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スタートアップのゴール設定 🥅 モメンタムを死守する (3)

スタートアップのゴール設定 🥅 モメンタムを死守する (3)

初期のスタートアップのゴール設定の方法と OKR について書いています。ゴールを設定する効用などについても解説しています。

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Takaaki Umada / 馬田隆明
PRO

February 12, 2021
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Transcript

  1. Takaaki Umada / 馬田隆明
    東京大学 FoundX(インセプションプログラム)
    https://foundx.jp/
    モメンタムを死守する (3)
    スタートアップの
    ゴール設定 🥅

    View Slide

  2. Author TechCrunch, CC Atribution 2.0 Generic
    https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sam_Altman_TechCrunch_SF_2019_Day_2_Oct_3_(cropped).jpg
    2
    素晴らしい実行のための重要な教えは、
    決して
    モメンタム
    を失うな
    です。
    Sam Altman
    Y Combinator, ex-President
    スタートアッププレイブック

    View Slide

  3. 3
    モメンタムを維持するための
    4 つのポイント

    View Slide

  4. 4
    🎯
    フォーカス
    📊
    メトリクス
    🥁
    リズム
    🥅
    ゴール

    View Slide

  5. 5
    🎯
    フォーカス
    📊
    メトリクス
    🥁
    リズム
    🥅
    ゴール
    今回はゴールを設定する理由と方法

    View Slide

  6. なぜゴール設定が
    モメンタムにとって重要なのか
    6

    View Slide

  7. 7
    ゴールを達成したという
    がモメンタムを生むから

    View Slide

  8. 8
    大きなミッションを掲げていても
    小さなゴールに分けて進んでいく
    そうすることで
    進捗が生まれて進んでいける

    View Slide

  9. 9
    最初の一歩が大きくなりがちな
    ハードテック系 🤖🧪
    でも小さく分けて進んでいく
    (詳細はハードテックのスライドで)

    View Slide

  10. ゴールを決めるうえでの二つのポイント
    メトリクスを選択して、超えるべきバーと期限を決める。
    10
    1. メトリクスの選択 📊
    多くのメトリクスの選択肢の中から、現在
    自分たちが注力するべきメトリクスを選ん
    で決める。
    全てのメトリクスを追いかけるとフォーカ
    スがぶれるので、今最も上げる必要のある
    メトリクスを1つ(もしくは少数)決める。
    2. ゴールと期限の決定 🥅
    そのメトリクスの中で達成するべき数値目
    標をゴールとして決める。四半期ごとの売
    上目標の数値などはその一つ。
    適切なハードルとしてのゴールが設定され
    ていないと、ゴールを定める効果が落ちる。

    View Slide

  11. Q.
    11
    どうやって
    ゴールを決めればいいのか?

    View Slide

  12. A.
    12
    最重要なメトリクスを決めて
    最適なハードル を設定する

    View Slide

  13. 13
    良いハードル は
    モメンタムを作る

    View Slide

  14. 目標を適切に選ぶメリット: パフォーマンスと動機付け
    適切な目標を数値で設定することで、主にパフォーマンスとモ
    チベーションの面でチーム全体に良い効果を生む。
    【学びのキーワード】目標設定理論 15
    十分困難である
    目標の困難度は個人のパ
    フォーマンス水準と比例す
    る傾向にある。
    困難な目標を掲げれば、そ
    の分パフォーマンスが上が
    る(難しすぎない限り)。
    明確である
    曖昧な目標よりも明確で具
    合的な目標のほうがモチ
    ベーションが高まり、目標
    達成へとつながる。
    そのため数値目標を作るこ
    とをお勧めする。
    フィードバックあり
    目標設定にフィードバック
    が組み合わさることで、モ
    チベーションが高くなる。
    また目標達成の進捗度が遅
    いものに対して、パフォー
    マンス改善効果も高くなる。
    特に特に早期のフォード
    バックを与えることが有効。

    View Slide

  15. 16
    (一人のメンバーが強い創業チームでなければ)
    🥅 ゴールを
    設定する過程も大事

    View Slide

  16. 17
    ゴールをチームで
    議論すること自体が
    価値を生む

    View Slide

  17. ゴール設定を行うメリット
    ゴール設定のプロセスを通して、チームの一体感を高めて、
    フォーカスを維持する仕組みを作ることができる。
    18
    🧭 方向性
    ゴール設定の議論を通して、
    チームの方向性を決める議
    論ができる。
    議論を通して、チームの目
    指すべき方向性も徐々に明
    らかになってくる。
    👨‍👨‍👧
    ‍👧 意識合わせ
    ゴールを設定する途中で
    チームと議論することで、
    チームとしての意識合わせ
    ができる。
    また議論を経て納得感を
    持って取り組めるようにな
    る。
    🎯 フォーカス
    ゴールを設定することで、
    自分たちが今何を最優先に
    するべきなのかを明確にで
    きる。
    またフォーカスがぶれそう
    なときもゴールに立ち戻れ
    るようになる。

    View Slide

  18. 19
    ゴールは
    SMART かつ
    FAST
    に設定・運用する

    View Slide

  19. SMART かつ FAST なゴール設定・運用をする
    SMART かつ FAST にゴールを設定・運用することで、ゴールの
    効果はより高まる。
    20
    SMART
    Specific – 特定できる
    Measurable – 測定できる
    Achievable – 達成可能な
    Relevant – 関係している
    Time-bound – 時間の区切りのある
    時間を区切り、数値で測れるようなゴール
    を設定すること。
    FAST
    Frequent – 頻繁に話す
    Ambitious – 野望を持つ
    Specific – 特定できる
    Transparent – 関係者への透明性を保つ
    一度設定しただけではなく、頻繁に振り返
    りの機会を持つこと。また関係者には透明
    性を持って開示すること。

