医療機器QMS省令1 QMSの基礎と管理監督者

医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令（Quality Management Systems、QMS省令）は医薬品のGQPに当たる省令で、薬機法第23条に医療機器の製造販売承認の条件として定められているものです。

Transcript

1. 医療機器QMS省令 1 QMSの基礎と管理監督者 2021/2/25 Ver. 1.0
2. QMS省令 薬事法に基づき、省令が制定されている 医療機器又は体外診断用医薬品の製造販売をしようとする者 は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認 を受けなければならない。 四 医療機器の製造管理又は品質管理の方法が、厚生労働省 令で定める基準に適合していると認められないとき。 ＊医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令 薬機法第23条の2の5の四号 医薬品のGQP省令に当たるが、中身はかなり異なる
3. 品質管理監督システム（QMS） 製造販売業者はQMSを確立・文書化・実施化・維持する • 製造・品質管理の工程を定め、施設間の態様を明確にする • 工程順序・実施法・品質管理の判定基準を明確にする • 工程の実施/監視/測定のための資源/情報を使用可能とする ＊QMS: Quality Management System
4. 品質管理監督システム（QMS） 製造販売業者はQMSを確立・文書化・実施化・維持する • 工程を監視し、実効性維持のための措置を取る • 外部委託時には工程が管理されるよう措置を施す • 工程管理の方法をQMSの中で明確に規定する ＊QMS: Quality Management System
5. QMSの文書化 以下を文書とし、定める • 品質方針および品質目標 • QMSの基準 • 工程管理のために必要な事項 • 文書化の手順と記録 • 製品標準書
6. QMS基準書 以下の基準書を文書とし、定める • QMSの範囲 • QMS手順書の内容・文書番号等 • 各工程の相互の関係 • QMSの文書体系
7. 品質管理監督文書の管理 以下の手順を文書とし、定める • 品質管理監督文書の照査と承認の方法 • 文書の照査に従った更新の承認・変更の記録 • 外部の品質管理監督文書の識別・配布の管理 • 廃止した文書の適切な管理方法 • 文書もしくは写しを保管する方法
8. 記録の管理 QMSの記録を作成し、検索可能な形で保管する • 記録/識別/保管/保護/検索/保管期間/廃棄の手順を確立する • 手順を文書として定める • 記録は一定期間保管する
9. 管理監督者 QMS業務を最上位で管理監督する役員等を指す • 品質方針・品質目標を定める • 管理監督者照査を実施する • 資源が利用できる体制を確保する • 製品受領者要求事項に適合することの重要性を周知する • 内部での情報伝達の仕組みを確立する
10. 品質方針 管理監督者が定める、製品が達成すべき品質の方針のこと • 品質方針は製造販売業者等の意図に照らし適切なものとする • 要求事項・QMS実効性を監督することを規定する • 品質目標・照査の基準となる • すべての施設に周知し、妥当性のための照査を受ける
11. 品質目標・QMS計画 管理監督者が定める、製品が達成すべき品質の目標のこと • 品質目標は品質方針と整合性の取れたものとする • 品質目標達成のためのQMS計画を策定する
12. 管理責任者 管理監督者が任命する、QMSのための責任者のこと • QMS実効性の維持に関する責任と権限を持つ • QMSの実施状況・改善必要性を管理監督者に報告する • すべての施設で法令・要求事項の認識向上を行う
13. 管理監督者照査 管理監督者が定期的に行う、QMS実効性の確認のこと • 照査の間隔はあらかじめ文書で定める • 改善や変更の必要性を含めて評価する • 照査の結果を記録し、保管する
14. 管理監督者照査に関わる工程入力情報 照査の基となる情報のこと • 監査結果・受領者からの意見 • 工程実施状況・製品要求事項への適合性 • CAPAの状況 • 以前の照査に対して行った措置 • QMSに影響を及ぼしうる変更 • 部門・構成員からの改善提案 • 薬事等の法令・規定の制定・改正
15. 管理監督者照査に関わる工程出力情報 照査結果により行う、製造販売業者による措置を指す • QMSの改善 • 製品受領者要求事項に関連した製品の改善 • 資源の管理監督