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ウェブ・ソーシャルメディア論文読み会 第15回: Twitter (X) use predic...

ウェブ・ソーシャルメディア論文読み会 第15回: Twitter (X) use predicts substantial changes in well-being, polarization, sense of belonging, and outrage

taichi_murayama

March 19, 2024
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Transcript

  1. Twitter (X) use predicts substantial changes in well-being, polarization, sense

    of belonging, and outrage (Communications Psychology 2024) ଜࢁଠҰ େࡕେֶ ࢈ۀՊֶݚڀॴ ウェブ・ソーシャルメディア論⽂読み会 第15回
  2. 2 ֓ཁ Twitter (X) use predicts substantial changes in well-being,

    polarization, sense of belonging, and outrage (Communications Psychology 2024) Victoria Oldemburgo de Mello, Felix Cheung, Michael Inzlicht (University of Toronto) l Nature系列の⼼理学専⾨のジャーナルから出版 l ஶऀ (Last Author): Michael Inzlicht l ૯Ҿ༻਺ l ࣾձ৺ཧֶઐ໳ l ιʔγϟϧϝσΟΞʹண໨ͨ͠ݚڀΑΓ΋ɺ4FMG$POUSPM΍&HPͳͲʹண໨ͨ͠ ݚڀ͕ϝΠϯ l ͲΜͳ࿦จʁ λΠτϧ௨Γɻ5XJUUFSΛར༻͢Δ͜ͱʹΑΔɺਓʑͷ8FMMCFJOH΍1PMBSJ[BUJPOʹର͢ΔޮՌΛݕূɻ 5XJUUFSͷར༻ͨ͠ਓ PS͠ͳ͔ͬͨਓΛൺֱ͢Δ͚ͩͰͳ͘ɺ5XJUUFSΛར༻͢Δલͱར༻ͨ͠ޙ΋ ݕূͷର৅ͱ͍ͯ͠Δɻ5XJUUFSΛར༻͢Δ͜ͱͰɺ8FMMCFJOHͷ௿Լɺ੓࣏తೋۃԽɺౖΓɺؼଐ ҙࣝͷ૿Ճͱ͍͏ෛͷޮՌ͕ଟ͘ݟΒΕͨͱ͍͏݁࿦ɻ
  3. 3 ֓ཁ Motivation l Twitter使⽤における⼼理的影響を⽰唆する研究は多く⾒られるが、議論は 様々 l 幸福感への影響はそこまで⼤きくない Orben, A.

    Teenagers, screens and social media: a narrative review of reviews and key studies. Soc. Psychiatry Psychiatr. Epidemiol. 55, 407‒414 (2020). l うつ病や孤独感を強める影響がある van den Eijnden, R., Koning, I., Doornwaard, S., van Gurp, F. & Ter Bogt, T. The impact of heavy and disordered use of games and social media on adolescentsʼ psychological, social, and school functioning. J. Behav. Addict. 7, 697‒706 (2018).
  4. 4 ֓ཁ Motivation l Twitter使⽤における⼼理的影響を⽰唆する研究は多く⾒られるが、議論は 様々 l 幸福感への影響はそこまで⼤きくない Orben, A.

    Teenagers, screens and social media: a narrative review of reviews and key studies. Soc. Psychiatry Psychiatr. Epidemiol. 55, 407‒414 (2020). l うつ病や孤独感を強める影響がある van den Eijnden, R., Koning, I., Doornwaard, S., van Gurp, F. & Ter Bogt, T. The impact of heavy and disordered use of games and social media on adolescentsʼ psychological, social, and school functioning. J. Behav. Addict. 7, 697‒706 (2018). ⇒ 個⼈内(時間の変化)で起こるプロセスと、⼈と⼈との間で⽣じるプロセス の2つを切り分けて分析できないのが要因では? 個⼈内(時間の変化)で起こるプロセス、つまり⼀個⼈のTwitter利⽤前と利 ⽤後の⼼理的変化を捉えるサーベイを⾏い、回帰分析でTwitterの効果を明ら かにすることを⽬指す
  5. 5 4VSWFZํ๏ Survey対象 l ⽶国のTwitterアカウントを所有する252⼈の参加者 l アンケート参加者に前もって、性別、年齢などの基礎情報や、ビッグファイ ブ性格質問票を実施 l 調査期間:

