本資料はSatAI.challengeのサーベイメンバーと共に作成したものです。
SatAI.challengeは、リモートセンシング技術にAIを適用した論文の調査や、より俯瞰した技術トレンドの調査や国際学会のメタサーベイを行うグループです。speakerdeckではSatAI.challenge内での勉強会で使用した資料をWeb上で共有しています。
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紹介する論文は、「Satellite Sunroof: High-res Digital Surface Models and Roof Segmentation
for Global Solar Mapping」(arXiv 2024)です。従来のSolar API(Google, 2024)での住居の太陽光発電ポテンシャル計算は高品質な航空写真が整備されているアメリカやヨーロッパ、日本といった地域において100万件以上の住居のプロジェクトで利用されてきました。これを衛星画像に置き換えることができれば、航空写真が整備されていない地域や、衛星画像が航空写真より高頻度に撮影されていることから頻繁に更新できるようになります。本研究では衛星画像を利用したモデルを構築することで、より広範囲において太陽光発電ポテンシャルを計算することができるようになりました。
具体的にはRGBの衛星画像および低分解能のDSMを入力とし、高分解能なDSM・直下視RGB画像・屋根セグメントを出力するU-Net構造のモデルを構築しました。本モデルによりフィリピンなど一部の国で精度が出ない場合があるが、ほとんどの国においてある程度の精度が確認されました。今後はより正確に太陽光発電ポテンシャルを計算できるようにしていく予定です。