995年もんじゅ事故の後 日本原子力学会シニア・ネットワーク連絡会会長、日本原子力学会会長、日 本原子力産業協会副会長、東京電力柏崎刈羽原発所長 徹底Q&A 知ってナットク原子力―100億人のエネルギー サイクルの理由 (電気新聞 ブックス) 出典 http://kakujoho.net/mox/mox.html#id5
  11. プルサーマル実績 2020年末までの消費量 4.5トン MOX燃料搬入開始 1999年 MOX燃料使用開始 2009年 (福島第一3号は2010年) MOX燃料利用実績 新規照射

    (kg) 2021年3月3日現在、再稼働MOX利用炉4基:合計平均年間利用想定約2トン* 社名 原子炉 2009 2010 2011 2012 -15 2016 2017 2018 2019 2020 敷地内未使用 2020年末 関西電力 高浜3 号 08体368 0 同 1月再16体 721 04体181 0 0 0 高浜4 号 0 0 福島事故影響運 転停止継続★ 2月再4体 184(3日後 運転停止) 016体703 0 0 0 九州電力 玄海3 号 16体 677 0 同 4月再 16体640 4体 160 0 0 四国電力 伊方3 号 016体633 8月再 0 0 0 0 0 198 合計 677 1001 905 0 1524 160 0 198 ★福島事故影響運転停止継続 高浜3:12年12月11日~、高浜4:11年7月21日~、玄海3:10年12月11日~、伊方 3:11年4月29日~ 再=再稼働 1999年の最初の英仏からのMOX燃料搬入以来の利用量 4477kg(2010年装荷の福島第一3号32体210kgを含む)。 搬入総量5093㎏(柏崎3号28体205kg、浜岡4号28体213kgを含む) *数字出典:六ヶ所再処理工場回収プルトニウム利用計画(2010 年度) 2010年 9 月 17 日 電気事業連合会 https://www.fepc.or.jp/about_us/pr/sonota/__icsFiles/afieldfile/2010/09/17/plu_keikaku.pdf
  12. 現在MOX装荷炉4基 年間消費想定約2トン分 原子力発電所新規制 基準適合性審査状況 とMOX利用炉 2021年9月15日現在 http://kakujoho.net/npt/aec_pu2.html#moxstts 原発名:福島事故時の MOX利用許可炉 10基

    福島第一3号含む 柏崎刈羽3号は2002年 地元事前了解取消決定。 浜岡4号は14年静岡県知事白紙撤回。 原発名:2010年9月計画の16~18基のう ち福島事故時にMOX利用未許可 原発名 右合計 27 基:建設中の大間(炉心全体 にMOX燃料装荷の設計)と島根3 を除 くと 25 基 未申請8基 原発名
  13. 名義変更でプルサーマル促進? 四電・九電の仏保管分底をつく http://kakujoho.net/npp/pu_fepc.html 2020年末現在 使用可能なプルトニウム(敷地内 MOX燃料内)伊方3号の198㎏のみ これで九州・四国電力の2社は仏保管分を使いつくすことに *他の敷地内保管分少なくとも当面利用不能(柏崎3号 28体 205kg、浜岡4号

    28体 213kg) そこで、2021年利用計画にスワップ(名義変更)案登場 「プルトニウム利用計画について」 電事連 2021年2月26日 自社で保有するプルトニウムを自社のプルサーマル炉で消費することを前提に、事業者間の連携・協力等 を含めて、海外に保有するプルトニウムを消費するためのあらゆる方策を検討中 である。 この前提なら、スワップ可能最大量:わずか2,517㎏ 六ヶ所 年間約7トン 四電・九電両社英国保管分➡東電 同量の東電仏保管分➡四電・九電両社 *参考:各電力会社の所有量2021年末 https://www.fepc.or.jp/resource_sw/220331_plutonium.pdf 前例:2013年独・日間 プルトニウム処分を急ぐ独と処分の意思のない東電 英国の独分プルトニウム650kg➡日本所有(東電) 仏の東電分650㎏ ➡独所有 http://kakujoho.net/npt/cap_pujp.html
  14. スワップ言及の2021年利用「計画」まとめ https://www.fepc.or.jp/about_us/pr/oshirase/__icsFiles/afieldfile/2021/02/26/press_20210226_3.pdf 新利用計画(2021年2月26日)電事連 (単位:トンPut(全プルトニウム量)) 電力会社 原子炉 21年度 22年度 23年度 24年度

