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定例会議を活用してプロジェクトを推進する方法_COPILOT

COPILOT Inc.
January 19, 2023

 定例会議を活用してプロジェクトを推進する方法_COPILOT

プロジェクト推進を専門とする“COPILOT Inc.”が提供するナレッジ資料(全80ページ)を公開中

定例会議を活用してプロジェクトを推進する方法〜フレームワーク Project Sprint の考え方とサービス SuperGoodMeetings による会議の進行方法〜

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資料の目的
定例会議を運用することでプロジェクト推進が実践できるようになること
▶︎なぜ定例会議でプロジェクトが進むのかに納得できる。
▶︎定例会議によってプロジェクトが進むイメージを掴むことができる。
▶︎実際に定例会議を進めてみよう、と思ったときに手順の参考にできる。

読んでいただきたい方
プロジェクトリーダー・マネージャーなどプロジェクトを進めたいとおもっている人
▶︎変化し続けるプロジェクトをチームメンバー全員で自律的に進めたい。
▶︎いまは特に大きな問題はないが、プロジェクトをもっと良くしたい。
▶︎プロジェクトの会議がもっとうまくいくように変化させたい。

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みなさまと共に走りながらプロジェクトを推進する会社
株式会社コパイロツト
https://copilot.jp/

COPILOT Inc.

January 19, 2023
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  1. どのような資料なのか 2 資料の目的 定例会議を運用することでプロジェクト推進が実践できるようになること • なぜ定例会議でプロジェクトが進むのかに納得できる。 • 定例会議によってプロジェクトが進むイメージを掴むことができる。 • 実際に定例会議を進めてみよう、と思ったときに手順の参考にできる。

    読んでいただきたい方 プロジェクトリーダー・マネージャーなどプロジェクトを進めたいとおもっている人 • 変化し続けるプロジェクトをチームメンバー全員で自律的に進めたい。 • いまは特に大きな問題はないが、プロジェクトをもっと良くしたい。 • プロジェクトの会議がもっとうまくいくように変化させたい。 背景にある方法論とツール プロジェクト推進支援を専業とする株式会社コパイロツトのナレッジを活用 フレームワーク Project Sprint 不確実性の高い環境・状況において、 多様性のあるメンバーのチームが、 プロジェクトを推進する方法論。 サービス SuperGoodMeetings 定例会議を運用をすることで、 チームメンバーの自律的な活動を促し、 プロジェクト推進を可能にするツール。
  2. プロジェクトの現状 プロジェクトが進むとはどういうことか プロジェクトが進むということは、チームメンバーがプロジェクトの成果につながる作成 物を出力する活動を行うことである。その活動から得られる2つの情報を活用して、プロ ジェクトを理解・改善することで、よりよい次の活動につなげることを繰り返す。 作成物 4 各メンバー独自の観点 でプロジェクトをより よくするための問題や

    アイデアを得られる 小さな出力が積み重なり 成果となってプロジェク トが漸進的に進む 自分やチームの活動のプロジェクトによる意味づけを認識することで、 プロジェクトの現状を理解できる情報を得られる 活動 プロジェクトの成果 プロジェクトを良くするきづき プロジェクトの状況把握 違和感 / 閃き
  3. (プロジェクトのストーリー) 定例会議でプロジェクトが進むとはどういうことか 活動から作成物と情報をつかって定例会議で対話を行いチームで意味づけをおこなう。 そこからチームのストーリーを紡ぎ、次の会議までの活動が自己決定できる状況をつくる。 定例会議 #6 定例会議 #7 定例会議 #8

    議題 議題 議題 議題 議題 議題 各個人 活動の実践 中間成果 各個人 活動の実践 各個人 活動の実践 各個人 活動の実践 議題 議題 議題 各メンバーがそれぞれ活動し、 必ず作成物をつくって共有 中間成果 中間成果 最終 成果 次のストーリーをつくり チームで認識を共通にする 自らアジェンダを提案し、 チームの活動案に変換する 作成物 5
  4. 目指す状態とその状態のために必要な4つの行動 • 短期間の定期的反復活動を行い、成果・価値を素早く検証する • 定例会議により活動について対話を行い自分達の活動の意味を理解する • 実践してきた活動の意味から次の行動のためのストーリーに納得する • プロジェクトを進めるプロセスを継続的に定期的に振り返る 7