    View Slide

  20. 頻繁に話すことが重要
    SMART かつ FAST にゴールを設定・運用することで、ゴールの
    効果はより高まる。
    21
    SMART
    Specific – 特定できる
    Measurable – 測定できる
    Achievable – 達成可能な
    Relevant – 関係している
    Time-bound – 時間の区切りのある
    時間を区切り、数値で測れるようなゴール
    を設定すること。
    FAST
    Frequent – 頻繁に話す
    Ambitious – 野望を持つ
    Specific – 特定できる
    Transparent – 関係者への透明性を保つ
    一度設定しただけではなく、頻繁に振り返
    りの機会を持つこと。また関係者には透明
    性を持って開示すること。
    頻繁な
    振り返りが
    物凄く大事

    View Slide

  21. 22
    一度設定して終わりではなく
    ゴールの達成状況について
    リズム 🥁 を持って
    コミュニケーションすること

    View Slide

  22. 23
    🎯
    フォーカス
    📊
    メトリクス
    🥁
    リズム
    🥅
    ゴール
    つまりゴール設定と運用は
    「フォーカス」「リズム」「メトリクス」
    の全てを統合して行うもの

    View Slide

  23. 適切なゴールの設定方法
    24

    View Slide

  24. 25
    スタートアップの
    ゴール設定のテンプレートを
    活用しよう

    View Slide

  25. Product/Market Fit に到るまでのステージ
    以下のようなステージになる。詳細は別スライド「ステージ別
    指針集」を参照。
    26
    👪
    Customer
    Customer
    Problem
    Fit
    Problem
    Solution
    Fit
    Solution
    Product
    Fit
    Product
    Market
    Fit

    View Slide

  26. 段階別のゴール設定
    27
    Customer/Problem
    Fit まで
    Problem/Solution
    Fit まで
    Solution/Product
    Fit まで
    Product/Market Fit
    まで
    Product/ Market
    Fit 達成
    ステージ 自己資金 自己資金 (or エンジェ
    ル、プレシード)
    シード資金調達前後 シリーズ A 前 PMF 達成時の現象
    • 顧客からの要望で
    手に負えない
    • サーバーが落ちる
    (Twitter のクジラ)
    • 採用しないと顧客
    の要望に対応でき
    ないが、採用が追
    い付かない
    • PMF後は山から転
    がり落ちる岩を追
    いかける感覚
    • PMF してるかどう
    かは明らかに分か
    る(PMF をしてる
    か?という疑問を
    持った時点で PMF
    してない)
    PMFの後にシリーズ A
    が理想 (PMF 後に事業
    計画書を初めて作成)
    売上達成目安 0 0 0 ~ 2,000 万円(年) 1 ~ 1.5 億円(年)
    従業員数目安 共同創業者のみ 共同創業者のみ 共同創業者のみ できる限り少なく
    ビジネス上の
    達成目標
    • バーニングニーズの
    発見と検証
    • 創業チームの組成
    • 課題を解決できるか
    の検証(製品以外の
    手段でも検証可)
    • 課題解決価値の検証
    • 製品開発可能性検証
    • 製品体験全体の検証
    • セールス方法の検証
    • 価格の検証
    • 市場の規模の検証
    • 成長チャネルの検証
    • ビジネスモデル検証
    メトリクス
    (アウトカム)
    なし • 熱狂的な顧客を複数

    • 売上 (LOI) や DAU
    • その他の先行指標
    • LTV と CAC
    • 製品独自の KPI
    製品開発 なし or MVP (LP 等) MVP (コンシェルジュ
    型MVP 等)
    少人数の顧客に愛され
    る Working Prototype
    顧客に愛されて口コミ
    が起こる製品
    推奨される
    活動例
    • 顧客インタビュー
    50 件以上
    • 共同創業者候補との
    壁打ち&巻き込み
    • 受託開発で課題探索
    • MVP の継続的なリ
    リース
    • 顧客インタビューと
    セールスの繰り返し
    • 現場100回
    • 素早くローンチ
    • 顧客と話す(セール
    ス、サポート)
    • ローンチ(何度も)
    • チャーンの削減
    • チャネルの実験と最
    適化
    つまり スケールしないことをしよう(可能な限り続けよう) 一部の最適化

    View Slide

  27. プライマリメトリクスとセカンダリメトリクス
    2種類のメトリクスを用意して追跡すると良い。
    KPI とゴールを設定する方法 28
    プライマリメトリクス
    基本的には売上かアクティブユーザー。可
    能な限り売上をプライマリメトリクスとし
    て追う。ハードテックの場合は LOI や技術
    的マイルストーン。
    以下の条件を満たしていると良い。
    • 提供している価値を表している
    • 継続的な価値を表している
    • 遅行指標である
    • フィードバックとして利用できる
    セカンダリメトリクス
    最大 3 ~ 5 つ程度のメトリクス。自社の健
    全性を複数の視点から見るために設定する。
    初期は製品のメトリクスを中心にする。進
    んでくれば事業のメトリクスからいくつか
    選ぶ。

    View Slide

  28. 29
    売上 or アクティ
    ブユーザー
    という事業のメトリクスを
    プライマリメトリクスに
    製品関係
    のメトリクスを
    セカンダリメトリクスに
    9 割のスタートアップは