    25年度 26-30年度 関西電力 高浜3・4号 0 0.7 1.4 電力会社・原子炉の特定無し 四国電力 伊方3号 0.2 0 0 九州電力 玄海3号 0 0 0 他社 0 0 0 合計 0.2 0.7 1.4 0.7 1.4 ~2.8 ~約6.6(12基)  スワップ必要:伊方3号のプール内保管の[この時点での]最後の0.2トンのプルトニウムを含むMOX燃料。 21年9月20日装荷完了、同12月2日試運転開始。  仏製造問題:高浜3・4号は、それぞれMOX燃料16体の製造契約を2017年と2020年の両年に仏アレバ社と結 んでいる。2017年9月21日到着の16体が703㎏であったこととこの表の数字から合計0.7X4=2.8トンと推定され たが、実際に21年11月17日到着の高浜4号用16体(17年契約分)は629kg(原子力委)。22年11月到着の3号 用16体(17年契約分)は? 22年2月18日発表の利用計画でも、22・23・24年度それぞれ0.7トンとなっている。 http://kakujoho.net/npp/pu_swp.html
  15. 2022年利用「計画」まとめ https://www.fepc.or.jp/about_us/pr/oshirase/1260692_1458.html 2022年利用計画(2022年2月18日) 電事連 (単位:トンPut(全プルトニウム量)) 電力会社 原子炉 21年度* 22年度 23年度

    24年度 25年度 26年度 27~30年度 関西電力 高浜3・4号 0 0.7 0.7 0.7 この部分は、電事連の表の注「2025年度以降の プルトニウムの利用量の見通し(全社合計)」か ら記入 ★名義変更プルトニウム装荷 いつ? 玄海3号 26年以降 伊方3号 27年以降 地元紙報道など 出典 http://kakujoho.net/npp/pu_swp.html 四国電力 伊方3号 0.2 0 0 0 九州電力 玄海3号 0 0 0 0 他社 0 0 0 0 合計 0.2 0.7 0.7 0.7 1.0 2.1~約6.6トンPut/年** *2021年度のデータは2021年2月26日発表の計画に示されていたものを核情報が挿入 **電事連表の原注:「2027年度以降、2030年度までに、800トンU再処理時に回収される約6.6トンPutを消費で きるよう年間利用量を段階的に引き上げていく」☚でないとプルトニウムがどんどん増える「計画」になるから 決意表明
  16. プルサーマル実績まとめ vs. 目標 実績 • 最初の搬入の1999年から2021年の合計利用量 約4.7トン 平均年間利用量 約200kg •

    2009年の実際の使用開始から2021年まで 平均年間利用量 約360kg • 福島事故後に最初のMOX利用炉が再稼働となった2016年から2021年まで 平均年間利用量 約465kg • 現在稼働中のMOX利用炉4基(年間約2トン分)がそろった2018年から2021年 平均年間利用量 約470kg 出典:http://kakujoho.net/npp/pu_swp.html 目標 1997年 2010年までに合計16~18基導入 2009年 2015年までに合計16~18基導入 年間7-11トン(Put換算) 六ヶ所分は使えるよ! 六ヶ所再処理工場建設遅延は不幸中の幸い 予定通り97年運転開始ならいまごろ プラス約160トン 核兵器2万発分
  17. 2013年原子力委員会決定と2018年改訂 「余剰プルトニウムを持たないとの原則」明確化? 2003年8月原子力委決定 当時間近に迫った六ヶ所再処理工場運転正当化 電気事業者は、プルトニウムの所有者、所有量及び利用目的(利用量、利用場所、利用 開始時期、利用に要する期間のめど)を記載した利用計画を毎年度プルトニウムを分離 する前に公表 *原子力委員会は、その利用目的の妥当性について確認。これでOK!? 2018年1月16日原子力委改訂方針決定 仏の2003年の方針を手本に

    フランスには、余剰プルトニウムを発生させないために、一定期間の分離プルトニウム の利用見通しにしたがって、使用済燃料を再処理するという政府のガイドラインがある。 *フランスでは上記方針採用時にMOX工場がすでに稼働。日本のMOX工場は? http://kakujoho.net/npt/cap_pujp.html 2018年7月31日決定 「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方」 …上記の考え方に基づき、プルトニウム保有量を減少させる。プルトニウム保有量は、 以下の措置の実現に基づき、現在の水準を超えることはない。… *「現在の水準」の定義があいまい。消費再処理工場の処理量を厳格にコントロールで きるか不明。厳格にやれば、再処理単価がさらに高騰。乾式貯蔵導入が遅れれば? http://kakujoho.net/npt/pu_rdc.html
  18. 六ヶ所MOX工場建設状況 2020年12月 https://www.jnfl.co.jp/ja/business/about/mox/construction/ (*ビデオも) 英国の経験 2001年に運転開始のMOX工場は、10年間、設 計上の能力の1%でしか運転できないまま3.11 後に閉鎖 2022年10月26日 全体の工事進捗率:約9.4%

