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統計の基礎11 多重比較

xjorv
February 02, 2021

統計の基礎11 多重比較

統計の基礎11では、3群以上を比較する場合における平均値の差の検定である、多重比較検定について説明します。

xjorv

February 02, 2021
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  1. 多重比較とは? 3群以上の平均値の差を検定する方法 1組 2組 3組 55 57 76 48 37

    75 59 78 78 59 60 80 55 79 73 一元分散分析から派生する事が多い
  2. t検定を繰り返すときの問題 t検定のp値は、差がない確率 p値が0.05となる検定を3度繰り返すとき 3度全てにおいて差がない確率は 1 − (1 − 0.05) ×

    (1 − 0.05) × (1 − 0.05)=0.14 14%の確率で3度とも差がない=86%の確率で間違いを含む ことを示している
  3. 検定を繰り返すと… 検定結果の間違いを含む確率が上がる 検定結果の間違いは、第一の過誤に依存 棄却する 棄却しない 実際に 差がある 有意な差 棄却しなかったが 実際には差がある

    実際に 差がない 棄却したが 実際には差がない 差があるとは言えない 第一の過誤 第一の過誤を適切に調整し、間違いを含まないようにしたい 正しくはないが、 第一の過誤=p値 とおおむね思ってよい
  4. 第一の過誤の調整方法 たくさんある • Scheffeの方法 • Tukeyの方法 • Bonferroniの方法 • Holmの方法

    • Dunnettの方法 • Benjamini & Hochbergの方法 一元分散分析の続きとしては、Tukeyの方法が最も一般的
  5. Tukeyの多重比較検定 3群以上の総当り比較を行う方法 1組 2組 3組 55 57 76 48 37

    75 59 78 78 59 60 80 55 79 73 • 1-2組の差はp=0.55、 3-2組の差はp=0.12 • 1-3組の差はp=0.019
  6. t検定と比較してみる t検定では… • 1-2組の差はp=0.55 • 3-2組の差はp=0.12 • 1-3組の差はp=0.019 Tukeyの方法では •

    1-2組の差はp=0.425 • 3-2組の差はp=0.141 • 1-3組の差はp=6.1×10-5 Tukeyの方法では、p値を大きく見積もることで 第一の過誤を調整している *他の多重比較の方法でも同様にp値を大きく見積もる