    プロジェクトの変化する成果に合わせ メンバーが自律的な活動ができる 統合(同じ目的・目標に向かう)できつつ、 分化(自律的な行動をする)できている プロジェクトを推進させる 行動がチームの習慣になっている 定期的であり反復的な活動と対話により、 チームの活動を意味づけできている 3 ストーリーにメンバーが 納得する状態をつくる 2 継続的に定期的に 改善プロセスを実行する 1 プロジェクトが推進する 定例会議を運用する
  5. プロジェクトが推進する定例会議のアジェンダとは プロジェクトが進むための定例会議では以下の内容を議論する。 1. 活動の実践より得られ た情報を共有する チームメンバーの実践から掴んだ 情報と出力から、プロジェクトの 現在の認識をあわせる 2. 活動の実践から感じた

    モヤモヤを解消する 閃きから発見されたアイデアの共 創や、違和感から発見された問題 を解決する。本人が自らアジェン ダを提案し、自ら活動に変換する 3. 次のストーリーに チーム全員が納得する チームが次に何を目指しているの か、具体的に(目的・成果ロード マップや、行動目標マイルストー ンなど)を共有する 9 その結果、会議終了時に、メンバーそれぞれが次の会議までの活 動を自己決定できる状態になっていることを目指す。
  6. 定例会議の運用方法:プロジェクトが推進する定期的な習慣的行動 • 会議の準備:みんなの視点が必要な議題が提案され、議論が本質的に行われる状態をつくる ◦ 行動からひらめき・違和感を獲得し、自分で会議の議題を記入する ◦ 事前に会議のアジェンダを詳細に記入する • 会議の冒頭:議論されるべきものが議論される状態をつくる ◦

    会議の冒頭に進捗状況を確認してプロジェクトの現状認識を合わせる • 議論中:目的にあった質の高い議論をみんなで進める ◦ アジェンダ詳細と議事録を常に掲示して、議論状況の認識を合わせる ◦ 議論の決定事項・タスクの文脈が理解できる議事録を作成する ◦ 議論中は「完了の定義」を更新しつづけて参加者の認識を合わせる ◦ 議題の予定時間を超過したら、議論の終わり方を決める • 議論終了時:漸進的にプロジェクトの成果を積み上げるチームの活動を促す ◦ 1つの議論が完了したら、必ず次のタスクを明文化して、チームで認識を合わせる • 会議終了時:反復的なリズムにより習慣的行動をつくる ◦ 会議最後に、次回会議の日時・議題、実践予定のタスクの認識を合わせる • 会議終了から次の会議まで:活動により成果を積み上げ、プロジェクトの状況を把握する ◦ タスクを必ず実行して、目に見える作成物を出力する 10
  7. 行動からひらめき・違和感を獲得し、自分で会議の議題を記入する 13 タスクの実践により得られる情報やそこから感じるものは、タスクを実践した本人しか活用できな い。会議による議論から出たみんなが納得する活動を通してプロジェクトを推進するために、タスク 実践者本人がアジェンダの記入を行う。 DO NOT DO 本当に解決すべき内 容とニュアンスが変

    わり、議論が収束し づらくなる。 ファシリテーターが全員 の議題をまとめることに より、タスク実践者本人 が創造・解消したいこと とずれてしまい収束しづ らい。またファシリテー ターの把握にとても労力 がかかる。 メンバーぞれぞれの 観点で創造・解消が 行われ、多様なアプ ローチで推進する プロジェクトの状況を自 分の専門分野で理解した メンバーのアンテナが活 用された議論になり、本 質的な結論がでやすく、 次の活動にもつながりや すくなる。
  8. 事前に会議のアジェンダを詳細に記入する 16 会議でチームによる次の行動の意思決定によりプロジェクトは推進し、改善される。議論の準備を事 前に行う方が望ましい。その準備のためにアジェンダ各項目を入力することで、議論に必要な準備に 気づくことができる。また事前のアジェンダ情報を見ることで、参加者も議論の準備が可能になる。 DO NOT DO 準備不足で場当たり 的な提案になり、質