    7⽇間 l 1⽇に5回、午前9時から午後10時のランダムな時間帯に、少なくとも2時間の間隔を空け てサーベイ調査を送信 ⇒ 1⼈に対して何回もサーベイを⾏うことで、Twitter利⽤前と利⽤後による効果を検証 l 最低限の回答で5ドルの報酬
  6. 6 4VSWFZํ๏ 質問内容 Twitterについて ⼼理的特性について l 「30分以内にTwitterを利⽤したか?」 l (利⽤していた場合) l

    Twitterの利⽤機能について(Behavior) l Twitterの利⽤動機について(Function) 社会的相互について l 幸福感、経験した感情、感情の偏り、帰属意識など
  7. 7 4VSWFZํ๏ 質問内容:Twitterの利⽤機能について(Behavior) l タイムラインを⾒る l Like l Retweet l

    Tweetする l 返信する l DMする l トレンドトピックを⾒る l 他の⼈のプロフィールを⾒る
  8. 8 4VSWFZํ๏ 質問内容:Twitterの利⽤動機について(Function) l entertainment factor:⾃分を楽しませるため/楽しむため l escapism factor:気を紛らわすため l

    social interaction factor:コミュニティやグループと交流するため l self-promotion factor:⾃分⾃⾝や⾃分の仕事を宣伝するため l information seeking factor:情報やインスピレーションを求めるため
  9. 9 4VSWFZํ๏ 質問内容:Twitterの利⽤動機について(Function) l entertainment factor:⾃分を楽しませるため/楽しむため l escapism factor:気を紛らわすため l

    social interaction factor:コミュニティやグループと交流するため l self-promotion factor:⾃分⾃⾝や⾃分の仕事を宣伝するため l information seeking factor:情報やインスピレーションを求めるため
  10. 10 4VSWFZํ๏ 質問内容:⼼理的特性について l ⼼の動きに関するものを5段階のリッカート尺度で質問 l Well-being: positive/negativeな感情の度合い l Sad

    l Afraid l Joyful l Angry l Sense of belonging: グループに属している感覚があるかどうか l Polarization: 0から100の値でどちらの極性に良い感情を持ってるか
  11. 12 4VSWFZํ๏ 質問内容 Twitterについて ⼼理的特性について l 「30分以内にTwitterを利⽤したか?」 l (利⽤していた場合) l

    Twitterの利⽤機能について(Behavior) l Twitterの利⽤動機について(Function) 社会的相互について l 幸福感、経験した感情、感情の偏り、帰属意識など
  12. 13 ෼ੳํ๏ Multi-level Bayesian Model l ユーザの個⼈の効果(ランダム効果)と、効果が個⼈の中の変化(within)、 もしくは、個⼈同⼠の差(between)によるのかをを考慮する回帰モデル設計 𝑌! =

    𝛽" 𝑌!#" + 𝛽$ 𝑋!#" + 𝛽%&!'&&( 𝑋)&*( + 𝛽'+!,+( 𝑋! +(𝑌!#" + 𝑋!#" + 𝑋! |𝑝𝑎𝑟𝑡𝑖𝑐𝑖𝑝𝑎𝑛𝑡) 𝑌! :関⼼のある結果, 𝑋! : 時間𝑡における予測変数, 𝑋"#$% : 対象の予測変数の全体平均
  13. 14 ෼ੳํ๏ Multi-level Bayesian Model l ユーザの個⼈の効果(ランダム効果)と、効果が個⼈の中の変化(within)、 もしくは、個⼈同⼠の差(between)によるのかをを考慮する回帰モデル設計 𝑌! =

    𝛽" 𝑌!#" + 𝛽$ 𝑋!#" + 𝛽%&!'&&( 𝑋)&*( + 𝛽'+!,+( 𝑋! +(𝑌!#" + 𝑋!#" + 𝑋! |𝑝𝑎𝑟𝑡𝑖𝑐𝑖𝑝𝑎𝑛𝑡) 𝑌! :関⼼のある結果, 𝑋! : 時間𝑡における予測変数, 𝑋"#$% : 対象の予測変数の全体平均 前回のサーベイ調査の 結果をコントロール
  14. 15 ෼ੳํ๏ Multi-level Bayesian Model l ユーザの個⼈の効果(ランダム効果)と、効果が個⼈の中の変化(within)、 もしくは、個⼈同⼠の差(between)によるのかをを考慮する回帰モデル設計 𝑌! =