    View Slide

  29. 30
    事業の
    メトリクス
    製品の
    メトリクス

    View Slide

  30. 31
    事業の
    メトリクス
    製品の
    メトリクス

    View Slide

  31. 事業のメトリクス
    32

    View Slide

  32. 33
    事業のメトリクスとして、基本的には
    売上 or アクティブユーザー
    を選ぶ

    View Slide

  33. 基本的なゴール設定
    FoundX でガイドとして出している基本的なゴールの流れは以
    下。
    34
    サービス系 (Web, Mobile, SaaS 等)
    第1四半期
    • ローンチ(初月に)
    • その後は売上 or アクティブユーザー
    第2四半期
    • 売上 or アクティブユーザー
    第3四半期
    • 売上 or アクティブユーザー
    ハードテック系
    第1四半期
    • 一定金額以上の LOI の獲得
    第2四半期
    • 一定金額以上の LOI の獲得
    第3四半期
    • 売上
    (※製品は必要な分だけ作るが、作る前に
    売るつもりで売上をゴールにする)

    View Slide

  34. 35
    ハードルとしての数値目標は
    売上 or アクティブユーザー
    の週次 5 ~ 10% 成長

    View Slide

  35. 36
    四半期 (13週)
    なら
    1.9 倍 ~ 3.4 倍
    を目標数値にする
    (前四半期との対比)
    (1.05 の 13 乗) (1.10 の 13 乗)

    View Slide

  36. スタートアップは数年で数百倍の成長を目指す
    以下はスタートアップの成長の指標として有名なものは以下の
    もの。いずれも年間で数倍の成長に達する。
    図は Battery Ventures の指針 から 37
    週次 5 ~ 10% 成長
    Paul Graham による指針。
    一週間で 5% ぐらいが良い成長率、10%
    ならかなり良い成長率。
    もしこの成長率が続けば、
    • 週次 5% 成長なら一年間 72 倍
    • 週次 10% 成長なら一年間で 142 倍
    の成長を遂げることになる。
    T2D3 (SaaS)
    Battery Ventures の指針。
    T2D3 は Triple, Triple, Double, Double,
    Double の略。年間売り上げが3倍、3倍、2
    倍、2倍、2倍になるような成長を遂げるこ
    と。5 年で 72 倍になる。

    View Slide

  37. 週次 10% 成長をしていけば 2 か月後には約 2 倍
    38
    10
    11
    12
    13
    15
    16
    18
    19
    W1 W2 W3 W4 W5 W6 W7 W8

    View Slide

  38. 10% 成長なら 1 年後には 142 倍になる
    39
    10 15 21 31 46 67 98 144
    211
    309
    453
    663
    970
    1,420
    W1 W5 W9 W13 W17 W21 W25 W29 W33 W37 W41 W45 W49 W53

    View Slide

  39. 最終的な成長率の差
    週次のパーセンテージを。複利の効果で、週次 1% 違うだけで
    1 年後は全く違う。
    40
    週次成長率 1 か月後 半年後 1 年後
    1% 成長 1.04 倍 1.3 倍 1.7 倍
    2% 成長 1.1 倍 1.7 倍 2.8 倍
    5% 成長 1.2 倍 3.6 倍 12.6 倍
    7% 成長 1.3 倍 5.8倍 33.7 倍
    10% 成長 1.5 倍 11.9 倍 142.0 倍

    View Slide

  40. Photo by Dave Thomas, released under the Attribution Creative Commons license.
    http://www.paulgraham.com/bio.html 41
    成長への最適化に関する魅
    力的な点は、それがスター
    トアップのアイデアの発見
    につながることです。
    成長の必要性を、進化のプ
    レッシャーという形で利用
    することができます。
    Paul Graham
    『スタートアップ = 成長』

    View Slide

  41. 42
    5 ~ 10% 成長を
    自ら強制することが
    アイデアの進化や発見に
    つながるコンパス 🧭 となる

    View Slide

  42. 44
    この事業の成長を支える
    製品のメトリクスとゴールを
    決める

    View Slide

  43. 製品のメトリクス
    45

    View Slide

  44. 46
    事業の
    メトリクス
    製品の
    メトリクス

    View Slide

  45. 47
    基本は
    継続率
    を測る

    View Slide

  46. 48
    継続率の適切な目標設定方法
    同業界&類似業界の
    大手サービス以上の継続率
    を目指す

    View Slide

  47. 標準的な継続率を超えなければグロースできない
    継続率の目標として、「業界内の最大手を超える」値を設定す
    ることをお勧めする。初期のユーザーが熱狂的に使ってくれな
    ければ、広がったときはもっと使ってくれない。
    What is good retention 49
    半年のユーザー継続率 Good Great
    SNS ~ 25% ~ 45%
    トランザクション
    (B2C)
    ~ 30% ~ 50%
    SaaS (B2C) ~ 40% ~ 70%
    SaaS (B2B) ~ 60% ~ 80%
    SaaS (エンタープラ
    イズ)
    ~ 70% ~ 90%
    1年の収益継続率 Good Great
    SaaS (B2C) ~ 55% ~ 80%
    SaaS (ボトムアップ) ~ 100% ~ 120%
    SaaS (Lead and
    Expand, Small)
    ~ 80% ~ 100%
    SaaS (Lead and
    Expand, SMB)
    ~ 90% ~ 110%
    SaaS (Enterprise) ~ 110% ~ 130%

    View Slide

  48. その他の製品のメトリクス
    継続率の前にスティッキネスやエンゲージメントを選ぶ場合も
    ある。数値目標は適切に判断する。
    エンゲージメント (Sequoia Capital) / プロダクトの健全度を測る (Sequoia Capital) / 50
    ①エンゲージメント
    • 滞在時間/DAU
    • セッション数
    • 滞在時間/セッ
    ション数
    • 在庫数(※ニュース
    フィードなどの場合)
    • コンテンツ消費
    数 & 作成数
    • フィードバック
    数 (Like の数 など)
    ②スティッキネス
    • DAU/MAU
    • Lness
    • 起動率
    • DoD/WoW/Mo
    M 継続率
    ③継続率
    • Dn/Wn/Mn
    ④成長
    • 売上
    • DAU
    • WAU
    • MAU
    • D/D, W/W,
    M/M の変動
    • Quick Ratio
    • 新規/MAU

