Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ICH S1C 発がん性研究の用量設定
Search
xjorv
October 31, 2020
Education
0
140
ICH S1C 発がん性研究の用量設定
ICH S1Cは発がん性の検証での用量の設定についてのガイドラインです。
xjorv
October 31, 2020
Tweet
Share
More Decks by xjorv
See All by xjorv
コンパートメントモデル
xjorv
3
5.7k
コンパートメントモデルをStanで解く
xjorv
0
460
生物学的同等性試験 検出力の計算法
xjorv
0
3.6k
生物学的同等性試験ガイドライン 同等性パラメータの計算方法
xjorv
0
6.3k
粉体特性2
xjorv
0
2.5k
粉体特性1
xjorv
0
2.9k
皮膜5
xjorv
0
2.4k
皮膜4
xjorv
0
2.3k
皮膜3
xjorv
0
2.3k
Other Decks in Education
See All in Education
フィードバックの伝え方、受け身のココロ / The Way of Feedback: Words and the Receiving Heart
spring_aki
1
160
Présentation_1ère_Spé_2025.pdf
bernhardsvt
0
390
SISTEMA DE MEMORIA Y SU IMPACTO EN LAS DECISIONES.
jvpcubias
0
170
DIP_1_Introduction
hachama
0
190
アントレプレナーシップ教育 ~ 自分で自分の幸せを決めるために ~
yoshizaki
0
200
HCI and Interaction Design - Lecture 2 - Human-Computer Interaction (1023841ANR)
signer
PRO
0
1.3k
20250830_MIEE祭_会社員視点での学びのヒント
ponponmikankan
1
170
Introduction - Lecture 1 - Human-Computer Interaction (1023841ANR)
signer
PRO
0
2.5k
大学院進学について(2025年度版)
imash
0
130
Alumnote inc. Company Deck
yukinumata
0
2.7k
万博マニアックマップを支えるオープンデータとその裏側
barsaka2
0
870
日本の情報系社会人院生のリアル -JAIST 修士編-
yurikomium
1
130
Featured
See All Featured
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
525
40k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
34
6.1k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
PRO
657
61k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
667
120k
A designer walks into a library…
pauljervisheath
209
24k
Stop Working from a Prison Cell
hatefulcrawdad
271
21k
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
237
140k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
180
9.9k
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
7
890
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
42
2.8k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
26
3.1k
Building Applications with DynamoDB
mza
96
6.6k
Transcript
ICH S1C 発がん性研究の用量設定 2020/10/25 Ver. 1.0
ガイドラインの概要 発がん性の検証に用いる用量の設定法を定める • 伝統的に3M毒性試験で決定したMTD*を用いてきた • 日本ではヒトでの1日最大用量を使用していた • MTDは多すぎるため、3局での同調を図る *MTD: Maximally
tolerated dose、最大耐性用量
げっ歯類での用量 4点を考慮する • ヒトで使用した場合の用量の余裕を持つ • 重篤な慢性の生理機能障害を生じない • ヒトと動物の研究結果から設定される • 臨床での使用を説明するのに足る結果を得る
用量決定のアプローチ 7つのアプローチを提供する 1. 毒性 2. 薬物動態学 3. 吸収の飽和 4. 薬力学
5. 実施可能な最大容量 6. 制限用量 7. その他
用量設定時に一般的に考慮されるべきこと 以下を考慮し、適切な用量を選択する • マウス・ラットの限られた品種で実施する • オス/メスでの用量を振った試験を行う • 投与経路を定めた状態で90日以上行う • 臨床使用を考慮した投与スケジュールを用いる
• 毒性プロファイルと用量限定毒性を調べる • 代謝プロファイルや酵素活性の変化を調べる
毒性のエンドポイント MTD以外のエンドポイントも許容する • MTD以外を使用する根拠は特に無い • 基本的にはMTDの使用を推奨する *EndpointはICHに頻出する単語だが、いまいち意味がわからない
薬物動態学的に決めるエンドポイント AUCから決定する方法 • 血漿の薬物濃度が器官での濃度を反映する • AUCは血漿濃度を最も反映するパラメータ
動物とヒトでのAUC比較 6点を考慮して比較する • 投与経路を定めた状態でげっ歯類の動態を調べる • 用量を振った試験での動態を調べる • ヒトとげっ歯類での代謝の類似性を調べる • 暴露量を科学的に判別する
• タンパク質への結合の種間差を考慮する • ヒトでの最大用量から動態データを取る
吸収の飽和(Saturation of Absorption) 吸収の飽和を考慮に入れてよい • 中・低用量の選択時に考慮する
薬力学的に決めるエンドポイント 有効成分に依存して用量が大きく異なる • 薬力学的に用量を多くできない点を考慮する • 生理・ホメオスタシスを妨げないことを考慮する • 低血圧・血液凝固抑制を指標とする
実行可能な最大用量 食事量の5%が最大とされている • 基本的に選択しないことを推奨する • 他の選択法があればそちらを選ぶ
制限用量(Limited dose) 1500mg/kg/dayを制限とする • げっ歯類ではヒトと比較し1ケタ多いと考えられている • ヒト用量が500mg/dayを超える場合は最大用量まで増加する
その他 よりよい方法があれば、その方法で用量を決めても良い • 科学的に正当化される必要がある • 使用の利点を評価する
中・低用量の使用 6点を考慮して決定する • 動態の用量直線性と代謝の飽和 • ヒトでの暴露と治療用量 • げっ歯類での薬力学応答 • げっ歯類の生理的変化
• 物理的情報と閾値効果 • 短期では予測できない毒性の亢進