    𝛽" 𝑌!#" + 𝛽$ 𝑋!#" + 𝛽%&!'&&( 𝑋)&*( + 𝛽'+!,+( 𝑋! +(𝑌!#" + 𝑋!#" + 𝑋! |𝑝𝑎𝑟𝑡𝑖𝑐𝑖𝑝𝑎𝑛𝑡) 𝑌! :関⼼のある結果, 𝑋! : 時間𝑡における予測変数, 𝑋"#$% : 対象の予測変数の全体平均 ランダム効果
  15. 16 ෼ੳํ๏ Multi-level Bayesian Model l ユーザの個⼈の効果(ランダム効果)と、効果が個⼈の中の変化(within)、 もしくは、個⼈同⼠の差(between)によるのかをを考慮する回帰モデル設計 𝑌! =

    𝛽" 𝑌!#" + 𝛽$ 𝑋!#" + 𝛽%&!'&&( 𝑋)&*( + 𝛽'+!,+( 𝑋! +(𝑌!#" + 𝑋!#" + 𝑋! |𝑝𝑎𝑟𝑡𝑖𝑐𝑖𝑝𝑎𝑛𝑡) 𝑌! :関⼼のある結果, 𝑋! : 時間𝑡における予測変数, 𝑋"#$% : 対象の予測変数の全体平均 Between: 対象ユーザの 変数の効果
  16. 17 ෼ੳํ๏ Multi-level Bayesian Model l ユーザの個⼈の効果(ランダム効果)と、効果が個⼈の中の変化(within)、 もしくは、個⼈同⼠の差(between)によるのかをを考慮する回帰モデル設計 𝑌! =

    𝛽" 𝑌!#" + 𝛽$ 𝑋!#" + 𝛽%&!'&&( 𝑋)&*( + 𝛽'+!,+( 𝑋! +(𝑌!#" + 𝑋!#" + 𝑋! |𝑝𝑎𝑟𝑡𝑖𝑐𝑖𝑝𝑎𝑛𝑡) 𝑌! :関⼼のある結果, 𝑋! : 時間𝑡における予測変数, 𝑋"#$% : 対象の予測変数の全体平均 Within: 対象ユーザの 変数の効果
  17. 18 ෼ੳํ๏ Multi-level Bayesian Model 𝑌! = 𝛽" 𝑌!#" +

    𝛽$ 𝑋!#" + 𝛽%&!'&&( 𝑋)&*( + 𝛽'+!,+( 𝑋! +(𝑌!#" + 𝑋!#" + 𝑋! |𝑝𝑎𝑟𝑡𝑖𝑐𝑖𝑝𝑎𝑛𝑡) l 例: ツイッターの利⽤がWell-beingに対してどのような効果をもたらすか? l 𝑌! : 時間𝑡におけるWell-beingの値 l 𝑋! : 時間𝑡にTwitterを利⽤したかどうか (0 or 1) l 𝑋"#$% : サーベイ期間全体において対象のTwitter利⽤の平均値 (0 -- 1) l 𝛽&#!'##% (個⼈間変動): Twitterを利⽤する⼈のWell-beingの傾向 l 𝛽'(!)(% (ݸਓ಺มಈ): Twitterを利⽤したことによるWell-beingの変化
  18. 19 ෼ੳํ๏ Multi-level Bayesian Model l ユーザの個⼈の効果(ランダム効果)と、効果が個⼈の中の変化(within)、 もしくは、個⼈同⼠の差(between)によるのかをを考慮する回帰モデル設計 𝑌! =

    𝛽" 𝑌!#" + 𝛽$ 𝑋!#" + 𝛽%&!'&&( 𝑋)&*( + 𝛽'+!,+( 𝑋! +(𝑌!#" + 𝑋!#" + 𝑋! |𝑝𝑎𝑟𝑡𝑖𝑐𝑖𝑝𝑎𝑛𝑡) ランダム効果 前回のサーベイ調査の 結果をコントロール 𝑌! : 関⼼のある結果, 𝑋! : 時間𝑡における予測変数, 𝑋"#$% : 対象の予測変数の全体平均 Between: 対象ユーザの 変数の効果 Within: 対象ユーザの 変数の効果
  19. 24 ٞ࿦ 論⽂を読んで… l Surveyに25ドル × 7⽇ × 約300⼈なので約52500ドルぐらいは掛かってる …?

    l 論⽂から回帰モデルを完全に理解するのが難しいが、公開されてるコードが 簡単なのでそこから回帰モデルの形が理解できる l 細かなテクニックがいくつか⾒られる l Survey調査の有効⼈数の決定にMulti-level Simulationの活⽤ l Twitterの使い⽅のMotivation (Functions)の5分類の決め⽅もちゃんとしており、参考になる (Supplementに記載)