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PE02 プログラミング教育導入の背景

PE02 プログラミング教育導入の背景

東京学芸大学 教育学部 共通SE科目
小学校におけるプログラミング教育

Naoki Kato

April 24, 2018
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Transcript

  1. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 共通SE科目 東 東京 京学

    学芸 芸大 大学 学 教 教育 育実 実践 践研 研究 究支 支援 援セ セン ンタ ター ー 加 加藤 藤直 直樹 樹 小学校における プログラミング教育 (2)プログラミング教育導入の背景
  2. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU はじめに 前回の記録 l プログラミングの経験は?

    l 情報教育の学生が半分いるのに 悲しい結果に 「バリバリかける」がいない
  3. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU はじめに 前回の記録 l プログラミングと聞いて思いつくのは?

    l 「プログラミング教育」 と聞いたのではないんだけど・・・
  4. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 社会の変化 (第一次)産業革命 右画像: “Maquina

    vapor Watt ETSIIM.jpg” by Nicolás Pérez is licensed under CC BY-SA 2.0 下画像:” Robert Stephenson's Rocket“ by William M. Connolley is licensed under CC BY 蒸気機関 機械化 大量生産 + 高速輸送 農業 ↓ 工業 資本家 と 労働者 第二次 エネルギー革命 大 工 場 化
  5. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 社会の変化 第二次産業革命(工業革命,電気革命) 中画像:LSDSL -

    Wikipedia Commons 左下画像:“Maquina vapor Watt ETSIIM.jpg” by Nicolás Pérez is licensed under CC BY-SA 2.0 内燃機関 軽工業 蒸気機関 石炭 ガス・石油 発電機 第二次 エネルギー革命 重化学工業 自動車 電気機関車 照明
  6. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 社会の変化 第三次産業革命 上画像:Photo by

    Computer Laboratory, University of Cambridge. 下画像:株式会社埼玉富士webサイトより http://www.saitamafuji.co.jp/fa/index.html 人 機械 機械の自動化 労働力 コンピュータ
  7. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 社会の変化 知識基盤社会と“情報化”社会とは 知識・情報が もっとも重要な資源

    知識の表現・伝達 が重要 情報 知識 情報通信機器の 普及・浸透 知識 知識
  8. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 日本の教育の対応 学習指導要領 l 旧旧学習指導要領(H1)

    n 教育活動の中でコンピュータ等の積極的活 用を促す n 中学校技術に「情報基礎」 l 旧学習指導要領(H11) n 教科等の指導にあたっては, 児童が・・・情報手段に慣れ親しみ, 適切に活用する学習活動を充実 n 高校普通教科「情報」が必修 n 中学校技術 「情報とコンピュータ」の一部必修
  9. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 日本の教育の対応 現行学習指導要領(H21) l 総則

    n 基本的な操作や情報モラルを身に付け,適 切に活用できるようにする学習活動を充実 l 道徳 n 道徳で情報モラル教育 l 中学校技術 n 「情報に関する技術」が必修に
  10. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 日本の教育の対応 現行学習指導要領(中学 技術・家庭) l

    「プログラムと計測・制御」が必修 n 情報処理の手順を考え 簡単なプログラムが作成できること 下図引用:全日本中学校技術・家庭科研究会 平成26年度 中学校 技術・家庭科に関する 第2回全国アンケート調査 http://ajgika.ne.jp/doc/2015enquete.pdf /175時間
  11. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 日本の教育の対応 現行学習指導要領(高校 情報) l

    社会と情報 n 該当なし l 情報の科学 n 問題の解法をアルゴリズムを用いて表現す る方法を習得させ、コンピュータによる処 理手順の自動実行の有用性を理解させる 0 10 20 30 40 50 2014 2015 2016 高校「情報」でプログラミングを 学んだ学生(%)(学芸大1年生)
  12. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 社会の変化 そして第四次産業革命 画像: Industry

    4.0(第4次産業革命)とは? ReadWrite Japan https://thinkit.co.jp/article/9597 AI,IoT →ビッグデータ 情報通信技術の高度化
  13. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の世界の動向 イスラエル l 使い方よりも、原理やプログラミングを

    教えるべきだ pJudith Gal-Ezer他:A High-School Program in Computer Science l 2000年,高校で「Computer Science」 n 90時間5ユニット中,2ユニット必修 n アルゴリズム的思考を開発し, アルゴリズムをプログラミングで実装する
  14. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の世界の動向 ハンガリー l 課題解決の手法という

