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人工知能のための哲学塾 ニューロフィロソフィ篇 第一夜 「無著、世親と唯識のはじまり、ニューラ...

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June 12, 2026

人工知能のための哲学塾 ニューロフィロソフィ篇 第一夜 「無著、世親と唯識のはじまり、ニューラルネットワークのはじまり」

人工知能のための哲学塾 第四期 ニューロフィロソフィ編 第一夜(2026/1/21)
https://www.igda.jp/2025/11/05/15900/
の講演資料です。全六夜(第零夜~第五夜)を予定しています。

第零夜は2025年11月21日に開催しました
https://www.igda.jp/2025/11/05/15900/
第壱夜は 2026年1月21日に開催しました
https://www.igda.jp/2025/12/27/16224/
第二夜は 2026年3月2日に開催しました。
https://www.igda.jp/2026/02/12/16342/
第三夜は2026年4月17日に開催しました
https://www.igda.jp/2026/03/18/16474/
第四夜は2026年6月1日に開催しました
https://www.igda.jp/2026/04/30/16616/

第一期~第三期については書籍として発売しています。
https://www.amazon.co.jp/dp/4802510179/
https://www.amazon.co.jp/dp/4802510802
https://www.amazon.co.jp/dp/480251185X

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June 12, 2026

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Transcript

  1. 人工知能のための哲学塾 ニューロフィロソフィ篇 第壱夜 「無著、世親と唯識のはじまり、 ニューラルネットワークのはじまり」 三宅 陽一郎 三宅 陽一郎 @miyayou

    (三宅ラボ) 2026.1.21 @渋谷ファブカフェ https://www.facebook.com/youichiro.miyake [email protected] 人工知能のための哲学塾 https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/
  2. 第壱夜のはじめに • 唯識はニューラルネットの地平では見えないものを見せてくれるはずだ • 「唯識は科学性、宗教性、哲学性の三面を兼ね備え」ている (『やさしい唯識』(NHKライブラリー)』横山 紘一著、、P.30) • 我々が体験している世界は我々が作り出したもの(唯識の教え) •

    世界の本当の姿、などない。(人人唯識、唯識無境) • それぞれの生物が自分たちが活動するために都合が良いように作り出している。意識や対象さえも (生成AIとの関係、環世界との関係) • 人人唯識(人は自分に閉じ込められている)=環世界の拡張 • 実は唯識こそが、主観的人工知能を作る土台ではないのか? (第1~3期のテーマ)
  3. 展望 • 唯識は何もない、と言っているわけでない • 人間が捉えていると思っている姿は存在しない、と言っている • 人間の内側が作り出している • 認識(=生成モデル)と種子の転変の関係を明らかにする •

    とりあえず唯識論的人工知能を作ることを考えてみる • 主観的世界の構築 • 二階建てアーキテクチャ、ではない。 • 感覚の中に干渉する、相と名、など妄想できる人工知能 • ありもしないことを思い込んで想起する人工知能
  4. 第壱夜目次 • 第一章 ニューラルネットの誕生と発展 • 第二章 唯識とサイエンス • 第三章 認識とは生成である

    • 第四章 阿頼耶識が世界を生み出す • 第五章 世界の源泉としての種子 • 第六章 人工知能とは • 第七章 人工知能の阿頼耶識とは
  5. 第壱夜目次 • 第一章 ニューラルネットの誕生と発展 • 第二章 唯識とサイエンス • 第三章 認識とは生成である

    • 第四章 阿頼耶識が世界を生み出す • 第五章 世界の源泉としての種子 • 第六章 人工知能とは • 第七章 人工知能の阿頼耶識とは
  6. 二つの人工知能 IF (s_collison==true) register_all(s_star); assign_edge(); assign_vertex(); mix_all(); シンボルによる人工知能 (記号主義) ニューラルネットによる人工知能

    (コネクショニズム) IBM ワトソン Google検索 など AlphaGo など http://www.nature.com/nature/journal/v518/n7540/full/nature14236.html
  7. 2 第一次AIブーム(1960年代) • コンピューターは大型のものしかない。 • 人工知能という分野自体が誕生したばかり。 • ニューラルネットという新しい分野のブーム。 19世紀後半 人間の脳は