    View Slide

  49. 51
    ただし製品のメトリクスの
    状況が良くても
    「誰もお金を払っていない」
    というのは悪い状況なので
    事業のメトリクスも追跡する

    View Slide

  50. 52
    ローンチできていない場合は
    メトリクスを気にする前に
    1 週間でローンチする 🚀

    View Slide

  51. 53
    事業の
    メトリクス
    製品の
    メトリクス

    View Slide

  52. 54
    売上 or アクティ
    ブユーザー
    という事業のメトリクスを
    プライマリメトリクスに
    製品関係
    のメトリクスを
    セカンダリメトリクスに
    9 割のスタートアップは

    View Slide

  53. Q.
    55
    良いゴール設定&運用の
    システムはあるのか?

    View Slide

  54. A.
    56
    の考え方を参考にする
    ※ただし初期のスタートアップで
    OKR をそのまま使うとヘビーなのでカスタマイズをする

    View Slide

  55. OKR
    57

    View Slide

  56. ゴール設定の OKR のイメージ
    OKR は Objective に対して、複数の Key Result と、それに連
    なる Activity を設定する。
    58
    Objective
    Key Result 1
    Activity 1.1
    Activity 1.2
    Key Result 2
    Activity 2.1
    Activity 2.1
    Objective Key Result Activity

    View Slide

  57. OKR の仕組み
    OKR のそれぞれの構成要素は以下のようなものになる。
    59
    Objective
    定性的な目標。最終的にど
    こに辿り着きたいか。
    Key Result (KR)
    定量的な目標。KR が達成さ
    れれば、Objective が達成
    される(はずの仮説)。
    Activity
    具体的な活動のこと。活動
    を行えば、Key Results が
    達成できる(という仮説)。
    OKR のシステムの中では
    Initiative と言われる。今回
    は Activity と表現している。
    Objective Key Result 1 Activity 1.1

    View Slide

  58. OKR のメリット
    OKR を使うことで、単にゴールの設定をする以上の効果が見こ
    める。
    60
    構造化できる
    ゴールを OKR と Activity の構造に落とし
    込むことで、ゴールと日々の活動の意味を
    関連付けさせることができる。
    道筋がはっきりする
    ゴール達成までに何をすれば良いのかが、
    OKR と Activity という形で可視化できる。
    Objective
    Key Result 1
    Activity 1.1
    Activity 1.2
    Key Result 2
    Activity 2.1
    Activity 2.1
    目的と活動の意味がつながる
    Objective
    Key Result 1
    Activity 1.1
    Activity 1.2
    Key Result 2
    Activity 2.1
    Activity 2.1
    どうやれば達成できるか分かる

    View Slide

  59. 例)Objective が「資金調達可能な状況になる」の場合
    次の四半期に資金調達をしたいなら、現四半期は資金調達の準
    備ができていることが Objective となる。
    61
    資金調達
    Ready になる
    DAU 月平均 10,000
    機能 A の追加
    口コミ
    継続率 50%
    アクティビティ 2.1
    アクティビティ 2.1
    Objective Key Result Activity

    View Slide

  60. 例)Objective が「資金調達可能な状況になる」の場合
    Objective を達成するために必要な条件として複数の要素を考え、
    それを達成する。
    62
    資金調達
    Ready になる
    DAU 月平均 10,000
    機能 A の追加
    口コミ
    継続率 50%
    アクティビティ 2.1
    アクティビティ 2.1
    Objective Key Result Activity

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  61. 例)Objective が「資金調達可能な状況になる」の場合
    その Key Result を達成するためにどういった活動をすれば良い
    のかを整理して、Activity に書く。
    63
    資金調達
    Ready になる
    有料顧客 3 件獲得
    100 件の新規コンタクト
    契約書テンプレートの
    作成
    ユーザー継続率 50%
    機能 A を〇日までに
    リリースする
    通知の最適化を行う
    Objective Key Result Activity

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  62. Activity の設定方法
    64

    View Slide

  63. KR の達成をするために Activity を考える
    Objective
    資金調達 Ready になる
    Key Results
    3 件の成約が必要
    という場合、Activity として何
    が必要かを考えていく。
    65
    1000 件
    コンタクト
    100 件
    アポイントメント
    20 件
    商談化
    10 件
    デモ
    3 件
    成約

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  64. KR 達成のために Activity を逆算する
    たとえば 10 件程度デモをすれ
    ば、そのうち 3 件が成約に至
    るだろう、と考える。
    66
    1000 件
    コンタクト
    100 件
    アポイントメント
    20 件
    商談化
    10 件
    デモ
    3 件
    成約
    30%

    View Slide

  65. さらにその前を逆算する
    デモを提供できる顧客はおおよ
    そ半分だと考えると、商談化す
    る必要があるのは約 20 件程度
    と推測する。
    67
    1000 件
    コンタクト
    100 件
    アポイントメント
    20 件
    商談化
    10 件
    デモ
    3 件
    成約
    50%

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  66. さらにその前を逆算する
    商談化の割合はそれほど多くな
    いと考えて、五分の一程度と考
    える。
    そうすると、最初のアポイント
    メントが必要なのは 100 件と
    なる。
    68
    1000 件
    コンタクト
    100 件
    アポイントメント
    20 件
    商談化
    10 件
    デモ
    3 件
    成約
    20%

