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Gemini と NotebookLM を組み合わせて 目標設定の負荷を軽減する方法 / G...

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October 21, 2025

Gemini と NotebookLM を組み合わせて 目標設定の負荷を軽減する方法 / Goal setting with gemini and notebooklm

2025/10/22 のGoogle Cloud に学ぶ「AIエージェントってなに?」を解決する、やさしいビジネス活用と業務効率化事例 ( https://classmethod.jp/seminar/251022-google-cloud-webinar/ ) で公開した発表

Gemini と NotebookLM を組み合わせて、目標の素案を作成したり、目標のレビューをするツールを提供し、目標設定の負荷を軽減した事例を紹介します。

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October 21, 2025
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  1. ⾃⼰紹介 • 2021年11⽉ ⼊社 エンジニアリング統括室 • 2023年01⽉ エンジニアリング統括室 室⻑就任 • 2023年07⽉ 組織開発室 室⻑ •

    2025年10⽉ 現在 2 • 部署 ◦ 組織開発室 室⻑ • 名前(ニックネーム) ◦ ⽥部井 勝彦 (てぃーびー) • e-Book(ZennBook) ◦ ITエンジニア採⽤⼊⾨
  2. ウェブエンジニア→⼈事 • 2001年04⽉ 新卒 ウェブエンジニア           : • 2019年06⽉ ウェブエンジニア卒業 • 2019年07⽉ スタディスト⼊社 ⼈事へ

    ◦ ⼈事評価制度 担当 • 2021年11⽉ クラスメソッド⼊社 ◦ エンジニアリング統括室 配属 • 2022年06⽉ ⼈事評価制度 担当 • 2022年07⽉〜2022年10⽉ ⼈事評価制度改定を担当 • 2023年01⽉ エンジニアリング統括室 室⻑ • 2023年07⽉ ⼈事グループ 組織開発室 室⻑ • 2023年10⽉ ⼈事評価制度⼊⾨ 制度設計編 執筆 • 2024年01⽉ ⼈事評価制度⼊⾨ 現場運⽤編 執筆 • 2024年05⽉ ⼈事評価制度⼊⾨ 被評価者編 執筆 • 2025年07⽉ ⽬標設定⽀援ツールの導⼊ 3 • ウェブエンジニア出⾝ • 開発時代にツール導⼊経験あり ◦ 顧客へのBIツールの導⼊ ◦ 開発チームへの各種ツール導⼊ • 2社で⼈事評価制度担当を経験 • 現職では2022年7⽉から継続して⼈事評価 制度を担当
  3. 活⽤事例の紹介 : ⽬標設定 Gem : ポイント 28 • ステップバイステップの質問の流れを Gem

    に設定してある ◦ 利⽤者は Gemini の問いに回答だけすればよい • 次のキャリアステップの内容をAIによって動的に出⼒している ◦ ⼊⼒値に応じたキャリアプランの選択肢を提⽰している • Gem は社員全体の Google Group に共有している ◦ 社員の増減に対して権限設定のメンテナンスが不要
  4. 活⽤事例の紹介 : ⽬標設定 LM : ⽬標の素案 : 出⼒例 : JD

    役割 • データエンジニアリングの専⾨性を活かした複雑なデータ基盤の設計‧構 築を主導する役割。 • ⼩規模案件のプロジェクトマネジメントおよびプリセールスを担い、顧客 との信頼関係構築及び技術的リーダーシップを発揮する役割。 • ⽣成AIを活⽤した新しい仕組みの構築‧改善を通じて、組織全体の技術戦 略と⽣産性向上に貢献する役割。 43
  5. 活⽤事例の紹介 : ⽬標設定 LM : ⽬標の素案 : 出⼒例 : JD