    ニューロンという もので出来てい るらしい 20世紀前半 ニューロンの 電気的性質が 解明される (ホジキン博士、 ハクスレー博士) 1950年代に ニューラルネット 発明 1963年に ホジキン=ハク スレー方程式が ノーベル賞
  8. 2 第一次AIブーム(1960年代) 身長 体重 年齢 健康 要運動 注意 学習データから ここの重みを

    変化させます 健康 要運動 注意 新しいデータ ニューラルネット = データを分類する人工知能
  9. 2 第一次AIブーム(1960年代) もし A ならば B もし B ならば C

    よって、 もし A ならば C シンボルによる人工知能 (記号主義) ニューラルネットによる人工知能 (コネクショニズム) 推論ベース ニューラルネット 誕生
  10. 3 第二次AIブーム(1980年代) • パソコンが普及して行く。 • ルールを集めて知能を作ろう。 • 逆伝播法によるニューラルネットのブーム。 パソコンが 世の中で

    普及して行く 知識主義 = たくさんの知識 を人工知能に 与えて推論 すれば知能が できる インターネット もなく、知識 が足りない。 推論も専門的 な機能のみ。
  11. 3 第二次AIブーム(1980年代) IF (A) then B IF (C) then D

    IF (E) then F IF (G) then H IF ( I ) then J シンボルによる人工知能 (記号主義) ニューラルネットによる人工知能 (コネクショニズム) ルールベース 新しい学習法= 逆伝搬法
  12. インターネットによる 膨大なデータ 4 第三次AIブーム(2010年代) 時間 規模 1960 1990 2000 第一次AIブーム

    第二次AIブーム 第三次AIブーム 1970 1980 2010 ルールベース 逆伝播法 データベース ディープ ラーニング 推論ベース ニューラル ネット誕生 小型・中型 コンピュータの普及 大型コンピュータ 専門家のみのブーム
  13. 経験(体験・ 身体感覚) 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心
  14. 元々一つであったも のが分裂(唯識) 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 問い:唯識システムの形成の起源・生成過程を 問うことは可能か?
  15. 第壱夜目次 • 第一章 ニューラルネットの誕生と発展 • 第二章 唯識とサイエンス • 第三章 認識とは生成である

    • 第四章 阿頼耶識が世界を生み出す • 第五章 世界の源泉としての種子 • 第六章 人工知能とは • 第七章 人工知能の阿頼耶識とは
  16. 唯識と科学の世界観 唯識(心だけがある) • 唯識所変 • 一切不離識 • 唯識無境 • 阿頼耶識からすべての存在

    が生成する 科学 • 世界の実在(前提) • ニューラルネットも • 科学的世界観 • 世界があって存在がある なぜ、唯識は科学を生み出せなかったのか? 心だけある(唯識) ~ ニューラルネットだけがある(コネクショニズム)
  17. A A’ A’ (影像) (影像) 見る 作り出す (心) ? 見る

    (心) (外界) ①実在論者の認識構造 ②唯識論者の認識構造 『唯識思想入門』(第三文明社)』横山 紘一著、P.140-141 実在論 vs 唯識論
  18. 唯識と科学の世界観 唯識(心だけがある) • 唯識所変 • 一切不離識 • 唯識無境 • 阿頼耶識からすべての存在

    が生成する 科学 • 世界の実在(前提) • ニューラルネットも • 科学的世界観 • 世界があって存在がある 新しい人工知能の ビジョン
  19. 唯識と科学の世界観 唯識(心だけがある) • 唯識所変 • 一切不離識 • 唯識無境 • 阿頼耶識からすべての存在

    が生成する 科学 • 世界の実在(前提) • ニューラルネットも • 科学的世界観 • 世界があって存在がある 新しい人工知能の ビジョン こちらは よく知っている
  20. 唯識と科学の世界観 唯識(心だけがある) • 唯識所変 • 一切不離識 • 唯識無境 • 阿頼耶識からすべての存在

    が生成する 科学 • 世界の実在(前提) • ニューラルネットも • 科学的世界観 • 世界があって存在がある 新しい人工知能の ビジョン だから、いったんこちら に沿ってニューラル ネットを考えてみよう
  21. 第壱夜目次 • 第一章 ニューラルネットの誕生と発展 • 第二章 唯識とサイエンス • 第三章 認識とは生成である