    の高い次の行動が得 られない 進行が想定できておら ず、必要な情報がない、 そもそも必要な人が参加 していない、この会議で 話すことではなかった、 などの理由で議論がうま くできない。 事前の準備と議論の 想定をもとに、チー ムみんなで議論して 良い結論が出せる 議論の本質的なゴールを 見据えて準備しているた め、本来求めていた結論 だけではなく、そもそも 大きく議論の方向が変 わっても、求める成果に 近づきやすくなる。
  9. 18 タイトル:具体的に何を議論したいのか(What)を記入する 進行方法: どのように議論を進めるか(How)を記入する 参照する情報やドキュメントがあればリンクを記入する 「どのように議論を進めるか」を想定してみると不足して いる情報や準備に気づきやすい 議論終了時の想定: 議論が終わった時にどういう状態にしたいかを記入する 議論完了時に目視可能な成果物は何かを記入する

    SuperGoodMeetingsを使った場合のアジェンダ詳細記入例 時間:何分議論するか(When)を記入する 【操作】行動からひらめき・違和感を獲得し、自分で会議の議題を記入する 事前に会議のアジェンダを詳細に記入する コンテキスト: 議論する目的や理由(Why)を記入する なぜこれを議論したいのか、根本の動機を理解できる 議論の有無や、アジェンダの各項目の検証も可能になる 議論の種類は何か(発散・ 収束・共有)を記入する コンテキスト: 誰から誰(Who→Whom)に伝えたいのかを記入する
  10. 会議の冒頭に進捗状況を確認してプロジェクトの現状認識を合わせる 21 会議の冒頭でプロジェクトの現状が一致していないとその後の議論が噛み合わない。前回の会議から 今回の会議までの差分を確認して、プロジェクトやチームの状態の認識をチームメンバー全員と合わ せる。 DO NOT DO 状況が不明瞭なた め、議論の結論に納

    得感を持ちづらい 的外れな議論の方向に進 んでも指摘ができない。 そもそも今議論すべき テーマなのか判断できる 材料がないため、アジェ ンダの優先順位がつけづ らい。 今必要な議論を展開 でき、結論が得やす くなる それぞれの想定する状況 との違いにより、プロ ジェクトを推進・改善す る議論がしやすくなる。 状況の認識が揃い、会議 時間は認識が固定される ことから、議論の結論が 導きやすくなる。
  11. 【背景】会議の冒頭に進捗状況を確認してプロジェクトの現状認識を合わせる 23 自律型組織方法論 ホラクラシー の テンション(違和感) プログレス AsIs - ToBe

    チーム ロールの責務 現状とあるべき姿とのギャップ 感知 テンション 柔軟で自律的な組織について言及している理論や方法論では、現状の情報や認 識を揃えてから次の行動や改善のための提案を行う。 センスメイキング理論 入山 章栄."センスメイキング理論".世界標準の経営理論. ダイヤモンド社, 2019, p. 421.
  12. アジェンダ詳細と議事録を常に掲示して、議論状況の認識を合わせる 26 みんなが参加してよい議論をするためには、参加者全員が議論の状況が共通になる必要がある。 議論中はアジェンダの各項目と議事録を常に画面に表示し、状況の認識が合うようにする。 議事録は、手書きのホワイトボードのように情報を整理して記述すると、認識がそろいやすくなる。 DO NOT DO 論点がそろわず本質 ではない議論になり

    収束しない 議論の状況がわかりづら く、関係のない方向に広 がり、予想していた結論 にたどり着かない。 特定のメンバーしか 議論に参加できない 内容がわかっているひと しか発言できない みんなで論点の認識 をそろえて進行する ことで、質の高い議 論ができる 議論に関する情報だけで はなく、議論の目的・論 点や議論の流れがわかる ようになると、みんなが 議論に参加しやすく、よ り本質的な議論や問題解 決につながりやすくな る。
  13. 議論の決定事項・タスクの文脈が理解できる議事録を作成する 30 議論終了後に次の会議までのタスク実践は、漸進的なプロジェクト推進に最も重要な行為である。タスクは目 的やメンバーの期待にあった形で実践される必要がある。タスクの発生した文脈、議論内容や決定事項を把握 することは、タスクの理解を助け、各メンバーはよりよいタスク実践・出力(作成物の生成)が可能になる。 DO NOT DO タスクはでている が、期待とは違う出

