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ICH S1B 発がん性の検証
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xjorv
October 31, 2020
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ICH S1B 発がん性の検証
ICH S1Bは発がん性の検証に関するガイドラインです。発がん性研究の評価方法について述べられています。
xjorv
October 31, 2020
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Transcript
ICH S1B 発がん性の検証 2020/10/24 Ver. 1.0
ガイドラインの概要 発がん性の検証方法を定める • 哺乳類での不必要な長期発がん性試験を減らす • 発がん性を正確に検証可能な長期試験を示す
検証の順番 発がん性は遺伝毒性の後に検証する • 遺伝毒性研究についてはS2A、S2Bに記載 • 検証用の用量はS1A、薬力学はS1Cに記載 • 多回投与についても先に検証しておく
検証方法: 概要 単一の系では十分な検証はできない • げっ歯類での長期試験は必須 • 必要に応じて、追加試験を行う
長期試験に使用する動物種の選択 以下を考慮し、適切なものを選択する • 薬理学 • 多回投与毒性 • 代謝 • 毒物動態学
• 投与経路 特に選択理由がなければラットを選ぶ
追加のin vivo試験 2つのうち、1つを選んで実施する • 短期/中期のげっ歯類での試験 • 長期の2種目のげっ歯類での試験 前者はがんの発生機構を検証する 遺伝子組み換えマウスを用いてもよい
短期・中期試験の選択について 発がん性の証拠として必要なものを選ぶ • 選択理由については十分な説明が必要 • 薬物動態学や暴露法を考慮して選択する
がん発生機構の研究 用量・環境の影響を明らかにする • 細胞レベルの形態・組織・機能の変化 • 生化学的変化(ホルモン・成長因子・結合タンパク等) • 追加の遺伝毒性研究(DNA障害・修復試験など) 実験計画の最適化も有用
長期試験に使用する種の選択 基本的にラットを使用する • 2種のげっ歯類研究も発がん性検証には貢献可能 • ラットはマウスよりも発がん性に感受性が高い • ラットの肝がん、マウスの肝がん誘導は信頼性が低い
非遺伝毒性、発がん性の物質検証 げっ歯類では、遺伝毒性がなく、発がん性がある場合もある • げっ歯類とヒトでの応答性の違いは明らかになりつつある • マウスよりラットで研究が進んでいる
代謝産物 P450による物質の代謝産物の検証が重要 • ラット、ヒトでの研究例が多い • マウスよりラットを選択したほうがよい
サイズ的な問題など マウスは小さすぎて検証が難しい • ラットでは血液、組織の検証がしやすい • 2種が必要となる場合にはマウスも選択肢となる • 状況によっては他の種を利用することも考慮する
発がん性の評価 腫瘍の発生率と潜伏期間を評価する • 補助的・機能的研究も情報として重要