    44 主要な業務 • 役割1: 複雑なデータ基盤の設計‧構築を主導 ◦ パフォーマンス‧セキュリティ要件が厳しい案件におけるデータ分析基盤の⾼度な設計(アーキテクチャ設計、セキュリティ設 計など)と実装を主導する。 ◦ 顧客固有のインフラ要件やツール指定といったイレギュラーな個別要件に対し、コストパフォーマンスを考慮した解決策を考案 し、実現までつなげる。 ◦ データパイプライン構築‧運⽤において、技術検証を主導し、品質‧効率性を⾼めるための技術判断と改善提案を⾏う。 • 役割2: プロジェクトマネジメントとプリセールス、技術的リーダーシップの発揮 ◦ ⼩規模案件または追加案件において、顧客の要求整理、⾒積書作成、顧客折衝(期待値調整を含む)を⾃律的に担当する。 ◦ プロジェクトにおいて主導的なポジションで参画し、チーム外の関係者や顧客との合意形成‧調整を⾏い、業務を完遂する。 ◦ ⾃らが⼿本となり専⾨能⼒を発揮し、レビューやOJTを通じてチームメンバーの技術的な成⻑を⽀援する。 • 役割3: ⽣成AIを活⽤した新しい仕組みの構築‧改善 ◦ ⽣成AIの活⽤に関する部⾨の課題(例:⽣産性向上)に対し、技術的解決策を⽴案し、組織横断的な仕組み(技術選定や標準 化)の整備に貢献する。 ◦ 担当業務において、複数のAIやツールを組み合わせた効率化⼿法を確⽴し、その具体的なやり⽅やノウハウを社内へ体系的に共 有する。
  6. 組織課題1 : ⽣成AIを活⽤した開発効率の劇的な向上と技術品質の標準化 上位⽬標‧部⾨課題を踏まえた取り組む意義の説明 データ事業本部では、AI活⽤による⽣産性の向上が全社的な課題とされてお り、XX部でも⽣成AIの活⽤が主要な課題の⼀つです。G4スペシャリストに求められるAIリテラシー(複数のAI/ツールの組み合わ せ活⽤と社内共有)を発揮し、得意とするプロフェッショナルな知⾒を活かして、チームの⽣産性向上と技術的な差別化(ス ケールアップ/⾼利益率化)に貢献します。 Objective ⽣成AIを最⼤限に活⽤し、データエンジニアリングにおける新たな開発標準を確⽴することで、チーム全体の⽣産性を劇的に向

    上させる。 KeyResults • [KR1.1] 担当プロジェクトにおいて、複数のAI/ツールを組み合わせて業務を遂⾏し、データパイプライン構築における⼯数 効率を20%以上改善し、その具体的な⼿法を社内共有(DevelopersIOまたは社内ドキュメント)を4件以上実施する。 • [KR1.2] データ基盤構築における⽣成AIを活⽤した新たな効率化の仕組み(例:データクレンジングの⾃動化⽀援、テスト コード⽣成⽀援など)を開発‧検証し、社内プレゼンテーションを2回以上実施する。 • [KR1.3] 技術品質を意識したコーディング規約や設計レビューの観点(パフォーマンス‧セキュリティを含む)を整備し、 チームメンバー3名以上がレビュー時に利⽤可能な状態にする。 活⽤事例の紹介 : ⽬標設定 LM : ⽬標の素案 : 出⼒例 : OKR 45
  7. 現在のグレードG3の基準をクリアし、次のグレードG4スペシャリスト(S4)に求められる役割と⾏動を達成することを ⽬標とします。 成⻑課題 : 第1層 マインド評価要素 リーダーシップ ⽬標 チームの技術的な課題解決とメンバーの成⻑⽀援を主導し、共通⽬的に向かって貢献することで、G4スペシャリストに求 められるリーダーシップを発揮する。

    達成計画 • プロジェクトへのタスクアサインメントにおいて、チームの⽅針を共有するとともに、メンバーの成⻑を促すために 適切な難易度のタスクを計画的に割り振り、完遂まで⽀援する(成⻑⽀援)。 • 組織課題(エンジニア層の不⾜、育成課題)に対して、⾃ら解決策を⽴案し、上⻑や関係者を巻き込みながら解決に 向けたアクションを推進する(⾃律的な課題発⾒と周囲の巻き込み)。 • 業務のプロセス改善や技術的な負債の解消について、「どうすればできるか」を考え、チームを巻き込みながら具体 的な改善活動を主導する。 活⽤事例の紹介 : ⽬標設定 LM : ⽬標の素案 : 出⼒例 : グレード⽬標 46
  8. 活⽤事例の紹介 : ⽬標設定 LM : ⽬標の素案 : 出⼒例 : グレード⽬標

    47 成⻑課題 : 第1層 能⼒評価要素 AIリテラシー ⽬標 AI活⽤を⽇常の業務で徹底的に実践し、G3の基準を満たすとともに、複数のAI/ツールを組み合わせた⽣産性 向上⼿法を確⽴‧社内共有することで、G4に求められるAIリテラシーを発揮する。 達成計画 • データエンジニアリング業務全般において、AIが有効な場⾯(例:ドキュメント⽣成、テスト、デバッ グ)を特定し、⽇常的にAIをフル活⽤することを徹底し、G3の基準を達成する。 • 担当業務において、最低でも2種類以上のAI/ツール(例:RAG、コード⽣成AIなど)を組み合わせて活 ⽤し、作業効率化に貢献し、その具体的なやり⽅をドキュメント化して社内共有する。 • AI活⽤を推進するための新たなツールや技術について、技術検証を主導し、部⾨内での導⼊の可否や活 ⽤⽅法について結論を出す
  9. AIだからできたこと : 短期導⼊ 53 • 2025/06/09 の週 ◦ タスクばらし •