    力がでてくる 抽象的なタスクの記 述で、なんとなくタ スクを実践する。 出力を次の会議で提 出すると、イメージ と違うといわれて、 前回と同じ議論を行 う必要がでてくる。 実践されたタスクの 出力が期待と一致し やすくなる タスクを実践してい て、その方向でよい のか迷いがでたとき に、文脈が確認でき て、チームの期待に 合わせた出力がしや すくなる。
  14. 【操作】議論の決定事項・タスクの文脈が理解できる議事録を作成する 31 SuperGoodMeetingsを使った場合の議事録記入例 アジェンダノートへ議事録を記載していきます SuperGoodMeetingsの議事ノート内でMarkdown記法を使い、 見出し設定をすることをお勧めします 箇条書きリスト ハイフン- 、アスタリスク* のいずれかを先頭に記述します。

    ハイフン、アスタリスクの後に半角スペースを1つ入れる 議事内容の書き方は左記「基本の書き方」を参照ください タスク欄に当日の議論から発生したタスクを記載する できれば、議事録記入のタイミングでタスクはタスク欄に転記 してしまう 一旦全て箇条書きで書いて、MTG終了後にアジェンダは▼をつ ける、小テーマを<>で括るなどで内容を直感的に理解しやす く調整することが望ましい
  15. 議論中は「完了の定義」を更新しつづけて参加者の認識を合わせる 34 議題の提案者本人が持つ、ひらめきや違和感を次の行動にするためには、提案した本人が納得いく 「完了の定義」で議論を終わらせる必要がある。議論中も「完了の定義」は変化し続けるので、その 認識を合わせ続けることが重要である。 DO NOT DO 全員での議論が活性 化せず、質の高い結

    論が出しづらい 完了の定義を追えて いないと参加者がど う議論に参加したら よいのかわからず、 どのように議論をお わらせればよいかも わからない。 議論が活性化し、議 論の結論に対する納 得が高まる 論点が常に明確なた め、効率的かつ質の 高い全員参加の議論 になる。決定事項へ の参加者全員の納得 もあり、次の行動に 対する動機も高くな る。
  16. みんなで 決定 最新の 完了の定義 議論 議論 議論 【背景】議論中は「完了の定義」を更新しつづけて参加者の認識を合わせる リーダーが全て把握しているプロジェクトは、リーダーによる決定は効率が良いが、 リーダーの視点のみに頼ることになる。多様なメンバーが参加しているプロジェクト

    は、メンバー全員の観点を総動員して議論を行う必要がある。 36 全ての状況を把握しており、完了の定義が 頭にあるリーダーに対して、報告を行って 次の行動をリーダーが決める。この場合、 「完了の定義」がリーダーの頭にだけある 暗黙的状態でもよい。 みんなで結論を出す会議 リーダーが判断して結論を出す会議 報告 決定 議論 完了の定義 多様なスキルが必要なプロジェクトは、メ ンバー全員の観点で議論しないと結論を良 いものにすることができない。 観点 観点 観点 観点 観点 観点
  17. 議題の予定時間を超過したら、提案者本人が納得する議論の終わり方を決める 38 多様・専門的な議論が増えてくると、内容を把握していなければ議論を終わらせることはできない。 議題の完了の定義を満たさず、議論予定時間を超過する場合、議題を記入した本人に納得いく議論の 終わり方を決めてもらう。 DO NOT DO 議論で決定された行 動の質がさがる

    進行役の理解の範囲でし か議論を収束できないた め、進行役が理解できな い議題はよい成果がでな い。 予定している議題が 議論できなくなる 議論が終わらせづらく、 時間不足によりその他の 議論ができなくなる。 多様な議題に、質の 高い結論が出せる 本人が納得いく結論であ れば、どんな内容であっ ても進行が可能になるた め、多様な議題を取り扱 うことが可能になる。 議論が予定時間通りに終 わることができると、事 前に想定されたその他の 議論ができる。
  18. 【背景】議題の予定時間を超過したら、提案者本人が納得する議論の終わり方を決める 40 この会議の参加者全員で議論する必要があるか? 意思決定に必要なメンバーを選定し、別途議論 するための会議の日時を決定して終了 いいえ 今日のこの会議で結論を出す必要があるか? 次回の定例会議にアジェンダを移動して終了 いいえ このアジェンダの議論時間を延長するために時間調整を行う

