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高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い/IPSJ-CE175-06

 高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い/IPSJ-CE175-06

NAKAZONO Nagayoshi

June 02, 2024
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  1. 高等学校「地理総合」の教科書に おける情報社会の扱い 麗澤大学 国際学部 NAKAZONO Nagayoshi 中園 長新 2024-06-01 (Sat.)

    IPSJ-CE175@埼玉工業大学 本研究は、JSPS科研費JP21K02864の助成を受けたものである
  2. 「地歴公民と情報教育」シリーズ(?) 中園長新(2022) 「高等学校「公共」の教科書における情報社会の扱い」 『情報処理学会研究報告 コンピュータと教育(CE)』Vol. 2022-CE-166、 No. 9、 pp. 1-8.

    2022-10-01 (Sat.) IPSJ-CE166@東海大学湘南キャンパス 中園長新(2023) 「高等学校「歴史総合」の教科書における情報社会の扱い」 『情報処理学会研究報告 コンピュータと教育(CE)』Vol. 2023-CE-170、 No. 3、 pp. 1-8. 2023-06-03 (Sat.) IPSJ-CE170@武蔵野大学有明キャンパス 中園長新(2024) 「高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い」 『情報処理学会研究報告 コンピュータと教育(CE)』Vol. 2024-CE-175、 No. 6、 pp. 1-8. 2024-06-01 (Sat.) IPSJ-CE175@埼玉工業大学 2024-06-01 (Sat.) IPSJ-CE175@埼玉工業大学 高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い 2
  3. 「地理総合」の位置づけ 旧カリキュラム: 5割弱の生徒が地理を履修しない 新カリキュラム: 地理総合が必履修 = 全生徒が地理を履修 中教審答申(2016)における「地理総合」の位置づけ 持続可能な社会づくりを目指し、環境条件と人間の営みとの 関わりに着目して現代の地理的な諸課題を考察する科目

    グローバルな視座から国際理解や国際協力の在り方を、 地域的な視座から防災などの諸課題への対応を考察する科目 地図や地理情報システム(GIS)などを用いることで、 汎用的で実践的な地理的技能を習得する科目 2024-06-01 (Sat.) IPSJ-CE175@埼玉工業大学 高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い 6
  4. 地理歴史科の科目構成 2009年学習指導要領 世界史A/世界史B/日本史A/日本史B/地理A/地理B 世界史・日本史 A: 近現代 / B: 通史 2018年学習指導要領

    歴史総合/世界史探究/日本史探究/地理総合/地理探究 2024-06-01 (Sat.) IPSJ-CE175@埼玉工業大学 高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い 7 いずれか必履修 いずれか必履修 必履修 必履修
  5. 「地理総合」の目標 社会的事象の地理的な見方・考え方を働かせ、課題を追究したり解決したりする活動を通して、広 い視野に立ち、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の有 為な形成者に必要な公民としての資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1) 地理に関わる諸事象に関して、世界の生活文化の多様性や、防災、地域や地球的課題への取組な どを理解するとともに、地図や地理情報システムなどを用いて、調査や諸資料から地理に関する様々 な情報を適切かつ効果的に調べまとめる技能を身に付けるようにする。 (2) 地理に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連を、位置や分布、場所、人間と自然環境との相

    互依存関係、空間的相互依存作用、地域などに着目して、概念などを活用して多面的・多角的に考 察したり、地理的な課題の解決に向けて構想したりする力や、考察、構想したことを効果的に説明し たり、それらを基に議論したりする力を養う。 (3) 地理に関わる諸事象について、よりよい社会の実現を視野にそこで見られる課題を主体的に追究、 解決しようとする態度を養うとともに、多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される日本国 民としての自覚、我が国の国土に対する愛情、世界の諸地域の多様な生活文化を尊重しようとする ことの大切さについての自覚などを深める。 2024-06-01 (Sat.) IPSJ-CE175@埼玉工業大学 高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い 8
  6. 「地理総合」の内容 A 地図や地理情報システムで捉える現代世界 (1) 地図や地理情報システムと現代世界 B 国際理解と国際協力 (1) 生活文化の多様性と国際理解 (2)

    地球的課題と国際協力 C 持続可能な地域づくりと私たち (1) 自然環境と防災 (2) 生活圏の調査と地域の展望 2024-06-01 (Sat.) IPSJ-CE175@埼玉工業大学 高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い 9
  7. 「地理総合」の教科書(令和6年度用) 発行者 略称・記号・番号 書名 占有率 東京書籍 東書 地総701 地理総合 16.2%

    実教出版 実教 地総702 地理総合 3.6% 帝国書院 帝国 地総703 高等学校 地理総合 48.6% 二宮書店 二宮 地総704 地理総合 世界に学び地域へつなぐ 7.8% 二宮書店 二宮 地総705 わたしたちの地理総合 世界から日本へ 6.7% 第一学習社 第一 地総706 高等学校 地理総合 世界を学び、地域をつくる 5.3% 帝国書院 帝国 地総707 高校生の地理総合 11.8% 2024-06-01 (Sat.) IPSJ-CE175@埼玉工業大学 高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い 12
  8. 調査結果: 東書701(シェアNo.2) GISへの言及 情報通信技術(ICT)の発達により多くの地理情報がデジタル化されている。(p. 28,地理情報システムと位置情報) ICTの開発・発展が現代社会を変容させたことに対する言及 20世紀半ばに通信衛星による情報通信技術(ICT)の開発が進み、1980年代には海底光ファイバーケーブルが登場 したことで、通信範囲が拡大するとともに、より高速に、より大量に情報を通信することが可能になった。 (p. 42,情報通信技術(ICT)の発達)

    現代は、メディアや情報通信技術の発達、学校教育の普及、グローバル化の影響などにより、情報の伝わる速度が速く なり、範囲も拡大されている。(p. 59,文化の持続と変容) 多くの本や雑誌は、インターネット上の店舗で注文し、自宅まで配送してもらうことが可能になった。電子書籍であれば、 ダウンロードして瞬時に読みはじめることができる。情報通信技術(ICT)の発達により、品物や情報を入手する手段は 急速に多様化している。(p. 101,インターネットの普及による変化) 1990年代以降、情報通信技術(ICT)が急速に発達し、特にインターネットと スマートフォンなどの携帯端末の普及により、個人の日常生活が大きく変わってきた。 (p. 102,情報産業の発展による生活の変化) 2024-06-01 (Sat.) IPSJ-CE175@埼玉工業大学 高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い 14
  9. 調査結果: 帝国703(最大シェア) 2/2 インド・アメリカ合衆国・韓国の状況 [インド]しかし、写真1のような情報通信技術(ICT)産業は、カースト制が廃止された後にできた産 業であることから、その影響は受けない。そのため、インドではICT産業が急速に成長し、経済発展を 支える産業になった。(p. 100,ICT産業の発展) [アメリカ合衆国]私たちは、パソコンやスマートフォンを使って、インターネットによる情報の検索や商 品の購入、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用など、アメリカ合衆国で開発された情報

    通信技術(ICT)を日常的に利用している。(p. 126,世界標準を生み出すICT産業) [韓国]また、1997年のアジア通貨危機で経済に大きな打撃を受けた際、政府は情報通信技術 (ICT)産業を経済再生の中心とし、情報通信網の整備や企業の育成に努めた。 (p. 137,経済成長の背景と日韓交流の深まり) アメリカ合衆国が世界標準を生み出し、一国の変化が 世界規模で波及していることを紹介 2024-06-01 (Sat.) IPSJ-CE175@埼玉工業大学 高等学校「地理総合」の教科書における情報社会の扱い 16