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ICH S1C 発がん性研究の用量設定
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xjorv
October 31, 2020
Education
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ICH S1C 発がん性研究の用量設定
ICH S1Cは発がん性の検証での用量の設定についてのガイドラインです。
xjorv
October 31, 2020
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Transcript
ICH S1C 発がん性研究の用量設定 2020/10/25 Ver. 1.0
ガイドラインの概要 発がん性の検証に用いる用量の設定法を定める • 伝統的に3M毒性試験で決定したMTD*を用いてきた • 日本ではヒトでの1日最大用量を使用していた • MTDは多すぎるため、3局での同調を図る *MTD: Maximally
tolerated dose、最大耐性用量
げっ歯類での用量 4点を考慮する • ヒトで使用した場合の用量の余裕を持つ • 重篤な慢性の生理機能障害を生じない • ヒトと動物の研究結果から設定される • 臨床での使用を説明するのに足る結果を得る
用量決定のアプローチ 7つのアプローチを提供する 1. 毒性 2. 薬物動態学 3. 吸収の飽和 4. 薬力学
5. 実施可能な最大容量 6. 制限用量 7. その他
用量設定時に一般的に考慮されるべきこと 以下を考慮し、適切な用量を選択する • マウス・ラットの限られた品種で実施する • オス/メスでの用量を振った試験を行う • 投与経路を定めた状態で90日以上行う • 臨床使用を考慮した投与スケジュールを用いる
• 毒性プロファイルと用量限定毒性を調べる • 代謝プロファイルや酵素活性の変化を調べる
毒性のエンドポイント MTD以外のエンドポイントも許容する • MTD以外を使用する根拠は特に無い • 基本的にはMTDの使用を推奨する *EndpointはICHに頻出する単語だが、いまいち意味がわからない
薬物動態学的に決めるエンドポイント AUCから決定する方法 • 血漿の薬物濃度が器官での濃度を反映する • AUCは血漿濃度を最も反映するパラメータ
動物とヒトでのAUC比較 6点を考慮して比較する • 投与経路を定めた状態でげっ歯類の動態を調べる • 用量を振った試験での動態を調べる • ヒトとげっ歯類での代謝の類似性を調べる • 暴露量を科学的に判別する
• タンパク質への結合の種間差を考慮する • ヒトでの最大用量から動態データを取る
吸収の飽和(Saturation of Absorption) 吸収の飽和を考慮に入れてよい • 中・低用量の選択時に考慮する
薬力学的に決めるエンドポイント 有効成分に依存して用量が大きく異なる • 薬力学的に用量を多くできない点を考慮する • 生理・ホメオスタシスを妨げないことを考慮する • 低血圧・血液凝固抑制を指標とする
実行可能な最大用量 食事量の5%が最大とされている • 基本的に選択しないことを推奨する • 他の選択法があればそちらを選ぶ
制限用量(Limited dose) 1500mg/kg/dayを制限とする • げっ歯類ではヒトと比較し1ケタ多いと考えられている • ヒト用量が500mg/dayを超える場合は最大用量まで増加する
その他 よりよい方法があれば、その方法で用量を決めても良い • 科学的に正当化される必要がある • 使用の利点を評価する
中・低用量の使用 6点を考慮して決定する • 動態の用量直線性と代謝の飽和 • ヒトでの暴露と治療用量 • げっ歯類での薬力学応答 • げっ歯類の生理的変化
• 物理的情報と閾値効果 • 短期では予測できない毒性の亢進