    1. 他アジェンダの編集(各アジェンダ時間短縮、別会議へ持ち越しを検討。各アジェンダ提案者の自己申告によ り調整を行う) 2. 会議参加者全員の承認を取り、会議全体時間を延長する アジェンダ提案者の設定した議論時間を経過 これ以上の議論が必要か? いいえ アジェンダ提案者の納得いく次のタスクを設定 して終了 はい はい はい アジェンダ提案者に確認
  19. 1つの議論が完了したら、必ず次のタスクを明文化して、チームで認識を合わせる 43 1つの議論が完了したら、次のタスク(誰が・いつまでに・何を)を文章として明記する。 タスク詳細として、タスクの完了の定義や、次回の会議までにタスクからでてくる作成物、などの認識を みんなで合わせる。 DO NOT DO 議論だけして、次の 行動が起きない

    問題点が置き去りに なったままになり、 解消されない。 行動が起きないの で、次の会議で話す 内容が発生しない。 議論のあとに、次の行 動が明確になる 次のタスクが決まり、 それを実行すること で、プロジェクトが 徐々に進み、状況が把 握しやすくなる。 また、チームに状況が 伝わりサポートに入り やすい。
  20. 【操作】1つの議論が完了したら、必ず次のタスクを明文化して、チームで認識を合わせる 44 項目 設定意図 記載内容例 誰が Who 実践する意識を持ってもらう。また複数人数タ スクの場合には推進担当者を決める。 山田さん(後藤さん、山本さん)

    いつまでに When 基本は次のミーティングまでなので設定しない ことが多い。その前に他のメンバーと共有する 場合には設定する。 (次回ミーティングまで) 何をするか What 何をアクション・制作するのかを具体的に記述 することで認識を揃える 企画書の方向性が確認できるペー ジ構成が書かれているスライド。 SuperGoodMeetingsへのアジェンダアイテム(議題)ごとのタスク記入方法 議論内容、決定事項の下にタスク(担当者・期日)を記入する
  21. 会議の最後に、次回会議の日時・議題、実践予定のタスクの認識を合わせる 48 会議は、プロジェクトのストーリーへの納得がつくられ、次の会議までのタスクを実行する習慣的行動 の起点としたい。会議の最後に、会議の全体の成果や次の行動の認識を合わせ、次の行動の締め切りと なる次の会議を確認する。参加者全員で決定内容に納得して、みんなで新たな行動をはじめる。 DO NOT DO 着手するタスクのサ イズが決めづらく、

    タスクが完了しない タスクの期限が担当者任 せであると、タスクの内 容も大きくなり、余裕を 持った設定になりやす く、途中経過も共有され づらい。その結果、タス クが完了しづらいものに なる場合が多い。 タスクを実践しやす く、プロセスを改善 しやすくなる チームの全体への納得 は、行動を自己決定でき るようになり、状況の変 化へ柔軟に対応できる。 次の会議が期限として設 定されると、タスクの内 容が絞られ実践しやす く、共有しやすくなる。 また短期間の反復的な行 動はプロセスの改善を可 能にする。
  22. 50 【背景】会議の最後に、次回会議の日時・予定アジェンダ・実践予定タスクの認識を合わせる パーキンソンの法則:仕事の量は、完成のため に与えられた時間をすべて満たすまで膨張する この法則は、仕事量とその完了に要する時間に関係するもの。実際の仕 事量(目標の達成)に関わらず、与えられた時間を全て満たすまで、必 要な時間が膨張している。 • 木曜日に翌週の水曜日期限のタスクを与えられた時、その仕事の 完了は、実際の仕事量に関わらず、翌週の水曜日まで膨張する。

    • 1時間の会議が設定された例を考えると、会議の目的達成に関わ らず、1時間ちょうどまで会議が行われることがある。 時間浪費の回避方法 与えられた時間をすこし短くした場合でも、成果のクオリティは大きく 変わらない、つまり時間の浪費している可能性がある。 この問題を回避するために、計測可能な目的を提示して常に意識し、そ の完了を適宜判断する。 例えば会議を行う際には、参加者と「会議のゴールは〇〇である」と認 識を合わせる。その目的が達成され次第、会議の終了予定時間に関係な く終了する、というアプローチで時間の浪費は回避可能である。 期日 もうすぐ予定日 完成 1958年に英国の歴史 ・政治学者シリル・ ノースコート・パーキ ンソンが著書『パーキ ンソンの法則:進歩の 追求』で提唱したも の。著書では国に所属 する役人の数は、なす べき仕事量と関係なく 増え続けるという例を 挙げている。 来週の木曜日 までによろしく! 承知です 金曜日 金曜 木曜 実際の仕事量 完了までにかかる時間 膨張
  23. タスクを必ず実行して、目に見える作成物を出力する 53 プロジェクトを進め、改善の気づきを得るために、次の会議までにタスクを必ず実践し、必ず作成物 を産み出す。作成物はプロジェクトの成果を徐々に達成し、チームメンバーに状況を共有・創発しや すくする。タスクにはできるだけ具体的な作成物の想定を記述することを推奨する。 DO NOT DO プロジェクトが動かない 会議は行うが共有が繰り返され、進展がない