    これまでの数年間の11.8%か ら「後退」。設工認で新規工 事が加わったため 「建物建設工事:約45%」 広報担当者(11月21日電話) は意味を確認できないとの答 え。おそらくは、機器の設置 を除いたもの。 https://jnfl.co.jp/ja/release/president-talk/2022/202210.html
  19. 六ヶ所再処理工場・MOX燃料工場運転「計画」 https://jnfl.co.jp/ja/release/president-talk/2020/file/20201216-3-2.pdf 六ヶ所再処理施設およびMOX燃料加工施設 操業計画 (日本原燃 2020年12月16日)要約 年度 2021 2022 2023

    2024 2025 再処理施設の暫定操業計画(*22年9月に延期発表。次の竣工目標年内発表?) (2023年度剪断開始、2030年度までに最大再処理能力 800tUpr達成予定) 再処理可能量(tUpr) 0 70 170 140 プルトニウム回収見込量(tPut) 0 0.6 1.4 1.1 MOX燃料加工施設の暫定操業計画 MOX燃料加工可能量(tPut) 0 0.6 再処理後、MOX燃料加工完了までの期間を 2 年間とする計画。2023年度に再処 理工場で分離されたプルトニウム0.6トンが、都合よく2年後にMOX燃料加工施 設でMOX燃料にされるということになっている。
  20. 第4部 再処理継続正当化論 本音と新たな謳い文句  本音? 各地のプールが満杯だから。 乾式貯蔵が進めばこの論拠は消える  新たな謳い文句 単純バージョン

    処分するものが減る 高等?バージョン 減容・有害度低減の夢 増やす夢から減らす夢へ この夢は六ヶ所とプルサーマルでは完結しない 前提 新たな再処理工場と高速炉
  21. なぜ再処理が必要?本音:プールが満杯だから! 2005年原子力政策大綱の論理 軽水炉 再処理 中間貯蔵 乾式 最終処分場 他の廃棄物 使用済み 燃料

    ガラス 固化体 プルトニウム (ウラン) 使用済み MOX ウラン濃縮 プール 満杯 工場の プール 満杯 ゴミ分別・保管所 [再処理中止なら]原子力発 電所からの使用済み燃料の 搬出や中間貯蔵施設の立地 が滞り、現在運転中の原子 力発電所が順次停止せざる を得なくなる http://kakujoho.net/npp/intv_edno.html
  22. なぜプルサーマルが必要? 六ヶ所再処理工場運転開始のために利用計画が必要だから  再処理で出てくるプルトニウムの利用計画がないと、「利用目的の ないプルトニウムを持たない」との国際公約に違反する。 だから再処理工場が運転できない。  再処理工場が運転できないと、各地の原発で使用済み燃料の行き 場がなくなり、原発は稼働停止に。日本経済の崩壊! 

    だからプルサーマル(=利用計画)を引き受けろ! 出典:平沼赳夫経済産業相の署名入りビラ。 2001年5月27日に行われた新潟県刈羽村でプルサーマル実施に関する住 民投票に備えて、国が村内全戸に配布 http://www.kakujoho.net/mox/hiranm.html 再処理もプルサーマルもせず原発を運転する方法は? 諸外国でやっている使用済み燃料の乾式貯蔵➡直接処分 33
  23. 3.11を経て、「再処理永久化」法案制定 「再処理等拠出金法」 2016年5月11日成立 10月1日施行 使用済み燃料再処理機構 2016年10月3日  論理:「使用済み燃料処分の方法」として 再処理と記載したから再処理の義務を負う *実は記載の義務があった(原子力委)

     結果:自由化で電力会社がつぶれ、原子 炉運転主体がなくなってもプルトニウムの 分離だけは続けられる? http://kakujoho.net/npp/reprolw.html http://kakujoho.net/npp/pu_howl.html 発生量に合わせて 毎年拠出の義務
  24. 発熱量の大きな使用済みMOX燃料 処分場の必要容量を決めるのは発熱量 緩衝材ベントナイト粘土(水の流れの減速及びイオン吸収への影響 37 取り出し後50年~300年、 使用済みMOX燃料の発 熱量は、使用済みウラン 燃料の約3倍から5倍強 (OECDの報告書は、使用 済みMOX燃料は、使用

