Timeeさんの社内勉強会でLeSSの基本的な考え方・ハマりポイントについて講演した際の資料です。
Timeeさん LeSS講演 LeSSを始めてから軌道に乗せるまで 常松祐一 2022/4/27
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自己紹介 ● 常松祐一 (つねまつ ゆういち) ● SNSアカウント ○ tunepolo : ○ tune : ● Retty シニアマネージャー ● アジャイルの取り組みは6年目、LeSS導入の取り組みは5年目 ● LeSS導入は2社目 ● Certified LeSS Practitioner(多分失効)
LeSSとは?
1チームスクラム プロダクトバックログ(=取り組むこと)プロダクトオーナー(=意思決定者)スクラムマスター開発チームステークホルダースクラムチーム
複数チームスクラム プロダクトが部品に別れてしまう。チーム間での調整が困難
1チームスクラムで開発人数が増えた プロダクトバックログ(=取り組むこと)プロダクトオーナー(=意思決定者)スクラムマスター開発チームステークホルダースクラムチーム
LeSSの一番シンプルな形 プロダクトバックログ(=取り組むこと)プロダクトオーナー(=意思決定者)スクラムマスター& 開発チームステークホルダースクラムチームスクラムマスター& 開発チーム
LeSS 1つの大きなプロダクトを想定し、 1つのスクラムチームが開発すると考える。その上でボトルネックとなる箇所をスケールさせる。
LeSSの原理原則
プロダクト全体思考 https://less.works/jp/less/principles/whole-product-focus.html
システム思考 https://speakerdeck.com/tunepolo/system-thinking-introduction
LeSS導入時に注意すること
1チームスクラムがうまくいってから ● 「1チームスクラムがうまくできてから」2チーム体制にする。 ● 上手くできた状態がわかっていないと、「1チーム内でスクラムが上手くできてないのか」「2チームでのスクラムが上手くできてないのか」の区別がつけられない。
徐々に広げていく ● チームが関与するサービス・プロダクトの範囲が広がるため、習熟の期間が必要である。 ○ 新しい領域を学ぶため、パフォーマンスが落ちる。 ○ 2〜3ヶ月ぐらいは普通にかかると思った方が良い。 ● RettyでもtoC Webの立ち上げに3ヶ月、スマホアプリチームを入れて3ヶ月、toB Webの立ち上げはさらに3ヶ月の期間を置いた。
開発の優先順位をきちんと議論して決める ● 「全体として1つのスクラムを回す」意識を持つことが大事。 ● 2〜3の開発項目を並行して作る誘惑が起きやすいので、ステークホルダー含めて認識を揃えていく必要がある。 ● この議論が自然にできるのがLeSSの長所とも言える。 ○ SpotifyモデルやScrum@Scaleはチームの裁量という名目で誤魔化しやすいのではないか?
Retty導入時に苦労したこと
想定していた難しさ、想定外だった難しさ ● 想定していた難しさ ○ かつてのエンジニアリソースを持っていたマネージャー(PO)、営業、エンジニアの反発 小さく導入したチームの成果を見せながら、徐々に話しながら解決していきました。 ● 想定外の難しさ/現在直面している課題 ○ エンジニア-PMのコミュニケーションやリファインメントの質の向上 ○ よりアウトカムを上げるために、エンジニアとPMでいかにユーザーストーリーをブラッシュアップしていくか https://engineer.retty.me/entry/RSGT2021
まとめ
まとめ ● LeSSは一番シンプルなスクラムのスケーリングフレームワークです。 ● LeSSで特に意識すべきポイント ○ プロダクト全体思考 ○ システム思考 ● うまくいけば成果が2〜3ヶ月で感じられ始めますが、長期で取り組む必要があります。
LeSS以外のスケーリングフレームワーク
Spotifyモデル プロダクトを独立してデリバリーできる単位で区切り、裁量を持たせる。【Good】チームごとの高い自律性【Bad】アジャイルの深い理解がないと実践が難しい。
Scrum@Scale スクラムチームの代表者でスクラムを実施し、同期を取る。【Good】チーム間の繋がりが緩やか【Bad】“スクラムをやっている感 ”になりやすいのでは?
SAFe 経営層からのトップダウンによるアジャイル。【Good】超大企業でも導入できる。【Bad】これはアジャイルなのか ?
おまけ
Less.workshttps://less.works/
LeSS (大規模スクラム)概要〜図解https://youtu.be/1BZf_Oa7W94
認定LeSS実践者研修https://training.odd-e.jp/course-detail/16
書籍大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS) アジャイルとスクラムを大規模に実装する方法榎本 明仁 (監修, 翻訳), 木村 卓央 (翻訳), 高江洲 睦 (翻訳), 荒瀬 中人 (翻訳), 水野 正隆 (翻訳), 守田 憲司 (翻訳)出版社: 丸善出版 (2019/1/30)