    状況がチームに共有されず、みんなで議論 にならない プロジェクトや個人の状況のチームにおける認識 が揃わず、議論をする土壌ができず、本質的な議 論になりづらい。 作成物により、プロジェクトに成果が積み上が る 作成物の提出により、プロジェクトの成果が徐々に達 成される チームが状況を理解でき、行動に納得感をもて る 状況の理解により方向性への納得がメンバーに生まれ る。また多様な視点で作成物を観察する行為により、 自発的な行動を想起しやすくする。
  24. 【背景】タスクを必ず実行して、目に見える作成物を出力する 55 期間内に設定されたタスクの想定された完了の状態の達成が難しい場合でも、目に見え る作成物を必ず出力して、途中経過がわかるようにチームに共有する。そのことはプロ ジェクトの様々な側面に対して有効に作用する。 チーム各メンバーの信頼を醸成 することができる • メンバーのパーソナリティ を開示できる

    • プロジェクトに対する姿勢 を開示できる • 各メンバーへの期待値を揃 えることができる プロジェクトの状況や変化を理 解することができる • プロジェクトの方向性に関 する納得を得る • プロジェクトの改善のため の気づきを得る • 他のメンバーにも状況や変 化が伝えることができる プロジェクトの成果を漸進的に 達成することができる • 成果物を積み上げることで 少しづつ成果に近づく • 現状のチームで推進・達成 に現実味を確認できる タスクの実践と作成物の共有により起きること 現実味をもって プロジェクトを進める プロジェクトの置かれる 環境を把握できる プロジェクトチームの 関係の質が向上する
  25. 定例会議を使って継続的に改善する 57 プロジェクトは常に動的に変化し続ける。その状況に対してチームは対応し続けなければらなない。 問題が起きてから対応するよりは、問題が小さな状況で対応する方が望ましい。振り返り、違和感の 洗い出し、役割の確認など、継続的に改善する施策を定例会議で定期的に開催する。 DO NOT DO 状態が悪くなってからの改善は、 問題が大きく対処しづらい

    問題が起きた時や状態が悪いと気づい た時に改善を始めると、手遅れになっ ていたり処方に時間がかかることが多 くなる。 定期的に細かく改善を試みると、問 題が小さい段階で対処できる 大きな問題になる前に対処でき、タイミ ングとして遅くなることを防ぐことがで きる。定期的な問題発見により、改善の プロセスを定型化して、プロセスの効率 を上げることもできる。
  26. 【背景】定例会議を使って継続的に改善する 59 初期フェーズ 中間フェーズ 最終フェーズ 開始 開始 開始 開始 終了

    終了 終了 終了 作業量 時間 開始 終了 立上 計画 実行 終結 監視 監視・コントロール プロセス 立上→計画→実行→終結 プロセス 立上→計画→実行→終結 プロセス 立上→計画→実行→終結 プロジェクトの不確実性 により予測はできない。 プロジェクトを捉えるに は定期的にチェックする しかない。
  27. 【手法】定例会議を使って継続的に改善する 60 改善点を洗い出すために、3つの観点で認識を合わせて改善の示唆を得る。 現在 過去 未来 振り返り・意味づけ 展望と仮説 今おもうこと 良かったこと

    続けたいこと ひらめき アイデア 期待すること みんなの役割 心配事・不安 気になること テンション 違和感 悪かったこと 改善したいこと KPT Keep, Problem, Try ひらめき・テンション トリアージ 期待値 セッション 手法 範囲 要素
  28. K P テーマ: T A 過去の振り返り手法:KPT+A 62 0 前回のKeep、Problem、Try、Actionを   確認し、必要であればテーマを決める