    View Slide

  67. さらに逆算する
    100件のアポイントメントを取
    るためには、1,000 件程度の
    コンタクトが必要とする。
    そうすると、1,000 件のア
    タックリストを用意して、コー
    ルドコールやコールドメールを
    していかなければいけないこと
    が分かる。
    69
    1000 件
    コンタクト
    100 件
    アポイントメント
    20 件
    商談化
    10 件
    デモ
    3 件
    成約
    10%

    View Slide

  68. KR から逆算してアクティビティを考える
    最終的に OKR をこのように分
    解していき、Activity の仮説を
    立てていく。
    もし Activity が難しそうであ
    れば、現実的な OKR にしてい
    くこと。
    このコンバージョン率も仮説の
    ため、徐々に精度を上げていく。
    70
    1000 件
    コンタクト
    100 件
    アポイントメント
    20 件
    商談化
    10 件
    デモ
    3 件
    成約

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  69. OKR 全体の考え方
    71

    View Slide

  70. 具体と抽象 (Objective と Activity) を行き来する
    まずはゴールとして Objective を設定してみるところから始め
    て…
    72
    資金調達
    Ready になる
    有料顧客 3 件獲得
    100 件の新規コンタクト
    契約書テンプレートの
    作成
    ユーザー継続率 50%
    機能 A を〇日までに
    リリースする
    通知の最適化を行う
    Objective から KR と A を考えつつ

    View Slide

  71. 具体と抽象 (Objective と Activity) を行き来する
    Activity を現実的に実施できるかを考えて、必要に応じて上位の
    OKR を見直す。
    73
    資金調達
    Ready になる
    有料顧客 3 件獲得
    100 件の新規コンタクト
    契約書テンプレートの
    作成
    ユーザー継続率 50%
    機能 A を〇日までに
    リリースする
    通知の最適化を行う
    Objective から KR と A を考えつつ
    Activity の現実性から OKR を見直す

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  72. 具体と抽象 (Objective と Activity) を行き来する
    これを繰り返し続けることで、より精緻な計画を立てることが
    できるようになる。
    74
    資金調達
    Ready になる
    有料顧客 3 件獲得
    100 件の新規コンタクト
    契約書テンプレートの
    作成
    ユーザー継続率 50%
    機能 A を〇日までに
    リリースする
    通知の最適化を行う
    これを繰り返す
    これを繰り返す

    View Slide

  73. 75
    Objective Key Results
    Key Results が達成されれば
    Objective が達成される

    View Slide

  74. 76
    Objective Key Results
    Key Results が達成されれば
    Objective が達成される
    Activity
    Activity が実施されれば
    Key Results が達成される

    View Slide

  75. 77
    Objective Key Results
    Key Results が達成されれば
    Objective が達成される
    Activity
    Activity が実施されれば
    Key Results が達成される
    OKR-A は事業の仮説の集まり

    View Slide

  76. 78
    仮説が間違っていたら修正する
    そしてより良いやり方で
    進み続ける

    View Slide

  77. 79
    でもゴールがないと
    仮説もなく修正もできない
    😥

    View Slide

  78. 80
    OKR の仮説が
    間違っていたら
    期の途中であっても
    OKR は変える

    View Slide

  79. 82

    まだ「探索」フェーズの場合
    OKR は早過ぎることもある
    😅

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  80. 83
    ※「探索」のときは
    顧客インタビュー数か
    現場滞在時間など
    自分たちの活動を測ると良い

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  81. Objective の設定方法
    85

    View Slide

  82. 86
    四半期に一度程度、自社の
    OKR
    を考える

    View Slide

  83. 87
    ※ 初期のスタートアップは
    “個人”で OKR を持たない
    ほうがよい
    (チームで 1 個の OKR にする)

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  84. OKR の時間軸
    88

    View Slide

  85. 89
    半年先、1年先、3年先を
    見据えながら
    Objective を設定する

    View Slide

  86. さらに先のことを考えて今期の Objective を設定する
    理想状況から逆算して達成するべきことを考えていく。たとえ
    ば、30 か月後にシリーズ A に到りたいのであれば…。
    90
    3 6 12 18 24 30 36
    シリーズA
    資金調達
    か月後

    View Slide

  87. さらに先のことを考えて今期の Objective を設定する
    その半年前にはシリーズ A ができるだけの実績や仮説、PMF の
    兆しがある状態になっておく必要がある。
    91
    3 6 12 18 24 30 36
    シリーズA
    資金調達
    シリーズA
    準備万端
    (実績アリ)
    か月後

    View Slide

  88. さらに先のことを考えて今期の Objective を設定する
    その 1 年ぐらい前にシード資金を調達するスケジュールとなり、
    その時点で必要な金額はいくらかを考える。
    92
    3 6 12 18 24 30 36
    シリーズA
    資金調達
    シリーズA
    準備万端
    (実績アリ)
    シード
    資金調達
    か月後

    View Slide

  89. さらに先のことを考えて今期の Objective を設定する
    十分な金額のシード資金の調達をするために必要な実績はどれ
    ぐらいかを考えて、その半年前に準備ができるようにする。
    93
    3 6 12 18 24 30 36
    シリーズA
    資金調達
    シリーズA
    準備万端
    (実績アリ)
    シード
    資金調達
    シード
    準備万端
    (製品の実績
    既にあり)
    か月後

    View Slide

  90. さらに先のことを考えて今期の Objective を設定する
    すると三か月後に到っているべき点が見えてくる。
    94
    3 6 12 18 24 30 36
    シリーズA
    資金調達
    シリーズA
    準備万端
    (実績アリ)
    シード
    資金調達
    シード
    準備万端
    (製品の実績
    既にあり)
    製品開発
    ほぼ完了
    か月後