    済みウランの2.5倍の面 積を必要とすると) 核種崩壊生成計算コード ORIGEN2を使った姜政敏(カン・ジョンミン) (「自然資源防護協議会(NRDC)」 当時)による計算(2016年4月) http://kakujoho.net/npp/moxheat.html
  25. 新たな謳い文句(処分場縮小)はプルサーマルでは完結しない 前提:第二再処理工場+高速炉 取り出したプルトニウムは、高速炉がなければ使えないと田中原子力規制委 員会委員長(当時) 「MOXの使用済燃料を再処理するためには新しい再処理工場を造らなく てはいけない」 「高速炉を動かさない限りは、処理したMOX燃料は使えない」 出典: 炉心全部にMOX燃料を使う計画のJ-POWER(電源開発)大間原発について 原子力規制委員会記者会見録(pdf)

    2014年11月19日 https://www.nsr.go.jp/data/000068848.pdf  新しい再処理工場、高速炉ができなければ、使用済みMOX燃料は処分場 へ送られることになる。その可能性が高いと考えられている。  そうなれば、熱量から言っても、超ウラン元素の量・質から言っても元の木 阿弥。減ったはずのTRUの毒性も処分場に。1回のMOX使用ではTRUは 30%しか減らない。もちろん、地上にそのまま置いておくわけにはいかない。  これを避けるには、特殊な再処理工場と多数の高速炉での回転が必要 41
  26. 2016年12月もんじゅ廃炉決定 増やす夢から減らす夢へ もんじゅがだめならアストリッドがあるさ、アストリッドがだめならVTRがあるさ 2006年「放射性廃棄物等管理計画法」 プロトタイプ炉 使命:使用済みの低濃縮ウラン燃料やMOX燃料に含まれるプルトニウムなどの長寿命の超ウラン元素 を核分裂させること(ごみ処分炉)。2020年までに運転開始。 2016年10月 仏側、日本の会議でASTRID(工業的実証用改良型ナトリウム技術炉)運転開 始、30年代予定と説明

    2016年12月 日本、ASTRIDに参加すれば、高速炉開発継続可能ともんじゅ廃炉決定 2018年6月1日 仏側が日本にASTRID計画変更を宣言 24年に詳細設計開始条件確認 規模縮小 60万kWeの実証炉ではなく10~20万kWeの小型実証炉 *もんじゅは28万kWe 2018年11月28日 日経、仏が20年以降計画凍結の方針を日に伝達と 2019年2月 仏多年次エネルギー計画(EPP):「少なくとも21世紀後半まで、高速炉の 実証炉及び実用化は有用ではない 2019年6月 米国と多目的試験炉(VTR)の開発協力覚書 2019年8月 ルモンド、ASTRID死んだ報道 http://kakujoho.net/npp/astrid2.html 2022年3月 21年度(21年10月~22年9月)VTR予算ゼロで確定http://kakujoho.net/npp/tpwr.html 2022年4月 VTRプロジェクト、店仕舞い開始?ttps://twitter.com/kakujoho/status/1521285163400925184
  27. 取り出したプルトニウムや超ウラン元素は消える? 45 地表にどれほどの毒が届くか は問題の物質の水溶性がカギ。 以前、プルトニウム推進派は、 プルトニウムは水に溶けないか ら、池に入れられた場合でも、 その水を飲んでも安全と言って いたが。 *動燃プルト君ビデオ

    「今悪者たちが僕を貯 水池に投げ込んだとしてみましょう・・・」 http://kakujoho.net/npp/monju.html#dd65  地上に残る:高速炉と新型再処理工場で処分に数百年必要  壮大な計画で、そのコストは推定のしようもない
  28. 夢の現実  8000年の夢は、MOX使用済み燃料を再処理する再処理施設とそのプルトニ ウムを燃焼する高速炉建設が前提。  300年の夢は、TRU(超ウラン元素)を取出す特殊な再処理施設とTRUを燃や す多数の高速炉建設が前提。その使用済み燃料を特殊施設で再処理して、 また高速炉で燃やして、また再処理してというサイクルの長期維持が必要。 技術的に可能として、そのためにどのくらい費用と年月が必要か。これを目 指すなら、プルトニウム以外のTRUを廃棄物としてガラス固化体に入れる