    IT のテーマは、 教育上の目的の中においても、主要能力 (Key Competencies)・・・ l 2003年 初等教育(6~10歳) n 「Informatika」を導入 l 初等中等課程(6~15歳)必修化 n 9歳でアルゴリズム n 10,11歳で簡単なプログラミング n 14歳以上では改良手法も
  15. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の世界の動向 フィンランド l IT

    が生活を取り巻くようになったため、 全ての子供にソフトウエアについて基礎 的なことを学ぶ機会を与える l 2016年から順次 必修化 n 7,8歳で正確な指示を出すことを学ぶ n 9~12歳でビジュアルプログラミング n 13~15歳で汎用プログラミング言語
  16. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の世界の動向 イングランド(英国) n コンピュータは今や日々の生活の一部に

    なっており、そのテクノロジーは、私たち にとって、 家庭でも、仕事においても、 生活していく上で必要不可欠である。 Computational Thinkingは、子供たちが 将来働くための準備をし、このデジタル 社会に効果的に参加するために習得すべき 能力である。 l 2014年 「Computing」5~13歳必修化 n 5~10歳でビジュアルプログラミング n 11~15歳で汎用プログラミング言語
  17. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 国家戦略(IT総合戦略本部→戦略室) (H26~H28/2016.4) l

    一定数の突出した能力を有するIT人材育成 l 新たな産業をリードする高度なIT人材育成 + l あらゆる国民層に対して ITに係る能力を醸成するための取組 l 特に若年層に対するプログラミング教育 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 現社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 高度なIT利活用社会 (超スマート社会)
  18. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 国家戦略(IT総合戦略本部・戦略室) l プログラミング教育の重要性

    n 高度な IT 利活用社会における基礎スキル pプログラミングを通してITの仕組みを学べる n 「論理力」と「思考力」 pプログラミングの試行錯誤を通して, 論理力と思考力のサイクルを繰り返し, 課題解決に導く能力を醸成できる n 高度IT利活用人材の育成基盤の構築 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書
  19. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 今の日本に求められるもの 新たな価値の創造 対話・議論

    主体性 各々が多様な個性能力 自立 協働 説明 理解 問題 発見 解決法 探索 計画 実行 解決 振り返り
  20. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 今の日本に求められるもの 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化
  21. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 育成すべき資質・能力 創造 協働

    自立 生きる力 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能
  22. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 学習の基盤となる資質・能力 創造 協働

    自立 生きる力 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能
  23. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 情報活用能力を言語能力と同列に位置付け l 第2

    教育課程の編成 2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の 育成 (1) 各学校においては,児童の発達の段階を 考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラ ルを含む。),問題発見・解決能力等の学習 の基盤となる資質・能力を育成していくこと ができるよう,各教科等の特質を生かしつつ, 教科等横断的な視点から教育課程の編成を図 るものとする。
  24. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 情報活用能力の位置付け 創造 協働

    自立 生きる力 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切か つ効果的に活用して、問題 を発見・解決したり自分の 考えを形成したりしていく ために必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化
  25. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 情報教育の方針 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切かつ効果的に 活用して、問題を発見・解決したり自 分の考えを形成したりしていくために 必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 情報の科学的な理解に裏打ちされた 情報活用能力を育むことが重要
  26. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 次期学習指導要領の方針(高校 情報) l

    情報Ⅰ(必修) n Computer Science pプログラミング及びモデル化とシミュレーショ ン,ネットワーク,データベースの基礎 n 情報デザイン p情報コンテンツの制作・発信の基礎 n 情報モラル l 情報Ⅱ(選択) (参考)幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の 学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)
  27. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 次期学習指導要領(中学校 技術) l

    小学校におけるプログラミング教育の成果を生かし、 発展させるという視点(答申より) l 生活や社会における問題を, ネットワークを利用した双方向性のある コンテンツ と 計測・制御 のプログラミングによって解決する活動 n 安全・適切なプログラムの制作,動作の確 認及びデバッグ等ができる n 問題の見いだし課題を設定→システムを構 想→情報処理の手順を具体化→評価,改善 及び修正
  28. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 次期学習指導要領 小学校 中学校

    高校 科学的情報 社会的情報 科学的情報 (必修) 計測と制御 計測と制御 対話型 現行 次期
  29. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 小学校におけるプログラミング教育 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  30. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング体験 Hour of Code

    l https://hourofcode.com/jp/learn n 初めてのコンピュータープログラムを書く (ANGRY BIRDS)をクリアしよう!
  31. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに まとめ l 今日の授業で,

    新たに学んだこと, 理解が深まったこと, l Hour of Code の感想 を,Scrapboxに記載してください.