    View Slide

  91. さらに先のことを考えて今期の Objective を設定する
    その 3 か月後を実現するために、この 1 か月でやるべきことな
    ども見えてくる。
    95
    3 6 12 18 24 30 36
    シリーズA
    資金調達
    シリーズA
    準備万端
    (実績アリ)
    シード
    資金調達
    シード
    準備万端
    (製品の実績
    既にあり)
    製品開発
    ほぼ完了
    MVP
    リリース
    か月後

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  92. 「先の先」を考えて Objective を設定する
    このようにして数年先ぐらいまでを考えて、四半期の Objective
    を考えると立てやすい。
    96
    3 6 12 18 24 30 36
    シリーズA
    資金調達
    シリーズA
    準備万端
    (実績アリ)
    シード
    資金調達
    シード
    準備万端
    (製品の実績
    既にあり)
    製品開発
    ほぼ完了
    MVP
    リリース
    か月後

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  93. Objective の意味を考えて KR に分解する
    Objective を最も効率よく達成する手段として Key Results を
    設定する。Activity への落とし方は前述した。
    97
    Objective
    Key Result 1
    Activity 1.1
    Activity 1.2
    Key Result 2
    Activity 2.1
    Activity 2.1
    Objective Key Result Activity

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  94. 98
    OKR の
    定性的な目標 (O) と
    定量的な目標 (KR) の
    両方を用意するところを
    採用するところから始めよう

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  95. 99
    もし設定が難しいなら
    標準的な指針も活用する

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  96. 段階別のアクティビティの設定の例
    100
    Customer/Problem
    Fit まで
    Problem/Solution
    Fit まで
    Solution/Product
    Fit まで
    Product/Market Fit
    まで
    Product/ Market
    Fit 達成
    ステージ 自己資金 自己資金 (or エンジェ
    ル、プレシード)
    シード資金調達前後 シリーズ A 前 PMF 達成時の現象
    • 顧客からの要望で
    手に負えない
    • サーバーが落ちる
    (Twitter のクジラ)
    • 採用しないと顧客
    の要望に対応でき
    ないが、採用が追
    い付かない
    • PMF後は山から転
    がり落ちる岩を追
    いかける感覚
    • PMF してるかどう
    かは明らかに分か
    る(PMF をしてる
    か?という疑問を
    持った時点で PMF
    してない)
    PMFの後にシリーズ A
    が理想 (PMF 後に事業
    計画書を初めて作成)
    売上達成目安 0 0 0 ~ 2,000 万円(年) 1 ~ 1.5 億円(年)
    従業員数目安 共同創業者のみ 共同創業者のみ 共同創業者のみ できる限り少なく
    ビジネス上の
    達成目標
    • バーニングニーズの
    発見と検証
    • 創業チームの組成
    • 課題を解決できるか
    の検証(製品以外の
    手段でも検証可)
    • 課題解決価値の検証
    • 製品開発可能性検証
    • 製品体験全体の検証
    • セールス方法の検証
    • 価格の検証
    • 市場の規模の検証
    • 成長チャネルの検証
    • ビジネスモデル検証
    メトリクス
    (アウトカム)
    なし • 熱狂的な顧客を複数

    • 売上 (LOI) や DAU
    • その他の先行指標
    • LTV と CAC
    • 製品独自の KPI
    製品開発 なし or MVP (LP 等) MVP (コンシェルジュ
    型MVP 等)
    少人数の顧客に愛され
    る Working Prototype
    顧客に愛されて口コミ
    が起こる製品
    推奨される
    活動例
    • 顧客インタビュー
    50 件以上
    • 共同創業者候補との
    壁打ち&巻き込み
    • 受託開発で課題探索
    • MVP の継続的なリ
    リース
    • 顧客インタビューと
    セールスの繰り返し
    • 現場100回
    • 素早くローンチ
    • 顧客と話す(セール
    ス、サポート)
    • ローンチ(何度も)
    • チャーンの削減
    • チャネルの実験と最
    適化
    つまり スケールしないことをしよう(可能な限り続けよう) 一部の最適化

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  97. (参考)ロジックモデルと OKR
    102

    View Slide

  98. 103
    OKR とロジックモデルを比較して
    良い KR と 悪い KR を理解する

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  99. ロジックモデル - メトリクスを考えるときに活用する
    ロジックモデルは以下のように活動から成果までの流れを整理
    するもの。先行指標と遅行指標の整理にも使える。
    104
    インプット/
    リソース
    インパクト
    アクティビ
    ティ
    アウトプッ
    ト/実装
    アウトカム
    開発された
    製品や機能
    製品によっ
    て起こる顧
    客の変化
    (例: 時間削
    減、省力化、
    楽しみ)
    社会的な
    インパクト
    (自社の
    ミッション
    など)
    製品開発の
    作業
    時間やお金、
    人など

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  100. 顧客や社会への影響
    社内の取り組み
    ロジックモデルの構成:前半は社内と後半は社外
    途中までは社内のメトリクスであり、アウトカム移行が社外も
    関係してくるメトリクスになる。
    105
    インプット/
    リソース
    インパクト
    アクティビ
    ティ
    アウトプッ
    ト/実装
    アウトカム

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  101. チーム内の OKR とロジックモデル
    ロジックモデルは以下のように活動から成果までの流れを整理
    するもの。先行指標と遅行指標の整理にも使える。
    106
    インプット/
    リソース
    インパクト
    アクティビ
    ティ
    アウトプッ
    ト/実装
    アウトカム
    開発された
    製品や機能
    製品によっ
    て起こる顧
    客の変化
    製品開発の
    作業
    Objective
    Key Results
    Activity
    (アウトカム
    の社内に対
    する影響)