    • 第四章 阿頼耶識が世界を生み出す • 第五章 世界の源泉としての種子 • 第六章 人工知能とは • 第七章 人工知能の阿頼耶識とは
  22. 主観と客観 主観と客観とに相当する代表的な仏教用語をまとめてみる次のよう になる。 [主観] [客観] 心 境 能縁 所縁 能取

    所取 [中略]両者は、いわば相互依存関係をもつものとして捉えられている のである。 『唯識思想入門』(第三文明社)』横山 紘一著、P.144
  23. 認識は生成である • 目の前に広がっているのではない • 目の前に広げている • 受動から能動へ、世界を受け取りつつ再生成する(阿頼耶識が変換点) • 生成AIを認識モジュールに活用する •

    生成とは認識である(人は認識世界を阿頼耶識で生成している) • 世界を客観的に生成する=CG、デジタルツイン • 世界を自分と混ぜ合わせて生成する=唯識 • 世界の形成と自己の形成は同時=唯識 • 問い「自分から展開している生成の過程を明らかにせよ」
  24. 感覚こそ脳の中で再現されているもの • 感覚は誤解させる • 感覚こそ脳の中で再現されているもの • 視覚こそは再現されているもの • 見ているのではなく、見ているふうに再現されているのだ(観念論) •

    聴こえているふうに再現されている • 人間は自らの認識能力に合わせて世界を再構成している。 物自体にはたどりつかない(カント) • どのように再現されているのか(カント)
  25. 世界の運動 阿頼耶識 世界への 根の張り方 =ニューラル ネット エネルギーは 構造となる =ニューラルネットの形成 (構造化)

    (唯識で言う「種子」) エネルギーを貯め込むことで ニューラルネットが構造化する =ニューラルネットが変化する (散逸構造) =さらに質の変化 我の形成 末那識
  26. 我の形成 世界の運動 阿頼耶識 世界への 根の張り方 =ニューラル ネット =認識の形成論 世界からのエネルギー の流入とニューラル

    ネットの揺らぎの関係 =揺動散逸定理 エネルギーを貯め込むことで 構造化する(散逸構造) 末那識(自我)
  27. 阿頼耶識 種子 法 触 味 我 香 声 色 意

    識 身 識 舌 識 鼻 識 耳 識 眼 識 末那識 舌 根 鼻 根 耳 根 眼 根 身 根 意 根 有根身(肉体)と器世間(自然界) 外境 内識 外境 この図と類似している 横山紘一 (著) 唯識思想入門 (レグルス文庫 66) 1976/10/5 第二章、P.111
  28. 阿頼耶識 種子 法 触 味 我 香 声 色 意

    識 身 識 舌 識 鼻 識 耳 識 眼 識 末那識 舌 根 鼻 根 耳 根 眼 根 身 根 意 根 有根身(肉体)と器世間(自然界)
  29. 第壱夜目次 • 第一章 ニューラルネットの誕生と発展 • 第二章 唯識とサイエンス • 第三章 認識とは生成である

    • 第四章 阿頼耶識が世界を生み出す • 第五章 世界の源泉としての種子 • 第六章 人工知能とは • 第七章 人工知能の阿頼耶識とは
  30. A A’ A’ (影像) (影像) 見る 作り出す (心) ? 見る

    (心) (外界) ①実在論者の認識構造 ②唯識論者の認識構造 『唯識思想入門』(第三文明社)』横山 紘一著、P.140-141 実在論 vs 唯識論
  31. 存在的多者の 領域 アーラム・ アム・ミ サール 上昇過程 =自己の存在を 奥深く還元する 下降過程 =奥底の何かが

    自己を世界において 顕現しようとする イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119 人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 第二夜 スライド より
  32. 存在的多者の 領域 アーラム・ アム・ミ サール 上昇過程 下降過程 上昇過程・下降過程 仏教: 向上・向下

    (不覚 → 覚 → 不覚) 仏教: 向上門・却来門 仏教: 掃蕩門・建立門 浄土真宗: 住相・環相 スーフィズム: 上昇・下降 イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119 人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 第二夜 スライド より
  33. イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) 存在的多者の 領域 アーラム・ アム・ミ サール 上昇過程 下降過程 存在のゼロポイント =道(老子)

