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社会への滑走路 -経済合理性と未来の構築-

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January 15, 2026

社会への滑走路 -経済合理性と未来の構築-

1. 事業背景:教室の「ゼロ」を、社会の「イチ」へ
播磨エリアには現在、約4,000人の不登校児童生徒が存在します。そのうち、既存の支援機関(フリースクール等)に繋がっているのはわずか3.7%に過ぎません。残りの96%(約3,850人)は、誰にも相談できず、社会との接点を持たないまま「静かな撤退」を選択しています。
彼らの多く(30.1%)が抱えるのは「無気力・不安」であり、必要なのは「治療」や「学校復帰への説得」ではありません。彼らが求めているのは、社会の中で自分を肯定できる「役割」と、自分を大人として扱ってくれる「プロフェッショナルな他者」との出会いです。
合同会社足跡(LLC Ashiato)は、この未開拓の96%層に対し、**「学校への復帰」ではなく「社会への出発」をゴールとする新しいルート(社会への滑走路)**を構築します。

2. 経済合理性:善意をシステムで超える「2:4:2:1」の法則
本事業の最大の特徴は、福祉的課題を解決するために、徹底した「経済合理性」を採用している点にあります。寄付や補助金という不安定な「善意」には依存しません。
① キャンプ収益による「福祉コスト」の完全補填
週末に一般ファミリー向けに提供するキャンプ事業(単価1.5万円)を収益エンジンとします。 **「キャンプ1組(1.5万円)の売上は、平日フリースクール5人分(半日)の売上に匹敵する」**というユニットエコノミクスにより、平日の教育コストを週末のレジャー収益が自動的にカバーする構造を実現しました。
② 搾取を生まない資金分配ルール(2:4:2:1)
全ての売上は、個人の裁量ではなく、以下の比率で自動分配されます。
• 20%(経営戦略): 未来の開発費(CEO枠)。システム開発やメンター開拓へ。
• 45%(現場運営): 人への還元。スタッフ給与および、事業責任者(公務員)への将来報酬の積立。
• 25%(施設再投資): 場所への投資。ASOBOの改修や、後述する地域通貨の原資へ。
• 10%(経費): 固定費のミニマム化。
このアルゴリズムにより、スタッフの「やりがい搾取」を防ぎ、公務員である責任者の法的リスクをクリアしながら、組織の持続可能性を担保します。

3. 未来の構築:100人のメンターと「Ashiato Coin」
「説得」ではなく「仕組み」で子どもの行動変容を促す、2つの未来構築装置を実装します。
① 社会への扉を100枚つくる「リッチ・プログラム」
学校の先生の代わりに、エンジニア、職人、経営者など「100人のプロフェッショナル(メンター)」を配置します。多様な「異質な大人」との出会いが、学校という単一のモノサシで傷ついた子どもの自己評価を上書きし、社会へ飛び立つための滑走路となります。
② 「稼ぐ・使う」で街へ出る「Ashiato Coin」
無気力な子どもを外に連れ出すために、精神論ではなく経済的インセンティブを用います。 子どもたちはASOBOでの労働や探究活動を通じて地域通貨(Ashiato Coin)を稼ぎ、それを提携するメンターの店舗(カフェや書店)で使用します。
• 原資の循環: キャンプ客が増えるほど、売上の25%(再投資基金)が増え、子どもたちが使えるコインの発行量が増加します。
• 行動変容: 「稼いだポイントを使いたい」という健全な欲求が、引きこもりがちな子どもの背中を押し、物理的な外出(社会接続)を実現します。

4. 結論:稼ぐ力は、優しさに変わる
「社会への滑走路」とは、ビジネス(強欲)と福祉(善意)の対立構造を解消する実験です。 私たちは、キャンプ場で稼ぐことで不登校のコストを賄い、コインという経済システムで子どもの孤独を解消します。
教室で「ゼロ」になった子どもたちが、ここから社会の「イチ」へと歩み出す。 その足跡を刻むために、私たちは経済合理性という最強の武器を持って、未来を構築します。

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Hopin

January 15, 2026
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