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  102. チーム内の OKR とロジックモデル
    KR はあくまで顧客に関わる数値にすること。自社内で完結する
    もの(機能のリリースなど)は KR ではない。
    107
    インプット/
    リソース
    インパクト
    アクティビ
    ティ
    アウトプッ
    ト/実装
    アウトカム
    開発された
    製品や機能
    製品によっ
    て起こる顧
    客の変化
    製品開発の
    作業
    Objective
    Key Results
    Activity
    (アウトカム
    の社内に対
    する影響)
    基本的に機能開発は
    KR ではない
    KR は顧客が得る成果や
    売上、継続率など

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  103. アクティビティやアウトプットを KR にしない
    ロジックモデルのアクティビティやアウトプットに位置付けら
    れるものを KR にはしないようにする。
    108
    アクティビティベースの KR
    「〇人の顧客と会う」「〇冊の本を読む」
    などはアクティビティであって、顧客に
    とっての利益と関係していない。
    アウトプットベースの KR
    「製品をリリースする」はアウトプットで
    あって成果ではない。アウトプットが引き
    起こす、顧客に関係するアウトカムを KR
    に設定する。
    例えば、「ベータ版をリリースすることで、
    リテンションが50%のアーリーアダプター
    を10人獲得した」など。
    インプッ
    ト/リソー

    インパク

    アクティ
    ビティ
    アウト
    プット/実

    アウトカ

    (KR はここ)

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  104. ダメな KR の例
    以下がしばしば見る KR のダメな例と理由。合わせて改善案も。
    109
    ダメな例 ダメな理由 改善案
    顧客インタ
    ビューを10件す

    インタビュー自体はアクティビ
    ティであり、アウトカムではない。
    インタビューの結果、仮説が検証
    されるのがアウトカム。
    (インタビューの結果)6 人以上
    から購入意向を書面でもらう
    製品をリリース
    する
    製品のリリース自体はアウトプッ
    トであり、アウトカムではない。
    アウトカムを設定するべき。
    (製品をリリースして)週次ベー
    スの継続率 60% を達成する
    ユーザーを100
    人増やす
    「ユーザー」の定義が不明確。定
    義をきちんと付記しておく。
    アクティブユーザーを100人増や
    す (アクティブの定義は〇〇)
    ※週次 5% 以上成長が望ましい

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  105. 要注意な KR (1)
    110
    ⛔ 社内用語を含む
    (“〇〇機能をローンチす
    る”) などが使われている場
    合、良い傾向ではない。そ
    のローンチによって得られ
    るはずの効果などを書く。
    「〇〇機能をローンチする
    ことによって、サインアッ
    プ率を25%向上させる」も
    しくは単純に「25%のサイ
    ンアップレートの向上」な
    どが Key Results になる。
    ⛔ 実務と無関係
    OKR を設定した後、実際に
    やっている作業が OKR と
    全く関係ない場合、形骸化
    するどころか、OKR 自体へ
    の信頼感がなくなってしま
    うので、OKR などの運用を
    しないほうが良い。
    ⛔ 測定ができない
    「サインアップの改善」は
    良い Key Results とは言え
    ない。「5 月 1 日までに毎
    日のサインアップを 25%
    改善する」などが良い KR。

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  106. 要注意な KR (2)
    111
    ⛔ 定義が不明瞭
    「興味を持つ顧客の数」な
    どは「興味を持つ」という
    定義が難しいため、適切な
    KR ではない。売上など、明
    確に測れるものにする。
    アクティブユーザーの「ア
    クティブ」の定義も気を付
    ける。
    ⛔ ゼロか 1
    一つのイベントで KR が
    100% に到るようなものは
    良い KR ではない。
    LOI 等を追う場合も、セー
    ルスステージの管理などで
    途中経過を KR に反映でき
    るようにしておくと良い。
    ⛔ 日付付き
    日付が入っているものは大
    体アウトプットや単なるタ
    スクであり、アウトカムで
    はないことが多い。

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  107. OKR 設定のタイミングと運用
    四半期の目標を立てるだけではなく、一週間ごとの計画まで落
    とし込むつもりで活用する。
    112
    四半期
    四半期に一度程度、OKR の設定を行うこと
    をお勧めする。そのタイミングで振り返る
    リズムを作る。
    一週間の目標と行動計画
    四半期の OKR を達成するために、一週間
    ごとに何をするべきかを考えて、計画に落
    としてみること。
    遅れが見えてきた場合、計画を修正したり
    する。

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  108. 113
    一週間の目標を
    達成しなければ
    徹底的に話し合う

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  109. 114
    探索期以降のスタートアップは
    目標や活動が良く変わるが
    四半期スパンの大きな目標は
    設定しておいた方が
    迷わなくて済む

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  110. Author:Rafaelji , CC BY-SA 3.0 115
    我々の計画というのは、
    目標が定かでないから
    失敗に終わるのだ。
    どの港へ向かうのかを知
    らぬ者にとっては、いか
    なる風も順風たり得ない。
    ルキウス・アンナエウス・セネカ

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  111. 戦いに備えるとき、
    計画は役に立たない
    ものだといつも思う。
    それでも、計画を立
    てることは不可欠だ。
    ドワイト・D・アイゼンハワー
    116

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  112. ゴールと進捗の
    コミュニケーション
    117

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  113. 118
    ゴールには
    本気にならなければ
    設定の意味がない
    (スタートアップは「なあなあ」になりがち…😭)

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  114. 119
    ゴールと進捗は
    オーバーコミュニケーション
    なほどに繰り返す
    (運用が超重要!)