    05分│05分 ① Keep(続けたいこと、いいこと)と Problem(問題点、不満)を個人ワークで書く ② KeepとProblemを共有する。 ③ Try(改善や工夫をしたいこと)を個人 ワークで書く ④ Tryを共有する ⑤ Tryを選択し、Actionを決める。 08分│16分 05分│21分 08分│29分 10分│39分 03分│08分 ✏ ✏ ✏ 👀
  29. テンションとは?(ティール組織・ホラクラシーより) 65 ポイント 一人一人が「テンション」を感知すること。 感知した「テンション」を無視しないこと。 それぞれが感知したテンションを 自律的に処理することで組織が回り、 組織の目的が実現ができる。 テンション (ひずみ)

    一人一人が組織内で自律的に動くための原動力 • 現状とより良い状態の間のギャップ • ちょっとしたアイデア・気になること・不安など、自分のなかの小さな声 タスク ミーティングプロセス タスク タスク テン ション ロールを持って プロジェクトに従事 感知 発露 アジェンダ 反映 プログレス AsIs - ToBe チーム ロールの責務 現状とあるべき姿とのギャップ
  30. ひらめき・テンショントリアージとは 67 さらに価値を高めるための、 新しい取り組みをひらめいた! アジェンダにするほどでもない、言い出し づらかったこと、漠然とした不安なこと、 解決策も思い浮かばないモヤモヤから、改 善点や問題を抽出して行動にする。 改善したい問題や、 問題になりそうなものがあった!

    今の気持ちを顕在化した状態で 「何が必要か」を問いかけられることにより、 最初の行動を提案に変換するプロセス アジェンダにするほどでもない、もっとこ うしたらよいのに、思いつきだけどこれ やってみたらどうだろう、などのひらめき から、現状を良くする、価値を高めるアイ デアを抽出して行動にする。 ※今週のタスク報告、マイルストーンの状況確認など、現状・理想状態の環境の変 化の共有を行ったあとに実施することが多い
  31. 68 ひらめき・テンショントリアージで行われていること ひらめき・テンションを感じた本人が、 具体的な行動の提案に変換し、 本人が納得がいく解決策を決定する 自分が納得する具体的な 行動に自分で変換 現状の進捗情報 が欲しかった マイルストーンを

    更新して欲しい プロジェクトの 進捗遅くない? モデレーター ひらめき・テンションを感じたひと ① ② ③ 何が必要ですか? 現状と理想の認識を合わせることで、 その差分を理解して ひらめき・テンションをだす もっとより良くなる 新しいものをひらめ いた! なんだか違和感が あって心配なことが ある…。
  32. ひらめき・テンショントリアージの手順 69 ひらめき・ テンション を集める ファシが1つピッ クアップして起 案者に提案化し てもらう 提案者がみんな

    の助言をもとに 次の行動を選択 肢から決定する 必要なものが得 られたかを起案 者に確認する 必要なものが得 られましたか? ひらめき・テンションの量が多い場合 • 優先順位を決める(話したい強いテン ションを聞く / みんなで投票) • メンバーごとに話したいものを1つ選ん で1周する ※処理しきれない場合は、次回に繰り越し か、また同じテンションがあれば再度登場 するため、無視して流しても良い。 最長 2分/件 ※時間がきたら 結論を出す 2分間 全員で書 き出す ここで解消 誰かのアクション 今日の会議で話す 今日の会議以外で話す 何が必要です か? 行動の選択肢の例
  33. プロジェクトチーム全員がリーダーシップを発揮できるように、メンバーそれぞれのやるべきこと、自 分が苦手なこと、期待されることなど、自己認識(内的)と期待値(外的)を明文化してチームメン バーの期待・役割をすり合わせる。 期待値セッション:各メンバーの役割と期待値のすり合わせ 72 【進め方】 1. 自分がやるべきことを自分の欄に書く a. 個人ワーク

    2分→共有 1分/人(議論しない) 2. 自分がヘルプしてほしいことを自分の欄に書く a. 個人ワーク 2分→共有 1分/人(議論しない) 3. 他のメンバーへの期待値を他人の欄に名前付きで書く (アサイン対象がいない・わからない場合も記述可能にする) a. 個人ワーク 2分→共有 1分/人(議論しない) 4. 改めて自分がやるべきことについて精査・承認し、議論して深める (必要であれば未アサイン期待値を振り分ける) a. 自分の記載事項の共有 1分と質疑・議論 1分 → 合計 2分 /人 b. 発表・質疑・議論後に必要であれば自分でリライトする
  34. 直近の中間目標(マイルストーン)にチームでコミットし続ける 74 プロジェクトは変化し続けるために、チームは自律的に活動できる状態が望ましい。だが、プロジェ クトの変化するゴールをチーム内・その他チームと認識を合わせ続けないと無秩序な活動になってし まう。そこで約束できる期間の中間目標を設定してそこに向かって進むようにする。 DO NOT DO メンバーの活動の足並みが揃わず チーム全体の成果がでない