    =絶対的一者(アハド)(イブン・アラビー) =空=無 =光の光 =存在の零度(ロラン・バルト) =絶対の無=絶対の有 =真空が妙有に切り替わるとおころ =無極即太極(宋代の易学、周廉渓) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119 人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 第二夜 スライド より
  34. イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) 存在的多者の 領域 アーラム・ アム・ミ サール 上昇過程 下降過程 存在のゼロポイント =道(老子)

    =絶対的一者(アハド)(イブン・アラビー) =空=無 =光の光 =存在の零度(ロラン・バルト) =絶対の無=絶対の有 =真空が妙有に切り替わるとおころ =無極即太極(宋代の易学、周廉渓) =阿頼耶識 イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119 人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 第二夜 スライド より
  35. 第壱夜目次 • 第一章 ニューラルネットの誕生と発展 • 第二章 唯識とサイエンス • 第三章 認識とは生成である

    • 第四章 阿頼耶識が世界を生み出す • 第五章 世界の源泉としての種子 • 第六章 人工知能とは • 第七章 人工知能の阿頼耶識とは
  36. 世界の源泉としての種子 • 阿頼耶識が世界を生み出している、としたら、何を素に生み出しているのか? =種子 • 名言種子 …対象が存在するか、どうかも判定せずに、 使われる、記憶される言葉に彩られた種子 → 妄想を生む

    (ヴィトゲンシュタインの思想と通じる) • 業種子 … 行いによって形成される種子 種子という名前の通り、阿頼耶識から成長(転変)して所縁(=対象)となる 転変とは見る主体(見分)と対象(相分)を同時に生み出すこと
  37. 阿頼耶識 種子 法 触 味 我 香 声 色 意

    識 身 識 舌 識 鼻 識 耳 識 眼 識 末那識 舌 根 鼻 根 耳 根 眼 根 身 根 意 根 有根身(肉体)と器世間(自然界) 外境 内識 外境 この図と類似している 横山紘一 (著) 唯識思想入門 (レグルス文庫 66) 1976/10/5 第二章、P.111
  38. 世界 世界 存在分節的機能 絶対無分節 意識志向性 空 無数の浮動的 な意味体 唯識で言う 「種子」

    転識 人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 第二夜 スライド より
  39. 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識) 末那識 感覚

    (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 識はレイヤー構造であるけれど、下にある層がそれより上の層を生み出し、 操作する
  40. 世界の運動 阿頼耶識 世界への 根の張り方 =ニューラル ネット エネルギーは 構造となる =ニューラルネットの形成 (構造化)

    (唯識で言う「種子」) エネルギーを貯め込むことで ニューラルネットが構造化する =ニューラルネットが変化する (散逸構造) =さらに質の変化 我の形成 転 変
  41. 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識) 末那識 感覚

    (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。
  42. 末那識 • デジタルが現実をつかまえるように • 我々が世界をつかまえる • 虚実反転 (世界と共創して作られる半フィクショナル・半現実的な認識を、 人は現実と思い込む) •

    創発的再現という新しい概念 • 末那識は別名「染汚意」といわれる。それは末那識が我癡・我見・我慢・我愛 と呼ばれる四つの煩悩を伴っているからである。 (横山紘一「唯識思想入門」第三文明社、P.160)
  43. 末那識・阿頼耶識 自我意識をまとめてみると次のようになる。 概念を用いた意識的な自我意識 – 第六意識の働き。 意識閾下にある根源的な自我意識 -第七末那識の働き。 このうち、(1) の自我意識は我見ないし有身見(自我は存在するとみる見解)といわれ、原始仏教いらい 説かれている、

    アメリカの有名な心理学者ジェームズは、自我を客我(知られれる自我)と主我(知者としての自我)とに 分け、客我として、物質的客我・社会的客我・精神的客我の三種を考えたが、これらは仏教的にいえば、すべて (1)の意識による自我意識の対象である。 末那識は別名「染汚意」といわれる。それは末那識が我癡・我見・我慢・我愛と呼ばれる四つの 煩悩を伴っているからである。 (横山紘一「唯識思想入門」第三文明社、P.159-160)
  44. 経験(体験・ 身体感覚) 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心
  45. 識=レイヤー? • 識はアクティブ • 主体性を持つ • ニューラルネットによって識を構築せよ • ニューラルネットは常に入力と出力を持つ •