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  115. 120
    そのためにも
    ダッシュボード
    を作る

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  116. 121
    メトリクスを決めて計測して
    ゴールを設定して
    ダッシュボードで視覚化して
    振り返りのリズムを作る
    ことで理想に辿り着く

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  117. Frequent Self-Weighing and Visual Feedback for Weight Loss in Overweight Adults
    体重を測ると痩せやすいのは本当か?
    122
    ダイエットも「体重を計測すること」と
    「視覚的フィードバックがあること」
    でより効果的になる

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  118. ダッシュボード作成ツール
    ダッシュボードの作成に初期はそれほど時間を賭けなくても良
    い。
    123
    Google Site + Sheet
    Google Spreadsheet で
    作ったグラフを Google
    Site に埋め込むと簡単にで
    きる。無料。初期スタート
    アップにお勧め。
    なお Google Data Portal
    は Google Analytics との連
    携などが強いが、カスタマ
    イズ性が高いので時間がか
    かってしまうことも。
    OSS
    Re:dash や metabase な
    どを使う。サーバを構築し
    て運用する必要があるので
    少々面倒。
    有料ツール
    Tableau, Looker, Retool
    などを使う手もある。
    Microsoft の Power BI (共
    有する場合有料になる) と
    いう手も。

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  119. 124
    ダッシュボードは
    作るよりも運用が大事
    強制的/頻繁に見返すよう
    オペレーションに組み込む

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  120. 125
    デジタルのダッシュボードは
    うまくオペレーションに
    組み込まないと
    頻度高く閲覧されない 😥

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  121. スタートアップ プレイブック 126
    オフラインでも
    至る所に
    進捗状況を
    張り出す
    Airbnb の創業者たちは冷蔵庫、机、洗面所
    のガラスなどに自分たちのゴールや進捗状
    況を張り出していた

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  122. まとめ
    127

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  123. 128
    🎯
    フォーカス
    📊
    メトリクス
    🥁
    リズム
    🥅
    ゴール
    ゴールを設定する理由と方法

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  124. 129
    ゴールを達成したという
    がモメンタムを生む

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  125. 130
    モメンタムの維持
    を最優先事項にする

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  126. 131
    最初は自分たちでゴールや
    リズムを設定できないことも多い
    そこでアクセラレータなどを
    うまく使うのも一つの手 🙌
    (Y Combinator, 東京大学 FoundX など)

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  127. 更なる文献
    • スタートアップのオペレーション
    • スタートアップ = 成長 (Paul Graham)
    • KPI とゴールを設定する方法
    • スタートアップの成長のためのガイド
    • What Matters
    132

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  128. FoundX の紹介
    133

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  129. FoundX とは
    134
    東京大学 FoundX は東京大学 産学協創推進本部の下部組
    織です。東京大学 本郷キャンパスの近くに 3 つの施設を構
    え、起業志望者向けのプログラムを複数提供しています。
    投資は行いませんが、無償での個室貸与やプログラムの提
    供、起業家コミュニティへの参加を支援します。
    🔥
    興味
    情熱
    Fellows (6 か月) Pre-Founders (6 か月) Founders (9 か月)
    👨‍👨‍👧
    ‍👧
    共同創業者
    の説得
    💰
    有利な
    資金調達
    🤝
    フル
    コミット
    🏆
    ビジネス
    実績
    📝
    初契約
    初売上
    💻🤖
    製品開発
    と改善
    💲
    助成金や
    コンテス

    賞金の獲

    Review,
    Resource,
    School

    試行
    錯誤
    🌱
    アイデア
    の種
    💡
    検証された
    アイデア
    📚
    起業家の
    基礎知識
    &スキル
    🔨
    プロト
    タイプ
    🙎
    顧客イン
    タビュー

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  130. FoundX の提供する起業家支援プログラム & リソース
    主に東京大学の卒業生向けに、無償のスタートアップ支援プロ
    グラムや学習リソースを提供。
    135
    👨‍👨‍👧
    ‍👧 チーム向け
    Founders Program
    事業と起業家の成長を、コ
    ミュニティを通して達成す
    るプログラム。個室を無償
    で最大 9 か月間貸与。
    Pre-Founders Program
    Founders Program に入る
    までの準備を行うプログラ
    ム。
    🧑👧 個人向け
    Fellows Program
    スタートアップ的手法の実
    践を通してアイデアを見つ
    け、育てるためのプログラ
    ム。
    📚 学習リソース
    FoundX Review
    平日ほぼ毎日更新し、ス
    タートアップのノウハウ情
    報を提供。カテゴリ別のま
    とめは FoundX Resource。
    FoundX Online School
    動画形式でスタートアップ
    の基礎を学べる。

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  131. スライド著者 & FoundX 運営
    馬田隆明 (東京大学 FoundX ディレクター)
    University of Toronto 卒業後、日本マイクロソフトでの Visual
    Studio のプロダクトマネージャーを経て、テクニカルエバンジェリス
    トとしてスタートアップ支援を行う。スタートアップ向けのスライド、
    ブログなどの情報提供を行う。
    サイト: https://takaumada.com/
    136
    スタートアップの
    方法論の基礎
    Amazon
    (2017年3月)
    起業環境の重要性と
    アクセラレーター
    の設計方法
    Amazon
    (2019年4月)
    スタートアップの
    公共や規制との
    付き合い方
    Amazon
    (2021年1月)
    スタートアップに
    ついてのスライド
    Slideshare
    SpeakerDeck

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  132. 137
    https://foundx.jp/
    ご応募お待ちしています
    😊

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