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メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践/IPSJ-CE174-11
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NAKAZONO Nagayoshi
March 10, 2024
Education
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メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践/IPSJ-CE174-11
NAKAZONO Nagayoshi
March 10, 2024
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Transcript
メディアリテラシー科目における フェイクニュース疑似発信演習の実践 麗澤大学 国際学部 NAKAZONO Nagayoshi 中園 長新 2024-03-09 (Sat.)
IPSJ-CE174@麗澤大学 本研究は、JSPS科研費JP21K02864の助成を受けたものである
Summary 大学生を対象としたメディアリテラシー科目において、 フェイクニュース疑似発信演習を実践 受講生の多くが演習を楽しんだ ニュースの受信者・発信者双方の立場から、現代社会と フェイクニュースの関わりについて多角的に考えることができた 発信内容に関して道徳観や人権等への配慮が不十分だったり、 疑似とはいえフェイクニュースを発信することに抵抗を感じたりする 受講者も認められた 2024-03-09
(Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 2
フェイクニュース フェイクニュース ≒ 偽・誤情報 事実かどうかわからない情報の代名詞 社会問題の一つとして認識 ポスト真実(post-truth) 「事実」よりも「真実とみなされるもの」のほうが影響力大 それが事実であれ虚構であれ、支持されたものが真実となる 2024-03-09
(Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 3 ※ フェイクニュースの定義は研究者によって様々であるが、 本発表ではわかりやすさを重視して紹介している
研究の目的と意義 大学のメディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似 発信演習を開発し,その実践によって受講者がどのようなことを 考えたのか把握することを目的とする 社会的なリスクを回避しながら受講者がフェイクニュースを 実践的に扱うことができるようになることが期待される 演習の結果を分析することにより,実践的なフェイクニュース演習 の必要性を明らかにすることを目指す 2024-03-09 (Sat.)
IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 4
実践を行った授業科目 麗澤大学国際学部国際学科の専門科目「現代社会とメディア」 専門科目(選択科目)、3年次以上学生対象 教科書:坂本・山脇(編著)(2022) 『メディアリテラシー:吟味思考を育む』時事通信社 フェイクニュースに関する学修 第1~4回:教科書内容講義において随所に登場 第10回:ゲーム教材 「To Share
or Not to Share」 第14回:本研究の演習 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 5
フェイクニュース疑似発信演習/概要 フェイクニュースと真実のニュースを出し合い、もっとも真実に 見えるフェイクニュースを投票で決定する 「一見フェイクに見えるが正しいニュース」と「一見正しく見えるがフェイクの ニュース」それぞれの「タイトル(見出し)」を考え、クラス内で共有し、「どの ニュースタイトルがもっとも真実っぽいフェイクニュースか」を投票で決定 もっとも投票数が多かったフェイクニュースが優勝だが、 「正しいニュース」が選ばれた場合はアウト 各ニュースタイトルの真偽については伏せた状態で共有する (演習後に答え合わせとして真偽を確認する)
2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 6
フェイクニュース疑似発信演習/流れ 1. 各自で「正しいニュース」と「フェイクニュース」の タイトルを考える 2. Moodle から【提出用】フォーム(Google Forms) を開き、各ニュースタイトルを提出する (氏名や真偽も)
3. Moodle から【演習用】フォーム(Slido)を開き、 各ニュースタイトルの「タイトルのみ」を提出する (氏名や真偽は書かない) 4. 受講者全員の提出が終わったら、Slidoですべての タイトルを参照し、もっとも真実っぽい「フェイク ニュース」のタイトル(1つ)に投票する 5. 投票が終わったら、どのタイトルが多くの票を獲得 したか、クラス内で確認する 6. 【提出用】フォームの提出内容をクラス内で共有し、 答え合わせをする 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 7 Slido News 1 News 2 News 3 News 4 … Google Forms ID, Name Truth News Fake News ID, Name Truth News Fake News … Truth? Fake? (2) judgment (1) post (3) checking answers
ツールの活用 授業用LMS: Moodle 教材配付、事後アンケート実施 Google Forms 記名での投稿 スプレッドシートで回答管理 Slido 匿名での投稿
「いいね」ボタンでの匿名投票 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 8 Google Forms Slido
演習後アンケート 1. 演習に対する感想(1~5のランクで回答) a. 演習は楽しかった b. 演習は難しかった c. 演習は考えることが多かった d.
