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IBCを用いたクロスチェーン技術のユースケースと今後の展望 / Blockchain GIG #14

Datachain
January 23, 2023

IBCを用いたクロスチェーン技術のユースケースと今後の展望 / Blockchain GIG #14

Blockchain GIG #14 「パブリック/エンタープライズのブロックチェーンインターオペラビリティ」の登壇資料です。

LCPについては、こちらのMediumも合わせてご覧ください。
https://medium.com/@datachain_jp/introduction-to-lcp-aa78dc04d4d3

- https://www.datachain.jp/
- https://twitter.com/datachain_jp

Datachain

January 23, 2023
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Transcript

  1. 株式会社Datachain 2023年1月 Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved.

    本資料の内容は、現時点での情報に基づく不確定な要素を含んでおり、当社 がその実現を約束するものではありません。 IBCを用いたクロスチェーン技術のユースケースと今後 の展望
  2. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. 2 自己紹介

    古賀 圭一 こが けいいち 日本電気株式会社 日本IBM Datachain 2019/09 Blockchainに 出会う。
  3. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. Speee共同創業者 /


    Datachain代表
 会社概要 ❖ 2007年、Speeeを創業し
 代表取締役に就任
 ❖ 2011年、新規事業創出に専念するため代表交代
 Speeeの連続的な事業創造をリードし続ける
 ❖ 2018年にDatachainを立ち上げ、現職
 社名:株式会社Speee 
 設立:2007/11/29 
 東京証券取引所JASDAQ市場 ❖ 社名:株式会社Datachain 
 ❖ 設立:2018/3/22
 ❖ 事業内容:ブロックチェーン関連技術の研究開発、サービス開発 
 ❖ 従業員数:14名(フルタイムのみ) 
 ❖ 関係会社:株式会社Speee 
 ❖ 代表:久田哲史
 久田 哲史
 Tetsushi Hisata 3 創業来、中長期の目線で価値のある技術への投資を実施 ブロックチェーン技術の中でもインターオペラビリティの研究開発に注力
  4. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. インターオペラビリティプロジェクト 現在主に3つのプロダクト開発及び社会実装を進めている

    相互認証方式・Relay方式を採用しており、世界的に先進的な実績および技術を保有 YUI
 Cross Framework
 LCP
 4 異なるブロックチェーンをまたいだ取引(異 なるチェーン上の取引をアトミックに行う等) を可能にするミドルウェア。チェーン A上の アセットとチェーンB上のアセットを同時に 移転することで、クロスチェーンの決済が可 能に。 TEE(Trusted Execution Environment)を 用いて検証を代替することで、安全性・効 率性・拡張性に優れたインターオペラビリ ティを可能にするミドルウェア。初期実装で はIntel SGXを利用。 複数の異なるブロックチェーン間のインター オペラビリティを可能にするモジュール及び ツール。IBCという通信プロトコルを用いて 様々なチェーンの相互接続を可能にする。 Linux Foundation配下のHyperledger Foundationに寄贈
  5. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. デジタルアセットの未来 アセットのデジタル化は止められない流れであり、2030年までには主要なアセットクラスで$16兆規模が

    トークン化されるとの予測 BCGの予測では、2030年ま でにトークン化される資産は $16兆を超えると試算 デジタル通貨などを含めるとその規模はさらに大きくなる
  6. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. 社会実装が加速 2023年は日本の規制に準拠した初のSCの発行も実現予定であり、規制や技術的な課題の解決に伴い、

    ユースケースは国内外問わず今後加速度的に広がっていくと想定される 国内法に準拠したSCの発行が可能に MUTB様がSC発行を2023年に予定
  7. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. マルチチェーン/クロスチェーン 今後、デジタルアセットがチェーン上に管理されるようになる場合、各サービスに適した

    AppChainが複数出現し てくる 様々なAppChainが出現 AppChain同士を繋いで、一つ のTxを実行する必要性 より安全かつ拡張性の高い方式で相互接続を実現する必要性が高まる
  8. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. 9 TTP型の課題(パブリックブロックチェーンの事例より)