    それぞれが活動しているものの、どこ を目指しているのかが不明瞭なため、 チーム内外の連携が取れない状態にな る。各メンバーから作成物はでている が、成果・プロジェクトの進捗が出て いない状態になる。 チーム全体で同じ方向を目指しつつ 活動が安心して自律的にできる チームで納得して約束した成果に対して みんなで推進するため、一体感があり自 律的な活動が行われてもバラバラになり づらい。 定期的な成果の確認もできるため、ス テークホルダーへの状況説明もしやすく なる。
  35. 最終成果 【手法】ストーリーと成果・目標の設定方法 1. プロジェクトの最終成果とそこに辿り着くまでのストーリーを決める 2. ストーリーに合わせて中間成果(マーキングフラッグ)に分解する a. 最終成果に向けて段階的に必要な成果を定め、その時期を設定する 3. 中間成果を達成するために一定間隔で中間目標(マイルストーン)をおく

    a. チームが成果を約束できそうなスパンを決める(目安1-2ヶ月程度) 4. 安心して直近の中間目標に集中してメンバーそれぞれが自律的に進む 77 1. ストーリー:どんな方向性でプロジェクトの成果を達成するか 2. 中間成果(マーキングフラッグ):どんな成果がいつまでに必要か? 2 2 2 3. 中間目標(マイルストーン):結果が約束できる時期と成果は? 3 3 3
  36. 【手法】ストーリーと成果・目標の設定例:桃太郎の鬼退治プロジェクトだったら 78 プロジェクト概要 • 目的: 7ヶ月後までに村が平和になる ◦ 成果物: 鬼に奪われた宝物が村に戻っている ◦

    ありたい姿:村人たちが今後鬼に怯えて暮らすことがなくなっている ストーリー候補 1. 短期的に鬼ヶ島に攻め入り全鬼を肉弾戦で退治する 2. 長期的に徐々に弱らせる仕掛けによって降伏してもらう 3. 暴力は使わず何度も対話を行い和平契約を結ぶ 1ヶ月目 2ヶ月目 3ヶ月目 4ヶ月目 5ヶ月目 6ヶ月目 基礎訓練完了 戦略と追加メ ンバー決定 ⚔戦闘準備完了 宝を持ち帰 る 💑村が平和 最終作戦決定 とチーム仕上 げ 7ヶ月目 📖作戦決定 鬼退治戦略リ サーチ完了 全員で一気 に鬼を殲滅 戦略を想定し た応用訓練完 了 ストーリーと成果・目標 ストーリー「短期的に鬼ヶ島に攻め入り全鬼を肉弾戦で退治する」の場合
  37. 79 【背景】自律的なチームであるからこそ起きる弊害と解決策 チーム全体として一貫 性のある行動になら ず、全体としての成果 に結び付きづらくな る。 プロジェクトが定義しづ らいため、目指す状態を 曖昧にする

    納得できていない成果 を達成する約束によ り、チームの敏捷性・ 柔軟性が低くなる。 目指す状態を設定するた めに、プロジェクトを無 理やり予測する チームメンバーが約束できる短期的で反復的な中間目標を設定する。 短期間の反復的な状態は、成果が想定しやすく安心して設定でき、改善もしやすくなる。 中間目標はチーム外にも共有し、プロジェクト全体の成果につながりやすくなる。
  38. 参考:この資料のベースとなっているフレームワークとサービス 82 多様性のあるメンバーのチームが、 不確実性の高い環境・状況において、 複雑なアウトプットのためのプロジェクトを 推進するためのフレームワーク。 ミーティングをマネジメントをすることで プロジェクトを推進するクラウドサービス。 Project Sprintの実践をサポートする機能を持つ。

    株式会社コパイロツトが積み上げてきたプロジェクト推進の実践知を元に 汎用的なフレームワークとしてまとめ、オープンソースで公開しています。 さらに、フレームワークを利用しやすくなるサービスも開発しています。 https://www.projectsprint.org/ https://supergoodmeetings.com/ サービス フレームワーク