    だからそれは「生きているレイヤー」 • その積み重ねが知能 • 意識は末那識、阿頼耶識の上にあるから • 意識は知覚しない • だからこそ、それを変えられる、ことに気づくことは • 意識を変えることになる 生きているレイヤー 入力 出力
  46. 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識) 末那識 感覚

    (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心
  47. 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識) 末那識 感覚

    (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 問い:識の中の過程はどうようになっているのか?
  48. 阿頼耶識 種子 法 触 味 我 香 声 色 意

    識 身 識 舌 識 鼻 識 耳 識 眼 識 末那識 舌 根 鼻 根 耳 根 眼 根 身 根 意 根 有根身(肉体)と器世間(自然界) 外境 内識 外境 転変 =ニューラルネットの活動
  49. 識の中の過程 • 「ぐにゃぐにゃっとした」ニューラルネットワークの絡み合いの仕方(トポロジー)が大事 • 識の中ではあらゆるものが解析されている • 子供は生まれて訓練し続けている つかれる だから眠る •

    キャッシュ(解析結果)なども残る(識に記憶はあるのか?) • 識の中から3次元空間が立ち上がってくる 自分を含めて • その過程こそが解明するべきこと • 先にニューラルネットワークのぐちゃっとした何かがあって、そこから認識が生成される • 認識は最後に作られる • 問:そのぐちゃっとなっているところ(識のニューラルネットワーク)はどうなっているのか? • 過去の記憶などと照合される部分でもある。
  50. 世界の運動 阿頼耶識 種子 A’ A’ A’ A’ A’ 末那識(自我を生み出す) 転

    識 種子が木のように 成長して人の現実を 生み出している 種子の力学
  51. 根、境、識 • 眼根 色境 眼識 • 耳根 声境 耳識 •

    鼻根 香境 鼻識 • 舌根 味境 舌識 • 身根 触境 身識 • 意根 法境 意識 • 眼根 色境 眼識
  52. 第壱夜目次 • 第一章 ニューラルネットの誕生と発展 • 第二章 唯識とサイエンス • 第三章 認識とは生成である

    • 第四章 阿頼耶識が世界を生み出す • 第五章 世界の源泉としての種子 • 第六章 人工知能とは • 第七章 人工知能の阿頼耶識とは
  53. 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識) 末那識 感覚

    (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 意識は自分より上にある表層心を反復的に利用しつつ、 世界の像をクリアにしていく
  54. 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識) 末那識 感覚

    (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 阿頼耶識は末那識を生成して、利用する 末那識は意識を生成して、利用する 意思は五識を生成して、利用する
  55. 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識) 末那識 感覚

    (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 つまり唯識のこの階層図が示すものは、 阿頼耶識が上位の識を生み出し用いて、認識世界を生成している、ということ
  56. 脳 世界無限 全体のニューラルネットが 分裂すると同時につながる →それぞれの部分 ニューラルネットが 外部から励起される →分裂的励起状態 →それらが自己組織化(統一) →自己の形成

    現実を具材として 自己を形成する ニューラルネット(部分知能) 部分知能 =ニューラルネットが 世界のある部分と関係し 励起する これらのカオス状態 をシミュレーションし、 そこから自己が形成される(はず?) 統合
  57. 種子 • 種子=世界との関係の蓄積・記憶・ループ • 軽い絡み合い(何かを手伝った) • 重い絡み合い(3年前、ボクシングの次第で勝った(負けた)) 種子 過去の因縁と結び付いている ミニマム

    … 事象と結び付いた感情 ミドル … +過去の記憶・想起 マックス…+事象の一部 本質…自分でもわからない世界との 因縁 阿頼耶識 種子 唯識において阿頼耶識はその人の 因果が種子として蓄積する場所
  58. 第壱夜目次 • 第一章 ニューラルネットの誕生と発展 • 第二章 唯識とサイエンス • 第三章 認識とは生成である

    • 第四章 阿頼耶識が世界を生み出す • 第五章 世界の源泉としての種子 • 第六章 人工知能とは • 第七章 人工知能の阿頼耶識とは
  59. 末那識、意識 自我意識をまとめてみると次のようになる。 (1)概念を用いた意識的な自我意識 – 第六意識の働き (2)意識閾下にある根源的な自我意識 – 第七末那識の働き このうち、(1) の自我意識は我見ないし有身見(自我は存在するとみる見解)といわれ、原