    2025/06/16 の週 ◦ マネージャーへ⽬標設定の課題をヒアリング ◦ 過去の⽬標設定の記録から課題を掘り起こす • 2025/06/23 の週 ◦ ⽬標設定に必要なプロセスを整理する ◦ ⽬標設定⽀援ツールで解決する要件を決める ◦ ⽬標設定⽀援ツールのアーキテクチャ設計
  10. AIだからできたこと : 短期導⼊ 54 • 2025/06/30の週 ◦ 評価関連資料をPDFにエクスポート ◦ 全社⽅針に関する資料を整理

    ◦ 部⾨⽅針に関する資料についてデータ事業本部を例に整理 • 2025/07/07の週 ◦ ⽬標設定 Gem の開発 ◦ ⽬標設定 Gem のテスト ◦ ⽬標設定 LM の開発 ◦ ⽬標設定 LM のテスト ◦ ⽬標設定⽀援ツール全体のテスト
  11. • 2025/07/14の週 ◦ ⽬標設定⽀援ツールのリファレンス作成 ◦ ⽬標設定⽀援ツールの検証⽤に 5部⾨に協⼒依頼 & 必要な対応の説明 ◦

    ⽬標設定⽀援ツールの検証⽤に 5部⾨の NotebookLM と補助資料を整備 ◦ 検証からのフィードバックを取得 ◦ フィードバックを元にしたツール‧リファレンスの修正 ◦ 動作確認が取れたところで、残対応の実施 ▪ 全部⾨(+12部⾨)の部⾨別補助資料のテンプレート作成 ▪ 全部⾨(+12部⾨)の NotebookLM の作成および疎通確認 AIだからできたこと : 短期導⼊ 55
  12. AIだからできたこと : 短期導⼊の前提 57 • 今回は私が1⼈3役だった ◦ 評価制度の業務ドメインの専⾨家 ◦ 業務改善の経験者

    ◦ AIリテラシーがある • Gemini、NotebookLM のツールの基本的な機能の範囲内で実現できた ◦ 特に NotebookLM がなかった場合、同じようなことをやろうとしたら独⾃の RAG※1 環 境を構築する必要があり、1ヶ⽉半では到底構築できなかったはず ※1. RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、⼤規模⾔語モデル(LLM)が外部データベースから関連情報を検索 し、それに基づいて回答を⽣成する⼿法です。
  13. 社内の声 : Slack より • めちゃくちゃ便利だった。体感5倍ぐらいで下書きが作れた • 考える時間が98%削減できました • GoogleのAIサービスだけでノーコードで作ってるってとこがすごい

    • ツール、⽬標のベースなどを気軽に作れるのでとても良きでした! • 出⼒を少しだけアレンジしたら⽬標設定が完成した。いつもめっちゃ悩 むのでこれはありがたい • ツールを使ってグレード⽬標の基礎を固めたが、便利で感動した • 控えめに⾔って最⾼です 59
  14. • 2024年7⽉版 クラスメソッド ⼈事評価制度 ◦ https://dev.classmethod.jp/articles/personnel-evaluation-system-2024/ • クラスメソッドの評価制度を改定した話 ◦ https://dev.classmethod.jp/articles/revise-of-evaluation/

    • ⼈事評価制度⼊⾨ 制度設計編 ◦ https://zenn.dev/tbpgr/books/ff0259247521bc • ⼈事評価制度⼊⾨ 現場運⽤編 ◦ https://zenn.dev/tbpgr/books/2edb079904e339 • ⼈事評価制度⼊⾨ 被評価者編 ◦ https://zenn.dev/tbpgr/books/343705c0d6c63d Appendix 69
  15. • Gemini の Gem で1⼿順ずつ受け答えを促す ◦ https://dev.classmethod.jp/articles/step-by-step-prompt-for-gemini/ • Gemini の

    Gem で質疑応答の結果を所定のフォーマットで Canvas に更 新し、 Google Docs に出⼒する ◦ https://dev.classmethod.jp/articles/export-docs-from-gemini-canvas/ • Gemini の Gem のカスタム指⽰内で条件分岐を実現してみた ◦ https://dev.classmethod.jp/articles/conditional-branching-within-geminis-custom- instructions/ • Gemini の Gem を社内共有する ◦ https://dev.classmethod.jp/articles/sharing-gemini-gem/ Appendix 70