演習は今後の生活に役立つと思う 2. 演習で楽しかったところ 3. 演習で難しかったところ 4. 演習で考えさせられたところ 5. 演習で今後の生活に役立つと思うところ 6. 演習を終えて、フェイクニュースについてどのように考えているか 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 10 (N=44)
演習に対する感想 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 11 7 5 5 5
0 6 3 5 5 6 4 9 5 16 13 9 27 11 19 16 0% 25% 50% 75% 100% 楽しかった 難しかった 考えることが多かった 今後の生活に役立つと思う そう思わない あまりそう思わない どちらとも言えない まあまあそう思う そう思う (グラフ内の数字は回答者数) 演習後アンケートの分析・考察
演習で楽しかったところ フェイクニュースを扱うこと自体 真実かどうか考えること ユーモアあるニュースタイトルを 読むこと 演習のゲーム性 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践
12 演習後アンケートの分析・考察
演習で難しかったところ ニュースタイトルの真偽を 見分けること フェイクニュースを自分で 考えて作り出すこと 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 13
演習後アンケートの分析・考察
演習で考えさせられたこと 1/2 フェイクニュースに対する 興味関心 SNS投稿等に嘘が含まれる 可能性 信憑性確認の必要性 自分の考えの真偽の危うさ 自分の知識が乏しい分野では 嘘を見抜くのが難しい
2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 14 演習後アンケートの分析・考察
演習で考えさせられたこと 2/2 人の不幸をネタにするのはよくない 人が傷つくことのほうがフェイクニュースとして考えやすかった フェイクニュースはネタに走るものから本当にフェイクなものまで 多く存在している 演習におけるフェイクニュースが、真偽が紛らわしいものだけでなく 悪ふざけのような方向の嘘を盛り込んだものも多く含まれていた 2024-03-09 (Sat.)
IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 15 演習後アンケートの分析・考察
演習と今後の生活の関わり フェイクニュースについて 考えること 情報の信憑性を疑う必要性 内容を吟味した上での情報拡散 ネット社会で生きる上で役立つ 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践
16 演習後アンケートの分析・考察
フェイクニュースへの意識 非常事態(災害等)との関連 自分自身で判断したり、拡散の 可否を決めたりする姿勢 エンタメとしてのフェイクニュース 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 17
演習後アンケートの分析・考察
フェイクニュースの二面性 エンターテイメントとしての側面(娯楽性) (虚偽とわかるものを)楽しむ目的として閲覧 娯楽として眺めるだけなら悪いものではない ネガティブな影響を与える側面 人の不幸が関わっているものをネタにして共感性を生ませようと するのは道徳的に大丈夫か すべての情報を最初から疑うようになったら、自分の心や性格にも 影響を及ぼすこともあり得る フェイクニュースとしての発信内容に関して
道徳観や人権等への配慮が必要 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 18 演習後アンケートの分析・考察
演習全体の考察 ゲーム性を持った演習を楽しみながらフェイクニュースについて 考える機会を提供できた 日常生活の中ではフェイクニュースに正対して考える機会は少なく、 本演習がフェイクニュースについて考えるきっかけとなった フェイクニュースに対する視点 自分自身で判断したり拡散の可否を決めたりする視点 → メディアを批判的に受け止めようとする姿勢 娯楽性に着目し,エンターテイメントとして受け入れる視点
→ 嘘が絶対悪とは限らない 全員がフェイクニュースの娯楽性を肯定しているわけではない 2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 19
フェイクニュース演習と人権意識、道徳観 本演習は受講者だけがアクセスできる領域において実施 不適切な言動があっても影響は授業内に閉じられる 受講生はフェイクニュースの負の影響を被る可能性 演習が受講者にとって負担になったり、不快感を与えたりするものに ならないよう、授業者としてさらなる配慮が必要 演習(ゲーム)における「楽しみ」と「学び」のバランス ただフェイクニュース発信を体験させるだけでなく、その行為が 他者にどのような影響を与えるのか、他者の人権を侵害していないか、 といった検討をもっと深く実施すべき
2024-03-09 (Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 20
Summary(再掲) 大学生を対象としたメディアリテラシー科目において、 フェイクニュース疑似発信演習を実践 受講生の多くが演習を楽しんだ ニュースの受信者・発信者双方の立場から、現代社会と フェイクニュースの関わりについて多角的に考えることができた 発信内容に関して道徳観や人権等への配慮が不十分だったり、 疑似とはいえフェイクニュースを発信することに抵抗を感じたりする 受講者も認められた 2024-03-09
(Sat.) IPSJ-CE174@麗澤大学 メディアリテラシー科目におけるフェイクニュース疑似発信演習の実践 21 Acknowledgment 本研究で実践したフェイクニュース疑似発信演習は、立教大学 村上祐子教授の 授業実践に着想を得て、本研究発表者が独自に開発したものである