    始仏教いらい説かれている。 アメリカの有名な心理学者ジェームズは、自我を客我(知られる自我)と主我(知者と しての自我)に分け、客我として、物質的客我・社会的客我・精神的客我の三種を考えた が、これらは、仏教的にえば、すべて(1)の意識による自我意識の対象である。 唯識思想は、のような表層的・日常的な自我意識をさらに深くつきつめ、その奥に、(2) の、いわば先天的ないし生理的とでもいえる根源的自我意識の存在を見出したのである。 『唯識思想入門』(第三文明社)』横山 紘一著、P.159-160
  60. 経験(体験・ 身体感覚) 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心
  61. 唯識の階層構造 • 前五識・第六意識・第七末那識 転識 • 第八阿頼耶識 本識 • 前五識・第六意識転識 表層心

    • 第八阿頼耶識・第七末那識 深層心 • 豆腐 にがり=第六意識 (多川俊映「唯識(上)心の深層をさぐる」NHK出版、P.118)
  62. ①遍行 … どのような認識にもはたらく基本的なもの [5心所」 触(心を認識対象に接触させる) 作意(心を起動させる) 受(認識の対象を苦とか楽、憂とか喜、あるいはそのどちらでもないと受け止める) 想(受け止めたものを自己の枠組みにあてはめる) 思(認識対象に具体的にはたらきかける) ②別境

    … 特別な対象にだけはたらくもの[5心所」 欲(希求する) 勝解(深く了解する) 念(記憶する) 定(集中する) 慧(択び分け、正邪を判断する) 五十一心所 (多川俊映「唯識(上)心の深層をさぐる」NHK出版、P.51)
  63. ③善 … 仏の世界に順ずるもの [11心所」 信(自己を真理に委ねる) 慚(自らを顧み、また教えに照らして恥じる) 愧(他に対して恥じる) 無貪(むさぼらない) 無瞋(排除しない) 無痴(真理・道理に即する)

    勤(精進。たゆまず努める) 安(軽安。身心がのびやかで、はればれとしている) 不放逸(欲望をつつしむ) 行捨(平等にして、かたよらない) 不害(いのちをあわれみ、他を悩ませない) 五十一心所 (多川俊映「唯識(上)心の深層をさぐる」NHK出版、P.51-52)
  64. ⑤随煩悩 … 煩悩から派生した仏の世界に違反するもの[20心所」 忿(腹を立て、危害をくわえようとする) 恨(うらむ) 覆(隠し立てする) 悩(他を悩ませる) 嫉(ねたむ) 慳(ものおしみする) 誑(たぶらかす)

    諂(へつらう) 害(いのちへの思いやりがなく、他を悩ませる) 憍(うぬぼれる) 無慚(自らを顧みず、また、教えに照らして恥じない) 無愧(他に対して恥じない) 掉挙(気持ちが騒がしくて浮き立つ) 五十一心所 惛沈(気持ちが深く沈む) 不信(真理を顧みない) 懈怠(なまける) 放逸(欲望のままにふるまう) 失念(記憶を失う) 散乱(集中を欠いて乱れる) 不正知(誤って理解する) (多川俊映「唯識(上)心の深層をさぐる」NHK出版、P.53-54)
  65. 人工知能のための哲学塾 ニューロフィロソフィ篇 第壱夜 「唯識のはじまり、ニューラルネットワークのはじまり」 ご清聴ありがとうございました 三宅 陽一郎 三宅 陽一郎 @miyayou

    (三宅ラボ) 2026.1.21 @渋谷ファブカフェ https://www.facebook.com/youichiro.miyake [email protected] 人工知能のための哲学塾 https://www.facebook.com/groups/1056157734399814/
  66. 身体性とインテリジェンス 世界から吹き上がり 世界 身体 ∞ 0 そして自分が、自然が 与えてくれた塊かたまりのなかに支えられ て 無限と虚無とのこの二つの深淵の中間にあるのを眺め、その

    不可思議を前にして恐れおののくであろう。 (パスカル「パンセ」、第二章、) http://james.3zoku.com/kojintekina.com/pascal/pascal072.html 「人間存在とは無にさしかけられた存在である」(ハイデガー)