    六ヶ所工場を運転してはならない。  英国「国家核研究所(NNL)」 分離・核変換システムでは何度も燃焼と再処 理を繰り返すことが必要となることを考えると、それぞれの再処理サイクル で高レベル廃棄物として処分されるTRUの割合を0.1%未満にしなければな らない。TRUの「高レベル廃棄物ガラス固化体への残存量0.1%未満を達成 するのは、技術的に難題だとみなされる。」 http://kakujoho.net/npp/monju.html#dd64 46
  29. 自民党総裁選での岸田文雄候補の問題発言 総裁選報道で無視の不思議 日本記者クラブ主催公開討論会 2021年9月18日 https://www.youtube.com/watch?v=7-QW3w-QbQ4 核燃料サイクルを止めてしまうと、除去される高レベルの核廃棄物はそのままということ になる。再処理すると廃棄物の処理期間は300年と言われている。 高レベルの核廃棄物を直接処理すると10万年かかると言われている。この処理の問題 をどう考えるのか。 核燃料サイクルを止めてしまうとプルトニウムがどんどん積み上がってしまう。日米原子

    力協定をはじめ、日本の外交問題にも発展するのではないか。この問題をどう考えるか。 核燃料サイクルを止めると別の問題が出てくるのではないかと思っている。 *「外交問題」もののこの主張の誤りは総裁選報道でほぼ無視された。 理解不足?忖度? 例外:東奥日報 自民総裁選、核燃サイクルの具体像見えず2021年9月24日 <再処理しなければプルトニウムは抽出されないため、プルトニウムが「積み上がる」こと はなく、岸田氏の主張には矛盾点もある。> https://www.toonippo.co.jp/articles/-/682663 リンク切れ
  30. 再処理中止要請:オバマ政権高官の働きかけ 知らないと菅官房長官・岸田外務大臣 •トーマス・カントリーマン 国務省次官補 2016年3月17日上院外交委員 会公聴会 日本の再処理計画:経済性も合理性もなく、核拡散防止の観点から「全て の国が再処理事業から撤退すれば非常に喜ばしい」。「米国とアジアの パートナー諸国が、経済面および核不拡散面の重要な問題について共通 の理解を持つことが重要だ──例えば日本との1-2-3協定[原子力協力協

    定]の更新について決定をする前に」*2018年自動延長 •岸田文雄外務大臣 衆議院本会議(3月24日)御指摘の[カントリーマン国務 次官補の]発言については、一般論として民生用再処理に関する米国政府 の従来の見解を述べたものと認識をしております。我が国が再処理を含む 核燃料サイクルを推進していくとの方針については、米国政府の理解を得 ていると考えており、今後とも、米国との間で円滑かつ緊密な原子力協力 の確保に努めていく考えです。 (*聞く力?) •ジョン・ウルフストール国家安全保障会議(NSC)上級部長 共同通信(5月 21日) 日米で「議論してきた」 http://kakujoho.net/npt/us_cncrn5.html 52
  31. 国際的背景 伸び続ける世界のプルトニウム量 冷戦終了(1990年)後、軍事用プルトニウムはしばらくわずかに増加 一方、民生用プルトニウムが急激に伸び、軍事用を追い越す 民生用 日本 Frank N. von Hippel

    and Masafumi Takubo, "Banning Plutonium Separation," Report of the International Panel on Fissile Material, July 2022 https://fissilematerials.org/library/rr20.pdf その他 英国 ロシア 日本 フランス 民生用 軍事余剰 軍事用 運用中核弾頭 2020年末 約550トン:軍事用約150トン 民生用300トン以上(軍事余剰と合 わせて400トン近く)*ロシアの軍事用15トンの増加は、3基の軍事用プルトニ ウム生産炉が民生用発電・熱供給も兼ねていて中止できなかったことによる。 軍事用余剰
  32. 例外的ケース:原発停止政策のドイツのプルトニウム緊急処分 MOX利用後、使用済みMOX燃料乾式貯蔵 地下直接処分計画 現在、ドイツの電力会社は、 各原発の運転完全停止後2 年以内に使用済み燃料の乾 式貯蔵移行を完了予定。 使用済みMOX燃料も(すで に乾式移行中)。 *使用済みMOX燃料:使用

    済み低濃縮ウラン燃料と混 ぜてキャスク内に配置 高い熱量・放射線に対 処するため IAEAへの報告 (1997年に9カ国が合意した「国際プルトニウム管理指針」の下で) https://www.iaea.org/sites/default/files/publications/documents/infcircs/1998/infcirc549a2-21.pdf 出典:使用済み燃料プール火災の恐 怖──空冷式乾式貯蔵の迅速導入を http://kakujoho.net/npp/spfpool.html