    チェーンの間に存在するTTPやPoS/PoAチェーンのセキュリティに全体のセキュリティが依存し、 ブリッジがシステム全体のSPoFとなりリスクを補うためのコストが大きくなる可能性 Communicatorが各Chain上のTokenを Lock/mintするContractを監視・実行 クロスチェーンブリッジの流出資産の推定額 ($) Bloombergの記事を元にDatachain加筆 Ronin 615.0M Wormhole 325.0M Horizon 100.0M Qbit 80.0M 613.0M Poly Meter.io 4.3M Chainswap 4.8M Multichain 1.9M 累計で 2,000億円以上の 資産が流出
  9. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. 10 Relayerを経由してやり取りされる情報をブロックチェーン同士が相互検証し合う事で、第三者の信頼に依

    存しない通信が可能であり、最もセキュアな構成となる LightClient for Y App Module (CrossFramework含む) Chain X LightClient for X App Module (CrossFramework含む) Chain Y Relayer 提供サービス オフチェーンの システム LightClient方式(IBC)の構成 相手チェーンからの情報を 検証 Relayerの信頼は必要ない (改ざん検知が可能)
  10. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. LighClient方式の課題 LightClientの実装や維持・ガスコストなどが現時点では課題となるケースが存在

    11 HLF Corda Quorum Besu Ethereum Others LC LC LC LC LC LC LC LC LC LC LC LC LC LC ①接続台帳分のLC実装が必 要でありメンテナンスなどに課 題 ②言語の違いにより実装に制約を 伴う場合も ③LightClientによる検証をオン チェーンで実行する際のガスコスト などが課題に
  11. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. 12 LCP:

    IBC×TEE • Intel SGXに代表されるTEE内でLightClient検証を実行することで、安全かつ拡張性の高い相互接続を実現 • TEEは物理的・暗号的に改ざんが極めて困難なメモリ上の隔離領域 Corda (Source) Quorum (Dest) LCP Client LCP Client IBC-module IBC-module LCP node (Off Chain) Handler ELC (Enclave Light Client) LCP Enclave Relayer • 各台帳向けLightClientを実装 • ELCが各台帳上のLightClientの代わりに Packetを代替検証 1 2 3 4 5 6 DCAP/Attestation Service(IAS, MAAS) • LCP clientはLCPで生成されたProof を検証 • この検証コストは非常に軽い • 各台帳はLCP Clientのみ実装・管理 すれば良い
  12. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. 13 三菱UFJ信託銀行様との取り組み

    発行予定のSCを活用して、STのRTGSの実現を目指す(2024商用化予定) 異なるブロックチェーン間のDVP(AtomicSwap)と実現するためのフレームワーク、Crossも導入予定 LCP Client LCP Client JPY Backed StableCoin SecurityToken Stable Coin 100JPY Security Token (Bond) STのRTGS実現へ 23年発行予定の ステーブルコイン Cross Cross
  13. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. 参考:Cross Framework

    DVPを実現する上では、ロック機構と Txのコーディネート機能が必要であり、 Cross Frameworkはそれらを提供 移転取引のロック
  14. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. メインネット (本番環境)

    ローンチ 15 ロードマップ 2022年 2023年 2024年 パブリック クロスチェーンブリッジ • プロダクト開発 • 顧客との検証方式の検討 • 技術検証 • テスト環境での検証 • 本番環境での稼働に向けた準備 • 商用化実現 • プロダクト開発 • 技術検証 テストネット でのローンチ • 接続ネットワーク数の拡大 • 機能拡張 エンター プライズ デジタル証券の クロスチェーン決済 2024年商用化を目指す またパブリックチェーン向けのローンチは23年を予定
  15. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. 16 まとめ

    DatachainはYUI / LCPを通じて、あらゆるデジタルアセットを繋ぐため、 世界に先駆けたユースケースを社会実装していきたい 数十、数百兆のデジタルアセットが流通するインフラを、 1社ではなくナショナルチームで作っていきたいので、 ご一緒出来ることがあればお声がけ頂きたい
  16. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. 1. 相互接続に関するご相談はウェルカムです

    2. Datachainでは絶賛採用中です。 興味のある方は、まずはお気軽にお話しましょう! ◦ 面談フォームご活用ください: https://form.run/@datachain-casual-meeting 3. 本日はエンプラ中心の話ですが、パブリックチェーンの相互接 続も進めたく、ネットワークをお持ちの方がいらっしゃいましたら 教えて下さい 17 最後に
  17. Copyright © 2023 Datachain, Inc. All Rights Reserved. End Of

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